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第一章 神様からの贈り物
第二十五話 ゴブリンの巣
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洞窟にはいる。岩肌の道がずっと続いているよ。
「[ホーリーライト]」
暗くなってきたのでシーナが光を灯す魔法を唱える。明るすぎて僕らがここにいるのを告げてしまっているね。
「シーナ、灯りを消して、これをつけて」
「くらいの怖いんだもん」
「分からなくもないけど、ゴブリン達に見つかっちゃうから」
「アレクがそう言うなら・・」
僕の言いつけ通り、灯りを消すシーナ。暗い所は相変わらず怖いみたいだな~。
「シーフの職業を付与している指当てを二個つけるんだ」
「それで見えるの?」
「うん、実験したから大丈夫」
僕の職業を付与している指当てはつければつける程、その職業の特性を強くできる。シーフは斥候も出来る職業だから、ベテランの人は夜目が効くって聞いたことがあるけど本当みたいなんだ。職業を付与した指当てを二個つければ夜目が効くようになる、魔法使いのように魔法の威力が強くなるような物はないけど冒険者にとって有利に物事が進む要素を得られるね。
「わ~本当に見える~。つき当りの岩の皺まで見えるよ~」
洞窟の奥、突き当りに大きな岩が見える。夜目が効いていなかったときは全然見えなかったんだけど、夜目が効いたとたん、奥まで見えるようになっちゃった。シーフのベテランさん達はこんな便利な特性を持っているんだね。
「ほいっ」
「ギャ!」
突き当りを曲がってすぐにゴブリンが見えたのでナイフを投擲、さっきと同じようにゴブリンを貫いたナイフは壁にぶつかって砕けてしまった。いりょくありすぎだよ・・。
「音が少ないのはいいんだけど、毎回壊れるんじゃ困っちゃうね」
その様子を見たシーナがため息交じりでそう言ってきた。僕も首を横に振って呆れる。
「レベルは徐々に上がって体が慣れていくものだけど、僕らは急に上がりすぎたんだ。どうにか手加減を覚えないと」
「そうだね。路地裏で絡んできたような人達は他にもいるしね」
そうだよね、シーナの言う通り、ああいった人達に攻撃したら気絶させる事なんてできないかもしれない。今回の依頼でどうにか手加減を覚えないとな~。
「ほいっ、ほいっ、ほいっ」
「ギャ」「ギョ」「ギュ」
突き当りを曲がって少し進むと横穴があってそこに寝ていたゴブリン三匹に石を投げる。毎回ナイフだとコストがかかりすぎるので石にしました。これならコストはゼロ、シーフのベテランさん達も使っているって何処かで聞いたんだよね、行商のおじさんだったかな~。
石が命中したゴブリン三匹は見事に頭に当たって、絶命していく。
「頭が無くなってる」
「あんまり見たくない」
まるでハンマーで打ち付けたようにゴブリンの頭が粉砕されている。拳で覆える程の石なんだけど凄い威力だな~。手首だけで投げているんだけど、バカみたいな威力だよ。
「それに少し音がデカいね」
ナイフならばあたった時や壁に当たった時はそれほど音は出なかった。石だとやっぱり大きな音が立ってしまうんだよな~。
「フオンフオン!!」
「何の音?」
「いや、声?」
横穴から出てくると変な声が聞こえてきた。聞こえてくる方向は元来た道ではなく、奥に続く道だ。ゴブリンじゃないものがいるのかもしれない。
「フオンフオン!!」
「声が近づいてるね」
少しずつ声の聞こえる方へと歩いて行く、だんだん声がハッキリと聞き取れるようになってきた。
「ここだね」
歩いている間もある一定の間隔で声が聞こえてる。何の鳴き声なのかな?
「えいっ」
「ギャ!」
声のする方へと歩いていると数匹のゴブリンにあった。巣と言うだけあって結構遭遇するけど昨日よりは少ないので余裕だね。シーナと交代で石を投げるんだけど、今の所、百発百中。シーフの職業を付与している指当ての力が発揮されているっぽいね。
「フオンフオン!」
「すぐそこだな」
しばらくゴブリンに会わなくなると声が一段と大きくなってくる。僕たちは臆せずに突き当りについて、部屋を覗いた。
「クリスタル?」
僕らが覗いた部屋には人くらいの大きさのクリスタルが浮いていた。フオンって言うのはクリスタルの音だったみたいだ。でも、確かに僕には声に聞こえたんだけどな。
「デカいゴブリンがいるよ」
僕がクリスタルに目を奪われているとシーナが肩を叩いて指さす方向を見るとひと際大きなゴブリンが立っていた。
「王冠を被ってるけど、もしかしてキング?」
王冠を被っている魔物はその種族の王。ドラゴンの次はゴブリンの王、何だか物語を見ているみたいだよ。
「[ホーリーライト]」
暗くなってきたのでシーナが光を灯す魔法を唱える。明るすぎて僕らがここにいるのを告げてしまっているね。
「シーナ、灯りを消して、これをつけて」
「くらいの怖いんだもん」
「分からなくもないけど、ゴブリン達に見つかっちゃうから」
「アレクがそう言うなら・・」
僕の言いつけ通り、灯りを消すシーナ。暗い所は相変わらず怖いみたいだな~。
「シーフの職業を付与している指当てを二個つけるんだ」
「それで見えるの?」
「うん、実験したから大丈夫」
僕の職業を付与している指当てはつければつける程、その職業の特性を強くできる。シーフは斥候も出来る職業だから、ベテランの人は夜目が効くって聞いたことがあるけど本当みたいなんだ。職業を付与した指当てを二個つければ夜目が効くようになる、魔法使いのように魔法の威力が強くなるような物はないけど冒険者にとって有利に物事が進む要素を得られるね。
「わ~本当に見える~。つき当りの岩の皺まで見えるよ~」
洞窟の奥、突き当りに大きな岩が見える。夜目が効いていなかったときは全然見えなかったんだけど、夜目が効いたとたん、奥まで見えるようになっちゃった。シーフのベテランさん達はこんな便利な特性を持っているんだね。
「ほいっ」
「ギャ!」
突き当りを曲がってすぐにゴブリンが見えたのでナイフを投擲、さっきと同じようにゴブリンを貫いたナイフは壁にぶつかって砕けてしまった。いりょくありすぎだよ・・。
「音が少ないのはいいんだけど、毎回壊れるんじゃ困っちゃうね」
その様子を見たシーナがため息交じりでそう言ってきた。僕も首を横に振って呆れる。
「レベルは徐々に上がって体が慣れていくものだけど、僕らは急に上がりすぎたんだ。どうにか手加減を覚えないと」
「そうだね。路地裏で絡んできたような人達は他にもいるしね」
そうだよね、シーナの言う通り、ああいった人達に攻撃したら気絶させる事なんてできないかもしれない。今回の依頼でどうにか手加減を覚えないとな~。
「ほいっ、ほいっ、ほいっ」
「ギャ」「ギョ」「ギュ」
突き当りを曲がって少し進むと横穴があってそこに寝ていたゴブリン三匹に石を投げる。毎回ナイフだとコストがかかりすぎるので石にしました。これならコストはゼロ、シーフのベテランさん達も使っているって何処かで聞いたんだよね、行商のおじさんだったかな~。
石が命中したゴブリン三匹は見事に頭に当たって、絶命していく。
「頭が無くなってる」
「あんまり見たくない」
まるでハンマーで打ち付けたようにゴブリンの頭が粉砕されている。拳で覆える程の石なんだけど凄い威力だな~。手首だけで投げているんだけど、バカみたいな威力だよ。
「それに少し音がデカいね」
ナイフならばあたった時や壁に当たった時はそれほど音は出なかった。石だとやっぱり大きな音が立ってしまうんだよな~。
「フオンフオン!!」
「何の音?」
「いや、声?」
横穴から出てくると変な声が聞こえてきた。聞こえてくる方向は元来た道ではなく、奥に続く道だ。ゴブリンじゃないものがいるのかもしれない。
「フオンフオン!!」
「声が近づいてるね」
少しずつ声の聞こえる方へと歩いて行く、だんだん声がハッキリと聞き取れるようになってきた。
「ここだね」
歩いている間もある一定の間隔で声が聞こえてる。何の鳴き声なのかな?
「えいっ」
「ギャ!」
声のする方へと歩いていると数匹のゴブリンにあった。巣と言うだけあって結構遭遇するけど昨日よりは少ないので余裕だね。シーナと交代で石を投げるんだけど、今の所、百発百中。シーフの職業を付与している指当ての力が発揮されているっぽいね。
「フオンフオン!」
「すぐそこだな」
しばらくゴブリンに会わなくなると声が一段と大きくなってくる。僕たちは臆せずに突き当りについて、部屋を覗いた。
「クリスタル?」
僕らが覗いた部屋には人くらいの大きさのクリスタルが浮いていた。フオンって言うのはクリスタルの音だったみたいだ。でも、確かに僕には声に聞こえたんだけどな。
「デカいゴブリンがいるよ」
僕がクリスタルに目を奪われているとシーナが肩を叩いて指さす方向を見るとひと際大きなゴブリンが立っていた。
「王冠を被ってるけど、もしかしてキング?」
王冠を被っている魔物はその種族の王。ドラゴンの次はゴブリンの王、何だか物語を見ているみたいだよ。
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