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第20話
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「ルル達は迎撃にでないよな?」
外が騒がしくなってきて、カイツさんが心配して話した。僕らはみんなで食卓を囲んでる。カイツさん達に誘われてみんなで食事をしているんだ。
ラフレイシアを見送って夜に差し掛かってる。それでも外の騒がしさがなくならないので心配したんだろうな~。
お母さんは首を横に振ってこたえた。
「この街を脅かす数の魔物が来た場合は私も城壁に登るつもりよ」
「そうか……」
カイツさんが不安に顔を作るとムギちゃんが声をあげた。
「カイツさん、二人は私が守ります。安心してください!」
「はは、ありがとうムギ。でも、ムギも危ないときは逃げるんだぞ」
「あ、はい。大丈夫ですよ。マイトもいるし」
「バブ!」
僕もいるとムギちゃんに言われて大きく手をあげた。それをみて、みんな笑顔になっていく。
みんな僕の強さを知っている。少しでも心が軽くなってくれればいいんだけど。
「ふふ、マイトがいれば大丈夫よね」
「バブ!」
僕のほっぺを突っついてくるお母さん。
「僕も冒険者になろうかな……。そうすれば、みんなを守れる」
「ラック、冒険者は命を張る職業だ。生半可な考えじゃ、俺は応援できないぞ」
「生半可じゃないよ。みんなを見て、僕もやりたいと思ったんだ」
「それが生半可なんだよ。それにラックは宿屋と鍛冶をやってもらわないとな」
カイツさんはラック君にこの店を任せたいからくぎを刺しているね。
「じゃあ、私が宿屋を経営すればいいのかしら?」
「えっ、それは……」
お母さんが提案するとカイツさんの顔が赤くなっていった。お母さんとカイツさんが何度か二人で話していた時があった。もしかしたら、その時にプロポーズを?
「ルル。受けてくれるのか?」
「ええ、私も一人だし、マイトのこともあるしね」
カイツさんが驚いてお母さんを見つめる。お母さんは少し頬を赤く染めて頷いてこたえてる。やっぱり、プロポーズされたみたいだ。
「おめでとうございます!」
色々と察したムギちゃんが二人に拍手を送るとラック君も気づいて拍手をした。
晴れて僕らは家族になったみたい。
「ふふ、これで私たちは家族よ」
「あ、ああ」
「でも、お金の貸しは返すからね」
「そ、それはもういいだろ」
「い~え、そういうのはしっかりとね」
「わかった。わかったよ」
「「ははは」」
またもや、お金の話になって、とうとうカイツさんが折れてくれた。どうせ、カイツさんも僕らの為に装備を作ったりしちゃって借りが増えていっちゃうんだろうな。
「じゃあ、マイトは僕の弟になるんだね。よろしくマイト~」
「バブ!」
僕をぎこちなく抱き上げるラック君。手をあげて応えるとずるずると床に落ちてしまった。うむ、ラック君はまだまだのようだ。
「まだまだお兄ちゃんには程遠いなラック」
「ごめんね。マイト」
「バブバブ」
「こうやって抱くんだぞ。ラックだってこのころはこうされていたんだぞ」
いいってことよと声をあげるとカイツさんが僕を抱き上げて見本を見せる。流石の経験者だ。お母さんとそんしょくない、抱かれ心地。
「じゃあ、明日から宿屋の経営に力を入れないとね」
「え?」
「食べ物を食べるだけでもどうぞ、見たいにしないとダメよ。旅人も冒険者も胃袋を掴んでなんぼなんだから」
なるほど、レストランも経営するってことか~。お母さんって何でも器用にこなすな~。僕も知識チートを使いたいところだけど、バブバブといって誘導するくらいしかできないからな~。
「あねさん!」
そんな話をしていると外への扉が勢いよく開いた。ビーンが汗をかきながら入ってきて声をあげた。
「来たの?」
「はい、あねさんと話していた女性と低ランクの冒険者で何とか。というかあの人はどういった人なんすか。トレントとか召喚していたんですけど」
ビーンがテンションをあげながら報告してきた。スタンピードがやってきてラフレイシアが健闘しているみたい。
彼の疑問にお母さんは『高レベルの旅人よ』といって微笑むと『そうなんすか』と納得していた。流石に木の魔王なんて言って下手に混乱させても仕方ないからね。
「俺達は城壁上から弓矢を射って対応しているんです。魔法使いもいるから何とかなっていますけど、数が減らないんだ。少しでも戦力を整えないと危ないってあの人が指示をしてきてあねさんを呼んできこいっていうから来たんです」
「そう、ありがとう。じゃあ、行ってくるわね」
カイツさん達に見送られて、僕らは城壁へ。カイツさんとラック君は不安で胸を抑えていたけど、街を守らないといけないから仕方ない。
城壁へ向かう中、ビーンが興奮した様子でラフレイシアの闘いを話した。彼女は【鮮血の淑女】と二つ名がついているらしい。ワンピースドレスを赤く染めて舞う姿がみんなに強く印象付けたみたい。
ビーンは僕らと別れてギルドへ走っていった他の人も召集されるみたいだね
お母さん達の策略は見事にはまってきてるようです。だけど、ラフレイシアが全部始末してくれれば僕の出番はないと思うけどね。
外が騒がしくなってきて、カイツさんが心配して話した。僕らはみんなで食卓を囲んでる。カイツさん達に誘われてみんなで食事をしているんだ。
ラフレイシアを見送って夜に差し掛かってる。それでも外の騒がしさがなくならないので心配したんだろうな~。
お母さんは首を横に振ってこたえた。
「この街を脅かす数の魔物が来た場合は私も城壁に登るつもりよ」
「そうか……」
カイツさんが不安に顔を作るとムギちゃんが声をあげた。
「カイツさん、二人は私が守ります。安心してください!」
「はは、ありがとうムギ。でも、ムギも危ないときは逃げるんだぞ」
「あ、はい。大丈夫ですよ。マイトもいるし」
「バブ!」
僕もいるとムギちゃんに言われて大きく手をあげた。それをみて、みんな笑顔になっていく。
みんな僕の強さを知っている。少しでも心が軽くなってくれればいいんだけど。
「ふふ、マイトがいれば大丈夫よね」
「バブ!」
僕のほっぺを突っついてくるお母さん。
「僕も冒険者になろうかな……。そうすれば、みんなを守れる」
「ラック、冒険者は命を張る職業だ。生半可な考えじゃ、俺は応援できないぞ」
「生半可じゃないよ。みんなを見て、僕もやりたいと思ったんだ」
「それが生半可なんだよ。それにラックは宿屋と鍛冶をやってもらわないとな」
カイツさんはラック君にこの店を任せたいからくぎを刺しているね。
「じゃあ、私が宿屋を経営すればいいのかしら?」
「えっ、それは……」
お母さんが提案するとカイツさんの顔が赤くなっていった。お母さんとカイツさんが何度か二人で話していた時があった。もしかしたら、その時にプロポーズを?
「ルル。受けてくれるのか?」
「ええ、私も一人だし、マイトのこともあるしね」
カイツさんが驚いてお母さんを見つめる。お母さんは少し頬を赤く染めて頷いてこたえてる。やっぱり、プロポーズされたみたいだ。
「おめでとうございます!」
色々と察したムギちゃんが二人に拍手を送るとラック君も気づいて拍手をした。
晴れて僕らは家族になったみたい。
「ふふ、これで私たちは家族よ」
「あ、ああ」
「でも、お金の貸しは返すからね」
「そ、それはもういいだろ」
「い~え、そういうのはしっかりとね」
「わかった。わかったよ」
「「ははは」」
またもや、お金の話になって、とうとうカイツさんが折れてくれた。どうせ、カイツさんも僕らの為に装備を作ったりしちゃって借りが増えていっちゃうんだろうな。
「じゃあ、マイトは僕の弟になるんだね。よろしくマイト~」
「バブ!」
僕をぎこちなく抱き上げるラック君。手をあげて応えるとずるずると床に落ちてしまった。うむ、ラック君はまだまだのようだ。
「まだまだお兄ちゃんには程遠いなラック」
「ごめんね。マイト」
「バブバブ」
「こうやって抱くんだぞ。ラックだってこのころはこうされていたんだぞ」
いいってことよと声をあげるとカイツさんが僕を抱き上げて見本を見せる。流石の経験者だ。お母さんとそんしょくない、抱かれ心地。
「じゃあ、明日から宿屋の経営に力を入れないとね」
「え?」
「食べ物を食べるだけでもどうぞ、見たいにしないとダメよ。旅人も冒険者も胃袋を掴んでなんぼなんだから」
なるほど、レストランも経営するってことか~。お母さんって何でも器用にこなすな~。僕も知識チートを使いたいところだけど、バブバブといって誘導するくらいしかできないからな~。
「あねさん!」
そんな話をしていると外への扉が勢いよく開いた。ビーンが汗をかきながら入ってきて声をあげた。
「来たの?」
「はい、あねさんと話していた女性と低ランクの冒険者で何とか。というかあの人はどういった人なんすか。トレントとか召喚していたんですけど」
ビーンがテンションをあげながら報告してきた。スタンピードがやってきてラフレイシアが健闘しているみたい。
彼の疑問にお母さんは『高レベルの旅人よ』といって微笑むと『そうなんすか』と納得していた。流石に木の魔王なんて言って下手に混乱させても仕方ないからね。
「俺達は城壁上から弓矢を射って対応しているんです。魔法使いもいるから何とかなっていますけど、数が減らないんだ。少しでも戦力を整えないと危ないってあの人が指示をしてきてあねさんを呼んできこいっていうから来たんです」
「そう、ありがとう。じゃあ、行ってくるわね」
カイツさん達に見送られて、僕らは城壁へ。カイツさんとラック君は不安で胸を抑えていたけど、街を守らないといけないから仕方ない。
城壁へ向かう中、ビーンが興奮した様子でラフレイシアの闘いを話した。彼女は【鮮血の淑女】と二つ名がついているらしい。ワンピースドレスを赤く染めて舞う姿がみんなに強く印象付けたみたい。
ビーンは僕らと別れてギルドへ走っていった他の人も召集されるみたいだね
お母さん達の策略は見事にはまってきてるようです。だけど、ラフレイシアが全部始末してくれれば僕の出番はないと思うけどね。
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