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第三章 守るべきもの
第59話 いつもと違うなにか
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「シゲルさん! 皆さん! また来てくださいね!」
「はい! また来ます! では!」
遺跡を探索して次の日。私達はエイベルグへと帰ることにしました。
もう少し居てもよかったのですがエイベルグの皆さんが心配で早く帰ることにしました。
手を振りあって町から離れる私達。小さくなっていくベンツ君とそのお母さん。二人とも泣いていますね。
最初の出会いは恐ろしいものでしたが、知り合えてよかったです。
「……母さんがおかしい」
「そうですね」
毎日私の元に現れていたと思われるメリスさんが最近静かです。
彼女が来なくなったのはハーゲンさんを送ってもらってからです。何かあったのかもしれない。
リリスさんが心配で心配でブツブツと呟いています。
「母さんがこんなに大人しいのはおかしいんです」
リリスさんが泣きそうな勢いで言ってくる。まあ、あの人の事だから大丈夫だろ思いますが。子供である彼女がここまで心配するのは何かの知らせかもしれないです。早く帰りましょう。
「お母さん……」
「ん? どうしましたエチルちゃん?」
リリスさんが心配する姿を見てエチルちゃんが首を傾げる。
「お母さんは心配いらない。強いから」
「ははは、そうですね。リリスさんのお母さん強いですもんね」
「私のお母さんも強いから心配いらない」
エチルちゃんが指を咥えて呟く。私の答えを聞いても同じことを言っています。
なるほど、お母さんの心配をしているリリスさんを見て羨ましがっているんですね。彼女も母の肌が恋しいんでしょう。早く見つけてあげたいものですが、どこに行っているんでしょうね~。
「シゲルさん。魔物が前方にでましたよ~」
「あ、は~い。今行きます」
エチルちゃんの頭を撫でているとルッソ君が知らせてくれる。
狼の魔物が私達を取り囲んでいますね。レイドリッサーに怪我をさせられたらたまったものじゃないので早々に仕留めます。
「私は強い!」
「ほんとだね……」
エチルちゃんが狼を仕留めるとミラちゃんが唖然としながら同意する。大人顔負けでミラちゃんはうなだれていますね。
シルクロンドは切れ味抜群です。丈夫な毛をしている狼もなんの抵抗もなく切り裂かれています。
「終わりましたね」
「ありがとよ。しかし、今回の旅は魔物やら盗賊やらとよく出くわしたな~」
馬車に戻るとガルドさんがため息にも似た声を上げる。
普通の旅はそんなに魔物や盗賊にあわないんでしょうか?
「魔物はレイドリッサーが強いから避けてくれていたし、盗賊は危険と感じたら逃げてたからって言うのもあるけどよ。それでも今回は異常だ」
ガルドさんはそう言って呆れて首を横に振る。
旅をしてきていた彼が言うなら本当なんでしょうね。アシュラさんやベノムさんのような方が動いているのと、何か関係があるのかもしれないですね。狂王ルグールさんも動いていましたし、気になります。
「やっと帰ってこれた~。あの城壁を見るとホッとするな~」
「そうね。私達の村もあのくらい立派な壁できてるかな~」
「いや、流石に無理だろ」
狼に襲われて次の日。
私達はエイベルグに帰ってきました。夕日が落ちてきている中、城門にたどり着くとルドラさんが迎えてくれる。
「よお、お帰り」
ニタ~っと笑うルドラさん。なんだか嫌な予感がするんですが、何か私やっちゃいましたか?
「すまねえがシゲルは捕まってもらうぞ」
『え?』
ルドラさんがそう言って私を縄で縛ってくる。みんなで顔を見合って変な声を上げる。
手と足を拘束されて動けません。
「お父さん!」
「あ? なんだ? 獣人を養子にもらったのか?」
エチルちゃんが心配して声を上げる。するとルドラさんが困った顔で答えた。私は頷いて答えると大きなため息をつく。
「まったく、こうなるから関わりたくなかったんだよ。まあ、心配するな。シゲルをどうこうしようっていうんじゃないんだ。少しの間、捕まっていてほしいだけだ。少しの間な」
「少しっていつまでですか? 答えによっては、私たちも黙っちゃいないですよ」
「言うじゃねえか。元受付嬢の冒険者さん」
ルドラさんのため息交じりの言葉にリリスさんが答える。すると彼はジト~と彼女を睨みつける。
「ぶっ! ははははは。すまんすまん。すごむもんだから相手してあげねえとと思ってな。これはエインベリアル様からの命令だ。誰が相手でもシゲルの拘束を解くことはできない。わかったら宿屋に帰って帰りを待ちな」
「そ、そう言われて。そうですかなんていえねえよ!」
「そうよ! 理由を教えて!」
ルドラさんが大笑いをして話してくれるとルッソ君とミラちゃんが追及してくる。すると彼は仲間の兵士さんに合図を送る。
兵士達はルッソ君達とルドラさんの間に入った。
「理由はない。貴族様の命令だ。しっかりと聞きな。それが俺達の平民のやれることだ」
まるで自分に言うかのようなルドラさんの言葉。私は彼のその言葉を聞いて観念しました。とりあえず、命どうこうとはならないでしょう。そうなったときに抵抗することにしましょう。
「シゲルさん!」
「お父さん!」
ルッソ君とエチルちゃんが兵士に詰め寄って声を上げてくれる。私は苦笑いで答えて無言でルドラさんについて行く。
彼は変わっていない。エインベリアルさんが変わってしまったんでしょう。
彼に何があったのか、突き止めましょう。
「はい! また来ます! では!」
遺跡を探索して次の日。私達はエイベルグへと帰ることにしました。
もう少し居てもよかったのですがエイベルグの皆さんが心配で早く帰ることにしました。
手を振りあって町から離れる私達。小さくなっていくベンツ君とそのお母さん。二人とも泣いていますね。
最初の出会いは恐ろしいものでしたが、知り合えてよかったです。
「……母さんがおかしい」
「そうですね」
毎日私の元に現れていたと思われるメリスさんが最近静かです。
彼女が来なくなったのはハーゲンさんを送ってもらってからです。何かあったのかもしれない。
リリスさんが心配で心配でブツブツと呟いています。
「母さんがこんなに大人しいのはおかしいんです」
リリスさんが泣きそうな勢いで言ってくる。まあ、あの人の事だから大丈夫だろ思いますが。子供である彼女がここまで心配するのは何かの知らせかもしれないです。早く帰りましょう。
「お母さん……」
「ん? どうしましたエチルちゃん?」
リリスさんが心配する姿を見てエチルちゃんが首を傾げる。
「お母さんは心配いらない。強いから」
「ははは、そうですね。リリスさんのお母さん強いですもんね」
「私のお母さんも強いから心配いらない」
エチルちゃんが指を咥えて呟く。私の答えを聞いても同じことを言っています。
なるほど、お母さんの心配をしているリリスさんを見て羨ましがっているんですね。彼女も母の肌が恋しいんでしょう。早く見つけてあげたいものですが、どこに行っているんでしょうね~。
「シゲルさん。魔物が前方にでましたよ~」
「あ、は~い。今行きます」
エチルちゃんの頭を撫でているとルッソ君が知らせてくれる。
狼の魔物が私達を取り囲んでいますね。レイドリッサーに怪我をさせられたらたまったものじゃないので早々に仕留めます。
「私は強い!」
「ほんとだね……」
エチルちゃんが狼を仕留めるとミラちゃんが唖然としながら同意する。大人顔負けでミラちゃんはうなだれていますね。
シルクロンドは切れ味抜群です。丈夫な毛をしている狼もなんの抵抗もなく切り裂かれています。
「終わりましたね」
「ありがとよ。しかし、今回の旅は魔物やら盗賊やらとよく出くわしたな~」
馬車に戻るとガルドさんがため息にも似た声を上げる。
普通の旅はそんなに魔物や盗賊にあわないんでしょうか?
「魔物はレイドリッサーが強いから避けてくれていたし、盗賊は危険と感じたら逃げてたからって言うのもあるけどよ。それでも今回は異常だ」
ガルドさんはそう言って呆れて首を横に振る。
旅をしてきていた彼が言うなら本当なんでしょうね。アシュラさんやベノムさんのような方が動いているのと、何か関係があるのかもしれないですね。狂王ルグールさんも動いていましたし、気になります。
「やっと帰ってこれた~。あの城壁を見るとホッとするな~」
「そうね。私達の村もあのくらい立派な壁できてるかな~」
「いや、流石に無理だろ」
狼に襲われて次の日。
私達はエイベルグに帰ってきました。夕日が落ちてきている中、城門にたどり着くとルドラさんが迎えてくれる。
「よお、お帰り」
ニタ~っと笑うルドラさん。なんだか嫌な予感がするんですが、何か私やっちゃいましたか?
「すまねえがシゲルは捕まってもらうぞ」
『え?』
ルドラさんがそう言って私を縄で縛ってくる。みんなで顔を見合って変な声を上げる。
手と足を拘束されて動けません。
「お父さん!」
「あ? なんだ? 獣人を養子にもらったのか?」
エチルちゃんが心配して声を上げる。するとルドラさんが困った顔で答えた。私は頷いて答えると大きなため息をつく。
「まったく、こうなるから関わりたくなかったんだよ。まあ、心配するな。シゲルをどうこうしようっていうんじゃないんだ。少しの間、捕まっていてほしいだけだ。少しの間な」
「少しっていつまでですか? 答えによっては、私たちも黙っちゃいないですよ」
「言うじゃねえか。元受付嬢の冒険者さん」
ルドラさんのため息交じりの言葉にリリスさんが答える。すると彼はジト~と彼女を睨みつける。
「ぶっ! ははははは。すまんすまん。すごむもんだから相手してあげねえとと思ってな。これはエインベリアル様からの命令だ。誰が相手でもシゲルの拘束を解くことはできない。わかったら宿屋に帰って帰りを待ちな」
「そ、そう言われて。そうですかなんていえねえよ!」
「そうよ! 理由を教えて!」
ルドラさんが大笑いをして話してくれるとルッソ君とミラちゃんが追及してくる。すると彼は仲間の兵士さんに合図を送る。
兵士達はルッソ君達とルドラさんの間に入った。
「理由はない。貴族様の命令だ。しっかりと聞きな。それが俺達の平民のやれることだ」
まるで自分に言うかのようなルドラさんの言葉。私は彼のその言葉を聞いて観念しました。とりあえず、命どうこうとはならないでしょう。そうなったときに抵抗することにしましょう。
「シゲルさん!」
「お父さん!」
ルッソ君とエチルちゃんが兵士に詰め寄って声を上げてくれる。私は苦笑いで答えて無言でルドラさんについて行く。
彼は変わっていない。エインベリアルさんが変わってしまったんでしょう。
彼に何があったのか、突き止めましょう。
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