【村スキル】で始まる異世界ファンタジー 目指せスローライフ!

カムイイムカ(神威異夢華)

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第2章 王国と魔道

第101話 ジャン・クロード

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「ははは! これで貴様らはおしまいだ! ジャン・クロード様が来てくださった!」

「ジャン・クロード!?」

 軍隊の指揮官のエルフが声を上げる。既に勝ったかのような声を上げてる。
 そして、その名前……ジャン、僕は戦場のジャネットを見つめる。名前に気づかずに敵を気絶させていってる。

「マスター! 戦闘が続きます。動揺せずにゴーレムに指示を!」

「ルーン……。ごめん、今は戦闘に集中するよ」

 ルーンが支援魔法を唱えて注意してくれる。本隊が来る前にこちらをある程度片付ける。
 
「減ってる、ゴーレム50。作るならいつでも作れるよ」

「了解。作ろう」

 流石にゴーレムがやられていく。水魔法が当たったところがもろくなるみたいだ。
 次々と落とされるゴーレム。スケルトンも脆いみたいで倒されてく。
 
「マスター、グールも解放します。グレーターグール!」

 リッテンがそう言って地面からグールも生みだす。
 リッテンの最大戦力のグレーターグールも呼び出して戦闘が激化する。
 最初の軍隊は半分が沈黙した。指揮官は後退しながらグールと戦ってる。
 
「はは、ジャン様! お待ちしておりました!」

 本体と合流すると声が聞こえてくる。あの指揮官は仲間を使って時間を稼いでた。自分のことしか考えていない男だ。
 仮面をかぶった男、あれがジャン……。エルフの国のジャンという男。僕は嫌な予感がした。

「アユム様。不殺の命、破ります」

 ジャネットがそう言って紫色の炎を纏う。
 そして、解き放たれるは、紫炎の槍。遠い本隊の仮面の男へとまっすぐと放たれた。大きな爆発が立ち、どよめきが立つ。

「これでおしまいです。降参しなさい!」

 ジャネットは続いて声を上げる。周囲のエルフ達は唖然として武器を捨て始める。
 だけど、その時、爆発の立った本隊が輝きだす。

「姉さん!」

「ジャン!?」
 
 鋭い光が矢のようにジャネットを捉えた。
 ジャンが凄いスピードでジャネットの前へと躍りです。音が消し飛ぶほどの衝撃が僕らを襲う。その場にいたエルフ、ゴーレム、スケルトン、すべてが吹き飛ぶ。僕もゴーレムと一緒に吹き飛んで地面に叩きつけられる。

「痛、くない! ジャン! ジャネット!」

 痛みに耐えて起き上がると、ジャンとジャネットのいたところを見つめる。彼女達の姿はない。
 周りを見回すと二人の姿がない。吹き飛ばされたエルフが泣き叫んでいるだけの光景。ゴーレムもスケルトンも粉々になってる。

「す、凄い威力だ……。ま、魔法なのか?」

 指揮官が喜ぶわけだ。ただの光の矢のような魔法があの威力……。僕は恐怖で体が震えた。
 あんな凄い魔法が使える。それがオルクスを襲う。そんなの許せない、許せるわけがない。

「動け。ここからが勝負だ。マリア!」

「わかってる。ゴーレム50体作るよ!」

 僕は震える体を抑えて声を上げる。マリアと話しながらジャネットとジャンがいないか再度周りを見回す。
 いない、二人は自分で僕のスキルの中に消えたのかもしれないな。それなら呼び出してみよう。
 ゴーレムを作りながらジャンとジャネットを呼び出す。
 二人は確かにあの魔法で倒された。あのジャン・クロードは僕らよりもはるかに強い。ルーザーさんよりも、エスメル様よりも強い。僕に勝てるはずない。
 
「だけど! やらせない!」

 震えていた体から震えがなくなる。僕は最終防衛ラインだ。僕から後ろには誰もいない。僕がやるんだ。やってやる!

「アユム様。私達が行きます」

「ありがとうジャネット。一つだけやってほしいことがあるんだ。確認をしたい」

「確認ですか?」

「うん。あの本体のエルフ。ジャン・クロードと会ってほしい」

 ジャンという名前とエルフ。それだけで試さずにはいられない。
 ジャネットの本当の弟……エルフならば生きていてもおかしくない。
 彼女は彼の死体を見たわけじゃない。ただただ故郷が焼かれていたのを見ただけだ。希望はそこにある。

「赤い騎士が来たぞ! 迎え撃て!」

 ルーンからの支援魔法のブレスを受けてジャネットが駆けていく。ルドラと一緒に駆ける二人は、夜空の流星のごとく速さで敵を吹き飛ばす。
 軍隊は彼女達よりもはるかに弱い。僕よりも弱いくらいの人達みたいだ。魔法に胡坐をかいて、碌にレベルを上げていないんだろう。
 一部のリーダーっぽい人たちだけが強いと言った様子だ。それでもジャネット達には勝てない。
 何度も生き返りをして戦ってくれるジャネット達なら軍隊も蹴散らせる。

「お前が核だな」

「え……」

 ゴーレムを作ってジャネットの戦いを見ていると、背後から声が聞こえてくる。
 エルフの軍隊にいるはずの仮面の男、ジャン・クロードが手を差し伸べてくる。
 そして、僕は時間の流れが遅くなるのを感じる。

「隠し武器!? 暗器だったのか!?」

 時間の流れが遅い走馬灯の中。ジャン・クロードの差し伸べてきた腕を見る。長袖から光る刃が見えてきた。まっすぐ、僕の顔面を捉える刃。僕はそれを避けて剣を抜く。
 そして、振り上げる。
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