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第二章 不思議な洞窟
第37話 激戦
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「この! 【シャドウドゥーク】」
「今だ!」
「うが!?」
シャドウさんの黒い雷がアーラに当たる。動きを止めたやつにばつの字に切りかかる。アーラはたまらず両手でガードしてくる。水龍が食い込み、紫炎がやつの爪で火花を生む。
バチバチバチと火花が目の前で生まれ、紫炎が吸い込んで炎を纏いだす。
「な、なんだこの剣は!」
あまりの光景に驚き戸惑うアーラ。紫炎の赤い炎が紫色に変わり熱を帯びて行く。あまりの熱さにアーラは空へと逃げる。
「逃がすか! 【シャドウドゥーク】」
「皆も放て!」
『【ウォーターディーク】』
『【ファイアドゥーク】』
シャドウさんの魔法に続いてダークスさんが声をあげる。魔族の兵士達が空にいるアーラに魔法を放っていく。色とりどりの魔法が合わさって虹色の爆発を起こす。
「ぐっうう……」
爆発の煙がおさまりアーラが見えてくると右腕以外の四肢がなくなっていた。あんなに強くても総攻撃を受けるとまともではいられないんだな。
「このままでは。引かせてもらう」
アーラが背中を見せて海へと飛んでいく。僕はシャドウさんに視線を送る。
「行くぞシン!」
「はい!」
僕を抱えて飛び出すシャドウさん。アーラを追いかける。港からは魚人族も追従してくれてる。逃がすわけには行かない。
「お父さんを返せ!」
アーラにどんどん近づいていく。あの傷じゃ、まともに飛べないみたいだ。
あと少し、あと少しでやつに届く!
「!? 軍艦!」
シャドウさんの声で海に視線を落とす。軍艦が三隻シーグリアに迫ってきてる。
「魚人族の助けは期待できない。私達だけでやるぞ」
「はい」
海からの激しい戦いの音が聞こえてくる。その上を飛んでアーラを追いかけて行く。
「シン!」
「行きます!」
この距離なら届く! 僕はシャドウさんから飛び上がってアーラに飛びつく。
「ケビンの息子シン、諦めろ。ケビンは死んだのだ」
「そんなわけない。お父さんは諦めていない。僕にはわかるんだ!」
「……」
首に手を回して抱き着く。アーラはたまらずに回転して僕を離そうとしてくる。
諦めない、何か手があるはずだ。何かてが……。そうだ!
「これを食べろ!」
「な、なんだ……。酸っぱいというのかこれは?」
僕はキュアグミをアーラの口に投げ込む。レモン味のグミに驚いている。
「な!? で、出てくるなケビン!」
「うるせぇ! これは俺の体だ! お前が出ていけ!」
キュアグミは状態異常を治す。お父さんの意思が体に戻ってきてるみたいだ。アーラと言いあうお父さん、少しするとアーラの姿がお父さんに戻って行き、黒い塊がポトリと落ちる。
「おっと、逃がさないといっただろ」
黒い塊をシャドウさんがキャッチする。あれがアーラなのか? キュアグミは融合状態も解除してしまうみたいだな。……お父さんが元に戻ったってことは。
「俺は飛べないぞシュン!」
「そ、そうだよね」
お父さんの言葉を聞いて答えると自由落下が開始される。浮遊感に襲われてシャドウさんを見るとすぐに僕らを支えてくれる。
「流石に重い。海に落ちる」
僕ら二人を支えてくれてる。流石のシャドウさんも二人は無理みたいだ。
「体が痛い……」
「ん、これを食べて」
お父さんの体はアーラの姿の時と同じダメージを負ってる。普通の人間なら死んでいてもおかしくないダメージだ。僕はすぐにヒールグミを手渡す。一粒、二粒口に入れるとみるみる回復していく。
「これは凄いなシン。お前は強いだけじゃなくてこんなことも出来るのか」
「うん。【グミ】の力だよ。お父さんたちのおかげで得た力」
「これが……。これが無ければ俺達は離れ離れにならなくて済んだんだよな」
どんどん高度が下がる中、お父さんは僕の頭を撫でてくれた。感慨深くグミを見つめるお父さん。人攫いにあわなければ確かに幸せだったかもしれない。今とは違う幸せがあったかもしれないな。
「今はそれがあって良かったと思える。だってよ、シュンがこんなにも立派になって会えたんだからな」
涙して抱きしめてくれるお父さん。体が温かくなって足が冷たくなる……え? 冷たい?
「感動の再会に時間をかけるのはいいんだがな。着水だ」
シャドウさんが呆れて声をもらすと顔まで水に浸かる。異世界でも海はしょっぱいんだな。
「ふう、一人なら普通に飛べるな」
「ずるいですよシャドウさん!」
「ずるいとはなんだ! ずるいとは。シンももっと魔法の経験を積むんだな。そうすれば、自分の属性のマナを身に纏って飛べるようになれる」
魔法の一種じゃないのか。勉強になるけど、冷たいな。
「軍艦と魚人族の海戦か。帝国に勝ち目はないな」
お父さんが水平線で繰り広げられる海戦を見て呟く。
見ている間に軍艦に火が灯る。元々勝ち目のない戦いだけど、お父さんがいないからなんだよな。お父さんが港に降り立って戦っていたらどっちに転んだかわからない。それだけ闇の精霊は強かったんだよな。
「他人事のように言っているがいいのか? 知り合いとかいるだろ?」
「いや、いない。教えてはいたが情の湧くような相手はいなかった」
シャドウさんの問いかけに首を横に振るお父さん。そういえば、お父さんの船にいた兵士達はいなくなってたな。船を動かす最低限の人はいたけど。
「それよりも早く陸にあがろうよシャドウさん。このままじゃ僕とお父さんは」
「分かっている。シンは私に捕まれお前はシンの脚に出も捕まっていろ」
シャドウさんに引っ張られて海を進んでいく。無事に陸にあがってシーグリアにたどり着くと日が暮れてた。今日はシーグリアにお泊りかな。エリナさんに遅くなるって伝えておけばよかったな。
「今だ!」
「うが!?」
シャドウさんの黒い雷がアーラに当たる。動きを止めたやつにばつの字に切りかかる。アーラはたまらず両手でガードしてくる。水龍が食い込み、紫炎がやつの爪で火花を生む。
バチバチバチと火花が目の前で生まれ、紫炎が吸い込んで炎を纏いだす。
「な、なんだこの剣は!」
あまりの光景に驚き戸惑うアーラ。紫炎の赤い炎が紫色に変わり熱を帯びて行く。あまりの熱さにアーラは空へと逃げる。
「逃がすか! 【シャドウドゥーク】」
「皆も放て!」
『【ウォーターディーク】』
『【ファイアドゥーク】』
シャドウさんの魔法に続いてダークスさんが声をあげる。魔族の兵士達が空にいるアーラに魔法を放っていく。色とりどりの魔法が合わさって虹色の爆発を起こす。
「ぐっうう……」
爆発の煙がおさまりアーラが見えてくると右腕以外の四肢がなくなっていた。あんなに強くても総攻撃を受けるとまともではいられないんだな。
「このままでは。引かせてもらう」
アーラが背中を見せて海へと飛んでいく。僕はシャドウさんに視線を送る。
「行くぞシン!」
「はい!」
僕を抱えて飛び出すシャドウさん。アーラを追いかける。港からは魚人族も追従してくれてる。逃がすわけには行かない。
「お父さんを返せ!」
アーラにどんどん近づいていく。あの傷じゃ、まともに飛べないみたいだ。
あと少し、あと少しでやつに届く!
「!? 軍艦!」
シャドウさんの声で海に視線を落とす。軍艦が三隻シーグリアに迫ってきてる。
「魚人族の助けは期待できない。私達だけでやるぞ」
「はい」
海からの激しい戦いの音が聞こえてくる。その上を飛んでアーラを追いかけて行く。
「シン!」
「行きます!」
この距離なら届く! 僕はシャドウさんから飛び上がってアーラに飛びつく。
「ケビンの息子シン、諦めろ。ケビンは死んだのだ」
「そんなわけない。お父さんは諦めていない。僕にはわかるんだ!」
「……」
首に手を回して抱き着く。アーラはたまらずに回転して僕を離そうとしてくる。
諦めない、何か手があるはずだ。何かてが……。そうだ!
「これを食べろ!」
「な、なんだ……。酸っぱいというのかこれは?」
僕はキュアグミをアーラの口に投げ込む。レモン味のグミに驚いている。
「な!? で、出てくるなケビン!」
「うるせぇ! これは俺の体だ! お前が出ていけ!」
キュアグミは状態異常を治す。お父さんの意思が体に戻ってきてるみたいだ。アーラと言いあうお父さん、少しするとアーラの姿がお父さんに戻って行き、黒い塊がポトリと落ちる。
「おっと、逃がさないといっただろ」
黒い塊をシャドウさんがキャッチする。あれがアーラなのか? キュアグミは融合状態も解除してしまうみたいだな。……お父さんが元に戻ったってことは。
「俺は飛べないぞシュン!」
「そ、そうだよね」
お父さんの言葉を聞いて答えると自由落下が開始される。浮遊感に襲われてシャドウさんを見るとすぐに僕らを支えてくれる。
「流石に重い。海に落ちる」
僕ら二人を支えてくれてる。流石のシャドウさんも二人は無理みたいだ。
「体が痛い……」
「ん、これを食べて」
お父さんの体はアーラの姿の時と同じダメージを負ってる。普通の人間なら死んでいてもおかしくないダメージだ。僕はすぐにヒールグミを手渡す。一粒、二粒口に入れるとみるみる回復していく。
「これは凄いなシン。お前は強いだけじゃなくてこんなことも出来るのか」
「うん。【グミ】の力だよ。お父さんたちのおかげで得た力」
「これが……。これが無ければ俺達は離れ離れにならなくて済んだんだよな」
どんどん高度が下がる中、お父さんは僕の頭を撫でてくれた。感慨深くグミを見つめるお父さん。人攫いにあわなければ確かに幸せだったかもしれない。今とは違う幸せがあったかもしれないな。
「今はそれがあって良かったと思える。だってよ、シュンがこんなにも立派になって会えたんだからな」
涙して抱きしめてくれるお父さん。体が温かくなって足が冷たくなる……え? 冷たい?
「感動の再会に時間をかけるのはいいんだがな。着水だ」
シャドウさんが呆れて声をもらすと顔まで水に浸かる。異世界でも海はしょっぱいんだな。
「ふう、一人なら普通に飛べるな」
「ずるいですよシャドウさん!」
「ずるいとはなんだ! ずるいとは。シンももっと魔法の経験を積むんだな。そうすれば、自分の属性のマナを身に纏って飛べるようになれる」
魔法の一種じゃないのか。勉強になるけど、冷たいな。
「軍艦と魚人族の海戦か。帝国に勝ち目はないな」
お父さんが水平線で繰り広げられる海戦を見て呟く。
見ている間に軍艦に火が灯る。元々勝ち目のない戦いだけど、お父さんがいないからなんだよな。お父さんが港に降り立って戦っていたらどっちに転んだかわからない。それだけ闇の精霊は強かったんだよな。
「他人事のように言っているがいいのか? 知り合いとかいるだろ?」
「いや、いない。教えてはいたが情の湧くような相手はいなかった」
シャドウさんの問いかけに首を横に振るお父さん。そういえば、お父さんの船にいた兵士達はいなくなってたな。船を動かす最低限の人はいたけど。
「それよりも早く陸にあがろうよシャドウさん。このままじゃ僕とお父さんは」
「分かっている。シンは私に捕まれお前はシンの脚に出も捕まっていろ」
シャドウさんに引っ張られて海を進んでいく。無事に陸にあがってシーグリアにたどり着くと日が暮れてた。今日はシーグリアにお泊りかな。エリナさんに遅くなるって伝えておけばよかったな。
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