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第一章 異世界旅行
第8話 危ない知人
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「ふぁ~……。そうでした。別世界に来ているんでしたね。はぁ~、夢じゃなかった。そして、何とか一日はやり過ごせましたね」
リリスさんに勧められた宿屋、【竜の息吹】で休んで次の日。ベッドで目を覚まして部屋を見回す。エチルちゃんは別の部屋を貸してもらいました。お金はないので大変ですが一緒の部屋に泊まるわけにはいきませんからね。
「シゲルさん。起きてるか~い?」
「あ、はい。今起きました」
外に出る準備をしていると扉から声が聞こえてきました。女将さんのエマさんの声ですね。
「朝ごはん出来てるからね。エチルちゃんはもう起きて食べてるよ」
「わかりました。ありがとうございます」
エチルちゃんは朝が強いみたいですね。私も強いですが負けてしまいました。
「シゲルおじちゃんおはよ!」
「エチルちゃんおはようございます!」
食堂に出るとエチルちゃんがスープを口の周りいっぱいにつけて挨拶をしてくる。思わず笑いながら答えるとズボンに入っていたハンカチで拭ってあげる。嬉しそうに答えてくれるエチルちゃん。ほほえましい。
「ふふ、おはようございますシゲルさん」
「あ、リリスさん。おはようございます」
「リリスお姉ちゃんおはよ~!」
エチルちゃんと食事を楽しんでいるとリリスさんが声をかけてくれる。心配で見に来てくれたんでしょうね。
「母さんの宿屋なら偏見や差別はないから大丈夫だと思ったんだけど、少しシゲルさんに迷惑かかっちゃったかな?」
「え? あ~、ははは、まあ仕方ないですよね」
リリスさんは話しながら隣の席に座る。
「あら~? な~にリリスちゃん? シゲルさんに迷惑なんてかけてないわよ~。ね~」
「母さん!? いつの間に……」
リリスさんの後ろにいつの間にか現れたメリスさん。急な声に私も驚きました。
「か、母さん。昨日帰ってこなかったわよね? ど、どこに行っていたの?」
「ふふふ、女は謎あってこそ光るのよ」
「……わけわからない」
リリスさんの問いかけにメリスさんは人差し指を口につけて誤魔化す。
「……メリス様? いま、客室の方から来ましたよね?」
「ふふふ、女将。不審者だけを警戒してね」
「あの、メリス様が不審者なんですけど……」
エマさんの言葉にメリスさんは誤魔化すように話す。ってことはメリスさんは客室の誰かの部屋に行っていたってことですか。
「……シゲルさんは何もなってないですよね?」
「え? 私ですか? 私は何も……」
「それならいいんですけど」
リリスさんは僕にちょっかいを出したと思っているようです。私の体には何もついていないように思いますけれど、彼女はまだ何か気になるようで私の体を調べ始める。
「なるほど、マークを付けていますね」
「マーク!? なんですかそれ」
「キスマークです。吸い付いて内出血を促すんです」
リリスさんが私の首を調べて声を上げる。キスマークが何かとかではなくて、なんで私にそんなことをしたんですかってことで~!
「ふふ、ほほほほほ~。じゃあ、私は仕事に戻るわ~。忙しい忙しい」
「あ、逃げた」
メリスさんはいそいそと外へと駆けて行った。
「シゲルさん、気を付けてくださいね。母さん、いい人を見つけるとすぐに落とそうとするんだから」
「あ、はい。魅了を使ってくるんですよね。気を付けます」
リリスさんが忠告してくれる。初めて会った時から魅了を使ってきていましたし。最大限に警戒していきましょう。
「と、とりあえず仕事に行きましょうか」
「そうですね……」
食事を終えて冒険者ギルドへ。リリスさんは申し訳なさそうにしています。自分の親が人に迷惑をかけてしまったのですからショックですよね。
「大丈夫ですよリリスさん。こんなキスマークなんてつけられても死ぬわけではないんですから」
「は、はい。でも、母は本当に気に入った人にしかキスマークはつけなくて……。それも強行するなんて。よっぽど気に入ったんだなって」
慰めると気になることを話すリリスさん。なんとも言えない気持ちになりました。
メリスさんはものすごい美人です。ですが美人過ぎて私とは釣り合わないと思うんです。それに、初めて会った方ですし、何も知らないのに部屋に忍び込むとか……無理です。
「……」
何と言っていいのかわからずに無言で歩く。いつの間にか冒険者ギルドの前までついていた。そのままギルドの中に入るとアウソーさんが私を睨みつけてきた。
「よ~おっさん。昨日はすまなかったな~」
アウソーさんはそう言って私の肩に手を置く。親しげですが何か裏がありそうな顔ですね。
「今度は酔っていない状態で試験してやるよ。ほら、お前の槍」
「ちょ、ちょっとアウソーさん……」
アウソーさんはそう言って槍を手渡してくる。リリスさんが注意してくれますけど、彼は頑なですね。
「おじさん! シゲルおじちゃんはこれから仕事なの! 邪魔しないでね!」
「うお!? 獣人のガキ? ど、どういうことだ?」
戸惑っているとエチルちゃんが声を上げる。するとアウソーさんがたじろいで離れていく。
「シゲルおじちゃんいこ」
戸惑っているアウソーさんを他所にエチルちゃんが手を引っ張ってくる。受付に座るとリリスさんが依頼を見せてくれる。
「掲示板の依頼でもいいんですけど、角ウサギを狩れるのならこちらのほうがいいかなと思って」
「ああ、角ウサギ討伐依頼ですね」
「はい。依頼なので高くなってるんです。昨日のは大銅貨20枚でしたけど、依頼だと40枚です」
なるほど、依頼の方が報酬が高くなっているんですね。それならありがたいです。
「それも数はいくらでも受け付けるそうです。頑張ってくださいね」
どれだけ狩ってもいいというわけですね。それなら稼げるから嬉しいですね。リリスさんはそこまで見てくれているんですね。ありがたいです。
リリスさんに勧められた宿屋、【竜の息吹】で休んで次の日。ベッドで目を覚まして部屋を見回す。エチルちゃんは別の部屋を貸してもらいました。お金はないので大変ですが一緒の部屋に泊まるわけにはいきませんからね。
「シゲルさん。起きてるか~い?」
「あ、はい。今起きました」
外に出る準備をしていると扉から声が聞こえてきました。女将さんのエマさんの声ですね。
「朝ごはん出来てるからね。エチルちゃんはもう起きて食べてるよ」
「わかりました。ありがとうございます」
エチルちゃんは朝が強いみたいですね。私も強いですが負けてしまいました。
「シゲルおじちゃんおはよ!」
「エチルちゃんおはようございます!」
食堂に出るとエチルちゃんがスープを口の周りいっぱいにつけて挨拶をしてくる。思わず笑いながら答えるとズボンに入っていたハンカチで拭ってあげる。嬉しそうに答えてくれるエチルちゃん。ほほえましい。
「ふふ、おはようございますシゲルさん」
「あ、リリスさん。おはようございます」
「リリスお姉ちゃんおはよ~!」
エチルちゃんと食事を楽しんでいるとリリスさんが声をかけてくれる。心配で見に来てくれたんでしょうね。
「母さんの宿屋なら偏見や差別はないから大丈夫だと思ったんだけど、少しシゲルさんに迷惑かかっちゃったかな?」
「え? あ~、ははは、まあ仕方ないですよね」
リリスさんは話しながら隣の席に座る。
「あら~? な~にリリスちゃん? シゲルさんに迷惑なんてかけてないわよ~。ね~」
「母さん!? いつの間に……」
リリスさんの後ろにいつの間にか現れたメリスさん。急な声に私も驚きました。
「か、母さん。昨日帰ってこなかったわよね? ど、どこに行っていたの?」
「ふふふ、女は謎あってこそ光るのよ」
「……わけわからない」
リリスさんの問いかけにメリスさんは人差し指を口につけて誤魔化す。
「……メリス様? いま、客室の方から来ましたよね?」
「ふふふ、女将。不審者だけを警戒してね」
「あの、メリス様が不審者なんですけど……」
エマさんの言葉にメリスさんは誤魔化すように話す。ってことはメリスさんは客室の誰かの部屋に行っていたってことですか。
「……シゲルさんは何もなってないですよね?」
「え? 私ですか? 私は何も……」
「それならいいんですけど」
リリスさんは僕にちょっかいを出したと思っているようです。私の体には何もついていないように思いますけれど、彼女はまだ何か気になるようで私の体を調べ始める。
「なるほど、マークを付けていますね」
「マーク!? なんですかそれ」
「キスマークです。吸い付いて内出血を促すんです」
リリスさんが私の首を調べて声を上げる。キスマークが何かとかではなくて、なんで私にそんなことをしたんですかってことで~!
「ふふ、ほほほほほ~。じゃあ、私は仕事に戻るわ~。忙しい忙しい」
「あ、逃げた」
メリスさんはいそいそと外へと駆けて行った。
「シゲルさん、気を付けてくださいね。母さん、いい人を見つけるとすぐに落とそうとするんだから」
「あ、はい。魅了を使ってくるんですよね。気を付けます」
リリスさんが忠告してくれる。初めて会った時から魅了を使ってきていましたし。最大限に警戒していきましょう。
「と、とりあえず仕事に行きましょうか」
「そうですね……」
食事を終えて冒険者ギルドへ。リリスさんは申し訳なさそうにしています。自分の親が人に迷惑をかけてしまったのですからショックですよね。
「大丈夫ですよリリスさん。こんなキスマークなんてつけられても死ぬわけではないんですから」
「は、はい。でも、母は本当に気に入った人にしかキスマークはつけなくて……。それも強行するなんて。よっぽど気に入ったんだなって」
慰めると気になることを話すリリスさん。なんとも言えない気持ちになりました。
メリスさんはものすごい美人です。ですが美人過ぎて私とは釣り合わないと思うんです。それに、初めて会った方ですし、何も知らないのに部屋に忍び込むとか……無理です。
「……」
何と言っていいのかわからずに無言で歩く。いつの間にか冒険者ギルドの前までついていた。そのままギルドの中に入るとアウソーさんが私を睨みつけてきた。
「よ~おっさん。昨日はすまなかったな~」
アウソーさんはそう言って私の肩に手を置く。親しげですが何か裏がありそうな顔ですね。
「今度は酔っていない状態で試験してやるよ。ほら、お前の槍」
「ちょ、ちょっとアウソーさん……」
アウソーさんはそう言って槍を手渡してくる。リリスさんが注意してくれますけど、彼は頑なですね。
「おじさん! シゲルおじちゃんはこれから仕事なの! 邪魔しないでね!」
「うお!? 獣人のガキ? ど、どういうことだ?」
戸惑っているとエチルちゃんが声を上げる。するとアウソーさんがたじろいで離れていく。
「シゲルおじちゃんいこ」
戸惑っているアウソーさんを他所にエチルちゃんが手を引っ張ってくる。受付に座るとリリスさんが依頼を見せてくれる。
「掲示板の依頼でもいいんですけど、角ウサギを狩れるのならこちらのほうがいいかなと思って」
「ああ、角ウサギ討伐依頼ですね」
「はい。依頼なので高くなってるんです。昨日のは大銅貨20枚でしたけど、依頼だと40枚です」
なるほど、依頼の方が報酬が高くなっているんですね。それならありがたいです。
「それも数はいくらでも受け付けるそうです。頑張ってくださいね」
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