16 / 50
第一章 新たな地で
第16話 レッドの力
しおりを挟む
「ただいま~」
「お帰りなさい」
孤児院に帰ってくるとエリナさんが迎えてくれた。
「今日はオークのお肉が手に入ったんだ」
「まあ! オークを倒したってこと? 凄いわねシン」
「ははは、エリナさん。もう子供じゃないですよ。僕は」
オーク肉を革袋から取り出すと喜んで頭を撫でてくるエリナさん。立派な成人になったのにエリナさんからしたら僕はまだまだ子供なんだな。
エリナさんはすぐにオーク肉を調理していく。日も落ちてきてるから丁度夕食だな。
「お兄ちゃん美味しいね~」
子供達が頬を膨らませて喜んで声をあげる。
「うん、美味しいね。本当に美味しい。エリナさんは本当に料理が上手い」
「ふふ、褒めても何もないわよ」
子供達と一緒にエリナさんを褒めると彼女は頬を赤くさせた。
「わ~、真っ赤な魔物さんだ~」
「可愛い~」
「え!?」
ふと気が付くと子供達がレッドを抱きしめていた。レッドは洞窟に置いてきたはずなんだけどな。
「冷たくて気持ちい~」
「お兄ちゃんの魔物なの?」
「えっと、まあそんな感じだよ」
子供達の質問に答える。一番最初に作ったレッドだよなあれは。額に星みたいなくぼみがある。他の10体のレッドはちゃんとシャドウさんの元にいるのかな。
「お兄ちゃ~ん。壁に穴が開いてるよ~」
「そう言えばこの孤児院結構古いんだよな」
教会のような建物の孤児院は築40年以上たっている。所々穴が開いていて隙間風が凄い。お金に余裕が出来てきたから直そうと思っていたんだよな。
「あ~魔物さんが穴に入ってくよ~」
「あ!? レッド?」
子供の声で振り向くとレッドが壁の隙間に入り込んだ。そして、すぐに隙間がふさがって行く。
「え? 壁が」
エリナさんが驚いている。彼女達には真実を言っておいた方がいいかな。レッドは僕の革袋に忍び込んでいたみたいだし。
「エリナさん。実はこの魔物は僕の血から生まれた魔物なんです」
「ええ!? 魔物を作ったってこと?」
「うん。魔族の人と知り合う機会があってそれで」
深刻な表情になるエリナさん。魔族には悪いイメージがついているのかな?
「その方を孤児院に連れてくることは出来ませんか?」
「え? 孤児院にですか?」
「シンの保護者としてその方を知っておきたいの」
エリナさんは僕のことを心配してくれてるみたいだ。
「魔族だから難しいかな」
「そうですか、出来れば知っておきたかったのですが。でも危険はないんですか?」
「今のところは」
「今のところ?」
僕が答えると表情が変わっていくエリナさん。
険しい表情で顔を近づけてくる。目をじっと見つめてきてため息をついた。
「シンのことは信頼してる。グスコーのこともありがたいと思っているしね。でも、人はあなたのように優しい子を利用してくる人もいるの。それが魔族なら尚更」
「大丈夫だよエリナさん。僕は強くなったし、あの魔物、レッドを見ればわかるでしょ? 人を傷つけない魔物を作り出せる人なんだ」
心配するエリナさんに答えると少し考えてから頭を撫でてくれた。
「本当にシンはいつの間にか大人になって……。なんだか寂しいな」
「エリナさん」
寂しそうに背を向けてくるエリナさん。思わず抱きしめてしまいそうになる。
彼女は僕の親として寂しいと思っているだけだ。誤解しちゃいけない。
「シン。気をつけてね。心配だから」
「うん、ありがとうエリナさん」
エリナさんの両手を握ってお礼を言う。頬を赤くさせる彼女は嬉しそうに微笑んでくれる。
「シスターエリナとお兄ちゃんキスするの?」
「「え!?」」
しばらく顔を見合っていると子供達が楽しそうに声をあげてきた。思わずエリナさんと驚いて距離を取る。
「ご、ごめんねシン。つい見惚れちゃって」
「あ、いえ、僕も……」
エリナさんが挙動不審で話す。彼女も少しは僕のことを意識してくれているのかな?
「じゃあそろそろ寝ようかな。明日も早いしね」
「ん、おやすみなさいシン」
「おやすみなさいエリナさん」
照れながら話て自室に向かう。エリナさんも照れている様子でなんだか嬉しい。
僕はこの時嬉しくて気づかなかった。レッドがまさか、あんなことをしてしまうなんて。
「ふぁ~……よく寝た」
次の日、目を覚ます。いつも通り欠伸をして体を起こす。そしてベッドから起きて自室の扉を開ける。
「シン!?」
「エリナさん!? どうしたんですか?」
怖がって涙しているエリナさんが抱き着いてきた。どうしたのか聞くと天井に視線を移す。
「へ?」
一緒に天井を見ると凄い光景が広がっていた。
「ステンドグラス?」
天窓だったはずなのにステンドグラスになっている。それだけじゃない、普通の窓もステンドグラスになってる。レッドの仕業か!?
「シン、これはどういうことなの?」
「えっと……。実はレッドは物体を元に戻す能力があって」
「元に戻す? じゃあ、この孤児院の本当の姿に戻ってるってことなのね?」
「はい」
エリナさんの説明すると納得してくれた。まあ、綺麗になるなら良いことだもんな。
「レッド、綺麗にしてくれてありがとう。でも、やり過ぎないようにな」
「!」
レッドを抱き寄せると革袋に入って行った。体を小さくすることも出来るみたいだな。
「じゃあ、行ってきます」
「うん。気をつけてね。いってらっしゃい」
出発の準備をして孤児院を立つ。外観も綺麗になってる。お金がかからなくて本当にいいな。レッドが量産されればお金がいらなくなりそうだ。そうなれば、シャドウさんの夢の実現は夢じゃなくなるかもな。
「お帰りなさい」
孤児院に帰ってくるとエリナさんが迎えてくれた。
「今日はオークのお肉が手に入ったんだ」
「まあ! オークを倒したってこと? 凄いわねシン」
「ははは、エリナさん。もう子供じゃないですよ。僕は」
オーク肉を革袋から取り出すと喜んで頭を撫でてくるエリナさん。立派な成人になったのにエリナさんからしたら僕はまだまだ子供なんだな。
エリナさんはすぐにオーク肉を調理していく。日も落ちてきてるから丁度夕食だな。
「お兄ちゃん美味しいね~」
子供達が頬を膨らませて喜んで声をあげる。
「うん、美味しいね。本当に美味しい。エリナさんは本当に料理が上手い」
「ふふ、褒めても何もないわよ」
子供達と一緒にエリナさんを褒めると彼女は頬を赤くさせた。
「わ~、真っ赤な魔物さんだ~」
「可愛い~」
「え!?」
ふと気が付くと子供達がレッドを抱きしめていた。レッドは洞窟に置いてきたはずなんだけどな。
「冷たくて気持ちい~」
「お兄ちゃんの魔物なの?」
「えっと、まあそんな感じだよ」
子供達の質問に答える。一番最初に作ったレッドだよなあれは。額に星みたいなくぼみがある。他の10体のレッドはちゃんとシャドウさんの元にいるのかな。
「お兄ちゃ~ん。壁に穴が開いてるよ~」
「そう言えばこの孤児院結構古いんだよな」
教会のような建物の孤児院は築40年以上たっている。所々穴が開いていて隙間風が凄い。お金に余裕が出来てきたから直そうと思っていたんだよな。
「あ~魔物さんが穴に入ってくよ~」
「あ!? レッド?」
子供の声で振り向くとレッドが壁の隙間に入り込んだ。そして、すぐに隙間がふさがって行く。
「え? 壁が」
エリナさんが驚いている。彼女達には真実を言っておいた方がいいかな。レッドは僕の革袋に忍び込んでいたみたいだし。
「エリナさん。実はこの魔物は僕の血から生まれた魔物なんです」
「ええ!? 魔物を作ったってこと?」
「うん。魔族の人と知り合う機会があってそれで」
深刻な表情になるエリナさん。魔族には悪いイメージがついているのかな?
「その方を孤児院に連れてくることは出来ませんか?」
「え? 孤児院にですか?」
「シンの保護者としてその方を知っておきたいの」
エリナさんは僕のことを心配してくれてるみたいだ。
「魔族だから難しいかな」
「そうですか、出来れば知っておきたかったのですが。でも危険はないんですか?」
「今のところは」
「今のところ?」
僕が答えると表情が変わっていくエリナさん。
険しい表情で顔を近づけてくる。目をじっと見つめてきてため息をついた。
「シンのことは信頼してる。グスコーのこともありがたいと思っているしね。でも、人はあなたのように優しい子を利用してくる人もいるの。それが魔族なら尚更」
「大丈夫だよエリナさん。僕は強くなったし、あの魔物、レッドを見ればわかるでしょ? 人を傷つけない魔物を作り出せる人なんだ」
心配するエリナさんに答えると少し考えてから頭を撫でてくれた。
「本当にシンはいつの間にか大人になって……。なんだか寂しいな」
「エリナさん」
寂しそうに背を向けてくるエリナさん。思わず抱きしめてしまいそうになる。
彼女は僕の親として寂しいと思っているだけだ。誤解しちゃいけない。
「シン。気をつけてね。心配だから」
「うん、ありがとうエリナさん」
エリナさんの両手を握ってお礼を言う。頬を赤くさせる彼女は嬉しそうに微笑んでくれる。
「シスターエリナとお兄ちゃんキスするの?」
「「え!?」」
しばらく顔を見合っていると子供達が楽しそうに声をあげてきた。思わずエリナさんと驚いて距離を取る。
「ご、ごめんねシン。つい見惚れちゃって」
「あ、いえ、僕も……」
エリナさんが挙動不審で話す。彼女も少しは僕のことを意識してくれているのかな?
「じゃあそろそろ寝ようかな。明日も早いしね」
「ん、おやすみなさいシン」
「おやすみなさいエリナさん」
照れながら話て自室に向かう。エリナさんも照れている様子でなんだか嬉しい。
僕はこの時嬉しくて気づかなかった。レッドがまさか、あんなことをしてしまうなんて。
「ふぁ~……よく寝た」
次の日、目を覚ます。いつも通り欠伸をして体を起こす。そしてベッドから起きて自室の扉を開ける。
「シン!?」
「エリナさん!? どうしたんですか?」
怖がって涙しているエリナさんが抱き着いてきた。どうしたのか聞くと天井に視線を移す。
「へ?」
一緒に天井を見ると凄い光景が広がっていた。
「ステンドグラス?」
天窓だったはずなのにステンドグラスになっている。それだけじゃない、普通の窓もステンドグラスになってる。レッドの仕業か!?
「シン、これはどういうことなの?」
「えっと……。実はレッドは物体を元に戻す能力があって」
「元に戻す? じゃあ、この孤児院の本当の姿に戻ってるってことなのね?」
「はい」
エリナさんの説明すると納得してくれた。まあ、綺麗になるなら良いことだもんな。
「レッド、綺麗にしてくれてありがとう。でも、やり過ぎないようにな」
「!」
レッドを抱き寄せると革袋に入って行った。体を小さくすることも出来るみたいだな。
「じゃあ、行ってきます」
「うん。気をつけてね。いってらっしゃい」
出発の準備をして孤児院を立つ。外観も綺麗になってる。お金がかからなくて本当にいいな。レッドが量産されればお金がいらなくなりそうだ。そうなれば、シャドウさんの夢の実現は夢じゃなくなるかもな。
13
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
異世界での異生活
なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる