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第三章 守るべきもの
第65話 死闘
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終焉さんが放ったエネルギー弾を見て体が震える。恐怖で動けなくなっているとエチルちゃんが私の手を握る。
「お父さん大丈夫だよ。お父さんは強いもん」
「そ、そうですかね……」
エチルちゃんは私を励ます言葉を聞かせてくれる。しかし、私は……、本当の私はとても弱い男です。
この世界に来て私は反則的な能力で強くなった。しかし、それは虚実的な現実的ではないものです。
今は本当、しかし、前は嘘……。日本にいたころはとても弱い存在だった。それが真実。
今は強い、昔はとても弱かった。TVの中の方たちにあこがれ真似をするようなことばかりしていました。
終焉さんのような本当の強さを前にすると私は、震えてしまう。
「シゲルさん! 動いて!」
「はっ!?」
空で動きをとめていると落下をし始めてしまう。そうでした、私は徒歩や疾走していないと浮いていられない。私はリリスさんの声で歩き始め、落下速度を和らげる。
「どうしたんですかシゲルさん! 怪我を?」
「あ、いえ……。いや、そうですね。大きな首を胸に……」
リリスさんの言葉を一度は否定しましたがそれは嘘でした。
私の大きな大きなトラウマ、胸の中の傷がうずいてしまいました。自分はなんと弱い存在だろう。自分を傷つける言葉ばかりが浮かんでくる。
今は違うと言い聞かせても、私の体を蝕んでいく。
「シゲルさん」
「り、リリスさん!?」
不安で俯いているとエチルちゃんがリリスさんの背中を押す。リリスさんが私の胸の中に入ると抱きしめてくれる。
彼女の体を抱き返すと彼女も体を震わせていた。
「本当に終わりが来てしまったのかなって不安で怖い。シゲルさん……」
不安や恐怖を口にしてくれるリリスさん。彼女も私と同様、恐怖を感じてくれていた。彼女のような強さを持っている方でも恐怖を感じるんですね。
前ばかりを向ける人なんていない。後ろを向いて対応する人だっている。恐怖を分析して対処すればいいんです。
私は彼女を強く抱きしめて空を見上げる。
「日……」
真上に太陽が昇ってきた。どんな時でも彼は必ず光を見せてくれる。
そんな彼に憧れた時がある。煌々と燃える姿がとても誇らしかったから。私は日ノ本の男です。彼は私の味方、いつでも見守ってくれている。
「心決まりました。ありがとうございますリリスさん、エチルちゃん!」
私はリリスさんを離して空へと上がっていく。作戦はすべて却下です。私が何とかします。私が……、
「さあ、勝負ですよ終焉さん!」
空へと上がるとバサッバサッと羽を鳴らす音が近くなってくる。空を見上げ、彼と目が合うと体が震える。私は強く体を叩き震えを強制的に止める。
「あなたがエネルギーをもらえるならば私ももらえるはずです。なんせ私はスキルを覚えるのが得意なのですから!」
終焉さんと睨みあいながら両手を上げる。
「魔物の皆さん。あなた達の命を終わりに使わせたくありません。どうか! 私の方に集まってください! どうか、どうか!」
狙いがわかったのか、終焉さんもエネルギーを貯め始める。人にやられて私のところに集まってくるのはごく少数、ですができる。私も命を集めることができています。
『ライフストリームを習得しました』
「……そうですか。覚えられましたか」
スキルを覚えました。しかし、目の前に恐怖が貯まっていました。
鋭く睨みつけてくる終焉さんの口に先ほどと同じくらいの命が貯まっています。私の両手には豆粒程の力しか集まっていません。
でも、嬉しいです。魔物達の中には彼に扱われたくないと思ってくれた方がいる。私を求めてくれた方がいるんです。それだけで私は……。
「私一人に。なんて贅沢なんでしょうか」
先ほどの山を一つ消し飛ばしたエネルギー弾を私に向けてくる終焉さん。睨みつけてきていた瞳を下品な瞳に変えて、笑っているように見える。彼は命を軽く見ている。こんな方に……いや、こんな鳥に世界を壊させてやるもんですか!
「私の命も持っていきなさい! ライフストリーム!」
目の前が白くなっていく。終焉さんがエネルギー弾を放ってきているんですね。その中に入り、手をかざして私も命を放つ。
体全体が脱力感に苛まれ、彼の力の流動に体が攫われていく。力の集まりが弱すぎる。私の一人の命では到底かなわない。
「……ハァハァ、意識が遠のく」
ガルドさんに作ってもらったワーウルフの鎧が壊れ、上半身が露わになってしまいました。手足がなくなっているということはなくてホッとしました。痛みがないので見て確認するしかないんですよね。
「驚きですか? 私も驚きましたよ」
終焉さんが驚いているように見えて声をかける。
私は生き残った。あの激しいエネルギーの中を豆粒のエネルギーと私の命を削って。
『ライフストリームバーストを習得しました』
「すみませんね、終焉さん。私、スキル習得が早いんです」
言葉を理解しているか、わからない彼に私は声を上げて両手を見せる。手には収まらないほどの光のエネルギーが貯まっている。
「あなたが集めたエネルギーは頂きました」
違和感を感じたんです。彼の放つエネルギーの違和感を。ただただ放っているだけのエネルギーに感じました。
強制的に集め、放つだけのエネルギー。彼は恐怖で命を集めていただけ。それでは誰も力を貸してくれない。
『助けてくれ』という声が聞こえて私は手を差し伸べた。
「私だけじゃない。私だけの力ではないんです」
光のエネルギーを握りしめて声を上げる。
『よお、面白い人間シゲル』、命のエネルギーの中にアシュラさんを見つけることができたんです。彼は奴に利用されているのが面白くない様子で力を貸してくれました。
魔物の王をしていた彼は魔物達に声をかけてくれた。
「力がみなぎる」
傷だらけの体が癒されていく。
ふと終焉さんを見ると嬉しさがこみあげてくる。
彼でさえ恐怖を感じるんです。今も集まってきている命のエネルギーを感じているんです。
私はまるで太陽のように輝いている。皆さんありがとうございます。
「あなたにも仲間がいればよかったのに、そうすればこんなに強くなれた」
私はそう言って恐怖する彼の嘴に触れた。
「お父さん大丈夫だよ。お父さんは強いもん」
「そ、そうですかね……」
エチルちゃんは私を励ます言葉を聞かせてくれる。しかし、私は……、本当の私はとても弱い男です。
この世界に来て私は反則的な能力で強くなった。しかし、それは虚実的な現実的ではないものです。
今は本当、しかし、前は嘘……。日本にいたころはとても弱い存在だった。それが真実。
今は強い、昔はとても弱かった。TVの中の方たちにあこがれ真似をするようなことばかりしていました。
終焉さんのような本当の強さを前にすると私は、震えてしまう。
「シゲルさん! 動いて!」
「はっ!?」
空で動きをとめていると落下をし始めてしまう。そうでした、私は徒歩や疾走していないと浮いていられない。私はリリスさんの声で歩き始め、落下速度を和らげる。
「どうしたんですかシゲルさん! 怪我を?」
「あ、いえ……。いや、そうですね。大きな首を胸に……」
リリスさんの言葉を一度は否定しましたがそれは嘘でした。
私の大きな大きなトラウマ、胸の中の傷がうずいてしまいました。自分はなんと弱い存在だろう。自分を傷つける言葉ばかりが浮かんでくる。
今は違うと言い聞かせても、私の体を蝕んでいく。
「シゲルさん」
「り、リリスさん!?」
不安で俯いているとエチルちゃんがリリスさんの背中を押す。リリスさんが私の胸の中に入ると抱きしめてくれる。
彼女の体を抱き返すと彼女も体を震わせていた。
「本当に終わりが来てしまったのかなって不安で怖い。シゲルさん……」
不安や恐怖を口にしてくれるリリスさん。彼女も私と同様、恐怖を感じてくれていた。彼女のような強さを持っている方でも恐怖を感じるんですね。
前ばかりを向ける人なんていない。後ろを向いて対応する人だっている。恐怖を分析して対処すればいいんです。
私は彼女を強く抱きしめて空を見上げる。
「日……」
真上に太陽が昇ってきた。どんな時でも彼は必ず光を見せてくれる。
そんな彼に憧れた時がある。煌々と燃える姿がとても誇らしかったから。私は日ノ本の男です。彼は私の味方、いつでも見守ってくれている。
「心決まりました。ありがとうございますリリスさん、エチルちゃん!」
私はリリスさんを離して空へと上がっていく。作戦はすべて却下です。私が何とかします。私が……、
「さあ、勝負ですよ終焉さん!」
空へと上がるとバサッバサッと羽を鳴らす音が近くなってくる。空を見上げ、彼と目が合うと体が震える。私は強く体を叩き震えを強制的に止める。
「あなたがエネルギーをもらえるならば私ももらえるはずです。なんせ私はスキルを覚えるのが得意なのですから!」
終焉さんと睨みあいながら両手を上げる。
「魔物の皆さん。あなた達の命を終わりに使わせたくありません。どうか! 私の方に集まってください! どうか、どうか!」
狙いがわかったのか、終焉さんもエネルギーを貯め始める。人にやられて私のところに集まってくるのはごく少数、ですができる。私も命を集めることができています。
『ライフストリームを習得しました』
「……そうですか。覚えられましたか」
スキルを覚えました。しかし、目の前に恐怖が貯まっていました。
鋭く睨みつけてくる終焉さんの口に先ほどと同じくらいの命が貯まっています。私の両手には豆粒程の力しか集まっていません。
でも、嬉しいです。魔物達の中には彼に扱われたくないと思ってくれた方がいる。私を求めてくれた方がいるんです。それだけで私は……。
「私一人に。なんて贅沢なんでしょうか」
先ほどの山を一つ消し飛ばしたエネルギー弾を私に向けてくる終焉さん。睨みつけてきていた瞳を下品な瞳に変えて、笑っているように見える。彼は命を軽く見ている。こんな方に……いや、こんな鳥に世界を壊させてやるもんですか!
「私の命も持っていきなさい! ライフストリーム!」
目の前が白くなっていく。終焉さんがエネルギー弾を放ってきているんですね。その中に入り、手をかざして私も命を放つ。
体全体が脱力感に苛まれ、彼の力の流動に体が攫われていく。力の集まりが弱すぎる。私の一人の命では到底かなわない。
「……ハァハァ、意識が遠のく」
ガルドさんに作ってもらったワーウルフの鎧が壊れ、上半身が露わになってしまいました。手足がなくなっているということはなくてホッとしました。痛みがないので見て確認するしかないんですよね。
「驚きですか? 私も驚きましたよ」
終焉さんが驚いているように見えて声をかける。
私は生き残った。あの激しいエネルギーの中を豆粒のエネルギーと私の命を削って。
『ライフストリームバーストを習得しました』
「すみませんね、終焉さん。私、スキル習得が早いんです」
言葉を理解しているか、わからない彼に私は声を上げて両手を見せる。手には収まらないほどの光のエネルギーが貯まっている。
「あなたが集めたエネルギーは頂きました」
違和感を感じたんです。彼の放つエネルギーの違和感を。ただただ放っているだけのエネルギーに感じました。
強制的に集め、放つだけのエネルギー。彼は恐怖で命を集めていただけ。それでは誰も力を貸してくれない。
『助けてくれ』という声が聞こえて私は手を差し伸べた。
「私だけじゃない。私だけの力ではないんです」
光のエネルギーを握りしめて声を上げる。
『よお、面白い人間シゲル』、命のエネルギーの中にアシュラさんを見つけることができたんです。彼は奴に利用されているのが面白くない様子で力を貸してくれました。
魔物の王をしていた彼は魔物達に声をかけてくれた。
「力がみなぎる」
傷だらけの体が癒されていく。
ふと終焉さんを見ると嬉しさがこみあげてくる。
彼でさえ恐怖を感じるんです。今も集まってきている命のエネルギーを感じているんです。
私はまるで太陽のように輝いている。皆さんありがとうございます。
「あなたにも仲間がいればよかったのに、そうすればこんなに強くなれた」
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