異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

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第一章 新たな地で

第16話 レッドの力

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「ただいま~」

「お帰りなさい」

 孤児院に帰ってくるとエリナさんが迎えてくれた。

「今日はオークのお肉が手に入ったんだ」

「まあ! オークを倒したってこと? 凄いわねシン」

「ははは、エリナさん。もう子供じゃないですよ。僕は」

 オーク肉を革袋から取り出すと喜んで頭を撫でてくるエリナさん。立派な成人になったのにエリナさんからしたら僕はまだまだ子供なんだな。
 エリナさんはすぐにオーク肉を調理していく。日も落ちてきてるから丁度夕食だな。

「お兄ちゃん美味しいね~」

 子供達が頬を膨らませて喜んで声をあげる。

「うん、美味しいね。本当に美味しい。エリナさんは本当に料理が上手い」

「ふふ、褒めても何もないわよ」

 子供達と一緒にエリナさんを褒めると彼女は頬を赤くさせた。

「わ~、真っ赤な魔物さんだ~」

「可愛い~」

「え!?」

 ふと気が付くと子供達がレッドを抱きしめていた。レッドは洞窟に置いてきたはずなんだけどな。

「冷たくて気持ちい~」

「お兄ちゃんの魔物なの?」

「えっと、まあそんな感じだよ」

 子供達の質問に答える。一番最初に作ったレッドだよなあれは。額に星みたいなくぼみがある。他の10体のレッドはちゃんとシャドウさんの元にいるのかな。

「お兄ちゃ~ん。壁に穴が開いてるよ~」

「そう言えばこの孤児院結構古いんだよな」

 教会のような建物の孤児院は築40年以上たっている。所々穴が開いていて隙間風が凄い。お金に余裕が出来てきたから直そうと思っていたんだよな。

「あ~魔物さんが穴に入ってくよ~」

「あ!? レッド?」

 子供の声で振り向くとレッドが壁の隙間に入り込んだ。そして、すぐに隙間がふさがって行く。

「え? 壁が」

 エリナさんが驚いている。彼女達には真実を言っておいた方がいいかな。レッドは僕の革袋に忍び込んでいたみたいだし。

「エリナさん。実はこの魔物は僕の血から生まれた魔物なんです」

「ええ!? 魔物を作ったってこと?」

「うん。魔族の人と知り合う機会があってそれで」

 深刻な表情になるエリナさん。魔族には悪いイメージがついているのかな?

「その方を孤児院に連れてくることは出来ませんか?」

「え? 孤児院にですか?」

「シンの保護者としてその方を知っておきたいの」

 エリナさんは僕のことを心配してくれてるみたいだ。

「魔族だから難しいかな」

「そうですか、出来れば知っておきたかったのですが。でも危険はないんですか?」

「今のところは」

「今のところ?」

 僕が答えると表情が変わっていくエリナさん。
 険しい表情で顔を近づけてくる。目をじっと見つめてきてため息をついた。

「シンのことは信頼してる。グスコーのこともありがたいと思っているしね。でも、人はあなたのように優しい子を利用してくる人もいるの。それが魔族なら尚更」

「大丈夫だよエリナさん。僕は強くなったし、あの魔物、レッドを見ればわかるでしょ? 人を傷つけない魔物を作り出せる人なんだ」

 心配するエリナさんに答えると少し考えてから頭を撫でてくれた。

「本当にシンはいつの間にか大人になって……。なんだか寂しいな」

「エリナさん」

 寂しそうに背を向けてくるエリナさん。思わず抱きしめてしまいそうになる。
 彼女は僕の親として寂しいと思っているだけだ。誤解しちゃいけない。

「シン。気をつけてね。心配だから」

「うん、ありがとうエリナさん」

 エリナさんの両手を握ってお礼を言う。頬を赤くさせる彼女は嬉しそうに微笑んでくれる。

「シスターエリナとお兄ちゃんキスするの?」

「「え!?」」

 しばらく顔を見合っていると子供達が楽しそうに声をあげてきた。思わずエリナさんと驚いて距離を取る。

「ご、ごめんねシン。つい見惚れちゃって」

「あ、いえ、僕も……」

 エリナさんが挙動不審で話す。彼女も少しは僕のことを意識してくれているのかな?
 
「じゃあそろそろ寝ようかな。明日も早いしね」

「ん、おやすみなさいシン」

「おやすみなさいエリナさん」

 照れながら話て自室に向かう。エリナさんも照れている様子でなんだか嬉しい。
 僕はこの時嬉しくて気づかなかった。レッドがまさか、あんなことをしてしまうなんて。

「ふぁ~……よく寝た」

 次の日、目を覚ます。いつも通り欠伸をして体を起こす。そしてベッドから起きて自室の扉を開ける。

「シン!?」

「エリナさん!? どうしたんですか?」

 怖がって涙しているエリナさんが抱き着いてきた。どうしたのか聞くと天井に視線を移す。

「へ?」

 一緒に天井を見ると凄い光景が広がっていた。

「ステンドグラス?」

 天窓だったはずなのにステンドグラスになっている。それだけじゃない、普通の窓もステンドグラスになってる。レッドの仕業か!?

「シン、これはどういうことなの?」

「えっと……。実はレッドは物体を元に戻す能力があって」

「元に戻す? じゃあ、この孤児院の本当の姿に戻ってるってことなのね?」

「はい」

 エリナさんの説明すると納得してくれた。まあ、綺麗になるなら良いことだもんな。

「レッド、綺麗にしてくれてありがとう。でも、やり過ぎないようにな」

「!」

 レッドを抱き寄せると革袋に入って行った。体を小さくすることも出来るみたいだな。

「じゃあ、行ってきます」

「うん。気をつけてね。いってらっしゃい」

 出発の準備をして孤児院を立つ。外観も綺麗になってる。お金がかからなくて本当にいいな。レッドが量産されればお金がいらなくなりそうだ。そうなれば、シャドウさんの夢の実現は夢じゃなくなるかもな。
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