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第2章 王国と魔道
第100話 ゼターの草原
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太陽が真上に行く頃、僕は街道をゴーレムと共に進む。街道をオルクスに向かってくる馬車が驚いて動きを止めるが、止まって見せると素通りしていく。
僕が手を振って見せると安心してくれるみたいだ。馬車の人は何やら急いでいる様子だった。たぶん、僕が思っている通りのことが起こっているんだろう。
「くしくもこの草原か……」
ゼグラデムの思惑で壊されたゼターの小屋、そして、遠くにはゼターの悲しみが作り出した大きな奈落の穴。
僕の悲しみも内包する奈落の穴を見ていると、遠くに白銀の鎧を着た軍隊が現れる。
予知夢よりも早い登場だ。僕が動いたことで少しだけ歴史が変わったのか?
ってそんなこと気にしている場合じゃないか。
「ゴーレム!? お前はオルディナの者か? 援軍?」
白馬に乗って現れたのは耳の長い金髪のエルフ。初めてのエルフがこんな出会いなのは悲しいな。ファンタジーで夢見た種族だ。もっと高貴で誇り高く生きていてほしかった。
軽装で偵察といった感じ。怪訝な表情で聞いてくる彼に首を横に振ってこたえる。
「僕はムラタといいます。話し合いをしたい」
まずは対話だ。あんな予知夢のようなことをしてくる相手。近づくのも怖いけど、できれば戦いたくない。
「少し待たれよ」
白馬のエルフそう言って軍隊へと帰っていく。しばらくするとそのエルフが戻ってくる。
「私が聞くように命ぜられた。こちらの要求は逆賊エスメルだ。オスロードの王を殺した。親殺しだけでも極刑に値する」
「そうですか……」
いけしゃあしゃあと要求を話すエルフ。僕は憤りを感じて握りこぶしを作る。
「僕はエスメル様から、すべてを聞きました。オスロード王は偽物だった。切り捨てると変身が解けて、エルフになったと」
「え!? ……少々待たれよ」
驚いた様子のエルフはそう言って軍隊へと帰っていく。少しすると異変が起こる。
『敵の戯言に耳を貸すとは!』
そんな声が聞こえてくる。見ていると帰っていったエルフが切りつけられる。
僕はそれを見た時、怒りで目が熱くなるのを感じた。あのエルフさんは何も知らなかったんだ。
エルフさんを切りつけた人は、綺麗な兜をかぶってる。あいつは知っている人だ。仲間をあんな風に切り捨てるなんて……許せない。
「アユム様。殺意は私が持ちます。あなたは優しいままでいてください」
「ジャネット……。ありがとう」
ジャネットが手を握ってくる。僕はそれを握り返してエルフの軍隊を睨みつける。
『全軍前進!』
号令がかかる。兵士の歩みが音の波になって襲い掛かってくる。
「こっちも前進。戦闘不能に追い込んで。出来るだけ殺さずにね」
さっきのエルフさんの様に知らずに徴兵されている人もいるかもしれない。そういう人は出来るだけ助けてあげたい。
100体のゴーレムを扇状に広げて前進させる。盾のように使って近づいていく。
『全体停止! 一斉射!』
ゴーレムの脅威に声が上がる。エルフたちは歩みを止めて弓を放つ。エルフは1000人といった様子だ。
200程度の矢が降り注いでくる。矢が雨のごとに降り注いでくる。ゴーレムの傘は矢を簡単にあしらっていく。
『魔法兵! 水の魔法で止めろ!』
矢をものともせずに突き進むゴーレム。
次は水の魔法が襲い掛かってくる。エルフと言っても魔法兵は少ないみたいだ。矢よりも少ない水が放たれる。ジャンと僕の魔法よりも明らかに弱い。僕は拍子抜けしてしまう。
「どうやら、私達は圧倒的に強くなってしまったようですね。そろそろ、私の出番です」
リッテンがため息をついて杖を地面に突き刺す。ゴーレムが停止するとスケルトンが地面から生まれる。
『死霊術! やはりオルディナが裏切ったか! おのれゼグラデム!』
指揮官の声がさっきよりも鮮明に聞こえてくる。
死霊術を使っただけでオルディナだと勘違いするあたり、あまり仲は良くないみたいだな。
ゴーレムに変わってスケルトンが先導してエルフの軍隊に衝突する。
前の方から戦いの音が上がる。鉄と鉄のぶつかる音と、焦げ臭いにおい。火花が上がり、乱戦が始まっているようだ。
「ワンワン!」
「ルドラと共に中でかき回します!」
ルドラとジャネットがそう言ってかけていく。
エルフ達の中に入ると槍を振り回すジャネット。ルドラは走りながら風の砲弾をまき散らす。吹き飛ぶエルフが気持ちのいい声を上げてる。
「おっと。マスター、ゴーレムと僕の後ろに隠れていてください」
「ありがとう、ジャン」
大きな盾で矢を受けるジャン。油断せずに僕も警戒しないとな。
スケルトンとゴーレムの攻撃を受けてエルフ達は疲弊していく。
抵抗が弱くなってくると笛の音が聞こえてくる。
「なんだ?」
笛の音を見つめる。そこには夕日を浴びる軍隊が現れた。白銀の鎧……これが本隊だったか。
僕が手を振って見せると安心してくれるみたいだ。馬車の人は何やら急いでいる様子だった。たぶん、僕が思っている通りのことが起こっているんだろう。
「くしくもこの草原か……」
ゼグラデムの思惑で壊されたゼターの小屋、そして、遠くにはゼターの悲しみが作り出した大きな奈落の穴。
僕の悲しみも内包する奈落の穴を見ていると、遠くに白銀の鎧を着た軍隊が現れる。
予知夢よりも早い登場だ。僕が動いたことで少しだけ歴史が変わったのか?
ってそんなこと気にしている場合じゃないか。
「ゴーレム!? お前はオルディナの者か? 援軍?」
白馬に乗って現れたのは耳の長い金髪のエルフ。初めてのエルフがこんな出会いなのは悲しいな。ファンタジーで夢見た種族だ。もっと高貴で誇り高く生きていてほしかった。
軽装で偵察といった感じ。怪訝な表情で聞いてくる彼に首を横に振ってこたえる。
「僕はムラタといいます。話し合いをしたい」
まずは対話だ。あんな予知夢のようなことをしてくる相手。近づくのも怖いけど、できれば戦いたくない。
「少し待たれよ」
白馬のエルフそう言って軍隊へと帰っていく。しばらくするとそのエルフが戻ってくる。
「私が聞くように命ぜられた。こちらの要求は逆賊エスメルだ。オスロードの王を殺した。親殺しだけでも極刑に値する」
「そうですか……」
いけしゃあしゃあと要求を話すエルフ。僕は憤りを感じて握りこぶしを作る。
「僕はエスメル様から、すべてを聞きました。オスロード王は偽物だった。切り捨てると変身が解けて、エルフになったと」
「え!? ……少々待たれよ」
驚いた様子のエルフはそう言って軍隊へと帰っていく。少しすると異変が起こる。
『敵の戯言に耳を貸すとは!』
そんな声が聞こえてくる。見ていると帰っていったエルフが切りつけられる。
僕はそれを見た時、怒りで目が熱くなるのを感じた。あのエルフさんは何も知らなかったんだ。
エルフさんを切りつけた人は、綺麗な兜をかぶってる。あいつは知っている人だ。仲間をあんな風に切り捨てるなんて……許せない。
「アユム様。殺意は私が持ちます。あなたは優しいままでいてください」
「ジャネット……。ありがとう」
ジャネットが手を握ってくる。僕はそれを握り返してエルフの軍隊を睨みつける。
『全軍前進!』
号令がかかる。兵士の歩みが音の波になって襲い掛かってくる。
「こっちも前進。戦闘不能に追い込んで。出来るだけ殺さずにね」
さっきのエルフさんの様に知らずに徴兵されている人もいるかもしれない。そういう人は出来るだけ助けてあげたい。
100体のゴーレムを扇状に広げて前進させる。盾のように使って近づいていく。
『全体停止! 一斉射!』
ゴーレムの脅威に声が上がる。エルフたちは歩みを止めて弓を放つ。エルフは1000人といった様子だ。
200程度の矢が降り注いでくる。矢が雨のごとに降り注いでくる。ゴーレムの傘は矢を簡単にあしらっていく。
『魔法兵! 水の魔法で止めろ!』
矢をものともせずに突き進むゴーレム。
次は水の魔法が襲い掛かってくる。エルフと言っても魔法兵は少ないみたいだ。矢よりも少ない水が放たれる。ジャンと僕の魔法よりも明らかに弱い。僕は拍子抜けしてしまう。
「どうやら、私達は圧倒的に強くなってしまったようですね。そろそろ、私の出番です」
リッテンがため息をついて杖を地面に突き刺す。ゴーレムが停止するとスケルトンが地面から生まれる。
『死霊術! やはりオルディナが裏切ったか! おのれゼグラデム!』
指揮官の声がさっきよりも鮮明に聞こえてくる。
死霊術を使っただけでオルディナだと勘違いするあたり、あまり仲は良くないみたいだな。
ゴーレムに変わってスケルトンが先導してエルフの軍隊に衝突する。
前の方から戦いの音が上がる。鉄と鉄のぶつかる音と、焦げ臭いにおい。火花が上がり、乱戦が始まっているようだ。
「ワンワン!」
「ルドラと共に中でかき回します!」
ルドラとジャネットがそう言ってかけていく。
エルフ達の中に入ると槍を振り回すジャネット。ルドラは走りながら風の砲弾をまき散らす。吹き飛ぶエルフが気持ちのいい声を上げてる。
「おっと。マスター、ゴーレムと僕の後ろに隠れていてください」
「ありがとう、ジャン」
大きな盾で矢を受けるジャン。油断せずに僕も警戒しないとな。
スケルトンとゴーレムの攻撃を受けてエルフ達は疲弊していく。
抵抗が弱くなってくると笛の音が聞こえてくる。
「なんだ?」
笛の音を見つめる。そこには夕日を浴びる軍隊が現れた。白銀の鎧……これが本隊だったか。
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