53 / 59
第2章 国
第53話 帰ろう
しおりを挟む
十階を攻略したので俺達は帰ることにした。素材もいっぱい手に入ったし、時間もないしな。一日くらい余裕を持って帰った方がよさそうだし。
他のガチャ玉を開けようと思ったんだけど、これ以上マイルに心配かけると彼女が倒れかねないからね、我慢我慢。
「全部回収しました~」
「ぴよ~」
リックとルビーが元気よく話した。最後のボスフィールドには一杯アイテムがドロップしたからね。集めるのも一苦労だったよ。マイル達が率先して集めてくれたので俺は楽だったけど、心配し過ぎなんだよな。
「じゃあ、帰ろう」
『は~い』
みんな元気よく魔法陣に入っていく。最後に入ると魔法陣が輝きだして外へと転移された。
ダンジョンの入り口に戻って周りを見渡す。マジックバッグに剣君達をしまっているのでそれほど驚かれなかったけど、そこそこ驚かれている。
みんなの目線は俺の頭の上とアイリの肩に集中している。ハーピーの双子は珍しいみたいだな。
「エレメンタルハーピー!?」
「やっぱりそうなのか!」
そんな声が聞こえてくる。結構強そうな魔法使いと戦士が目をまん丸くして見つめてきてるぞ。エレメンタル? 属性付きって事かな、それで珍しいのか。そう言えば倒したハーピーは白い羽根の奴らしかいなかったな~。
「お、お帰りなさい。今度はハーピーですか」
受付に向かうとレリエラが引きつった顔で迎えてくれた。少し呆れた様子も混じっている。
「ぴよ~」
「可愛い! 名前はなんて言うんですか?」
「ルビーだぴよ。私はサファイアだぴよ! ヒフミ様が付けてくれたんだぴよ」
ルビーがレリエラの肩に止まると頬に頬ずりをした。かわいらしい仕草にたまらずレリエラが名前を聞くとサファイアが答えた。
結構、コミュ力があるなこの双子。俺にはまねできない行為だ。
「七階でハーピーを確認したことがありましたけど、エレメンタルハーピーを撃破した人は初めて見ましたよ」
「そういうもん?」
「はい! エレメンタルハーピーは逃げ足が速い魔物です。ユニーク種と言われる亜種の一種ですね」
ほ~、魔物にも種類があるのか。同じ種でも別物があるんだな~。
「スライムですと緑が普通で青、赤が亜種ですね。他にも金や銀が確認されていますけど、撃破したと報告された例はありません」
すらすらと説明される。スライムは緑が多いと思ったらそう言う事だったのか。
「それで? 今回は前よりも早かったですね。何階まで行ったんですか? 八ですか?」
「十階だよ」
「……えっ? もう一度」
「十階だよ~」
レリエラに何階まで行ったのか答えるともう一度聞き返された。仕方なくアイリがもう一度言うと言葉を失くしてしまったようで、何か遠くを見つめてしまっている。
どよどよ、そんな音が聞こえてくる程周りが騒がしくなってきた。十階ってそんなに凄い事なのか?
「あっ! すいませんでした。えっと、十階にいって戻ってきたんですね?」
「十階の魔物倒したよ~」
「十階をクリアしたんですか!?」
ガタっと机に前のめりになるレリエラ。一層視線が熱くなるのを感じて頷くとストンとレリエラが椅子に戻っていった。
「十階をクリアした人はまだいないんです。帰ってこなかった人がいるので行かないようにと注意していたんです! まさか、一気に十階まで行くとは思わなかったので皆さんには言っていませんでした……」
ギルドでも注意する程危ない敵だったって事か。それを蹂躙って、やっぱりうちのリビングウェポンたちは最強だな。
「ダンジョンは何度も最初からできるんです。無理はしないでください。これから先は情報が一切ない領域ですので」
「は、はい……」
レリエラが再度前のめりになって忠告してきた。心配してくれているんだから素直に聞いておくけど、行くときは行くぞ。ガチャ玉の強化の内容もまだ確認できていないからな。それの有用性でこれからのダンジョン攻略を進めるか進めないかが来まる。ゲーム好きとしてはクリアしたいけどな~。
「素材はどうされますか? 卸してくださいますか?」
「じゃあ、この杖の欠片と王冠の欠片を」
「……これはリッチ!?」
これから素材を出すたんびに驚かれてしまって大金を得た。
目立ちに目立った俺達はすぐに帰路に立つことにした。
ガンジさんに挨拶して、リヴェさんとワースさんに別れの挨拶をしたよ。もうちょっといたかったけど、未開地へ行けるようになった俺達に声がかかる気がしたので早めに出た。
他のガチャ玉を開けようと思ったんだけど、これ以上マイルに心配かけると彼女が倒れかねないからね、我慢我慢。
「全部回収しました~」
「ぴよ~」
リックとルビーが元気よく話した。最後のボスフィールドには一杯アイテムがドロップしたからね。集めるのも一苦労だったよ。マイル達が率先して集めてくれたので俺は楽だったけど、心配し過ぎなんだよな。
「じゃあ、帰ろう」
『は~い』
みんな元気よく魔法陣に入っていく。最後に入ると魔法陣が輝きだして外へと転移された。
ダンジョンの入り口に戻って周りを見渡す。マジックバッグに剣君達をしまっているのでそれほど驚かれなかったけど、そこそこ驚かれている。
みんなの目線は俺の頭の上とアイリの肩に集中している。ハーピーの双子は珍しいみたいだな。
「エレメンタルハーピー!?」
「やっぱりそうなのか!」
そんな声が聞こえてくる。結構強そうな魔法使いと戦士が目をまん丸くして見つめてきてるぞ。エレメンタル? 属性付きって事かな、それで珍しいのか。そう言えば倒したハーピーは白い羽根の奴らしかいなかったな~。
「お、お帰りなさい。今度はハーピーですか」
受付に向かうとレリエラが引きつった顔で迎えてくれた。少し呆れた様子も混じっている。
「ぴよ~」
「可愛い! 名前はなんて言うんですか?」
「ルビーだぴよ。私はサファイアだぴよ! ヒフミ様が付けてくれたんだぴよ」
ルビーがレリエラの肩に止まると頬に頬ずりをした。かわいらしい仕草にたまらずレリエラが名前を聞くとサファイアが答えた。
結構、コミュ力があるなこの双子。俺にはまねできない行為だ。
「七階でハーピーを確認したことがありましたけど、エレメンタルハーピーを撃破した人は初めて見ましたよ」
「そういうもん?」
「はい! エレメンタルハーピーは逃げ足が速い魔物です。ユニーク種と言われる亜種の一種ですね」
ほ~、魔物にも種類があるのか。同じ種でも別物があるんだな~。
「スライムですと緑が普通で青、赤が亜種ですね。他にも金や銀が確認されていますけど、撃破したと報告された例はありません」
すらすらと説明される。スライムは緑が多いと思ったらそう言う事だったのか。
「それで? 今回は前よりも早かったですね。何階まで行ったんですか? 八ですか?」
「十階だよ」
「……えっ? もう一度」
「十階だよ~」
レリエラに何階まで行ったのか答えるともう一度聞き返された。仕方なくアイリがもう一度言うと言葉を失くしてしまったようで、何か遠くを見つめてしまっている。
どよどよ、そんな音が聞こえてくる程周りが騒がしくなってきた。十階ってそんなに凄い事なのか?
「あっ! すいませんでした。えっと、十階にいって戻ってきたんですね?」
「十階の魔物倒したよ~」
「十階をクリアしたんですか!?」
ガタっと机に前のめりになるレリエラ。一層視線が熱くなるのを感じて頷くとストンとレリエラが椅子に戻っていった。
「十階をクリアした人はまだいないんです。帰ってこなかった人がいるので行かないようにと注意していたんです! まさか、一気に十階まで行くとは思わなかったので皆さんには言っていませんでした……」
ギルドでも注意する程危ない敵だったって事か。それを蹂躙って、やっぱりうちのリビングウェポンたちは最強だな。
「ダンジョンは何度も最初からできるんです。無理はしないでください。これから先は情報が一切ない領域ですので」
「は、はい……」
レリエラが再度前のめりになって忠告してきた。心配してくれているんだから素直に聞いておくけど、行くときは行くぞ。ガチャ玉の強化の内容もまだ確認できていないからな。それの有用性でこれからのダンジョン攻略を進めるか進めないかが来まる。ゲーム好きとしてはクリアしたいけどな~。
「素材はどうされますか? 卸してくださいますか?」
「じゃあ、この杖の欠片と王冠の欠片を」
「……これはリッチ!?」
これから素材を出すたんびに驚かれてしまって大金を得た。
目立ちに目立った俺達はすぐに帰路に立つことにした。
ガンジさんに挨拶して、リヴェさんとワースさんに別れの挨拶をしたよ。もうちょっといたかったけど、未開地へ行けるようになった俺達に声がかかる気がしたので早めに出た。
0
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ
ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた
いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう
その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った
だけど仲間に裏切られてしまった
生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい
そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
超能力があれば転生特典なしでも強キャラだった件~帰還し命を救うため、モンスターを倒しまくるぞ~
うみ
ファンタジー
生まれながらにして「転移」「念動力」「自己修復」の異能を持っていた池添は、能力を隠し平凡な人生を歩んでいた。
卒業式の帰り道で命の危機に遭遇した彼は友人を見捨てて異世界に転移してしまう。
自分だけ逃げてしまったことに後悔する池添であったが、迫るモンスターを転移、心臓の血管を断ち切る必殺の一撃で打ち払う。そこで、不思議な声が彼の頭に響く。
なんと、自分の能力で逃げ出したわけじゃなく、この声の主が自分を転移させた原因だと言うのだ。
「あの時、あの場所にいけぞえさーんを帰すことができまーす」
「……ギブアンドテイクといったな。すみよん。お前の求めるものは何だ?」
「すみよんの元まで来てくださーい。そして、破壊してください。暴走を。オネガイ……です」
そんなわけで、友人を救うチャンスを得た池添は今度こそ彼らを救うことを誓う。
そのために能力を鍛えることが必要だと痛感した池添は、能力を自重せず使い、全力全開で進むことを決めた。
異世界で出会った仲間と共にモンスター討伐に明け暮れる日々が始まる。
※ラストまで書けておりますので完結保証です!全47話予定。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる