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第一章 神様からの贈り物
第二十六話 一瞬!? ゴブリンキング
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「ギャギャ!」
「ギャギャギャ!」
キングと思われるゴブリンがクリスタルに向かって吠えている。それに合わせて別の普通よりも大きなゴブリンも吠えてる。まるでクリスタルを脅迫しているみたい。
「何をしているのかな?」
「ん~、クリスタルを叱ってる?」
「叱る?」
「何だか、あの感じ、村長を思い出すんだよね~。私が村長の家の屋根に上った時に怒ってきた時みたいな、そんな感じ?」
僕とは違う視点でシーナは憶測を話してきた。もしかして、クリスタルを使ってドラゴンやワイバーンを召喚していた? そんな力があるって物語なんかでも言われているから出来るのかもしれない。クリスタルはマスターを得ると無限の力を発揮できる。そんな物語を絵本で見たことがある。作り物の話だと思っていたけど本当かも?
「じゃあ、あれが今回のスタンピードの原因?」
「かもね」
シーナの言葉に僕は頷く。あのドラゴンはドラゴンライダーだった。乗り手のライダーも僕の炎の矢で絶命していたけど、二匹とも知能を感じなかった。クリスタルで召喚された魔物は知能を持たずに召喚者に従うのみって言うのも物語で聞いたことがある。あの物語が本当ならば、これも本当の事なんだとおもうんだ。
知能のないドラゴンでは軍団を率いる事は出来ない、という事はこのゴブリンキングがクリスタルを使って軍団を作り攻めようとしていた。僕らは偶々それに遭遇して撃滅してしまったという事だろう。本当に僕らは運がついているようでついていなかったな~。
「クリスタルを使いすぎて今は召喚できないのかな?」
「そうみたいだよ。ほら」
静かにして、観察していると、キングとは別のゴブリンがラビットやスネークの死骸をクリスタルへと放り込んだ。死骸は空中で霧散してクリスタルに吸われる。あの物語では動物などの死骸からマナを吸収してエネルギーにするって言っていたのを思い出したよ。
「またマナを溜めてドラゴンとかを召喚してくるって事?」
「という事は早めに始末した方がいいね」
キングもその部下達も運が悪かったね。フェイブルファイア様の反則ギフトを授かった僕にあってしまったんだから。
「ほいほいのほいっ!」
「ギャ!」「ギャギャ!」「ギャ~!」
三匹いた大き目のゴブリンに石を放り投げた。二匹のゴブリンは見事に頭が粉砕、キングだけが生き残った。流石キング、伊達じゃないみたいだ。
「ギャギャ~!」
「大きな声を上げても誰も来ないよ。シーナ!」
「は~い! [ホーリーアロー]」
「ギャ~!」
ゴブリンキングの眼前を覆いつくすようなホーリーアロー。シーナの指にも魔法使いの皮の指当てがフル装備、更に新装備のスカート付きの皮鎧も魔法使いの職業を付与しました。
コピーされた魔法がゴブリンキングに降り注いでいく。洞窟に土ぼこりが上がり、埃が無くなってくると無残な姿になったゴブリンキングの亡骸が横たわっていた。完全にオーバーキルだよ。
「王冠は無事なんだな~」
ゴブリンキングの金の王冠は無事でキラキラと輝いている。僕はアイテムバッグに王冠をしまってクリスタルを見やる。
「綺麗なクリスタルだな~」
「ほんと~」
僕とシーナはクリスタルに手をついて品定め。なめるように下から上へと目線を泳がせる。
『くすぐったいよ~』
「ん? シーナなんか言った?」
「何も言ってないよ・・」
クリスタルをスリスリと擦っていると変な声が聞こえてきた。フェイブルファイア様みたいなエコーのかかった声だ。
「気のせいか?」
『だからくすぐったいってば~』
「アレク!?」
気のせいだと思って再度クリスタルをスリスリ、少しするとまた声が聞こえてくる。可愛らしい子供の声だね。
「誰? どこにいるの?」
『君たちが触っているそれが僕だよ』
「「ええっ!?」」
僕らはクリスタルを触る手を驚いて離した。声の主はこのクリスタルのようです。不思議なこともあるもんだ。
「ギャギャギャ!」
キングと思われるゴブリンがクリスタルに向かって吠えている。それに合わせて別の普通よりも大きなゴブリンも吠えてる。まるでクリスタルを脅迫しているみたい。
「何をしているのかな?」
「ん~、クリスタルを叱ってる?」
「叱る?」
「何だか、あの感じ、村長を思い出すんだよね~。私が村長の家の屋根に上った時に怒ってきた時みたいな、そんな感じ?」
僕とは違う視点でシーナは憶測を話してきた。もしかして、クリスタルを使ってドラゴンやワイバーンを召喚していた? そんな力があるって物語なんかでも言われているから出来るのかもしれない。クリスタルはマスターを得ると無限の力を発揮できる。そんな物語を絵本で見たことがある。作り物の話だと思っていたけど本当かも?
「じゃあ、あれが今回のスタンピードの原因?」
「かもね」
シーナの言葉に僕は頷く。あのドラゴンはドラゴンライダーだった。乗り手のライダーも僕の炎の矢で絶命していたけど、二匹とも知能を感じなかった。クリスタルで召喚された魔物は知能を持たずに召喚者に従うのみって言うのも物語で聞いたことがある。あの物語が本当ならば、これも本当の事なんだとおもうんだ。
知能のないドラゴンでは軍団を率いる事は出来ない、という事はこのゴブリンキングがクリスタルを使って軍団を作り攻めようとしていた。僕らは偶々それに遭遇して撃滅してしまったという事だろう。本当に僕らは運がついているようでついていなかったな~。
「クリスタルを使いすぎて今は召喚できないのかな?」
「そうみたいだよ。ほら」
静かにして、観察していると、キングとは別のゴブリンがラビットやスネークの死骸をクリスタルへと放り込んだ。死骸は空中で霧散してクリスタルに吸われる。あの物語では動物などの死骸からマナを吸収してエネルギーにするって言っていたのを思い出したよ。
「またマナを溜めてドラゴンとかを召喚してくるって事?」
「という事は早めに始末した方がいいね」
キングもその部下達も運が悪かったね。フェイブルファイア様の反則ギフトを授かった僕にあってしまったんだから。
「ほいほいのほいっ!」
「ギャ!」「ギャギャ!」「ギャ~!」
三匹いた大き目のゴブリンに石を放り投げた。二匹のゴブリンは見事に頭が粉砕、キングだけが生き残った。流石キング、伊達じゃないみたいだ。
「ギャギャ~!」
「大きな声を上げても誰も来ないよ。シーナ!」
「は~い! [ホーリーアロー]」
「ギャ~!」
ゴブリンキングの眼前を覆いつくすようなホーリーアロー。シーナの指にも魔法使いの皮の指当てがフル装備、更に新装備のスカート付きの皮鎧も魔法使いの職業を付与しました。
コピーされた魔法がゴブリンキングに降り注いでいく。洞窟に土ぼこりが上がり、埃が無くなってくると無残な姿になったゴブリンキングの亡骸が横たわっていた。完全にオーバーキルだよ。
「王冠は無事なんだな~」
ゴブリンキングの金の王冠は無事でキラキラと輝いている。僕はアイテムバッグに王冠をしまってクリスタルを見やる。
「綺麗なクリスタルだな~」
「ほんと~」
僕とシーナはクリスタルに手をついて品定め。なめるように下から上へと目線を泳がせる。
『くすぐったいよ~』
「ん? シーナなんか言った?」
「何も言ってないよ・・」
クリスタルをスリスリと擦っていると変な声が聞こえてきた。フェイブルファイア様みたいなエコーのかかった声だ。
「気のせいか?」
『だからくすぐったいってば~』
「アレク!?」
気のせいだと思って再度クリスタルをスリスリ、少しするとまた声が聞こえてくる。可愛らしい子供の声だね。
「誰? どこにいるの?」
『君たちが触っているそれが僕だよ』
「「ええっ!?」」
僕らはクリスタルを触る手を驚いて離した。声の主はこのクリスタルのようです。不思議なこともあるもんだ。
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