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六冊目 ハロウィンナイト ~おれたちの推しインキュバスをオオカミから全力で守る会~
……④
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「も……もふもふだぁ……うわあ……たまんねえ……こんな勝行、みんなの前にみせんの、いやだ。俺だけのがいい」
光はごちそうを前にした犬のような目を輝かせて、勝行の女装姿を舐めるように見つめてくる。さっき自分が思ったことと同じ気持ちをそのまま声にされて、勝行は思わず耳まで真っ赤に茹で上がった。彼はどうしてこうも簡単に思ったことを口にできるのだろうか。いつもながら、『男として』負けてばかりな気がして悔しい。
他人相手ならいくらでもおべっかが言えるくせに、本気で好きな相手になった途端、素直に言えない自分が情けない。
「お……俺だってほんとは……こんな衣装のお前……誰にもせたくないっていうか……その……」
「え? お前、こーゆー服が好きなのか?」
「あ、い、いや、そういうわけじゃ」
「そういえばお前、女の水着の写真とか、好きでよく見てるよな。あと、おっぱいデカイの」
「べ、別に! いいだろそんなのっ、男なんだし」
「俺さすがにおっぱいはないわ……」
焦ったものの、しょんぼりしながらぺたんこな自分の胸を見つめる光が可愛すぎて、今すぐ抱きしめ返したくなる。ちっとも落ち着けなくて、感情抑制が追い付かない。
「い、いらない……そんなのあったら俺が困る」
「困る? なんで。いっつも俺の乳首、勝手に触るくせに」
「はうっ……」
(し、しっかりバレてる!? 夜さわりまくってるの)
「こんな服着たらヒョロいのバレるから悔しいなあ。腹筋ほしいなあ。あ、でも最近体重元に戻ったし、ちょっと肉付いたと思わね? ほら、触ってみ」
「ちょっ……」
楽し気に自分の露出した腹を無理やり触らせてくる光があまりにもバカで、その素肌がどうしようもなくエロくて――何だか無性に苛つく。
これまで我慢していた色々な感情が「ブツン」と音を立てて弾け飛んだ。
(もう……ユ ル サ ネ エ)
顔面に青筋を立てた勝行は、目の前の光の首をがっしり掴むと真後ろのソファに押し倒し、馬乗りになって抑えつけた。
「ぅ、ぐ……っ、な……なにす」
「おい。俺の許可なくこういうのを他人に見せて触らせんじゃねえよ、このエロバカ。ざけんじゃねえ……何が淫魔だ、無自覚に誘いまくりやがって」
「へ……」
その目は完全に座っていて、紅く血走り、声も低い。まるで別人のような様相で光の首と頭を絞めつけながらブツブツと文句を零している。光は両手で必死に抵抗しながら苦し気に下から見上げるのが精いっぱいだ。
やがて彼は半笑いで「いいもの見ぃつけた」と自分の衣装袋から何やら取り出した。
それは狼男の衣装の一部、黒い革製の首輪。どう見ても犬用――青ざめた光の喉から、ごくりと生唾を飲み込む音がする。
「淫魔が勝手にそこらの男の精液搾取してこないよう、鎖繋いで管理しとかねえと」
「か……勝行……なんか人格入れ替わってね? おまえ、もしかして……」
「なんか言ったか、バカ悪魔」
「やっぱりブラックにすり替わってんじゃねえか! どうすんだよライブ!」
「煩い、エロ悪魔はこの首輪つけて大人しくしてろっ、お前の飼い主はオレだ!」
「飼い主っ……て今回はお前の方が獣担当っ、ちょ、やめ……あ、やぁ、んんっ」
「首輪ひとつ付けるのにエロい声出してんじゃねえよこのクソビッチが!」
この狼男、怖すぎる。――スカート履いているけれど。
「こんな感度のいい身体で表に出るたあ、いい根性してんなあ……? 出番の前に調教が必要か」
「ひぅっ……や、耳……こそば……やめ……っ」
狼男は耳元で厭らしく囁きながらじゅるりと舐めたり吸ったり噛みついたり。いつもの彼の【お仕置き】の始まりだ。光はふるふる震えながら抵抗を続ける。だがその声はもうすっかり蕩けていた。
「いいか、光。そもそもハロウィンナイトってのには可愛い美少年には目がない化け物がいっぱい来るんだ。お前、こわーい狼やらオバケ共に誘拐されて、上から下まで全部喰われたいのか?」
その言葉を聞いて、ホラー系の苦手な光の顔から血の気が失せる。
「ひっ……い……いやだ……オバケ……」
「だったら大人しく俺の言うこと聞いて貞操を守れ天然エロバカ野郎が……この程度でアンアン善がってんじゃねえ」
「んあっ、そこダメ、あ、あっ……あああああーっ」
見た目だけ可愛い狼に組み敷かれたまま、首にがっつり装具を嵌められ、ついでに新しいキスマークまで付けられた光は、ライブハウス開店直前まで情けない喘ぎ声をあげ続けた。
光はごちそうを前にした犬のような目を輝かせて、勝行の女装姿を舐めるように見つめてくる。さっき自分が思ったことと同じ気持ちをそのまま声にされて、勝行は思わず耳まで真っ赤に茹で上がった。彼はどうしてこうも簡単に思ったことを口にできるのだろうか。いつもながら、『男として』負けてばかりな気がして悔しい。
他人相手ならいくらでもおべっかが言えるくせに、本気で好きな相手になった途端、素直に言えない自分が情けない。
「お……俺だってほんとは……こんな衣装のお前……誰にもせたくないっていうか……その……」
「え? お前、こーゆー服が好きなのか?」
「あ、い、いや、そういうわけじゃ」
「そういえばお前、女の水着の写真とか、好きでよく見てるよな。あと、おっぱいデカイの」
「べ、別に! いいだろそんなのっ、男なんだし」
「俺さすがにおっぱいはないわ……」
焦ったものの、しょんぼりしながらぺたんこな自分の胸を見つめる光が可愛すぎて、今すぐ抱きしめ返したくなる。ちっとも落ち着けなくて、感情抑制が追い付かない。
「い、いらない……そんなのあったら俺が困る」
「困る? なんで。いっつも俺の乳首、勝手に触るくせに」
「はうっ……」
(し、しっかりバレてる!? 夜さわりまくってるの)
「こんな服着たらヒョロいのバレるから悔しいなあ。腹筋ほしいなあ。あ、でも最近体重元に戻ったし、ちょっと肉付いたと思わね? ほら、触ってみ」
「ちょっ……」
楽し気に自分の露出した腹を無理やり触らせてくる光があまりにもバカで、その素肌がどうしようもなくエロくて――何だか無性に苛つく。
これまで我慢していた色々な感情が「ブツン」と音を立てて弾け飛んだ。
(もう……ユ ル サ ネ エ)
顔面に青筋を立てた勝行は、目の前の光の首をがっしり掴むと真後ろのソファに押し倒し、馬乗りになって抑えつけた。
「ぅ、ぐ……っ、な……なにす」
「おい。俺の許可なくこういうのを他人に見せて触らせんじゃねえよ、このエロバカ。ざけんじゃねえ……何が淫魔だ、無自覚に誘いまくりやがって」
「へ……」
その目は完全に座っていて、紅く血走り、声も低い。まるで別人のような様相で光の首と頭を絞めつけながらブツブツと文句を零している。光は両手で必死に抵抗しながら苦し気に下から見上げるのが精いっぱいだ。
やがて彼は半笑いで「いいもの見ぃつけた」と自分の衣装袋から何やら取り出した。
それは狼男の衣装の一部、黒い革製の首輪。どう見ても犬用――青ざめた光の喉から、ごくりと生唾を飲み込む音がする。
「淫魔が勝手にそこらの男の精液搾取してこないよう、鎖繋いで管理しとかねえと」
「か……勝行……なんか人格入れ替わってね? おまえ、もしかして……」
「なんか言ったか、バカ悪魔」
「やっぱりブラックにすり替わってんじゃねえか! どうすんだよライブ!」
「煩い、エロ悪魔はこの首輪つけて大人しくしてろっ、お前の飼い主はオレだ!」
「飼い主っ……て今回はお前の方が獣担当っ、ちょ、やめ……あ、やぁ、んんっ」
「首輪ひとつ付けるのにエロい声出してんじゃねえよこのクソビッチが!」
この狼男、怖すぎる。――スカート履いているけれど。
「こんな感度のいい身体で表に出るたあ、いい根性してんなあ……? 出番の前に調教が必要か」
「ひぅっ……や、耳……こそば……やめ……っ」
狼男は耳元で厭らしく囁きながらじゅるりと舐めたり吸ったり噛みついたり。いつもの彼の【お仕置き】の始まりだ。光はふるふる震えながら抵抗を続ける。だがその声はもうすっかり蕩けていた。
「いいか、光。そもそもハロウィンナイトってのには可愛い美少年には目がない化け物がいっぱい来るんだ。お前、こわーい狼やらオバケ共に誘拐されて、上から下まで全部喰われたいのか?」
その言葉を聞いて、ホラー系の苦手な光の顔から血の気が失せる。
「ひっ……い……いやだ……オバケ……」
「だったら大人しく俺の言うこと聞いて貞操を守れ天然エロバカ野郎が……この程度でアンアン善がってんじゃねえ」
「んあっ、そこダメ、あ、あっ……あああああーっ」
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