ラストダンジョンをクリアしたら異世界転移! バグもそのままのゲームの世界は僕に優しいようだ

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 ゲームの世界へ

第38話 驚異の【アスノシリーズ】

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「ふぅ。すべて出来上がったぞ~。すまんが儂は少し眠る」

「寝床はこっちだよルドマンさん」

 アダマンタイトの武具を作り上げてノンナちゃんに寝床を案内されるルドマンさん。アスノ君の横で寝っ転がるとすぐにいびきをかき始めた。むりさせちゃってたみたいだな。

「よし! その無理に報いるか!」

 アダマンタイトの武具をすべてインベントリにしまい込む。そして、アイテム合成!

「アスノシリーズの本領発揮だ!」

 アダマンタイトの武具をメインの合成素材にして、アスノシリーズを素材として加えていく。アスノシリーズの特性を加えたアダマンタイトの武具が次々と出来上がっていく。

【Sランクアダマンタイトのロングソード₊5】攻撃力+2000 【付与】STR3倍 DEF30 DEX30 INT30 MND30

「す、凄いな」

 作っておいて驚きの声をあげる。本来のSランクのアダマンタイトの強さにアスノシリーズの付与がされる。恐ろしい事だ。
 オリハルコンも作ってほしかったけど、オリハルコンの鉱石も少ないから次に持ち越しだな。これ以上の強さを求めても仕方がない気もするけれど。

「武器でこれだもんな~。防具は付与がないけど」

【Sランクアダマンタイトアーマー₊5】防御力2500

 最高クラスの防具はさすがと言うかなんというか。黒いアーマーだから悪役っぽいけど、やっぱりかっこいいな。

「これで準備は整った。あとは二人の体力の回復を待って」

 ノンナちゃんのお父さんとの戦いを始める。【手紙】を渡すだけで終われればいいんだけど、そう簡単には終わらないだろうな。

「ランカも休んだら?」

「ん? ああ、そうだね」

 レッドが心配して声をかけてくれる。難しい顔で考えていたから心配させちゃったかな。彼女には毎回心配させてばかりだな。

「それにしてもすごいね、ランカは」

「そう?」

「王都では何年かかってもできなかったと思う。だって、生産者のレベルを上げるなんて発想にはならないもの」

 アスノ君達の眠る横に寝っ転がるとレッドが横に座ってきて話しかけてくる。
 王都の人達は頭が固いのかな? 少し考えればわかることなんだけど。

「生産者は生産職だけをあげれば強いものが作れると思ってるし、戦闘職の人達は素材や経験値を手に入れれば強くなれると思ってる」

「まあ、普通はそうなのかな」

 本当の現実ならそれが正しいのかもしれないな。魔物との戦い方を学んで経験して強くなるわけだしね。まあ、レベルがあるからそれでも強くなるけど。

「こんな凄い武器をポンと作っちゃう。誰もあなたにはかなわないでしょうね」

「え? ははは。そんなに褒められても」

 レッドは微笑んで褒めてくる。照れくさくて頭を掻くとレッドが頭を撫でてくる。

「レッド?」

「ほんとにすごい」

 ははは、まるで子ども扱いだ。レッドはまだ僕の事を弟だと思ってるみたいだ。まあ、悪い気はしないからいいんだけど。これじゃいつまで経っても僕は彼女の男にはなれないかもしれないな。

「僕らも寝よう。疲れを言い訳に死んでしまったら恥ずかしいからね」

「ん、でも安心して。この武器や防具が手に入った私に勝てるものはいない。たとえセリスでも」

 寝ようと思って声をあげるとレッドが剣を握って決意を口にする。確かに今のレッドならセリスとわたりあえるかもしれない。もしかするとゲームの僕のデータよりも強くなってるかも。レッドのステータスを見た訳じゃないから何とも言えないけど。レベルは同じくらいだからな。

「おやすみなさい」

「ん、おやすみなさい」

 いつの間にかアンナさん達も眠りについていた。ルドマンさんの時に一緒に寝ていたみたいだな。レッドと声を掛け合うとすぐに僕も夢の世界へと船をこぐ。
 この日、僕は夢を見た。現実に残してきた僕の分身の夢だ。つまらなさそうにアルステードオンラインをやっている僕。僕はいつもあんな表情でやっていたのか?
 いや違う、ラストダンジョンをクリアしてしまって目標がなくなってしまったんだ。僕はこちらにやってこれたけれど、それがなかったらあんなことになってしまっていたのか。

「おはようランカ」

「……おはようレッド」

 少し複雑でいやな夢を見て目覚めるとレッドが迎えてくれた。寝ぐせでボサボサになった髪の毛がいやに頭を苛立たせる。

「大丈夫ランカ? なんだか辛そう」

「ん、少し嫌な夢を見てね。昔の夢をね」

 心配してくれるレッドに答えると頭を撫でてくれる。隙あらば弟扱いしてくるな~。まあ、いいんだけどさ。

「師匠! 装備は完璧ですね!」

「準備できておるぞ!」

 頭を撫でられながら鍛冶場に着くとアスノ君とルドマンさんが迎えてくれた。バッチリと置いておいた装備を着こなしている。

「最高級の武器防具。まるで王都のような装備じゃな!」

「はは、そうですねルドマンさん」

「ふむ、そろそろ儂も”さん”というのをやめんか? ランカならば呼び捨てでいいぞ」

「わかりました。ルドマン」

 楽しそうに話すルドマンに答えると嬉しそうに頬を赤くさせてる。呼べっていったくせになんで照れてるんだか。

「さて、アンナさん、ノンナちゃん」

「「はい」うん!」

 マネーマネーから買った【手紙】をノンナちゃんに手渡す。彼女は元気よく答えて手紙を開いていく。

「お父さんからの手紙だ! お父さん来てくれるって!」

「え? 本当に? あの人が来るの?」

 ノンナちゃんが嬉しそうに報告するとアンナさんが驚いて聞き返す。ノンナちゃんが頷いて見せるとアンナさんが涙して彼女を抱きしめた。

「二人とも喜ぶのはまだ早いよ。そのノイシュさんはグレーターリッチになっているんだ」

「「え!?」」

「外に行こう」

 僕の話を聞いて驚く二人。みんなで外に出ると黒く厚い雲が流れてくるのが見えてくる。

「峡谷を背に戦います。アンナさんはスケルトンを出し続けてください。これはMPポーションです」

「わ、わかりました!」

 指示を飛ばしてポーションを手渡す。緊張がみんなに伝染していく。僕はみんなの肩や手を叩いて先頭に立った。
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