異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
50 / 50
第二章 不思議な洞窟

第50話 平和への道のり

しおりを挟む
「ここでシュンが育ったのね」

 シーレイクラインの町に帰ってきてお母さんが孤児院を見つめて感慨深く呟く。優しい瞳で僕も見てくれる。

「エリナさん。ただいま戻りました」

「お帰りなさいシン。そちらの方々は?」

 孤児院に入ってエリナさんにみんなを紹介する。本当の両親と聞くと嬉しさで涙を流してくれるエリナさん。本当に彼女は優しい。

「シュン。エリナさんとはどこまで行ったの?」

「「え!?」」

「ちょ、お母さん」

 食堂の長机に座ると開口一番お母さんが聞いてくる。思わずエリナさんと顔を見合ってしまった。

「育ての親だって言うのは聞いたけれど、それ以上の何かを感じるのよ。女の勘というやつね」

「……あっ、子供達が呼んでいるので少し行ってきますね」

「あら、逃げられちゃった。でも、ふふふ」

 お母さんの追及。たまらずエリナさんは席を立って子供達の元へと行ってしまった。お母さんはその姿を見てクスクスと笑う。
 そして、僕に視線を移した。

「シュンはとても幸せに育ってくれてたのね。それだけで私は嬉しい。死んでいたと思って世界を壊そうと思っていたけれど、壊さなくて良かった」

「ええ!? そんなこと思ってたの? ルリもいたんだからやめてよ」

「ふふ、そうよね。あの頃の私は何を考えていたんだか」

 お母さんの懺悔の言葉に驚くと子供達と遊ぶみんなに視線を移す。例え僕が死んでいてもルリがいた。絶望するにはまだ早いよな~。

「さて、そろそろ私は研究所に帰るぞ」

 シャドウさんが席を立つ。

「ん、じゃあ俺もマルグリアに」

「いや、今日は家族水入らずでいるといい。兄上には私が言っておく。ではまたなシン」

 お父さんも席を立とうとするとシャドウさんに止められる。彼は後ろ手に手を振って孤児院を出て行く。

「魔族の王族は人をゴミのように扱うと教えられてきたが全然違うな」

「本当に」

 帝国ではそう教わるのか。王国ではそれほどじゃないけど、あまりいい印象は受けていない様子だったな。

「お母様。こことってもいい。嬉しいって言う感情で溢れてる」

「それは良かったわねルリ」

 ルリが子供達と遊び終わって帰ってくる。お母さんに頭を撫でられて嬉しそうにしてる。妹か、まさか僕に妹がいるなんてな~。

「お兄様。お兄様はエリナさんのことどう思っているんですか?」

「え? きゅ、急にどうしたのルリ?」

 急な質問に挙動不審になってエリナさんに視線が移る。エリナさんは子供達と遊んでいてこっちには気づいていない。

「エリナさんからはとっても幸せっていう感情が流れてきます。その感情を向ける相手がお兄様だと思って」

「それって……」

 エリナさんが僕のことを? って育ての親だから当たり前の感情だよな~。

「シン~。夕食にするから手伝って~」

「あ、は~い。ルリ、エリナさんは僕の育ての親なんだ。僕のことを好きなのは子供達と同じ好きだよ」

 エリナさんに呼ばれてルリに答える。ルリは不思議そうに首を傾げると大きく頷いて答えた。

「……まあ、そう言うことにしておきましょうか。今は」

「ああ、そうだな。家族が再会できたそれだけで俺達は幸せだ」

 お母さんとお父さんの言葉が聞こえてくる。離れ離れになっていた僕らが再会できた。僕は今最高に幸せだ。
 
「久しぶりだなシン」

「お久しぶりですゲハルドさん」

 孤児院でお父さんたちと過ごすようになって一か月が経った。
 ある日、ゲハルドさんが帰ってきて冒険者ギルドの酒場で再会を喜ぶ。

「これでシーレイクラインのギルドの最強が揃ったな」

「ああ、今この町を襲ってくる魔物は気の毒だ。一瞬で屠られるんだからな」

 ロジールさんとエッジさんが嬉しそうに肩を抱き合って話す。
 ゲハルドさんと顔を見合って笑う。

「エルフの森はどうなりました」

 ロジールさん達に聞こえないように小声で質問する。

「ああ、何とかなったよ。シンのおかげだ」

 エルフの森は安全になったみたいだな。

「それよりも良かったな。両親と再会できて」

「あっ、はい。本当に良かったです」

 喜んでくれるゲハルドさん。二人で顔を見合って喜んでいると冒険者ギルドの扉が勢いよく開いた。

「シンと言うものはいるか?」

 勢いよく入ってきた騎士の鎧を着た男がなぜか僕を探していた。僕はみんなの顔を見まわしてから立ち上がる。

「僕がシンです」

「お前が!?」

 失礼なほど狼狽える騎士。その様子にギルドのみんなは怪訝な表情。

「あなた失礼よ。シン君はこの町の英雄なんだからね」

 憤りを露わにしてヴィラさんが声をあげる。騎士はおもむろに剣を抜く。

「帝国からライナ、ケビン、シン、ルリと言うものを差し出せという手紙が届いた。帝国との戦争を王は望んでいない」

 騎士が話しだすとぞろぞろと別の騎士がギルドに入ってくる。みんな武装していてすぐにでも剣を振り上げて来そうな気迫を感じる。

「おいおいおい。シン達に手を出すって言うのか?」

「それは黙っちゃいられねえな」

 ロジールさんとエッジさんが声をあげて立ち上がる。

「お前達! 逆らうというのか!」

「まあ、そう言うことだ。この町のすべてと俺達エルフと戦うことになるぞ」

「な!? エルフだと?」

 騎士にため息をついて声をあげるゲハルドさん。気が付くとギルドの入口に複数のエルフが立っていた。エルフ達は魔法の杖と弓を構えて威嚇してる。

「ぐぬぬ。引き渡さなければ戦争になるのだぞ」

「それは願ってもないことだ!」

「な!? だ、誰だ!」

 歯ぎしりして声をあげる騎士。それに答えたのはシャドウさんだった。エルフさん達をかき分けてギルドに入ると騎士達がどよめく。

「魔族!? ど、どうしてここに」

「誰がどこに居てもいいだろう。そんなことよりも帝国に戦争を吹っ掛けられたのは我が祖国も同じだ。何が言いたいかわかるか?」

 騎士達は顔を見合って首を傾げる。

「帝国の願っている戦争をマルグリアとオルデーナで起こすのだ」

 シャドウさんがこういうとみんなにウインクを見せる。
 この後僕らはシャドウさんと共にオルデーナ王国へと足を運び魔族との協定を結び帝国へと戦いを挑んだ。結果から言うと大勝利で終わった。
 そして、傷ついた帝国の支配地を僕の従魔のレッド達が直していき。平和な世界へと大きな一歩を歩んだ。
 僕の新たな世界はこうして平和な世界へとなって行く。まだまだ不安は多いけれど、シャドウさんと共に一歩一歩前へと進んでいく。

ーーーーー

どうも、カムイイムカです。
シンのお話はここでおしまいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

しおりを挟む
感想 9

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(9件)

友梨奈
2023.10.05 友梨奈

シンの家族そろって良かったです。
妹は人の心が読めるのは凄いですね︎(,,> <,,)👏
帝国が滅びるのすごく早かったですね!

2023.10.05 カムイイムカ(神威異夢華)

感想ありがとうございます

やっぱりハッピーエンドがいい
悪即斬ということでw

解除
A・l・m
2023.03.29 A・l・m

かんけつ!

とりあえずきれいに終わっているけれど、お母さんがおかしくなってた理由があると良いかなと思う。
(あるのを忘れてるのかもだけど)

逆に、妹の方に喋れないか何かの封印的な何かがあれば『え? 妹なら読める(気付く)よね?』とか言われずに済むと思う。
眠り続けてるとかそういうの。

2023.03.30 カムイイムカ(神威異夢華)

感想ありがとうございます

妹の説明は確かに少なかったですね。最後までありがとうございました

解除
A・l・m
2023.02.23 A・l・m

……混ぜ混ぜすると首輪付きに出来る……?(クロ)

2023.02.24 カムイイムカ(神威異夢華)

感想ありがとうございます

良い子成分が体全体にw

解除

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。 大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。 そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。 しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。 戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。 「面白いじゃん?」 アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

異世界での異生活

なにがし
ファンタジー
役職定年を迎えた男が事故に巻き込まれケガをする。病院に運ばれ治療をしていたはずなのに、なぜか異世界に。しかも、女性の衣服を身に着け、宿屋の一室に。最低な異世界転移を迎えた男が、異世界で生きるために頑張る物語です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。