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第一章 異世界
第二十一話 ルイさんの依頼
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「おじさん達は冒険者なの?」
「おじ・・」
村長の家を出て少し依頼主を探すために歩いていると村の少年少女が駆け寄ってきて、俺をおじさんと言ってきた。確かにこの子達からしたらおじさんに見えるかもしれないが、まだ30代前半だ。まだまだおじさんではない。
「俺達は確かに冒険者だけど、俺はまだおじさんじゃないぞ!」
「じゃあ、おじさん達はルイお姉ちゃんの依頼できたの?」
「おじ・・」
また俺を見ておじさんと言ってきた。しかし、話の内容的には子供たちが依頼主を知っている様子だ。姪っ子と甥っ子がいた俺的にはもう、おじさんでいいのだが、まだまだ、認めたくない俺がいるのも事実。だが、もう、認めてもいいのかな。俺はおじさんだ。諦める。
「私たちの依頼主を知っているの?」
「うん」
「じゃあ、案内してくれるかな?」
「うん!」
俺が心の中で自問自答しているとアイサが子供たちの視線に合わせて腰を低くして話していた。いつもはルキアを可愛がったりしているような子供っぽいアイサだが、こういう時は大人だよな。俺は自分が恥ずかしいです。
子供達はアイサのお願いに大きく手をあげてアイサの手を引っ張っていく、その先には小さな小屋があった。掘っ立て小屋という感じでとても簡素だ。
「ルイ姉ちゃん!冒険者さんが来たよ~」
「えっ?」
小屋の奥にあった畑を耕していた、継ぎはぎだらけの服を着た栗色のロングヘヤーの女性が子供の声に反応した。あの人がアイサの依頼主かな?
「来てくれたんですね」
少し涙目でルイさんが駆け寄ってきた。そんなに喜ばれるのもおかしな感じだけど、何かあったのか?
「依頼にはトライホーンの討伐とありましたけど?」
アイサも依頼内容とルイさんの喜び方にギャップを感じて、首を傾げている。トライホーンとは鹿の魔物で主に肉として狩られる魔物だ。それほど、脅威ではないので依頼ランクはブロンズでもできるほどのはずだ。
「・・確かに私の依頼はトライホーンの討伐なんです。依頼料もそれなりに安いのですが・・」
ルイさんは口ごもって、依頼の話をしていく。
「森の奥に熊がいるのは知っていますか?」
「はい、村長の依頼はそれでした」
少し前にされた、三眼熊の話だろう。
「トライホーンがその熊を使役しているようなんです・・」
『え?』
鹿が熊を従えているって事?俺達は顔を見合って首を傾げた。流石にそれは信じられないな。動物が動物を従えることがないように、魔物だって弱肉強食でやるかやられるかのはずだ。ましてや鹿が熊に勝てるはずもない。三眼熊の方がランクも上だろうしね。
「信じられないのもわかります。村の人たちに言っても信じてもらえませんでした。だけど、何回か、依頼を出して冒険者さんに退治や調査を頼んだのですが、傷だらけで失敗を告げて帰っていってしまったんです・・・。それで、もう来てくれないんじゃないかと思って、嬉しくてつい」
・・・それはかなりやばそうだな。ルイさんの話を聞く限りでは冒険者達は青ざめて帰っていったようだ。という事はその鹿か熊にやられて逃げ帰ってきたのが伺えるな。
「受付嬢さんに勧められた依頼だったんだけど、危なそうだね」
「えっ?依頼板からとったやつじゃないのか?」
アイサのつぶやきにオッズが声を張り上げた。どうやら、アイサは受付に依頼を持っていくとこっちの方がいいと言われたようだ。その勧めた受付嬢さんは俺の担当になったラウラさんだったようだ。何を考えているんだ?
「そんな危ないもん、やめるか?」
「そんな・・」
オッズが頭で腕を組んでそうつぶやくとルイさんが泣きそうになってオッズに迫った。
「このまま、あの鹿や熊を野放しにしたら、魔物の軍ができてしまいます。村の人たちは信じてくれないし・・・このままじゃこの子達も・・」
ルイさんは泣きそうになりながら俺達を案内してくれた子供たちの頭を撫でながら話している。
「オッズ、俺達も時間がないんだぞ。帰って依頼を受けるだけでも二日はかかる。そうなると」
「タツミさんに言われなくてもわかってるけど、そんなやばそうなの二匹も相手にできないだろ」
俺はオッズを説得しようと話たが、オッズの話も一理ある。どうしたもんかな?
「・・たたかう!」
「ルキア?」
ずっと人差し指を咥えて俺のズボンの裾を掴んでついてきていたルキアがファイティングポーズをとっている。その姿はとても可愛らしい。
「ルキアちゃんもそういってるし、私たちで退治しちゃおうよ」
「おいおい、そんな簡単じゃないぞ」
アイサがルキアに感化されてやる気になった。オッズが呆れてヤレヤレと首を横に振った。
「・・・時間がないのも確かだよな」
「そうだな。それに、ラウラさんが勧めてきたのも気になる。もしかしたら、特別報酬みたいなものもあるかも」
「倒してくれたら、村の人達に言って更に、報酬をもらう事も考えています」
俺達が少しやる気を見せるとルイさんが村の人に言ってお金を用意すると言ってきた。この一回の依頼で金貨を稼げれば借金ともおさらばだ。借金は一気に返済した方がいい。
「わかったよ。やるよ」
「ありがとうございます!」
オッズが頭を抑えながらやるというとルイさんが大喜びで跳ねている。しかし、村自体は裕福ではなさそうだが・・・まあ、その時はラウラさんを説得するか。
鹿狩りと熊狩りを一緒にやることになるとは、お金稼ぎも大変だな。
「おじ・・」
村長の家を出て少し依頼主を探すために歩いていると村の少年少女が駆け寄ってきて、俺をおじさんと言ってきた。確かにこの子達からしたらおじさんに見えるかもしれないが、まだ30代前半だ。まだまだおじさんではない。
「俺達は確かに冒険者だけど、俺はまだおじさんじゃないぞ!」
「じゃあ、おじさん達はルイお姉ちゃんの依頼できたの?」
「おじ・・」
また俺を見ておじさんと言ってきた。しかし、話の内容的には子供たちが依頼主を知っている様子だ。姪っ子と甥っ子がいた俺的にはもう、おじさんでいいのだが、まだまだ、認めたくない俺がいるのも事実。だが、もう、認めてもいいのかな。俺はおじさんだ。諦める。
「私たちの依頼主を知っているの?」
「うん」
「じゃあ、案内してくれるかな?」
「うん!」
俺が心の中で自問自答しているとアイサが子供たちの視線に合わせて腰を低くして話していた。いつもはルキアを可愛がったりしているような子供っぽいアイサだが、こういう時は大人だよな。俺は自分が恥ずかしいです。
子供達はアイサのお願いに大きく手をあげてアイサの手を引っ張っていく、その先には小さな小屋があった。掘っ立て小屋という感じでとても簡素だ。
「ルイ姉ちゃん!冒険者さんが来たよ~」
「えっ?」
小屋の奥にあった畑を耕していた、継ぎはぎだらけの服を着た栗色のロングヘヤーの女性が子供の声に反応した。あの人がアイサの依頼主かな?
「来てくれたんですね」
少し涙目でルイさんが駆け寄ってきた。そんなに喜ばれるのもおかしな感じだけど、何かあったのか?
「依頼にはトライホーンの討伐とありましたけど?」
アイサも依頼内容とルイさんの喜び方にギャップを感じて、首を傾げている。トライホーンとは鹿の魔物で主に肉として狩られる魔物だ。それほど、脅威ではないので依頼ランクはブロンズでもできるほどのはずだ。
「・・確かに私の依頼はトライホーンの討伐なんです。依頼料もそれなりに安いのですが・・」
ルイさんは口ごもって、依頼の話をしていく。
「森の奥に熊がいるのは知っていますか?」
「はい、村長の依頼はそれでした」
少し前にされた、三眼熊の話だろう。
「トライホーンがその熊を使役しているようなんです・・」
『え?』
鹿が熊を従えているって事?俺達は顔を見合って首を傾げた。流石にそれは信じられないな。動物が動物を従えることがないように、魔物だって弱肉強食でやるかやられるかのはずだ。ましてや鹿が熊に勝てるはずもない。三眼熊の方がランクも上だろうしね。
「信じられないのもわかります。村の人たちに言っても信じてもらえませんでした。だけど、何回か、依頼を出して冒険者さんに退治や調査を頼んだのですが、傷だらけで失敗を告げて帰っていってしまったんです・・・。それで、もう来てくれないんじゃないかと思って、嬉しくてつい」
・・・それはかなりやばそうだな。ルイさんの話を聞く限りでは冒険者達は青ざめて帰っていったようだ。という事はその鹿か熊にやられて逃げ帰ってきたのが伺えるな。
「受付嬢さんに勧められた依頼だったんだけど、危なそうだね」
「えっ?依頼板からとったやつじゃないのか?」
アイサのつぶやきにオッズが声を張り上げた。どうやら、アイサは受付に依頼を持っていくとこっちの方がいいと言われたようだ。その勧めた受付嬢さんは俺の担当になったラウラさんだったようだ。何を考えているんだ?
「そんな危ないもん、やめるか?」
「そんな・・」
オッズが頭で腕を組んでそうつぶやくとルイさんが泣きそうになってオッズに迫った。
「このまま、あの鹿や熊を野放しにしたら、魔物の軍ができてしまいます。村の人たちは信じてくれないし・・・このままじゃこの子達も・・」
ルイさんは泣きそうになりながら俺達を案内してくれた子供たちの頭を撫でながら話している。
「オッズ、俺達も時間がないんだぞ。帰って依頼を受けるだけでも二日はかかる。そうなると」
「タツミさんに言われなくてもわかってるけど、そんなやばそうなの二匹も相手にできないだろ」
俺はオッズを説得しようと話たが、オッズの話も一理ある。どうしたもんかな?
「・・たたかう!」
「ルキア?」
ずっと人差し指を咥えて俺のズボンの裾を掴んでついてきていたルキアがファイティングポーズをとっている。その姿はとても可愛らしい。
「ルキアちゃんもそういってるし、私たちで退治しちゃおうよ」
「おいおい、そんな簡単じゃないぞ」
アイサがルキアに感化されてやる気になった。オッズが呆れてヤレヤレと首を横に振った。
「・・・時間がないのも確かだよな」
「そうだな。それに、ラウラさんが勧めてきたのも気になる。もしかしたら、特別報酬みたいなものもあるかも」
「倒してくれたら、村の人達に言って更に、報酬をもらう事も考えています」
俺達が少しやる気を見せるとルイさんが村の人に言ってお金を用意すると言ってきた。この一回の依頼で金貨を稼げれば借金ともおさらばだ。借金は一気に返済した方がいい。
「わかったよ。やるよ」
「ありがとうございます!」
オッズが頭を抑えながらやるというとルイさんが大喜びで跳ねている。しかし、村自体は裕福ではなさそうだが・・・まあ、その時はラウラさんを説得するか。
鹿狩りと熊狩りを一緒にやることになるとは、お金稼ぎも大変だな。
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