王子様はΩのうさぎに恋をする

さくら怜音/黒桜

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はじまりのお話

アルファうさぎ王国の第二王子

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王子様はオメガのうさぎに恋をする



ぼくはアルファうさぎ王国の第二王子。
「カツユキ」という名前がある。

この国は異国の世界と違って、ちょっと変わった不思議な現象がある。

生まれてくる時から、背に片翼を持っていること。
人間の姿をしているけれど、進化の過程で残された獣の耳や肉体的特徴を持っていること。

それから、性別が雄雌だけでなくて「アルファ」と「ベータ」と「オメガ」の三種類あること。

獣人のオメガバース世界と呼ばれるぼくらの世界には、たまに獣人じゃない「ノーマル人間」が空から落ちてくることもある。
彼らはだいたいぼくたち獣人を見ると、

異世界転生だ!
新しい世界にきたんだ!

って喜ぶ奴が多いんだって。でも、異世界から落ちてくる人間は病原菌を持っていたりして危ないから、ぼくたち王族は彼らと触れあえることは絶対ない。騎士のみんなやお手伝いがたくさんお城を取り囲んでいて、ぼくはお城から出たことが一度もない。

そんな箱入り王子だけど、いつか旅に出るのが夢なんだ。

片翼しか持たないぼくたちアルファうさぎの王族は、大きくなると「つがい」になる、反対側の翼をもつ子を国中探す旅に出る。
つがいっていうのは、簡単にいうと「お嫁さん」のことだ。
教育係のじいやが、そう教えてくれた。

ぼくたちの種族、アルファうさぎは高貴で希少なアルファの血を持つ皇族。だから子孫を必ず残さなければいけないというくだらないしきたりがある。
ぼくはしきたりなんてどうでもいいけれど、つがいには興味があるんだ。
どんな子なのかなあって。
ぼくの運命の人。

だからいつの日か旅に出て、運命の人を探すんだ。

来るその時のために、今日も分厚い文献を広げて勉強に励んでいる。


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