異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
17 / 50
第一章 新たな地で

第17話 新しい力

しおりを挟む
 シャドウさんのところに行く口実の為に冒険者ギルドでゴブリンの依頼を受けに行くことにした。冒険者ギルドに入るとなぜが人垣ができていて
、僕が来るとみんなが視線を向けてきた。

「シン! 待っていたぞ!」

「ロジールさん? どうしたんですか?」

 人垣からロジールさんが出てきて声をかけてきた。何があったのかわからずに声をあげるとエッジさんも出てきた。

「近くの森で魔物が変異しているようなんだ」

「昨日、シンが倒したオークのように腕が黒くなっている個体だよ」

 エッジさんとロジールさんが説明してくれた。黒い個体はシャドウさんの魔物のはず。だけど、彼の魔物はゴブリンだけのはずだ。あれ以外に確認されているとしたらシャドウさんに相談しないと。

「恥ずかしい話だが、私達では勝てない個体が多い。シンにも同行してほしいんだが」

「ええ!? いや、ちょっと待ってください。プラチナのロジールさんとエッジさん達で勝てないんですか?」

 ロジールさんが恥ずかしそうに頭を掻きながら話す。確かに昨日のオークとの戦いは僕がいなかったら危なかったかもしれない。だけど、倒せない程じゃなかったはずだ。
 魔法を使える人が二人もいるパーティーだしね。【ファイアドゥーク】を使えるエッジさんは勝てるはずだ。僕の手を借りなくてもロジールさんとエッジさんが組めば勝てると思うけどな。
 シャドウさんのことがバレると騒ぎになりそうだ。ここは僕が解決するって言って一人で行くか。

「僕が解決します。なので報告を待ってもらっていいですか?」

「一人でかい?」

「はい」

 僕の提案を聞いてみんな唖然としてる。みんな静かになると静寂が冒険者ギルドを支配した。

「……がはは、こりゃ面白い!」

 静寂を破ったのはゲハルドだった。ズカズカと近づいてきて僕の両肩を掴んできた。

「気に入ったぜ! シン。その男気、そうそう持てるもんじゃねえ!」

「げ、ゲハルドさん?」

 興奮した様子のゲハルドさん。昨日までの下衆な表情とは違う、まるでお酒を飲んでいるように楽しそうに話してる。

「よし! 俺も一緒に行くぜ。もちろん、お前を金づるにする話はなしだ!」

「……金づるにしようとしてたんだ」

「ガハハハ」

 豪快に笑ってごまかすゲハルドさん。悪い人だけど、悪い人じゃないのかもしれない。……僕はなにを言ってるんだ?
 でも、シャドウさんのところに行かないといけないから一人でやらないとな。

「ゲハルドさん。僕は一人で大丈夫です。心遣いありがたいんですけど」

「本当に一人で行くつもりなのかよ。本当にすげぇな。プラチナのパーティーが拒否するような魔物達なのによ」

「はい」

 真っすぐゲハルドさんの目を見つめて話す。すると諦めてくれたみたいで併設されている酒場に戻って行く。

「じゃあ、早速行ってきます」

「ほ、本当に大丈夫なのか?」

「はい。大丈夫です。では」

 心配するロジールさん。僕はそそくさと冒険者ギルドを後にした。

「ん? あ~シン君!」

「え? イチリさん。どうしたんですか」

 冒険者ギルドを出るとイチリさんが外で待っていた。そういえば、紫炎のお礼を言えてなかったな。

「グスコーが死んだって聞いてね。それで刀のことを思い出して」

「すみません。少し忙しくて、イチリさんの元に行けなくて」

 グスコーが死んだから、刀の宣伝も出来なくなってしまったんだよな。

「いやいや、それはいいんだよ。刀のことを聞きに来た人は結構いたからね。宣伝にはなっていると思うから。そんなことよりも紫炎だっけ? その刀を見たいんだけどいいかな? 店はすぐそこなんだが」

「はい。少し酷使してしまったので丁度いいです」

 結構無茶な使い方をしていたから調整してもらえるとありがたい。

「ようこそ、イチリの鍛冶屋へ」

「わぁ~」

 イチリさんの鍛冶屋に入ると壁いっぱいに刀が飾られている。いくらか売れている様子で値札だけが置かれている棚が見える。
 三つ又の槍もあるのを見ると思わず感動してしまう。やっぱりカッコいいな~。買おうかな。

「気に入ったかい? 買ってもらえると嬉しいが」

「カッコいいです。買いたいですけど、僕は身長が低いから……」

 背中に背負ったら石突きが地面についちゃうよ。

「ははは、残念だ。さて、紫炎を見せてくれるかい?」

「はい」

 イチリさんに言われて紫炎を手渡す。鞘から紫炎を引き抜くと打ち子を布で一度ふき取って打粉をポンポンと打ち付ける。

「20体くらいの魔物を倒しているね。それなのに刃こぼれ一つしていない。ん? 硬いものも切ったかい?」

「そんなことまでわかるんですか? 確かにこの間地面を切りつけました」

「ははは、見かけによらず乱暴な戦い方をするんだね」

「すみません……」

「いやいや、怒ってるんじゃないんだよ。でも嬉しいな」

 イチリさんはそう言って紫炎を鞘にしまう。

「そんな使い方をしても刃こぼれしない程凄い武器になってる。やっぱり間違いじゃなかったんだな」

 イチリさんは感慨深げに壁に飾られている武器を眺めながら呟く。どれも業物と言える美麗な武器達。彼は間違いなく一流の鍛冶屋だろうな。

「ありがとうシン君。これからも紫炎をよろしく。あっ! そうだ」

「イチリさん?」

 お礼を言うイチリさん。奥の部屋に入って行くとすぐに帰ってきて、布包みを手渡してきた。

「これは?」

「オリジナルの刀だよ。これを元に紫炎を作ったんだ。えっと、名前は確か【水龍】だったかな」

「【水龍】……」

 布包みをほどいて刀を取り出す。紫炎と同じくらいの刃渡りの刀。鞘から取り出すと青い光を身に纏った波が切っ先まで昇っているのが見えた。
 素人の僕が見てもわかる、これは間違いなく【大業物】だ。

「シン君に使ってほしい」

「ええ!? こ、こんな高価な物を?」

「ああ」

「で、でも、イチリさんに得がないじゃないですか?」

 タダでもらうなんてイチリさんに悪い。

「そうだね。じゃあ、金貨でどうだい?」

「じゃ、じゃあ。それで」

 金貨を1枚手渡す。こんな凄い刀を金貨1枚でもらえるなんて思わなかった。

「シン君には感謝してるんだ。君が使ってくれてから少しずつ周知されるようになってね。いくつか刀が売れたんだよ」

 嬉しそうに話すイチリさんの目には涙が浮かんでいた。それほど嬉しかったってことか。なんか僕も嬉しいな。

「引き止めて悪かったねシン君。用事はこれで終わりだ。更に凄い刀を打つよ!」

「はい! 頑張ってください!」

 力こぶを見せるイチリさんを応援して彼の鍛冶屋を後にした。紫炎も十分凄い刀だ。それを超える刀を作るのは至難の業だろ思う。水龍はどれほどの切れ味があるんだろう。早く試したいな。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

神様転生~うどんを食べてスローライフをしつつ、領地を豊かにしようとする話、の筈だったのですけれど~

於田縫紀
ファンタジー
大西彩花(香川県出身、享年29歳、独身)は転生直後、維持神を名乗る存在から、いきなり土地神を命じられた。目の前は砂浜と海。反対側は枯れたような色の草原と、所々にぽつんと高い山、そしてずっと向こうにも山。神の権能『全知』によると、この地を豊かにして人や動物を呼び込まなければ、私という土地神は消えてしまうらしい。  現状は乾燥の為、樹木も生えない状態で、あるのは草原と小動物位。私の土地神としての挑戦が、今始まる!  の前に、まずは衣食住を何とかしないと。衣はどうにでもなるらしいから、まずは食、次に住を。食べ物と言うと、やっぱり元うどん県人としては…… (カクヨムと小説家になろうにも、投稿しています) (イラストにあるピンクの化物? が何かは、お話が進めば、そのうち……)

天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~

けろ
ファンタジー
【完結済み】 仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!? 過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。 救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。 しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。 記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。 偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。 彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。 「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」 強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。 「菌?感染症?何の話だ?」 滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級! しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。 規格外の弟子と、人外の師匠。 二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。 これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...