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第一章 落とされたもの
第8話 信頼の理由
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僕は急いで手紙を広げる。
「『すまないねアート君。この手紙を読んでいるということは私はすでに町を出ているね』え!? ど、どういうこと!」
「そ、それでは私は……」
手紙を届けてくれたお兄さんが申し訳なさそうに出ていく。僕はそれを見送ることも出来ずにいた。
「あ、アート様! とにかく内容を」
「う、うん。そうだね」
シエルさんに肩を支えられると気を取り戻す。
改めて、グランドさんからの手紙に視線を落とした。
「『急な話なのですが、これから私は遠くの町に行くことになりました。これもあなたのおかげです』僕のおかげって……」
「アート様続きを」
「うん、『私の息子はとても馬鹿な者でした。その馬鹿者は娼婦に子を作り、捨てたのです』え……」
疑問に思うことばかりで手紙から視線をづらす。シエルさんに促されて再度視線を落とすととても信じられない言葉が告げられていた。
「『その子と言うのがあなたでした。と言っても分かったのがつい最近だったのですがね。本当にすみません』……」
シエルさんと話して予想していた通りだったのか。僕のお爺さんだったんだ。
「『教会で君を見た時、私はすぐに気づきました。しかし、今更おじいちゃんだと言ってもと思い、こんなややこしいことをしてしまいました。本当にすみません』そんなに謝らなくても……」
はぁ~、自分のせいでもないのにグランドさん、おじいちゃんは謝りすぎだよ。僕はそんなの気にしてないのに。
「『罪滅ぼしと取っていただいても構いません。そのお店はアート君、君の物です。いかようにしてもらっても構いません。もちろん、売ってお金に変えてもらっても構いませんよ』そんなことするわけないじゃないですか……」
おじいちゃんからもらったお店を売るなんて絶対にできないよ。
「『エマさんにはこの事を話しておきました。彼女や教会には感謝しております。では朝の忙しい時間にすみません、お元気で』、グランドさんはもう僕と会わないつもりなのかな?」
「アート様……。グランド様はそう言う意味で書いたんじゃないと思いますよ。それよりもお客様が来てしまいましたよ」
グランドさんの手紙を読んで悲しくなってしまう。シエルさんはそんな僕を見て慰めるように外への扉を指さした。スティナさん達が一番にやってきてくれたみたいだ。
「ん、グランドさんの手紙はあとでも見れるね。今はお店を繁盛させることを考えよう」
「はい!」
気持ちを切り替えてお客さんを迎える。手紙の最後は今日の夜に見よう。今はお店だ。このお店を繁盛させないといけないことが増えた。グランドさんが会いに来ないといけないようなそんな立派な店にしてやる。
「アートく~ん。今日も来たよ~」
お店に入ってくると抱き着いてくるスティナさん。本当に特別なお客さんになったな~。
「昨日もポーションを使っちゃったから買いに来ちゃった~」
「ええ!? お体大丈夫なんですか?」
「大丈夫大丈夫! 私戦士の才能持ちだもん。すぐに治るんだ~。心配してくれてありがと~」
冒険者の仕事って本当に危ないんだな~。毎日ポーションを使わないといけないなんて、生傷が絶えない職業なんだな~。
「戦士でもむちゃしすぎなのよ」
「そうそう、流石に切断なんてされたら治らないんだから用心してほしいんだけど」
ユラさんとフィアさんが一緒に入ってきてスティナさんを僕から離してくれる。
「そうだけどさ~。私達は戦士と魔法使い二人の三人パーティーでしょ。先行して威圧しないとすぐにユラ達に攻撃されちゃうんだよ。私は傷ついてもいいけど、二人は絶対に傷ついてほしくないからさ」
「スティナさん……」
スティナさんの言葉を聞いて、僕は感動してしまう。ユラさん達も言葉を無くしてスティナさんに抱き着いた。
「大事にしてくれて嬉しいよ」
「だけどね。それは私達も一緒なんだよ。スティナが傷つくのはあんまり見たくないの」
ユラさんとフィアさんがそう囁くとスティナさんが涙を流した。
「うん。ごめんねユラ、フィア。いつの間にか二人を傷つけてたね。じゃあ、傷つかないようにしながらポーションを使って、アート君に会いに来るってことでいいよね?」
「「……はぁ~」」
スティナさんの提案に二人は大きなため息をつく。傷つかないのにポーションは使わないよね。
「毎日来られてもアート君は困るでしょ」
ユラさんが気を使って話すとスティナさんが僕を見つめる。
「え~、そんなことないでしょ? ね~アート君?」
「は、はい。毎日来てくれると嬉しいですよ」
「ほら~、ほらほら~。アート君もこういってるでしょ~。だから、ポーションを使うんだよ~」
スティナさんの言葉に答える。嬉しそうに二人に告げる彼女はもう止められないみたいだ。
「はいはい分かった分かったよ」
「もう、私達は止めない。私も道具を見るのは好きだしね。もちろん、アート君も好きだし、シエルさんだったっけ? あの獣人さんも好き。何と言うか気品があるのよね~」
ユラさんが呆れているとフィアさんが僕とシエルさんに視線を移した。
気品か……確かにシエルさんは神獣と言われるフェンリルということもあって凄い圧があった。グランドさんにもらったポーションで抑えられているけど、知っている僕はいつも目が離せなくなっちゃうんだよな~。
「ささ、スティナ。ポーションを買ったらすぐに依頼を受けに行くよ」
「ええ~。もっとアート君とお話ししたいよ~」
「ダメダメ、お仕事しないとポーションを買うお金が無くなっちゃうでしょ。はい、銀貨ね」
ユラさんの言葉に反対するスティナさん。すぐにフィアさんが彼女の首根っこを掴んで出ていく。銀貨を一枚置いてポーションを一本持っていった。
「仲がいいですね」
「うん。そっちのお客さんも買っていったの?」
「はい。男性の冒険者でBランクのポーションを2本。凄く嬉しそうにしていました」
Bランクのポーションを2本か。嬉しそうにしてたのはシエルさんだったからだろうな。彼女から手渡されるポーションは値段以上の価値がある。
そんなことを考えていると修道女の格好をした人が入ってきた。フードを目深に被っているけど、あれはエマさんだな。
「エマさん! いらっしゃいませ」
「え!? な、なんでわかったの? びっくりさせようと思ったのに……」
嬉しくて声をかけるとエマさんが驚いてフードを脱いだ。がっかりしている様子だけど、彼女も嬉しそうに店内を見回す。
「すぐに見に来ようと思ったんだけど、アート君の穴を埋めるのが大変で。来れなくてごめんなさいね」
「気にしないでください。って、僕がいなくなって大変なんですか?」
「うん。年長者がいなくなっちゃったから孤児院がてんてこ舞い。教会の掃除は司祭様にやってもらうことになったから大丈夫なんだけどね」
なるほど、孤児院の年長者がやっていた仕事が疎かになっちゃってるのか。主に、小さな子達の面倒と薪や水の確保だな。
「よし! 僕が用意しますよ」
「え? ダメよアート君。今のあなたはこのお店の店長さんなんだから」
「で、でも」
「大丈夫。本当に困った時に頼らせて」
エマさんを助けようと声をあげると断られてしまった。このお店の店長も大事な仕事だけど、孤児院を守るのも大切なんだよな。って、グランドさんからちゃんと店長だって伝わってるみたいだな。
「じゃあ、困った時はちゃんと言ってくださいね。絶対に助けますから」
「……ふふ、その時はお願いね。あら? アート君、少し逞しくなったかしら? 背が伸びているような?」
エマさんが僕の言葉に答えながら頭を撫でてくれる。戦士と魔法使いの才能を体に入れてから少し大きくなったかもしれない。
「子供と思っていてもすぐにみんな大きくなっていく。私の手を離れていっても子は育つのよね」
少し寂しそうに話すエマさん。遠い目で窓の外を見つめる彼女は綺麗だ。
「エマ様! お初にお目にかかります。わたくし、アート様に雇っていただきましたシエルと申します。卑しい獣人ですがどうぞよろしくお願いいたします」
シエルさんが跪いて自己紹介を始めた。まるで騎士みたいでカッコいい。
「あらあら? とても綺麗な獣人さんですね。アート君はとても控えめな子だから守ってあげてくださいね」
「はい!」
控えめに言っても騎士とお姫様と言った風景。絵になる二人だ。
「じゃあ、今日はもう行くね。アート君、頑張ってね」
「はい! また来てくださいねエマさん。びっくりさせようとしなくていいですから」
「ふふ、今度は失敗しないようにするわ。またね」
いたずら好きという新たな一面を見せるエマさん。手を振り合って別れを告げると少し寂しさが僕を襲ってきた。
「帰りたいんじゃないんですか?」
「うん。そりゃね。だってエマさんはお母さんだもん」
シエルさんが心配そうに話してくれる。
実の親がグランドさんの息子さんでお母さんが娼婦。そんなことは今の僕には関係ない。エマさんが僕のお母さんなんだ。彼女が困っていたら必ず助ける。
「さあ! 今日もお客さんに買ってもらおうぞ~」
「私も頑張ります!」
シエルさんと一緒に気合を入れて接客に勤しむ。今日もいい日になりそうだ。
「『すまないねアート君。この手紙を読んでいるということは私はすでに町を出ているね』え!? ど、どういうこと!」
「そ、それでは私は……」
手紙を届けてくれたお兄さんが申し訳なさそうに出ていく。僕はそれを見送ることも出来ずにいた。
「あ、アート様! とにかく内容を」
「う、うん。そうだね」
シエルさんに肩を支えられると気を取り戻す。
改めて、グランドさんからの手紙に視線を落とした。
「『急な話なのですが、これから私は遠くの町に行くことになりました。これもあなたのおかげです』僕のおかげって……」
「アート様続きを」
「うん、『私の息子はとても馬鹿な者でした。その馬鹿者は娼婦に子を作り、捨てたのです』え……」
疑問に思うことばかりで手紙から視線をづらす。シエルさんに促されて再度視線を落とすととても信じられない言葉が告げられていた。
「『その子と言うのがあなたでした。と言っても分かったのがつい最近だったのですがね。本当にすみません』……」
シエルさんと話して予想していた通りだったのか。僕のお爺さんだったんだ。
「『教会で君を見た時、私はすぐに気づきました。しかし、今更おじいちゃんだと言ってもと思い、こんなややこしいことをしてしまいました。本当にすみません』そんなに謝らなくても……」
はぁ~、自分のせいでもないのにグランドさん、おじいちゃんは謝りすぎだよ。僕はそんなの気にしてないのに。
「『罪滅ぼしと取っていただいても構いません。そのお店はアート君、君の物です。いかようにしてもらっても構いません。もちろん、売ってお金に変えてもらっても構いませんよ』そんなことするわけないじゃないですか……」
おじいちゃんからもらったお店を売るなんて絶対にできないよ。
「『エマさんにはこの事を話しておきました。彼女や教会には感謝しております。では朝の忙しい時間にすみません、お元気で』、グランドさんはもう僕と会わないつもりなのかな?」
「アート様……。グランド様はそう言う意味で書いたんじゃないと思いますよ。それよりもお客様が来てしまいましたよ」
グランドさんの手紙を読んで悲しくなってしまう。シエルさんはそんな僕を見て慰めるように外への扉を指さした。スティナさん達が一番にやってきてくれたみたいだ。
「ん、グランドさんの手紙はあとでも見れるね。今はお店を繁盛させることを考えよう」
「はい!」
気持ちを切り替えてお客さんを迎える。手紙の最後は今日の夜に見よう。今はお店だ。このお店を繁盛させないといけないことが増えた。グランドさんが会いに来ないといけないようなそんな立派な店にしてやる。
「アートく~ん。今日も来たよ~」
お店に入ってくると抱き着いてくるスティナさん。本当に特別なお客さんになったな~。
「昨日もポーションを使っちゃったから買いに来ちゃった~」
「ええ!? お体大丈夫なんですか?」
「大丈夫大丈夫! 私戦士の才能持ちだもん。すぐに治るんだ~。心配してくれてありがと~」
冒険者の仕事って本当に危ないんだな~。毎日ポーションを使わないといけないなんて、生傷が絶えない職業なんだな~。
「戦士でもむちゃしすぎなのよ」
「そうそう、流石に切断なんてされたら治らないんだから用心してほしいんだけど」
ユラさんとフィアさんが一緒に入ってきてスティナさんを僕から離してくれる。
「そうだけどさ~。私達は戦士と魔法使い二人の三人パーティーでしょ。先行して威圧しないとすぐにユラ達に攻撃されちゃうんだよ。私は傷ついてもいいけど、二人は絶対に傷ついてほしくないからさ」
「スティナさん……」
スティナさんの言葉を聞いて、僕は感動してしまう。ユラさん達も言葉を無くしてスティナさんに抱き着いた。
「大事にしてくれて嬉しいよ」
「だけどね。それは私達も一緒なんだよ。スティナが傷つくのはあんまり見たくないの」
ユラさんとフィアさんがそう囁くとスティナさんが涙を流した。
「うん。ごめんねユラ、フィア。いつの間にか二人を傷つけてたね。じゃあ、傷つかないようにしながらポーションを使って、アート君に会いに来るってことでいいよね?」
「「……はぁ~」」
スティナさんの提案に二人は大きなため息をつく。傷つかないのにポーションは使わないよね。
「毎日来られてもアート君は困るでしょ」
ユラさんが気を使って話すとスティナさんが僕を見つめる。
「え~、そんなことないでしょ? ね~アート君?」
「は、はい。毎日来てくれると嬉しいですよ」
「ほら~、ほらほら~。アート君もこういってるでしょ~。だから、ポーションを使うんだよ~」
スティナさんの言葉に答える。嬉しそうに二人に告げる彼女はもう止められないみたいだ。
「はいはい分かった分かったよ」
「もう、私達は止めない。私も道具を見るのは好きだしね。もちろん、アート君も好きだし、シエルさんだったっけ? あの獣人さんも好き。何と言うか気品があるのよね~」
ユラさんが呆れているとフィアさんが僕とシエルさんに視線を移した。
気品か……確かにシエルさんは神獣と言われるフェンリルということもあって凄い圧があった。グランドさんにもらったポーションで抑えられているけど、知っている僕はいつも目が離せなくなっちゃうんだよな~。
「ささ、スティナ。ポーションを買ったらすぐに依頼を受けに行くよ」
「ええ~。もっとアート君とお話ししたいよ~」
「ダメダメ、お仕事しないとポーションを買うお金が無くなっちゃうでしょ。はい、銀貨ね」
ユラさんの言葉に反対するスティナさん。すぐにフィアさんが彼女の首根っこを掴んで出ていく。銀貨を一枚置いてポーションを一本持っていった。
「仲がいいですね」
「うん。そっちのお客さんも買っていったの?」
「はい。男性の冒険者でBランクのポーションを2本。凄く嬉しそうにしていました」
Bランクのポーションを2本か。嬉しそうにしてたのはシエルさんだったからだろうな。彼女から手渡されるポーションは値段以上の価値がある。
そんなことを考えていると修道女の格好をした人が入ってきた。フードを目深に被っているけど、あれはエマさんだな。
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「え!? な、なんでわかったの? びっくりさせようと思ったのに……」
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「気にしないでください。って、僕がいなくなって大変なんですか?」
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なるほど、孤児院の年長者がやっていた仕事が疎かになっちゃってるのか。主に、小さな子達の面倒と薪や水の確保だな。
「よし! 僕が用意しますよ」
「え? ダメよアート君。今のあなたはこのお店の店長さんなんだから」
「で、でも」
「大丈夫。本当に困った時に頼らせて」
エマさんを助けようと声をあげると断られてしまった。このお店の店長も大事な仕事だけど、孤児院を守るのも大切なんだよな。って、グランドさんからちゃんと店長だって伝わってるみたいだな。
「じゃあ、困った時はちゃんと言ってくださいね。絶対に助けますから」
「……ふふ、その時はお願いね。あら? アート君、少し逞しくなったかしら? 背が伸びているような?」
エマさんが僕の言葉に答えながら頭を撫でてくれる。戦士と魔法使いの才能を体に入れてから少し大きくなったかもしれない。
「子供と思っていてもすぐにみんな大きくなっていく。私の手を離れていっても子は育つのよね」
少し寂しそうに話すエマさん。遠い目で窓の外を見つめる彼女は綺麗だ。
「エマ様! お初にお目にかかります。わたくし、アート様に雇っていただきましたシエルと申します。卑しい獣人ですがどうぞよろしくお願いいたします」
シエルさんが跪いて自己紹介を始めた。まるで騎士みたいでカッコいい。
「あらあら? とても綺麗な獣人さんですね。アート君はとても控えめな子だから守ってあげてくださいね」
「はい!」
控えめに言っても騎士とお姫様と言った風景。絵になる二人だ。
「じゃあ、今日はもう行くね。アート君、頑張ってね」
「はい! また来てくださいねエマさん。びっくりさせようとしなくていいですから」
「ふふ、今度は失敗しないようにするわ。またね」
いたずら好きという新たな一面を見せるエマさん。手を振り合って別れを告げると少し寂しさが僕を襲ってきた。
「帰りたいんじゃないんですか?」
「うん。そりゃね。だってエマさんはお母さんだもん」
シエルさんが心配そうに話してくれる。
実の親がグランドさんの息子さんでお母さんが娼婦。そんなことは今の僕には関係ない。エマさんが僕のお母さんなんだ。彼女が困っていたら必ず助ける。
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