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Lv.1 ゲームフレンド ≧ リア友
10 期間限定の友だち
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小さい頃は流行りのゲームさえ持っていれば難なくコミュニケーションがとれた。携帯ゲーム機をもって公園に行けば、友人は「何やってんの」「通信対戦しようぜ」と言って寄ってくる。それだけで会話は成立。調子に乗ってモンスター図鑑を全部丸暗記したり、マップを見ただけでどこの何かすぐ言うと、ゲーム中だけは友人から頼られる存在になれる。
そんな自分に酔いしれていた。
いつからだろう。ゲームを持って公園にいても、誰も寄ってこなくなったのは。
顔を見て話せと怒られ、お前はゲーム中毒かと気味悪がられ。手に持ってくるアイテムはゲーム機からスマホへ、興味関心は配信や部活動へと変わっていく。変わらずあるものなんて、圭太のそばにはゲーム以外存在しなかった。
だから友だちというものは、最初から期間限定のものだと思うことにした。
「ずっと同じのが好きってすげえな!」
なんて言ってくれた《肉食べいこ》との関係も、いずれ消えていくのだろう。滝沢だって口では楽しそうとか言ってるけど、本当か嘘かもわからない。
「ずっと好きなもんを好きに愛でて何が悪いのさ!」
ゲームをプレイしながら叫ぶサナのキンキン声は、そのまま圭太の本心とシンクロする。
「何。今度はどうしたの」
「こないだ荒らしコメきた奴、ムカついたからブロックして追い出したんだ」
「荒らし?」
「FCOなんてクソゲーまだやってんの、的な公式に対する侮辱吐く奴だったから。だったら観んなよって思うじゃん? 私、FCOのイベント速報配信がメインなんだからさ」
「マジか……」
なるほど。人の好きなものを罵倒するろくでもない人間が来たなら圭太も秒殺する。
ネットという場所は世界中の誰とでも繋がる反面、相手を生かすも殺すも己の指一本次第なのだ。
FCOにハマってひとりの殻に閉じこもっていた頃。サナのゲーム配信で知り合ったゲーム仲間「フレンド」を、ぽつぽつとネット世界で手に入れた。顔も本名も知らないけれど、好きなゲームのことだけを話しても許される。偽名とIDだけでつながる関係。何らかで相手と気まずくなっても、何も言わず指ひとつで消去ボタンを押せば、一瞬で消せる。
「ブロック機能は秀逸だよな。お互い見なきゃ平和でいられるんだから。これ以上関わらないで済む」
「それな。でもリア充はすぐ騒ぎやがる。あいつにブロックされたー! とか言ってさ。陰口コソコソしたりしてさ」
「ああ……リアルだと、どんなに嫌いでも絶対お互いの存在を消去できないじゃないか。どっちか消したらマジで人生終わりだし。だから余計気まずいし、モヤるんじゃない」
「そっかー。なるほど、それか! いいこと言うな、ケイタ」
つい最近そんなことがあったばかりだからな。
なんて呟くと、サナから質問攻めにあう気がしたので黙ってゲームに集中する。サナこと、推しキャラのケモ耳ロリメイドが先陣切って敵陣隊にデバフ魔法をかけてくれる。耳とポニーテールとしっぽがふわふわ揺れる後ろ姿を見ながら、弱体化した敵を綺麗になぎ倒していく。
「わたしは何言われても平気だけど、そいつの残したコメント見てリスナーが嫌な思いすんのイヤなんだよな。叩きはクズの所業だろ。まあ、好きなもんを好きに配信しすぎて、もともとリスナー増えねえけどな!」
「サナがそれでいいなら、いいんじゃない。僕は賛同する」
「ケイタがずっと観ててくれるから、やめずにいられるんだよ」
二人きりでプレイしたせいか、そんな真面目で込み入った話が盛り上がり、サナとは真夜中まで遊んでしまった。だがおかげで圭太の気持ちも少し整理がついた。
自分の都合でフレンドのあるなしを選べる世界の方が、きっと自分らしく生きられる。いつまでもリアルの友達ともっと仲良くなりたいなどと言って、女々しく追いかけるのはやめよう。今ある関係だけを楽しんで、終わればフレンド一覧から奴らを消せばいい。
そんな自分に酔いしれていた。
いつからだろう。ゲームを持って公園にいても、誰も寄ってこなくなったのは。
顔を見て話せと怒られ、お前はゲーム中毒かと気味悪がられ。手に持ってくるアイテムはゲーム機からスマホへ、興味関心は配信や部活動へと変わっていく。変わらずあるものなんて、圭太のそばにはゲーム以外存在しなかった。
だから友だちというものは、最初から期間限定のものだと思うことにした。
「ずっと同じのが好きってすげえな!」
なんて言ってくれた《肉食べいこ》との関係も、いずれ消えていくのだろう。滝沢だって口では楽しそうとか言ってるけど、本当か嘘かもわからない。
「ずっと好きなもんを好きに愛でて何が悪いのさ!」
ゲームをプレイしながら叫ぶサナのキンキン声は、そのまま圭太の本心とシンクロする。
「何。今度はどうしたの」
「こないだ荒らしコメきた奴、ムカついたからブロックして追い出したんだ」
「荒らし?」
「FCOなんてクソゲーまだやってんの、的な公式に対する侮辱吐く奴だったから。だったら観んなよって思うじゃん? 私、FCOのイベント速報配信がメインなんだからさ」
「マジか……」
なるほど。人の好きなものを罵倒するろくでもない人間が来たなら圭太も秒殺する。
ネットという場所は世界中の誰とでも繋がる反面、相手を生かすも殺すも己の指一本次第なのだ。
FCOにハマってひとりの殻に閉じこもっていた頃。サナのゲーム配信で知り合ったゲーム仲間「フレンド」を、ぽつぽつとネット世界で手に入れた。顔も本名も知らないけれど、好きなゲームのことだけを話しても許される。偽名とIDだけでつながる関係。何らかで相手と気まずくなっても、何も言わず指ひとつで消去ボタンを押せば、一瞬で消せる。
「ブロック機能は秀逸だよな。お互い見なきゃ平和でいられるんだから。これ以上関わらないで済む」
「それな。でもリア充はすぐ騒ぎやがる。あいつにブロックされたー! とか言ってさ。陰口コソコソしたりしてさ」
「ああ……リアルだと、どんなに嫌いでも絶対お互いの存在を消去できないじゃないか。どっちか消したらマジで人生終わりだし。だから余計気まずいし、モヤるんじゃない」
「そっかー。なるほど、それか! いいこと言うな、ケイタ」
つい最近そんなことがあったばかりだからな。
なんて呟くと、サナから質問攻めにあう気がしたので黙ってゲームに集中する。サナこと、推しキャラのケモ耳ロリメイドが先陣切って敵陣隊にデバフ魔法をかけてくれる。耳とポニーテールとしっぽがふわふわ揺れる後ろ姿を見ながら、弱体化した敵を綺麗になぎ倒していく。
「わたしは何言われても平気だけど、そいつの残したコメント見てリスナーが嫌な思いすんのイヤなんだよな。叩きはクズの所業だろ。まあ、好きなもんを好きに配信しすぎて、もともとリスナー増えねえけどな!」
「サナがそれでいいなら、いいんじゃない。僕は賛同する」
「ケイタがずっと観ててくれるから、やめずにいられるんだよ」
二人きりでプレイしたせいか、そんな真面目で込み入った話が盛り上がり、サナとは真夜中まで遊んでしまった。だがおかげで圭太の気持ちも少し整理がついた。
自分の都合でフレンドのあるなしを選べる世界の方が、きっと自分らしく生きられる。いつまでもリアルの友達ともっと仲良くなりたいなどと言って、女々しく追いかけるのはやめよう。今ある関係だけを楽しんで、終わればフレンド一覧から奴らを消せばいい。
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