大胆不適な恋と戦い

史上最悪な再会

「さぁこれからゲームを開始します」
スピーカーから聞こえてくる、聞きなれない声。
いつもの幼稚い生徒の声では無く太く、低い、声。

そうこれから私達の命をかけたゲームの
始まり。

「これから戦っていただく相手をご紹介します。
さぁどうぞー！」
そう言われて私の目の前に現れたのは、
きっと敵のチームの人。
そうこれは、グループ戦でもあり、個人戦でもある、
生き残りが多いチームの勝ち。
負けたチームは、…生き残りがいたらそいつらも速攻死。

怖いゲーム。

敵のチーム載って人の顔は、逆光でハッキリ見えない。
と思ったら後ろの光りがパッと消えて相手の顔が確認できた。

その人は、舞美。
その人は、舞美。

舞美…
舞美…！

私の親友。
そして、２年間も行方不明で、探し続けた人。

嘘でしょ。

「さぁでは、目の前にある２つの銃好きな方をお取りください。
どちらかは偽物、どちらかは本物。
これは…運ですね。」
は。？
嘘でしょ。
本当に、不幸てのは、いっきに襲ってくるもんなのね。

スピーカーの向こうの誰かは、私達に考える暇も与えずに、言うのだ。
「では、レディーゴー！」

っ！
考えてる暇は、ない！


偽物であろうと構わない。

ダッ！
私が取ったのは…

               “本物”
               “本物”

嘘でしょ。

「舞美…」

「久しぶりね、神奈。」

「ええ」

「まさかこんな形で再会するとわね。」
私も思った。
「そうね。しかも私が殺す方なんて、」
「さぁ早く私を殺して？」

殺せない。
「殺せない。」
「殺して！」
せっかくまた逢えたのに。
ずっと探していたのに。

「早くっ！」
「でも、せっかくまた逢えたのに、
まさか私の手で、殺すなんて！できない！」
理性何て、働かない。
ただ本能のままに叫んでしまった。

「ねぇ覚えてる？」
ゆっくりと舞美が語り始めた。

「私達は、一蓮托生。て、言ったでしょ？」

「だから貴方が私を殺しても貴方が生きていれば私も生きている事になるの」

「だから私に殺せっていうの？」
“一蓮托生”
「そう」

無理だよ。

そんな時空気も読まずにスピーカーが音を鳴らした。
「さぁ後、30秒！急いで下さい！
撃たなかった場合両方死にます！」
嘘でしょ。

「ほら！後30秒！早く殺して！」
「っ…ごめんね…」

バンッ！
その衝撃が、まるで波のように全身に伝わってきた。

 もう何も考えられない。

“一蓮托生”

その文字だけが私の頭で、ガンガンと響いていた。