異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
20 / 50
第一章 新たな地で

第20話 黒き魔物1

しおりを挟む
 オークを倒し終わってシャドウさんの元に戻る。後どれだけオークがいるかわからない。急がないとな。

「シン!」

「あ、あれ? ゲハルドさん?」

 シャドウさんの元に戻ってくるとゲハルドさんが彼と一緒に立っていた。剣を抜いてシャドウさんに向けているのを見ると魔族ということで警戒しているみたいだな。

「シン、説明してやってくれ。私の言葉はこの人族の耳には入らないようなのだ」

「ああ、なるほど」

 シャドウさんがため息交じりに説明してくれた。人族は魔族って言うだけで信用しないみたいだからな。

「はん! 魔族は魔物を従えるって聞いてるからな。今回の強い魔物っていうのもこいつのせいだろ? こっちは分かってるんだよ」

 ゲハルドさんは嫌み交じりに声をあげる。確かに今回は彼のいう通りのだけど、決めつけるのは良くないよな~、今回は彼のいう通りだけど……。

「シンはこいつと知り合いなんだな。それなら剣はしまうか」

「あ、はい。確かに知り合いではあるんですが。今回の魔物の件はゲハルドさんの推測通りシャドウさんのせいです」

「なに!?」

 剣をしまってくれたゲハルドさんだったけど、僕の話を聞くと再度剣を引き抜いた。

「ふう、まったく、節操のない。これだから人族は」

「てめぇ!」

 睨みつけるゲハルドさんに不快感を表すシャドウさん。でも、今回は仕方ないよ。

「ゲハルドさん。シャドウさんは世界を平和にすることを掲げてる人なんです。なので悪い人じゃないんですよ」

「あ? 世界を平和にするのと魔物が強くなったことがなんで関係あるんだ?」

 ゲハルドさんの反論に首を傾げる。自分の従魔を強化するためと言うとそれはまた可笑しなことになりそうだけど。

「私は従魔を従えることが出来るのだよ。その魔物を強化することが出来れば野良の魔物を簡単に仕留めることが出来るだろ」

「はぁ? それって戦争にも使えるだろ!」

「ふむ、確かに使えるが。戦争を仕掛けてきているのは人族だぞ」

「はぁ!? 何言ってんだ。人族は魔族と戦争なんてしてねえぞ」

 シャドウさんとゲハルドさんが言い合う。ゲハルドさんも僕と同じで人族が攻めてるなんて知らないんだよな。

「シンもそう言っていたがね。真実なのだよ」

「ふん、どうだかな。魔族がどうやってこのオルデーナ王国に来たんだ」

「それに答えるには君への信頼度が足りないな」

「なに~!」

 激しさを増す二人の言い合い。あの洞窟はみんなには言えないな。まさか、船を使わないで別の大陸に渡れるなんて知られちゃったら大変なことになっちゃうからね。

「まあまあ、それよりもなんで来たんですか? 僕を信用できなかったんですか?」

「シン、お前みたいなガキに冒険者全員が任せるなんて恥ずかしいことなんだぞ。信頼問題になりえるんだ。俺だけじゃない、プラチナランクのロジールとエッジのパーティーも来てくれてるんだ」

「ええ!? じゃあ、森にいるんですか?」

「ん? あ、ああいるぞ」

「危ないですよ! ロジールさん達が苦戦したオークがまだいるかもしれないのに!」

 ゲハルドさんの話を聞いて声を荒らげると森の山の方から大きな音が聞こえてきた。煙が上がっているのも見えてくる。

「な、なんだありゃ?」

「魔法使いかもしれない。オークが杖を持っていたんです」

「魔法使いのオーク!? そりゃおめえ、群れじゃねえかよ! こうしちゃいられねえ!」

 ゲハルドさんはそう言って町へと走っていく。

「俺は町に群れの知らせをしに行く。シンも」

「僕はロジールさん達を援護に行きます!」

「わ、分かった! 無理するなよ! 魔族野郎は何もするなよ!」

 走り去るゲハルドさんを見送って、僕とシャドウさんは森の奥、山の方へと走り出す。

「シン、すまないが私はあまり戦闘はできない。闇魔法の攻撃魔法以外は出来るのだが……」

「分かりました。戦闘は任せてください」

「すまない」

 申し訳なさそうに話すシャドウさんに答えて水龍に手を乗せる。煙の立ち上がる場所にたどり着くと物陰から様子を伺う。

「ストーンドゥークの跡が煙をあげたのか。ってことは戦闘があったってことだな」

 もしかしたらエッジさんか? いや、エッジさんは火属性の魔法のはずだ。複数属性の魔法を使える人もいるけど、エッジさんは火だけのはず。

「シン、あっちには焦げた跡があるぞ」

「ほんとだ! ってことはエッジさん達がここで戦ってたのか。魔石がないってことは倒して拾ったか、倒せなくて逃げたかだな」

 シャドウさんの声で戦闘跡を見つける。魔石が残っていないってことは回収したか。倒せなかったかのどちらかのはずだ。そう言えば、さっきのオーク達の魔石は回収するの忘れてた。急がないといけないから
 魔物がその場に残っていないってことは、追われている可能性があるな。

「ん、この方角に行ったようだ。調べてみる、少し待ってくれ。【シャドウソナー】」

 シャドウさんが影を放つ。しばらくすると進む方向が分かった。僕を先頭に進んでいく。

「エッジ! やばいよ! こいつら固い!」

「ああ、分かってる。ちぃ、ロジール達は何をしてる!」

 戦闘音と声が聞こえてくる。森をぬけるとエッジさん達の姿が見えた。既に傷だらけなのに僕が戦った巨躯のオークと杖持ちのオークと対峙してる。

「はっ!」

「フゴッ!?」

 背後から杖持ちのオークを仕留める。巨躯のオークが仲間がやられたのに気が付くと腕を横なぎに払ってきた。それを躱してエッジさん達の前に降り立つ。

「シン君!」

「エッジさん。無事でよかった」

 嬉しそうに名前を呼ぶエッジさん。彼の仲間もみんな無事みたいだ。

「あのオークは固いぞ」

「分かってます。既に1体倒してますから」

「そ、そうか……」

 安心させるために言ったけど、エッジさんの表情は暗くなってしまった。ランクはエッジさんの方が高いからプライドが傷ついちゃったかな。

「フゴ!」

「そんな単純な攻撃! はっ!」

 この巨躯のオークは先に戦ったオークよりも弱い、経験が少ないという感じ。横なぎに腕を払うことしかできない様子で簡単に腕を切り落とせた。

「助かったよ。シン君」

「ありがとうシン君!」

 巨躯のオークを仕留めるとエッジさん達がお礼を言ってくれる。

「ロジールさん達も来てるんですよね?」

「ああ、冒険者ギルドから要請されたんだ。プラチナランクのゲハルドと俺達が受けた」

「ゲハルドさんは町に知らせに行きました」

「そうか、ん? 彼は……!? 魔族!」

 安心していたエッジさん達がシャドウさんに気が付くと臨戦態勢を取り始める。これが普通の人族の反応なのかな?

「まったく、人族は……」

 思わずため息をつくシャドウさん。僕はシャドウさんの横に歩いていく。

「シン君!? 知り合いなのか?」

「はい」

 エッジさんの声に答えるとみんな武器をしまいだす。

「どういうことなんだ?」

 エッジさんが疑問を投げかけてくる。僕らは包み隠さずに答えるとため息をつかれた。

「まったく……魔族と言うのは。しかし、夢はとても素晴らしいものだと思う。ぜひ目指してくれ、本当ならな」

 エッジさんは薄っすらと信じてくれたみたいだ。よかった。

「ゲハルドはオークの群れが出来ていると言って町に帰ったんだな?」

「はい」

 ゲハルドさんとのやり取りも伝えた。するとエッジさん達も町で待機することにしたみたいだ。

「プラチナとして恥ずかしいことだが、俺達では足手まといになってしまう。町での迎撃の準備を手伝うよ」

「わかりました」

 エッジさん達は申し訳なさそうにして町に歩いていった。

「シンは顔が広いな」

「そうですか?」

「うむ、自慢じゃないが、私は信用できる仲間はいないぞ」

「は、はぁ……」

 シャドウさんって人望ないんだな~。

「シンは私の信用を勝ち取っているわけだ。誇るがいいぞ」

「はぁ」

 シャドウさんは本当はいい人なんだけどな。王族って言うのが人を寄せ付けないのかも。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

処理中です...