ダメダメ人間なお隣さん

Donner

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4. 親睦を深めよう

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「できたァ!!」


ㅤある日、土曜日深夜二時。ボク哀良あいらは隣から聞こえてきた奇声によって目を覚ました。声からして多分冨宇ふうさんだが、少しは時間を考えて欲しい。今どんな時間だと思っているんだ一体。
ㅤ注意しようと彼女の部屋のインターホンを鳴らす。するとしばらく間を置いてからいきなりドアが開き、彼女は、
「できたよ哀良くーんっふふ…褒めて褒めて」
ㅤと撫でてと言わんばかりにこちらに笑顔を見せてくる。仕方なく、ボクは彼女の頭を撫でてあげた。
「えへへぇ」
ㅤ充分撫で回したところだしそろそろ本題へ。
「ところでその、出来たものとは」
「むふふ…それでは中へ」
ㅤ無理やり彼女に連れられた。自分の部屋は戸締りしてあるから心配はいらない。


ㅤ部屋に入ると彼女の机には結構な量のカフェインが入っているであろうエナジードリンクの缶が大量に。もはやキーボードも見えない。彼女がその缶を押しのけ、マウスを探し当てると、
「私ね、こんなの作ってるんだよねぇ。今回はリズムゲーム(β版)※1 作者の趣味とは全く関係ありません。これコントローラも自作だから結構疲れたんだよねぇ」
ㅤそこまでしたのかよ。結構いいつくりしてる。しかし彼女、そこまで機械に強いとは、もしかして。
「そういえば冨宇さんって大学時代学部ってどこでした?」
「あー、工学部。じゃないとあんな機械作ってない、ってゆうとちょっとわからない」
ㅤでしょうね。事実、ボクが入っていない部屋がひとつあったけれど、それについては彼女に案内された。その部屋は完全防音で中にはあれを作るための機械が並んでいた。詳しくは教えてくれなかったけれど、彼女がすごい人だということだけわかった。


ㅤさて本題。そのコントローラはフレームが四角く、その一辺毎にボタンが二つ。中心にはまたボタンが二つ。それを背負い、これは位置情報を読み取ることができるので障害物を避けながらどうのこうの。ちなみに曲はやってみると意外と頭を使い、しかしそれ以上に体力を使ってしまう。彼女曰く、この段階ではまだβ版。コントローラが重く、それのせいで動きづらく、それが課題らしい。コントローラのプラスチック要素を増やしたり、なんか持ちやすくするというのが今の解決策。
ㅤしかし、曲がいい。ゲームのクレジットを見ると結構有名所から楽曲の提供があるではないか。ボクはこう見えてもジャンルは偏るが音楽が好き※2 作者の趣味とは全く関係ありませんハードスタイル音楽のジャンルで低いBPMにキックハードルネッサンス音楽のジャンルだが定義は曖昧詳しくはググれなど、豊富。そんなことはどうでもよくて。


ㅤじゃまたねぇ、といういつもの挨拶で今日は別れた。彼女の趣味を知って半ば緊張しているのかどうかは知らないけれど、でも、意外にも好きなジャンルは当てはまったので少し安心。学校だと全くいないんだよね、同趣味の人。だから共通の趣味を持てるのはいいことだと思い、その場に寝込んだ。
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