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第二章 海へ
第六話 急な依頼
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「儂は鉱石を求めてこの森にやってきたんじゃがな。その洞窟には魔物が住み着いておったんじゃ」
「なるほど、その魔物を狩ってほしいって事か?」
「ああ」
依頼とは討伐系の話だったようだ。
「俺はブロンズランクなんだが、大丈夫そうか?」
「なに! ブロンズ? ・・・それは本当なのか?」
ブロンズランクでも大丈夫な規模かを聞くとワッツは顎に手を当てて考え込んでしまった。毛玉なもんだから顎が何処か分らんけどな。
「トライホーンと三眼熊、それにキャットマンを従魔にしているのにブロンズなのか?」
「ああ」
「ふーむ」
ワッツの質問に答えるとワッツは更に考え込んでしまった。やっぱり従魔が三人っていうのは珍しいのか?
「従魔が三匹もいてブロンズとは・・・ギルドは何を見ているんじゃ」
「そんなに珍しいものなのか?」
「珍しいも何も従魔にするときにはMPを多く消費するだろう。だから強さが大体わかるんじゃ。キャットマンは幼体だから、数には入らないかもしれんが三眼熊とトライホーンを従魔にしている時点でMPが200はいっていると見たが違うか?」
「確かに200行っているが・・」
「だろう」
ワッツは見事に俺のMPの数値をいってきた。少なくとも200以上行っているという憶測で俺に依頼してきたみたいだな。まあ本当のMPは300行っているわけだが。
「それで納得のいく理由といったら・・・冒険者になったのは最近か?」
「よくわかったな。俺は冒険者になって七日くらいだぞ」
アリプソの街で冒険者になったからそのくらいだよな。正直、何日たったのかなんて覚えていない。そんな事よりもこの世界に夢中だからな。
「やはりか、では依頼なんかもそんなにやっていないのだろう。ならば納得できる」
ワッツは納得して頷いている。
「では改めて依頼をお願いする。どうか、あの洞窟に住み着いた蜘蛛どもを退治してくれ」
「蜘蛛・・」
鉱脈のある洞窟に住み着いたのは蜘蛛の魔物なようだ。蜘蛛か~、自分よりも大きな蜘蛛とか出てくるのかな~・・・ヤダな。
「前金でこんだけの鉱石を渡すぞ。もちろん研磨もしよう」
ワッツはさっきだした鉱石のほかに、ざっと見て10程の鉱石を出した。いくらくらいの物か知らないけど、元の世界でも高い銀とかが混ざっているから高いと思うんだよな。
「困っているようだからやってもいいんだけど、大丈夫かな?」
「おお、ありがとう。もちろん儂も同行するから大丈夫じゃろう」
「え?来るの?」
「何じゃダメなのか?」
「いや、いいんだけどさ」
ワッツも同行するようなのだが、正直邪魔だ。毛むくじゃらで邪魔すぎるんだよな。ルキアの火魔法も使いにくくなるしな。
「お? おお! すまんすまん。ずっと一人だったからな、髭など気にせんかった」
ワッツは俺の視線に気づいたのか胸元からハサミを取り出してジョキジョキと髭を切りそろえ始めた。俺はその様子にびっくりしている。理髪屋の服を手に入れていたからあるとは思っていたんだがハサミがある。ついついハサミに視線が行ってしまう。
「ん?ハサミがそんなに珍しいか?そう言えばお主も髪が伸びっぱなしだな。切るか?」
「ああ、腰まで伸びているからな。肩くらいまでに切りそろえるか。ハサミを貸してくれるか?」
「儂が切ってもいいんだが?」
「いや、俺が」
「ルキアがやる~」
「え?」
ワッツと俺のやり取りを見ていてルキアが大きく手を上げた。どうやら、俺の髪を切ってくれるようだが、子供に刃物は危ないよな。
「ルキア、ハサミっていうのは刃物なんだぞ。危ないんだ」
「魔物よりも危ないの?」
「あ~・・魔物よりも危ない」
俺は刃物を持たせたくなかったんだが、魔物を引き合いに出されると困るな。しかし、ここは嘘でも魔物よりも危ないと言っておこう。
「う~、お父さん、ルキアが刃物持つと困る?」
「ああ、困るぞ。ルキアが怪我したらお父さんは泣くかもしれないな」
「泣いちゃいや!・・・ルキア我慢する」
ルキアが首を傾げながら質問してきた。俺が泣いちゃうと冗談で言うと本気にしたようでルキアは泣きそうな顔でうつむいてしまった。
俺のいう事を聞いてくれたルキアの頭を撫でてあげると俺に抱き着いてきた。娘ってこんな感じなのかな。可愛いったらないな。
「従魔に愛されているな」
「ん? ああ、俺も大好きだからな」
「ルキアも好き~」
「ガウ~」「キャンキャン!」
ワッツの質問に答えて、ルキアを抱き上げるとサンとトラも擦り寄ってきた。空いている手でサンとトラを交互に撫でると気持ちよさそうに目を細めている。可愛い子供達だよほんと。
「改めて儂の名はワッツじゃ」
「ああ、俺はタツミ」
「ルキアはルキアだよ。こっちはサンとトラだよ~」
「ガウガウ」「キャン!」
孤児院に行くのは急ぎの用でもないしな。先立つものも必要になるだろうから、ここで鉱石を積んでいくのも悪くはない。ワッツと握手をして、明日の為に眠りにつく。今日は交代で見張りを立てることになってしまったが、これからの冒険者稼業では当たり前の事だろうから慣れておかないとな。
明日は朝一で蜘蛛退治だ。ワシャワシャと大きな蜘蛛がいるのか・・・考えるだけでゾッとするな。
「なるほど、その魔物を狩ってほしいって事か?」
「ああ」
依頼とは討伐系の話だったようだ。
「俺はブロンズランクなんだが、大丈夫そうか?」
「なに! ブロンズ? ・・・それは本当なのか?」
ブロンズランクでも大丈夫な規模かを聞くとワッツは顎に手を当てて考え込んでしまった。毛玉なもんだから顎が何処か分らんけどな。
「トライホーンと三眼熊、それにキャットマンを従魔にしているのにブロンズなのか?」
「ああ」
「ふーむ」
ワッツの質問に答えるとワッツは更に考え込んでしまった。やっぱり従魔が三人っていうのは珍しいのか?
「従魔が三匹もいてブロンズとは・・・ギルドは何を見ているんじゃ」
「そんなに珍しいものなのか?」
「珍しいも何も従魔にするときにはMPを多く消費するだろう。だから強さが大体わかるんじゃ。キャットマンは幼体だから、数には入らないかもしれんが三眼熊とトライホーンを従魔にしている時点でMPが200はいっていると見たが違うか?」
「確かに200行っているが・・」
「だろう」
ワッツは見事に俺のMPの数値をいってきた。少なくとも200以上行っているという憶測で俺に依頼してきたみたいだな。まあ本当のMPは300行っているわけだが。
「それで納得のいく理由といったら・・・冒険者になったのは最近か?」
「よくわかったな。俺は冒険者になって七日くらいだぞ」
アリプソの街で冒険者になったからそのくらいだよな。正直、何日たったのかなんて覚えていない。そんな事よりもこの世界に夢中だからな。
「やはりか、では依頼なんかもそんなにやっていないのだろう。ならば納得できる」
ワッツは納得して頷いている。
「では改めて依頼をお願いする。どうか、あの洞窟に住み着いた蜘蛛どもを退治してくれ」
「蜘蛛・・」
鉱脈のある洞窟に住み着いたのは蜘蛛の魔物なようだ。蜘蛛か~、自分よりも大きな蜘蛛とか出てくるのかな~・・・ヤダな。
「前金でこんだけの鉱石を渡すぞ。もちろん研磨もしよう」
ワッツはさっきだした鉱石のほかに、ざっと見て10程の鉱石を出した。いくらくらいの物か知らないけど、元の世界でも高い銀とかが混ざっているから高いと思うんだよな。
「困っているようだからやってもいいんだけど、大丈夫かな?」
「おお、ありがとう。もちろん儂も同行するから大丈夫じゃろう」
「え?来るの?」
「何じゃダメなのか?」
「いや、いいんだけどさ」
ワッツも同行するようなのだが、正直邪魔だ。毛むくじゃらで邪魔すぎるんだよな。ルキアの火魔法も使いにくくなるしな。
「お? おお! すまんすまん。ずっと一人だったからな、髭など気にせんかった」
ワッツは俺の視線に気づいたのか胸元からハサミを取り出してジョキジョキと髭を切りそろえ始めた。俺はその様子にびっくりしている。理髪屋の服を手に入れていたからあるとは思っていたんだがハサミがある。ついついハサミに視線が行ってしまう。
「ん?ハサミがそんなに珍しいか?そう言えばお主も髪が伸びっぱなしだな。切るか?」
「ああ、腰まで伸びているからな。肩くらいまでに切りそろえるか。ハサミを貸してくれるか?」
「儂が切ってもいいんだが?」
「いや、俺が」
「ルキアがやる~」
「え?」
ワッツと俺のやり取りを見ていてルキアが大きく手を上げた。どうやら、俺の髪を切ってくれるようだが、子供に刃物は危ないよな。
「ルキア、ハサミっていうのは刃物なんだぞ。危ないんだ」
「魔物よりも危ないの?」
「あ~・・魔物よりも危ない」
俺は刃物を持たせたくなかったんだが、魔物を引き合いに出されると困るな。しかし、ここは嘘でも魔物よりも危ないと言っておこう。
「う~、お父さん、ルキアが刃物持つと困る?」
「ああ、困るぞ。ルキアが怪我したらお父さんは泣くかもしれないな」
「泣いちゃいや!・・・ルキア我慢する」
ルキアが首を傾げながら質問してきた。俺が泣いちゃうと冗談で言うと本気にしたようでルキアは泣きそうな顔でうつむいてしまった。
俺のいう事を聞いてくれたルキアの頭を撫でてあげると俺に抱き着いてきた。娘ってこんな感じなのかな。可愛いったらないな。
「従魔に愛されているな」
「ん? ああ、俺も大好きだからな」
「ルキアも好き~」
「ガウ~」「キャンキャン!」
ワッツの質問に答えて、ルキアを抱き上げるとサンとトラも擦り寄ってきた。空いている手でサンとトラを交互に撫でると気持ちよさそうに目を細めている。可愛い子供達だよほんと。
「改めて儂の名はワッツじゃ」
「ああ、俺はタツミ」
「ルキアはルキアだよ。こっちはサンとトラだよ~」
「ガウガウ」「キャン!」
孤児院に行くのは急ぎの用でもないしな。先立つものも必要になるだろうから、ここで鉱石を積んでいくのも悪くはない。ワッツと握手をして、明日の為に眠りにつく。今日は交代で見張りを立てることになってしまったが、これからの冒険者稼業では当たり前の事だろうから慣れておかないとな。
明日は朝一で蜘蛛退治だ。ワシャワシャと大きな蜘蛛がいるのか・・・考えるだけでゾッとするな。
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