【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 王国と魔道

第59話 招かれざる仲間

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『赤い夜がやってきました。防衛者を雇ってください。【赤い騎士ジャネット 100ラリ】【青い剣士ジャン 100ラリ】【緑の狼ルドラ 100ラリ】【金色の魔法使いルーン 100ラリ】【黒の魔法使いリッテン 100ラリ】』

「やっぱり……」

 エスメル様の活躍を見ていると赤い夜がやって来た。ジャネットがウィンドウに消えていくのを見送って、大きなため息をつく。

「あの時のゾンビの群れと違って消えないんだな」

 リッテンが仲間になったことは残念だけど、仕方ないことだ。利用できるだけ利用しよう。それが彼によって無残に命を絶たれた人へ贖罪になるだろう。
 彼の作ったゾンビの群れは残念ながら、彼が消えても消えることはない。
 生徒とは格が違うと言ったところか。腐っても彼は教授、人に教える立場の人間だったんだ。

「はは、イカルスは凄いな。バリスタに魔法兵に爆発するポーションの投擲兵か。ははは……」

 村のウィンドウを見て笑いがこみあげてくる。
 イカルスは凄いや、自分のできることを一生懸命やって成果を出してる。嫌な奴を仲間にしてしまった気を落としていたら彼に笑われてしまうな。
 もっともっと頑張らないと、彼やジャネット達に置いて行かれちゃう。

「ハァハァ。ムラタ! 一人で行くなって」

「あ、すみませんルーザーさん。少し気になったことがあったので」

 一足遅くルーザーさんが城門にやってくる。エクスも一緒で息を切らせて頭を抑えてる。二日酔いかな?

「エスメル様~!」

「ありがとうございますエスメル様~!」

 歓声が上がる。エスメル様が帰って来たんだ。

「皆、まだ終わっていない。あの外道はゾンビを生んで死んだ。ゾンビ達の対処は任せる。私は直接魔道都市に赴き、対話を試みてくる」

 エスメル様はそう言って僕らに近づいてくる。ルーザーさんを見て、僕を見つめると口を開く。

「では言ってくる。再度攻撃があったら頼む。ルーザーも」

「エスメル様? ではわたくしも」

 エスメル様は優しく頭をポンと叩いてくる。ルーザーさんにも声をかけたけど、なんだか僕だけ特別みたいな声のかけ方だ。
 彼女はそのまま馬車に乗り込む。アスガルさんも一緒に乗り込んで馬車が走り出した。
 すでに衛兵が外へ出てゾンビの対処をしてる。結構強いみたいで苦戦してるな。

「何かあったのか?」

「あ、ん~。どうなんだろう?」

「わからないか。まあ、あの人は心は読めないからな。まあいい、俺達もゾンビ退治を始めるぞ」

 ルーザーさんが聞いてくる。僕は見当もつかずに首を傾げる。
 気になるのはエスメル様の”あの人”という言葉だ。ジャネットの火を見て放った言葉。気になってしょうがないよ。
 でも、エスメル様はオルディナに向かってしまった。聞くこともできない。もどかしいな。

「ハァハァ。あの時よりは数は少ないが、大変だな」

「そうだね」

 エクスの声に答える。
 色違いのゾンビは強力な再生能力がある。腕を切り落とすと新しい腕が生えると言った感じだ。
 気持ち悪いし、人型だしで、もう踏んだり蹴ったりだ。でも、嬉しいこともある。

『レベルが上がりました』

 レベルアップの声。ゾンビを10体程倒したら聞こえてきた。最近は聞かなかった声で、嬉しさもひとしお。

「【光よ。悪しき屍を滅せよ【ホーリーライト】】。おお!? 効果範囲が段違いだ!」

 更に嬉しいことにゾンビ達にはホーリーライトが効く。
 30メートルくらい伸びてる。前回は10メートルにも届かなかった。それなのに30メートルだよ。僕も成長してるな~。正直、かなり嬉しい。

『赤黒い夜がやってきました』

「あ、追加か」

 赤黒い夜がやって来た。魔物はグレーターグールだ。僕は倒していないのに現れた。これはリッテンの影響かな。
 彼がグレーターグールを従わせていたということは倒したと同義だろう。その影響で現れるようになってしまった。

「その付けは君が倒してね」

 村のウィンドウを見つめながら呟く。
 リッテンは防衛者になっても同じ戦い方をしてる。違うのは体だけだ。幽体とグールの体じゃない。完全に人の体。
 ゾンビを地面から召喚して戦わせる。自分は黒い球を放って爆発させる。ゾンビを爆発させることもできるみたいだ。
 リッテンはまだまだ隠し玉を持っていたんだな。使われなくてよかったよ。かなりの攻撃範囲だ。使われていたら町が大変なことになってた。エスメル様はこれを懸念して早々に終わらせたのかな。

『赤黒い夜に勝利しました。報酬が得られます』

 続けてゾンビを魔法で倒していると、声が聞こえてくる。
 報酬は【30000ラリ】と【グレーターグールの核】と【鉄の大剣】だ。

「大剣……。ステータスが高くなったから持てるけど……」
 
 核の使い方は分かった。だけど、大剣は使わないな~。僕の戦闘スタイルに似合わない。
 それにしても武器率が高いな~。銅の剣、鉄の剣、鉄の大剣。鉄の剣は使うからいくらでも欲しいんだけどね。

「……剣か、もしかしてジャネットに関係してるのかな?」

 僕は憶測を呟く。口に出して思うとそうなんじゃないかと確信を持ってしまう。
 そう思うとエスメル様のあの人って……。

「……まさかね」

 僕は考えを一蹴する。彼女がジャネットの関係者ならすぐに声をかけるはずだ。
 それにジャネットも前世の記憶を思い出してきてるはず。ルーンはほぼ完全に思い出しているし、ジャンだって……。関係者なら既に答えが出てるはずだ。

「会いたくない人なんているはずない。ジャネットだもん」

 ジャネットみたいに優しくて強くてカッコいい人が生き返った、なんてことになったら大騒ぎして泣いてしまうはずだ。他人の空似、ただそれだけのことだよね。
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