40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章 プチ旅行

第33話 パーティー

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「シゲルさん! エチルちゃん! オークが来ます! 準備してください!」

「「はい!」」

 正式にリリスさんとパーティーになった。そのまま私達は依頼を受けて魔物を狩る。
 ルッソ君とミラちゃんが囮になってオーク達を引き連れてくる。
 リリスさんの合図で私の雷の魔法とエチルちゃんの火の魔法が飛び、1体ずつ仕留める。

「よし! あとは3体! 私が1体をやります残りを皆で!」

「了解です!」

 リーダーのいる部隊は強い。それを体現するようにリリスさんと一緒だと気持ちよく動けます。
 もともと指示待ちな性格の私ですから動きやすくていいです。社畜に優しいリーダーですね。

「フゴ! フゴフゴ!」

「ははは、私にばかりかまっていてはいけませんよ」 

「やっ!」

 エチルちゃんと私で1体、ルッソ君とミラちゃんで1体のオークと対峙する。
 私が囮となってオークが動きを止めます。私は空を歩くことが出来ますからね。こん棒では攻撃は届きません。いくらでも囮が出来ます。
 エチルちゃんは背後を取って気持ちよく剣を振り下ろしています。
 小さい少女が魔物を倒す姿は少し見て居られないですが、この世界に私の価値観を持ってくるのは間違いですよね。
 この世界の常識は弱いものが死ぬ世界です。やらねば死ぬ、それならばやらなくてはいけないんです。
 弱者だろうが強者だろうが、仕方ないんですよね。

「よっしゃ!」

「凄いよルッソ!」

 私とエチルちゃんがオークを倒し終わって少しするとルッソ君が声を上げる。どうやら仕留めたみたいですね。

「あちらも終わりましたね」

 ルッソ君達を見ているとリリスさんも終わったようで声をかけてくる。

「えへへ! 倒した~!」

「偉いですよエチルちゃん」

「うん! お父さん!? じゃなかった。シゲルおじちゃんのおかげ!」

 大喜びで報告するエチルちゃん。私のことをお父さんと言い間違う。
 少し悲しい顔をしていましたけど、すぐに笑顔に戻った。
 
 ルッソ君達にも報告するためにかけていくエチルちゃんを目で追いながらリリスさんに声をかける。

「……エチルちゃんのお母さんは生きていると思いますか?」

「ハーフですからどちらが獣人だったかにもよりますね」

 リリスさんの答えを聞いて考え込む。父親はエチルちゃんの話だと死んでいる可能性が高いです。ですがそれだと獣人じゃないんじゃないでしょうか?
 獣人は身体能力が高い。大人であれば更に強くなっているでしょう。エチルちゃんの成長を見ているとそう思えます。オークを簡単に倒せる膂力を持っていますからね。
 となると母親が獣人? 母親だけがあの小屋で暮らしていなかった可能性があります。こればかりはエチルちゃんに聞くしかないですね。

「シゲルおじちゃん! しまっちゃお」

「はい、やりましょうか」

 エチルちゃんの声に答えてマイマジックバッグを取り出します。
 リリスさんの借りてきたマジックバッグではありません! 私のマジックバッグです! ”私の”ここが大事です。
 取り出すと言ってもポシェットですのでいつでも入れられますね。最強で最高のポシェットです!

「嬉しそうですね」

「はい~。こういう便利アイテムってホント使ってると楽しいですよね~」

 オークの死骸をマジックバッグにしまっていくと、私が楽しそうにしてるからリリスさんがニッコリと聞いてきます。
 便利家具とかってホント楽しいんですよね~。例えば文房具! 私の時代はロケット鉛筆とか最高でした。カッターナイフのように次の鉛筆がドンドンつまっている鉛筆でした。
 鉛筆削らなくて綺麗な芯が出てきたので最高でしたよ。まあ、今はボールペンやらシャーペンがありますからいらなくなってしまいましたけどね~。

「シゲルさ~ん。これもお願いします~」

「はいは~い」

 ルッソ君が引きずってくるオークもしまうと町へと帰る支度をする。
 そして、街道を町へと歩き出すと私はエチルちゃんに嫌われるかもしれないと思いながら母親のことを聞くことにしました。

「エチルちゃんのお母さんはどんな方だったんですか?」

 ドキドキしながらそう聞くとエチルちゃんは口に人差し指をつけて考え込む。

「お母さん? ん~、モジャモジャだったかな~。私が小さな時にいなくなっちゃったからそれ以外わからない~」

 緊張して聞いてみたらエチルちゃんは淡々と話してくれる。
 エチルちゃんが小さな時ってどんだけですか? なんだか緊張して聞いた私が恥ずかしくなってしまいます。
 ですが話の内容はとても聞いていられない話ですね。

「『人族は弱いから置いていく。子供も弱い、いらない』って言ってたんだ~。お父さんが泣いてたから覚えてる」

 平気で話してくれるエチルちゃん。私は思わず彼女の頭を撫でた。
 気持ちよさそうに私の手を受け止めてくれるエチルちゃん。この子が弱いわけがない、とても強い子ですよ。

「……獣人の世界も厳しんだな」

「私達なんてすぐに捨てられちゃうね」

 ルッソ君とミラちゃんが感慨深く呟く。
 確かにそうですよ。私だってすぐに捨てられてしまいます。

「人族以外ではそれは多いんです。だから別の種族との婚姻は否定されることが多い。人族とは特に反対されることが多い。母さんは違いますけど」

「そうですか。まあ、世界の成り立ちを聞いた後だと納得です」

 リリスさんの声に納得してしまいます。
 種族が一瞬で増えて争い合っていた。戦争が起きていないのが可笑しいくらいの話です。

「でも、エチルちゃんのお母さんは獣人で生きているんですね?」

「うん! どこかにいると思う!」

 私の声に元気に答えるエチルちゃん。
 あまりお母さんのことを気にしている雰囲気ではなかったですが、彼女も生きているというのを認識すると嬉しそうにしています。
 やはりお母さんは特別です。会いたいんですよね。
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