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第2章 王国と魔道
第46話 リッテン
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「新しい依頼はなしっと」
ルーザーさんと共に冒険者ギルドにやってきた。彼は掲示板を見てため息をつく。
「おはようございます、ムラタさん」
「あ、おはようございますクリスさん」
クリスさんが挨拶をしてくれる。挨拶を返すと彼女はニッコリと笑ってルーザーさんを見つめる。
「エクスさん達は少し遠くの依頼に行きました」
「あ、そうなんですね」
クリスさんが教えてくれる。エクス達は自分達の拠点を買うために頑張ってるんだよな。僕もスローライフの為に土地を買いたい。少しでも依頼を多くこなせば早く土地が買えるのにな。
「若い奴らはいいな。目標があって」
「ふふ、なにを言ってるんですかルーザーさん。あなたにも目標が出来たでしょ?」
ルーザーさんのボヤキにクリスさんが声を上げる。彼は彼女の言葉の意味が分からなくて、首を傾げる。
「ムラタさんを強くするんでしょ? それが今のあなたの目標。そうでしょ?」
「……はは、そうだな。そうだった」
クリスさんの答えにルーザーさんはハッとした様子で呟く。二人とも僕を見つめてくる。なんだか恥ずかしくて頬がかゆくなる。
「マスターは信頼されていますね」
「ほんと」
頬を掻いているとジャネットとジャンがニッコリと微笑んで呟く。嬉しいけど、みんなに見つめれると困ってしまうよ。
「え、えっと~。なにか依頼はないかな~」
「あ~、お兄ちゃん誤魔化してる~」
我慢できずに誤魔化すために掲示板に近づく。ルナちゃんに指摘されてしまった。だけどしょうがないんだ。みんなが揶揄ってくるのが悪いんだ。
「ふむ、ここが冒険者ギルドか。廃れているな」
掲示板を見ているとギルドの扉が開いてローブを着た人が入ってくる。白髪の男性、ハンカチを鼻に当てて受付に座る。
「えっと、どういったご用件で?」
「私の名はリッテン。魔道都市オルディナで死霊術を教えている教授だ。私の生徒がこちらの冒険者に殺されたと聞いてね。少し話を聞きたいと思いやってきた」
クリスさんの問いかけに素直に答えるリッテン。彼はニヤリと口角を上げて杖を構える。
僕らも臨戦態勢になると、彼は笑いだす。
「ふむ、腐っても冒険者というところか。安心してくれ。町の中で騒ぎを起こすつもりはない。ただ生徒を殺したものを探しているだけだ。なにか知っているなら教えてくれ。タダとは言わない。教えてくれたら【10万ラリ】を報酬として差し上げよう」
リッテンはクスリと笑って提案してくる。10万ラリ、偶然にも僕が欲しい金額だ。それだけあれば土地と小屋を建てるくらいはできるようになる。夢のスローライフを実現できる。
だけど、それはダメだ。だって、その犯人は僕なんだから。正確にはジャネットだけど。
「知らないな。他を当たりな」
「そうか。優秀な生徒たちだった。何もできずに死ぬなど考えられなかったのだがな」
「ふんっ。何もできなかったなんて言わせねえよ。ゾンビで溢れかえったんだからな。教えていた生徒たちが迷惑を俺達にかけたんだ。”止めてくれた恩人”を探すよりも謝罪をした方がいいんじゃねえか?」
ルーザーさんが”犯人”を”止めてくれた恩人”と答えて嫌味をこぼす。リッテンはそれを鼻で笑うと杖を彼に向ける。
「我々オルディナは魔法で”世界をより良いもの”に変えようとしている。そのための実験で人がどれだけ死んでも構わない。平和な世界の礎となるのだからな」
リッテンはそう言って見せる。あまりにも酷い意見に僕らは言葉をなくしてしまう。彼は自慢げに胸を張って見せてくる。
これは思ったよりもひどい人達みたいだな。
「……ん? んん~?」
リッテンは急に僕らを見つめてくる。近づいてくるリッテンはルーンへと視線を向ける。
「ルーン? ルーンなのか? お前は魔根の球に命を捧げたはず? 【ゼター】教授の研究成果のレポートに確かに書かれていた」
リッテンの言葉に僕はハッとして彼女を隠すように前に出る。そうか、彼女はオルディナの関係者だ。顔を知ってる人がいるのは当たり前だ。
「リッテン様? あなたは別の国の方です。なぜオルクスに入れたのですか?」
「ふふ、おかしなことを聞く受付係だな。私は魔道都市の教授だぞ。誰かに許可を得なくては町に入れない、などという庶民のルールなど適応されない。門から入らなければそのような煩わしいことをしなくていいだろ?」
クリスさんが話をさえぎって問いかける。
いけしゃあしゃあと不法入国を告げるリッテン。この人は危険だ。何をしてくるかわからないぞ。
「不法入国……。あなたを逮捕します」
「逮捕? 私を? ふはは。おかしなことを言うな。お前らがどれだけ数を増やそうと私を捕まえられるはずがないだろう。私は魔道都市の教授だぞ。触れることも不敬なことだ! 予定変更だ。オルクスは我が学院の生徒を誘拐している」
クリスさんが縄を手にもってリッテンに近づく。ルーンを理由に戦うつもりみたいだ。
彼はクスクス笑いながら杖で地面を叩く。リズムよく叩き続ける。異様な気配を感じる。
「知っているか? グレーターグールを。こいつはこんな辺境の冒険者じゃ倒すことはできない。私の生徒を殺した報い、町一つで償うがいい!」
「グアァァァァァ~~~~~!」
リッテンを中心に魔法陣が展開される。彼の足元から紫色の肌をした巨体のゾンビが出てくる。コボルトロードと同じくらいの体躯。鋭い爪から紫色の水滴を落とす。床を腐食させて、嫌なにおいを放っている。
グレーターグール、僕らはこいつと睨みあい戦いの始まりを肌で感じる。
ルーザーさんと共に冒険者ギルドにやってきた。彼は掲示板を見てため息をつく。
「おはようございます、ムラタさん」
「あ、おはようございますクリスさん」
クリスさんが挨拶をしてくれる。挨拶を返すと彼女はニッコリと笑ってルーザーさんを見つめる。
「エクスさん達は少し遠くの依頼に行きました」
「あ、そうなんですね」
クリスさんが教えてくれる。エクス達は自分達の拠点を買うために頑張ってるんだよな。僕もスローライフの為に土地を買いたい。少しでも依頼を多くこなせば早く土地が買えるのにな。
「若い奴らはいいな。目標があって」
「ふふ、なにを言ってるんですかルーザーさん。あなたにも目標が出来たでしょ?」
ルーザーさんのボヤキにクリスさんが声を上げる。彼は彼女の言葉の意味が分からなくて、首を傾げる。
「ムラタさんを強くするんでしょ? それが今のあなたの目標。そうでしょ?」
「……はは、そうだな。そうだった」
クリスさんの答えにルーザーさんはハッとした様子で呟く。二人とも僕を見つめてくる。なんだか恥ずかしくて頬がかゆくなる。
「マスターは信頼されていますね」
「ほんと」
頬を掻いているとジャネットとジャンがニッコリと微笑んで呟く。嬉しいけど、みんなに見つめれると困ってしまうよ。
「え、えっと~。なにか依頼はないかな~」
「あ~、お兄ちゃん誤魔化してる~」
我慢できずに誤魔化すために掲示板に近づく。ルナちゃんに指摘されてしまった。だけどしょうがないんだ。みんなが揶揄ってくるのが悪いんだ。
「ふむ、ここが冒険者ギルドか。廃れているな」
掲示板を見ているとギルドの扉が開いてローブを着た人が入ってくる。白髪の男性、ハンカチを鼻に当てて受付に座る。
「えっと、どういったご用件で?」
「私の名はリッテン。魔道都市オルディナで死霊術を教えている教授だ。私の生徒がこちらの冒険者に殺されたと聞いてね。少し話を聞きたいと思いやってきた」
クリスさんの問いかけに素直に答えるリッテン。彼はニヤリと口角を上げて杖を構える。
僕らも臨戦態勢になると、彼は笑いだす。
「ふむ、腐っても冒険者というところか。安心してくれ。町の中で騒ぎを起こすつもりはない。ただ生徒を殺したものを探しているだけだ。なにか知っているなら教えてくれ。タダとは言わない。教えてくれたら【10万ラリ】を報酬として差し上げよう」
リッテンはクスリと笑って提案してくる。10万ラリ、偶然にも僕が欲しい金額だ。それだけあれば土地と小屋を建てるくらいはできるようになる。夢のスローライフを実現できる。
だけど、それはダメだ。だって、その犯人は僕なんだから。正確にはジャネットだけど。
「知らないな。他を当たりな」
「そうか。優秀な生徒たちだった。何もできずに死ぬなど考えられなかったのだがな」
「ふんっ。何もできなかったなんて言わせねえよ。ゾンビで溢れかえったんだからな。教えていた生徒たちが迷惑を俺達にかけたんだ。”止めてくれた恩人”を探すよりも謝罪をした方がいいんじゃねえか?」
ルーザーさんが”犯人”を”止めてくれた恩人”と答えて嫌味をこぼす。リッテンはそれを鼻で笑うと杖を彼に向ける。
「我々オルディナは魔法で”世界をより良いもの”に変えようとしている。そのための実験で人がどれだけ死んでも構わない。平和な世界の礎となるのだからな」
リッテンはそう言って見せる。あまりにも酷い意見に僕らは言葉をなくしてしまう。彼は自慢げに胸を張って見せてくる。
これは思ったよりもひどい人達みたいだな。
「……ん? んん~?」
リッテンは急に僕らを見つめてくる。近づいてくるリッテンはルーンへと視線を向ける。
「ルーン? ルーンなのか? お前は魔根の球に命を捧げたはず? 【ゼター】教授の研究成果のレポートに確かに書かれていた」
リッテンの言葉に僕はハッとして彼女を隠すように前に出る。そうか、彼女はオルディナの関係者だ。顔を知ってる人がいるのは当たり前だ。
「リッテン様? あなたは別の国の方です。なぜオルクスに入れたのですか?」
「ふふ、おかしなことを聞く受付係だな。私は魔道都市の教授だぞ。誰かに許可を得なくては町に入れない、などという庶民のルールなど適応されない。門から入らなければそのような煩わしいことをしなくていいだろ?」
クリスさんが話をさえぎって問いかける。
いけしゃあしゃあと不法入国を告げるリッテン。この人は危険だ。何をしてくるかわからないぞ。
「不法入国……。あなたを逮捕します」
「逮捕? 私を? ふはは。おかしなことを言うな。お前らがどれだけ数を増やそうと私を捕まえられるはずがないだろう。私は魔道都市の教授だぞ。触れることも不敬なことだ! 予定変更だ。オルクスは我が学院の生徒を誘拐している」
クリスさんが縄を手にもってリッテンに近づく。ルーンを理由に戦うつもりみたいだ。
彼はクスクス笑いながら杖で地面を叩く。リズムよく叩き続ける。異様な気配を感じる。
「知っているか? グレーターグールを。こいつはこんな辺境の冒険者じゃ倒すことはできない。私の生徒を殺した報い、町一つで償うがいい!」
「グアァァァァァ~~~~~!」
リッテンを中心に魔法陣が展開される。彼の足元から紫色の肌をした巨体のゾンビが出てくる。コボルトロードと同じくらいの体躯。鋭い爪から紫色の水滴を落とす。床を腐食させて、嫌なにおいを放っている。
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