異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
89 / 252
第四章 ルインズガル大陸

第二十七話 アドスバーンにお泊り

しおりを挟む
「うん、凄かった。私もジーニ様と」
「唇と唇~」

 ララとフローラはそんな妄想を口にする。二人の目はジーニの唇へと向けられるがジーニは気付かずにいた。

「どうしたの二人共?」
「「うんん」」

 二人は首を横に振ったけど顔が赤くなってた。どうしたんだろう。

「こちらです」

 僕が二人の事を考えていると目的の部屋についたみたいでジェイラさんが扉を開け始めてた。とても大きな扉で中は玉座が見える。

 もちろんそこに座っているのはアドスバーン。

「お~待っていたぞ。ジーニ」

 玉座から駆け足でまだ部屋に入ってすらいない僕を抱き上げて玉座へと戻る。僕はアドスバーンの膝の上に座る事になる。

「ガイアは治ったのだな。ありがとう。そして私の右腕と左腕が仲良くなるという事か」
「ちょ!アドスバーン様。見ていたのですか?」

「はっはっは、私としてはもどかしかったのでな。そんな気がしただけさ」
「墓穴ですね...」

 アドスバーンのかまかけにジェイラさんは平常心を保てずに墓穴をほった。アドスバーンはとても爽快なようでニヤニヤと笑っている。

 現代だったら確実にセクハラで逮捕だぞ~。

「何でもいい良い子を作れ。このジーニのような」

 それもダメ~セクハラ~。でも褒められて悪い気はしないので何も言わない。

「アドスバーン様にからかわれるなんて....失礼します」
「ははは、ジェイラのあんな顔初めて見たな。それだけでもアステリアと同盟してよかった」

 アドスバーンはとてもご満悦。僕を抱き上げて掲げる。

「お~お~。でかくなって、アダマイオスを討ち滅ぼしたようじゃないか。この歳で武功を上げて何を望む?」
「あの人はずっと僕らを攻めようとしていたから倒しただけだよ。僕の友達も殺されたんだ。初めて僕は人を殺しちゃった」

 僕が俯いているとアドスバーンは笑って僕を擁護してくれた。

「ははは、人を殺して恐怖するか。しかしあの男は非戦闘員をも皆殺しにする鬼畜だ。殺されて当然だろう。殺していなかったら今頃アステリアの民が被害にあっていたと思うぞ」

 僕はアドスバーンの言葉に少し胸を撫でおろす。でもアダマイオスが死んだことに変わりはない。彼の関係者が僕に対して恨みを持つのも時間の問題だろう。

「何、心配するな。アドスバーンはいつでもアステリアの味方だ。.....それで話はかわるがガザード大陸にいくらしいじゃないか?」

 アドスバーンは僕らの身内しか知らないような情報を口に出した。僕は首を傾げて「なんで知っているの?」と聞いたんだけどアドスバーンは笑うだけだった。

「うん、賢者の塔のある街にいってフローラちゃんの治し方を調べようと思って」
「ふむ、そうか。しかし魔人化を治す方法とはまた凄い事を考えるな。俺ならば魔人のままいたいものだが」

 アドスバーンは首を傾げる。フローラちゃんも僕といられるからこのままがいいとか言っていたけどそういうわけにはいかないよ。フェイクは僕を倒す為だけにフローラちゃんを魔人化しちゃったんだ。

 だから僕はフローラちゃんを元に戻す義務があるんだよね。それにフローラちゃんの自壊は始まっちゃってるしね。

「....賢者の塔は賢者しか入れない。ルインズガルにも一人その賢者がいる。ガッジュにな」
「ガッジュ?」

 首を傾げる。ガッジュってどこだっけ?。

「ルインズガルの獣人の街って言われています。でも国交は断絶してるからごく一部の獣人しかしりません」

 首を傾げてる僕にララさんは囁く。そういえばそんな話を聞いたような気がする。

「じゃあその賢者さんに入れてもらえれば?」
「いやそんな簡単な話ではないのだ。そのガッジュに行くには迷いの森を通らなくてはいけない。その迷いの森はガッジュの血を受け継ぐものしか入れないのだ」

「え?じゃあ賢者の塔に直接乗り込めば?」
「ジーニならば可能かもしれんがその時は塔が壊れてしまうかもしれん。折角の情報も塔の残骸に埋もれてしまう」

「その血を持っている人はわかるの?」
「それがな。グリンベイルンに渡ったのは聞いたのだが。どうやら奴隷に落ちてしまったらしい」

 んん?これはまさか?。

「その血を持っている人って兎人族?」
「ん?ああそうだ。よくわかったな」

「名前はニーナですか?」
「おお、そうだそうだ。....まさか?」

「そのまさかです」
「流石はジーニだ」

 僕とアドスバーンは握手を交わす。とにかく賢者の塔に行くには賢者の同行が必要で更に賢者のいる街にはニーナちゃんが必要って事みたい。

「ふははは。予定も決まった事だしな。今日はこのアドスバーンに泊まっていけ。宿屋ではなくこのバーン城にな」

 そう言ってアドスバーンは奥の部屋に入っていった。

 賢者の塔に入るには賢者が必要なのか~。情報を聞けて良かった。行ったら行ったで入れませんでしたなんて笑えないよね。

 この日はお昼からアドスバーンを観光してお泊りすることになった。
しおりを挟む
感想 179

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

異世界での異生活

なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...