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第2章 王国と魔道
第78話 特訓の日々
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「おらおら、ムラタ! 逃げてたら特訓にならねえぞ!」
「そ、そんなこと言っても!」
クリスさんが遊びに来てくれた次の日。なぜか僕も特訓に付き合わされる。
二刀流で武器を振り回すルーザーさんが、容赦なく僕へと攻撃してくる。
「こら! 背中を向けて逃げるな!」
「ルーザーさん! 僕は戦闘能力は低いんですよ。喧嘩だってやったことなかったんですからね」
「何言ってんだ! コボルトを倒しただろ。それなら冷静になれば受けることくらいできるだろ!」
ルーザーさんの言葉に答えると更に憤りを露わにしてくる。攻撃が激しくなる。
背中を向けて逃げたはずなのに前にルーザーさんが現れて長剣を振り下ろしてくる。剣で受け止めて片膝をつくと、顔面に蹴りが飛んでくる。
「ぐわっ!? ちょ、ちょっとルーザーさん!」
「はぁ~、ムラタ。ブレスとかゴッドブレスとか使わねえのか?」
「あ、忘れてました。じゃ、じゃあ」
抗議の声を上げようと思ったらルーザーさんが魔法のことを言ってくる。
そう言えば、使っていなかったと思った僕は迷わずブレスを使う。
「よ、よし! これで少しは」
「いくぞ」
僕は体が軽くなるのを感じて声をあげる。するとルーザーさんがすぐに切りこんでくる。
横なぎの長剣が流れてくる。それをしゃがんで避けると続けて短いナイフが頭をかすめる。横なぎの二連撃を躱すと、強くなっているのを感じる。
「おお、よく避けたな。じゃあ次も行くぞ」
「は、はい!」
一度の成功が自信に変わる。ルーザーさんの攻撃は激しさを増していく。
「はぁはぁ……」
「よし! 今日はこのくらいにしておいてやろう。中々よかったぞ。今度はやられないかもな」
「あ、ありがとうございます」
一時間程の時間が過ぎる。やっと特訓が終わると立てない程の疲労に見舞われる。横になって息を整える。
ブレスの魔法は回復にも役立つ、体が回復しているのを感じる。ジンジンと回復している箇所が熱を帯びてる。面白いな。
「マスター。すぐに回復します」
「あ、ありがとうルーン」
地面に横になっているとルーンが駆け寄ってくる。今日はもう赤い夜を過ぎたからみんなを呼び出しておいた。
僕の特訓を見ていたみんなは嬉しそうに近寄ってくる。
「アユム様は強くなりましたね。嬉しいです」
「ほんと、兄貴の攻撃を躱せるようになるなんて。ほんと凄い」
ジャネットとジャンが褒めてくれる。思わず頬がほころぶ。ニヤニヤと口角が上がってしまうよ。
「お兄ちゃんカッコいい!」
「ふふ、そうですね。ルナの言う通りです」
ルナちゃんがまた褒めてくれる。ルーンも同意して手を握ってくれる。
みんなの温かさを感じていると、ルドラが目に入る。
彼はゼターの従魔だった。何を思っているんだろう。聞きたいけど、彼は言葉を話せない。
「ワンワン!」
僕の考えていることもわからない様子の彼は嬉しそうに僕を嘗め回す。
お返しとばかりに犬吸いをすると、彼は嬉しそうにしっぽを振る。
「……ゼターのことを覚えてる?」
「ワンワン!」
僕は思わず彼の耳元で問いかける。彼は当たり前とばかりに元気に答えた。
「優しかった?」
「ワンワン!」
「はは、そう……。話せばわかってくれるかな?」
「ワン……」
僕の問いかけに素直に答えるルドラ。彼も記憶が浸透しているんだろう。ジャネットやジャンと同じように前のことを思い出している。
僕の問いかけに元気なく答えた彼は泣き出しそうなくらい俯く。
「まずは対話。ルドラのためにも話してみよう」
「ワンワン!」
「はは、なめすぎだよルドラ」
僕は対話が出来るならばそうしたい。戦わないことが一番いいんだ。そう、信じてる。
ルドラが嬉しくてしょうがない様子で嘗め回してくる。そんなに喜んでくれるなら嬉しいな。
「大聖堂、ありがとうございましたアユム様」
「ジャネット。いい感じ?」
「はい。みんな喜んでパワーアップを感じていますよ。おかげで司祭の育成も進んでいますし、500の魔物も協力して簡単に倒せるようになりました」
ジャネットが気になっていたことを報告してくれる。大聖堂は【司祭】という兵士も作り出してくれるみたいだ。
光魔法の部隊という話だけど、ルーンみたいに攻撃もできる。魔法使いの育成も進んでいるみたいだし。町を通り越して都市になりつつあるな。
見下ろした風景で見られる魔法の球の攻撃は爽快の一言だ。
500の魔物の群れに赤や青の魔法の球が放たれる。一種の花火みたいな風景。爆発しては魔物を倒していく。
「大聖堂の効果のおかげで私達も強化されて。今ではコボルトロードを素手で倒すことが出来ました。あの時の魔石を二つ持つコボルトロードも簡単に倒せるでしょう」
「そ、それは凄いね」
嬉しそうに報告してくるジャネット。彼女の横に立てる日はないのかもしれないな。
いや、諦めたらそこでおしまいだ。もっと魔法の勉強して、気絶しないでゴッドブレスを使いこなせるようにならないと。
「剣の特訓はおしまい。次は魔法書を読書だ」
「それなら私が付き合います」
「ありがとうルーン。みんなは自由に行動してね」
やる気に満ち満ちると家に入って魔法書を読み始める。
ルーンに魔法のことを聞きながら3巻までを読破。ジャネットとルナちゃんも混ざって魔法の勉強を続ける。
ルナちゃんが寝てしまうまで続けて、彼女の寝息を聞く。僕も眠くなってお昼寝を始めてしまう。眠気に勝てないのも僕らしいな。そう思い、目を瞑るのだった。
「そ、そんなこと言っても!」
クリスさんが遊びに来てくれた次の日。なぜか僕も特訓に付き合わされる。
二刀流で武器を振り回すルーザーさんが、容赦なく僕へと攻撃してくる。
「こら! 背中を向けて逃げるな!」
「ルーザーさん! 僕は戦闘能力は低いんですよ。喧嘩だってやったことなかったんですからね」
「何言ってんだ! コボルトを倒しただろ。それなら冷静になれば受けることくらいできるだろ!」
ルーザーさんの言葉に答えると更に憤りを露わにしてくる。攻撃が激しくなる。
背中を向けて逃げたはずなのに前にルーザーさんが現れて長剣を振り下ろしてくる。剣で受け止めて片膝をつくと、顔面に蹴りが飛んでくる。
「ぐわっ!? ちょ、ちょっとルーザーさん!」
「はぁ~、ムラタ。ブレスとかゴッドブレスとか使わねえのか?」
「あ、忘れてました。じゃ、じゃあ」
抗議の声を上げようと思ったらルーザーさんが魔法のことを言ってくる。
そう言えば、使っていなかったと思った僕は迷わずブレスを使う。
「よ、よし! これで少しは」
「いくぞ」
僕は体が軽くなるのを感じて声をあげる。するとルーザーさんがすぐに切りこんでくる。
横なぎの長剣が流れてくる。それをしゃがんで避けると続けて短いナイフが頭をかすめる。横なぎの二連撃を躱すと、強くなっているのを感じる。
「おお、よく避けたな。じゃあ次も行くぞ」
「は、はい!」
一度の成功が自信に変わる。ルーザーさんの攻撃は激しさを増していく。
「はぁはぁ……」
「よし! 今日はこのくらいにしておいてやろう。中々よかったぞ。今度はやられないかもな」
「あ、ありがとうございます」
一時間程の時間が過ぎる。やっと特訓が終わると立てない程の疲労に見舞われる。横になって息を整える。
ブレスの魔法は回復にも役立つ、体が回復しているのを感じる。ジンジンと回復している箇所が熱を帯びてる。面白いな。
「マスター。すぐに回復します」
「あ、ありがとうルーン」
地面に横になっているとルーンが駆け寄ってくる。今日はもう赤い夜を過ぎたからみんなを呼び出しておいた。
僕の特訓を見ていたみんなは嬉しそうに近寄ってくる。
「アユム様は強くなりましたね。嬉しいです」
「ほんと、兄貴の攻撃を躱せるようになるなんて。ほんと凄い」
ジャネットとジャンが褒めてくれる。思わず頬がほころぶ。ニヤニヤと口角が上がってしまうよ。
「お兄ちゃんカッコいい!」
「ふふ、そうですね。ルナの言う通りです」
ルナちゃんがまた褒めてくれる。ルーンも同意して手を握ってくれる。
みんなの温かさを感じていると、ルドラが目に入る。
彼はゼターの従魔だった。何を思っているんだろう。聞きたいけど、彼は言葉を話せない。
「ワンワン!」
僕の考えていることもわからない様子の彼は嬉しそうに僕を嘗め回す。
お返しとばかりに犬吸いをすると、彼は嬉しそうにしっぽを振る。
「……ゼターのことを覚えてる?」
「ワンワン!」
僕は思わず彼の耳元で問いかける。彼は当たり前とばかりに元気に答えた。
「優しかった?」
「ワンワン!」
「はは、そう……。話せばわかってくれるかな?」
「ワン……」
僕の問いかけに素直に答えるルドラ。彼も記憶が浸透しているんだろう。ジャネットやジャンと同じように前のことを思い出している。
僕の問いかけに元気なく答えた彼は泣き出しそうなくらい俯く。
「まずは対話。ルドラのためにも話してみよう」
「ワンワン!」
「はは、なめすぎだよルドラ」
僕は対話が出来るならばそうしたい。戦わないことが一番いいんだ。そう、信じてる。
ルドラが嬉しくてしょうがない様子で嘗め回してくる。そんなに喜んでくれるなら嬉しいな。
「大聖堂、ありがとうございましたアユム様」
「ジャネット。いい感じ?」
「はい。みんな喜んでパワーアップを感じていますよ。おかげで司祭の育成も進んでいますし、500の魔物も協力して簡単に倒せるようになりました」
ジャネットが気になっていたことを報告してくれる。大聖堂は【司祭】という兵士も作り出してくれるみたいだ。
光魔法の部隊という話だけど、ルーンみたいに攻撃もできる。魔法使いの育成も進んでいるみたいだし。町を通り越して都市になりつつあるな。
見下ろした風景で見られる魔法の球の攻撃は爽快の一言だ。
500の魔物の群れに赤や青の魔法の球が放たれる。一種の花火みたいな風景。爆発しては魔物を倒していく。
「大聖堂の効果のおかげで私達も強化されて。今ではコボルトロードを素手で倒すことが出来ました。あの時の魔石を二つ持つコボルトロードも簡単に倒せるでしょう」
「そ、それは凄いね」
嬉しそうに報告してくるジャネット。彼女の横に立てる日はないのかもしれないな。
いや、諦めたらそこでおしまいだ。もっと魔法の勉強して、気絶しないでゴッドブレスを使いこなせるようにならないと。
「剣の特訓はおしまい。次は魔法書を読書だ」
「それなら私が付き合います」
「ありがとうルーン。みんなは自由に行動してね」
やる気に満ち満ちると家に入って魔法書を読み始める。
ルーンに魔法のことを聞きながら3巻までを読破。ジャネットとルナちゃんも混ざって魔法の勉強を続ける。
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