40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)

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第二章 プチ旅行

第58話 新たな遺跡

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「ここがベンツ君のお母さんが捕まっていた場所ですね」

 洞窟を歩いてくると部屋にたどり着く。ドワーフの里にあった遺跡はとても大きかったもしかするとこの先に道が続いているのかも。

「お父さん。道が塞がってるよ」

 エチルちゃんが先を歩いていくと報告してくれる。
 土砂でしょうか。完全に道を塞いでしまってる。この先にあの大きな遺跡の町が広がっているのでしょうか。
 ドワーフの軍隊がいてくれれば道を作ってもらうんですが……。

「ご主人様。マナゴーレムに掘らせればいいんだよ。呼ぶぞ」

「あ! そうですね!」

 悩んでいるとシーちゃんが教えてくれます。早速マナゴーレムを呼ぶと彼の手がドリルに変わっています。形状変化もお手の物、シーちゃんはかなり頼りになりますね~。

「10体で掘っても少し時間かかるな」

 シーちゃんはそういうと周りを見回す。
 壁に貼り付けられた地図を見つけると訝し気に首を傾げる。

「どうしたんですか?」

「ん? ああ、俺達の作られた時の話なんだけどよ。俺達は人の敵である魔物を倒すのが使命だったんだ。4つの俺達が作られて、競い合うように争い合った。人っていうのは強欲でな。ご主人様同士でも戦争したってわけだ」

 先ほども言っていた戦争の道具というやつですね。
 私が頷いて聞いていると彼は更に話し続ける。

「俺達を作ったマスターはそれをさせたくなくて、天変地異を起こして破壊したんだ。埋もれてるのはそれだな。だけど、この地図は変だ」

「変?」

 世界地図のような地図。それは現在地を中心にして描かれているようで丸い点が書かれてる。

「ここは人の町か? すべての遺跡の中心に据えられてる。まるで図ったかのように作ってる。力が集まるようになってるのか?」

「そんなことまでわかるんですか?」

「俺を作った方の知識を使ってるのさ。【ベラルド様】っていうんだけどな。天変地異を計算して作り出すことも出来たお人なんだ。地の流れを呼んで少し刺激するだけで大地を動かした。凄いお方だ」

「ベラルド様……」

 そんな凄い方がいたんですね。この遺跡もその人が作ったというわけですか。
 死霊を操って遺跡の建築や大地を動かす地理を知る。神と言われても納得してしまう知識ですね。もしかしてその人は【旅人】なのではないでしょうか? 
 私よりも先に来た【旅人】。大地を動かすなんて言うのは現代人でも無理ですが建築ならばその分野の人が来れば行けますしね。

「お? 終わったみたいだ。見てみようぜ!」

 しばらく考えているとシーちゃんが声を上げる。マナゴーレムはある程度の採掘を終わらせたみたいです。流石はドリルですね。早い。

「わあ~」

「あの遺跡と同じだ」

 ミラちゃんとルッソ君が感嘆の声を上げる。
 大きく開けた遺跡が姿を現しました。中央に噴水が作られている遺跡。ドワーフさん達の町の近くにあった遺跡とは建物は一緒ですが作りが人を意識している作りになっていますね。景観が綺麗です。

「多分この塔の上に俺と同じ奴がいるはずだ。壊れてなければだけどな。壊れててほしいな~」

「シーちゃん」

「わかってるよ。はぁ~、生きててくれないかな~……って言ってみる」

「はぁ~……」

 シーちゃんは大きなため息をつきながら思ってもいないことを呟く。
 私も思わずため息をついてしまいますよ。そんなに仲間が死んでくれていた方がいいんですね。ほんと悲しいです。

「あ! ああ~!」

「ど、どうしました?」

 シーちゃんを先頭に塔を登っていくとそこには黒い球がありました。彼の声で近づくと黒い球がひび割れていました。

「やったぜ!」

「シーちゃん!」

「あ~、はいはい。お悔やみ申し上げます~っだ」

 まるでベロでも出しているかのように言ってくるシーちゃん。まったくというかなんというか。
 競争相手と共に高め合うような間柄にならないとダメですよ。自分だけでは必ず限界が来るんですからね。

「可哀そう……」

「そうね」

 エチルちゃんが割れた黒い球を抱きしめる。リリスさんも彼を触ってあげています。最後まで一人でいたんですね。

「今の人間達は変わってるんだな。敵対していたであろう相手を敬う。俺なんかにも優しいしよ」

「はは、昔の人ではなくてよかったですよ。因みになんですが、あなたを作った人っていうのは人なんですか?」

 私は疑問に思ったことをシーちゃんに聞いた。ベラルドという方の種族が気になってしまったんです。
 すると彼は少し考えてから答えてくれる。

「魔族だよ。他は人族が多かったけどな」

 ベラルドさんは魔族で他が人族だったと、それはなんだか凄い人ですね。
 ん? なんだかエイベルグの町と似ていますね。忌み嫌っている間柄のはずなのに共に町を作ってる。

「他は何もないですね。ベンツ君達に有効活用してもらいますか」

「おお、ここにもマナゴーレムを作って置いておこうぜ!」

「更に増えるんですか? そんなにいらないと思いますが」

 シーちゃんの提案に首を傾げる。
 マナを使って作るので私が凄い疲れるんですよね。出来ればやりたくないんですが。

「何言ってんだよ! 上の人間達が何かに襲われた時は自動で撃退するようにしておけばいいんだろ! 防衛も考えるのが戦争兵器の本領だ」

「な、なるほど」

 シーちゃんの圧に負けて頷かされてしまいました。まあ、それなら致し方ないですね。
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