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第一章 神様からの贈り物
第二十七話 カクル
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『ゴブリンキングを倒したんだね。じゃあ、次のご主人様は君たちだ』
驚いてクリスタルから手を離し、少し後退ると再度、声が聞こえてきた。ゴブリンキングを倒した事で次は僕がクリスタルの所有者になってしまったみたい。正確にはシーナがとどめを刺したのでシーナがご主人だと思うんだけど?
『マスターアレク、今日から僕は君の物だよ』
あらら、どうやら僕が主人になっているようだ。どういった基準で僕になったのかな? 気になるけど。
『実質、マスターアレクの力でゴブリンキングは倒れたでしょ? 僕もこの世の理を司る者の端くれ、そのくらいわかるよ』
この世の理を司る? どういういみだろう?
「君は誰なの?」
『僕? 僕はカーバンクルのカクルだよ。今日から君の精霊さ』
「「カーバンクル!?」」
僕ら、田舎者でも知っている大精霊の一角カーバンクル。まさか会えるなんて感動だよ。
『マスターは冒険者だから、この姿じゃ一緒に行けないね。ほいっ、この姿なら一緒に行けるよね』
「・・・」
「か、かわい~!!」
カーバンクルがほいっと姿を変えていく、膝程の身長でリスのような体躯、色は緑で額にはクリスタルが輝いている。とても可愛らしくて、シーナが飛びついている。僕も思わず頭をなでなでしています。体が勝手に動いちゃうよ。
『う~ん。今度のマスターは子供だな~』
「可愛いな~」
「思わずナデナデ」
呆れた顔のカーバンクルのカクル、子供と言われているけど、本当の事なので気になりません。
『マスター達は魔物を召喚して、国を手に入れたりしないのかい?』
「そんなこと出来るの?」
『僕ら大精霊は次元の狭間に住んでいる者、マナさえあれば魔物を召喚できるんだ。ゴブリンキングは3年くらい頑張ってマナを溜めてドラゴンを召喚したのに、マスターに簡単に掃除されて泣いてたよ。まあ、ギャアギャアうるさかっただけだけどね』
ははは、恨むならフェイブルファイア様を恨んでください。フェイブルファイア様が作ったギフトがあったから圧倒できたからね。
「アレクは凄いんだよカクルちゃん」
『カクルちゃん・・・それもいいかな~』
カクルはシーナに抱かれながら頭を撫でられている。満更でもない様子のカクル、美少女のシーナとカクルは何だか絵になるな~。
『マスター、ゴブリンキングは色々と財宝も集めていたんだよ。持って行くでしょ?』
「とりあえずもらっていこうかな。換金できないだろうけど」
金銀財宝なんてもらっても換金できないよ。目立つのはCランクになってから、ってCランクになっても目立ちたくないけどね。
「そういえば、主人には逆らえなかったの? 人を襲うなんて冗談でもやっちゃだめなんじゃないかな?」
『僕らは命令がないと何も出来ないんだよ。剣や弓と一緒で使う人がいないと何もできないんだ。主人には逆らえないしね』
「って事はキングに時間を与えてたらカクルちゃんと戦うことになってたって事?」
『そうなるね。ゴブリンキングはそんな暇なかったけど、命令されていたら僕は実体化して、君たちに襲い掛かってたよ』
金銀財宝をアイテムバッグに入れながらカクルに質問した。誰かを傷つけるような事を命令されても逆らえばいいだけだと思っていたけど、彼ら精霊はマスターの言う事を聞かないといけないし逆らえないんだってさ。
それを聞いてシーナがカクルに質問してる。僕らはあと少しキングを倒すのが遅れていて、キングがカクルに命令していたら戦うことになっていたらしい。こんな可愛い子を傷つけることになっていたと思うと何だか悲しい。
『今度のマスター達は優しいな~。やってもいない事で心を痛めてくれるなんて。でも、戦わなくて良かったって僕も思ってるよ。だって、君たちには勝てないもん。なにあのホーリーアロー、人間の魔法じゃないよ。天使とか悪魔とか、最上位の魔物の魔法だよ』
カクルはワナワナと手を震わせながら力説しています。どうやら、シーナの魔法の事を言ってるみたい。確かに凄かったね。キングが気の毒に見えたもん。眼前に広がる光の槍が壁のように迫ってきて自分の体を貫いていくんだよ・・・どんな地獄ですか?
『マスター、僕の出来る事は魔物の召喚。いう事を何でも聞いてくれる魔物をマナの限り召喚できるんだ。有効に使ってね』
「・・・しばらくは抱き枕だね」
『ええ~!?』
「私達で挟んで寝ようね~」
『ええ~~!?』
カクルを使う日が来ることはないだろう。彼は僕が死ぬまで抱き枕です。とか言ってすぐに使うことになったりしちゃったりして?
「そうだ、カクルにはこれをあげるよ」
『わ~、バンダナですか? ありがとうございますマスター』
従魔の証として、バンダナをカクルに渡した。もちろん、危機管理の為に格闘士の職業を付与したものです。こういったものにもつけられるのは本当に便利だ。
驚いてクリスタルから手を離し、少し後退ると再度、声が聞こえてきた。ゴブリンキングを倒した事で次は僕がクリスタルの所有者になってしまったみたい。正確にはシーナがとどめを刺したのでシーナがご主人だと思うんだけど?
『マスターアレク、今日から僕は君の物だよ』
あらら、どうやら僕が主人になっているようだ。どういった基準で僕になったのかな? 気になるけど。
『実質、マスターアレクの力でゴブリンキングは倒れたでしょ? 僕もこの世の理を司る者の端くれ、そのくらいわかるよ』
この世の理を司る? どういういみだろう?
「君は誰なの?」
『僕? 僕はカーバンクルのカクルだよ。今日から君の精霊さ』
「「カーバンクル!?」」
僕ら、田舎者でも知っている大精霊の一角カーバンクル。まさか会えるなんて感動だよ。
『マスターは冒険者だから、この姿じゃ一緒に行けないね。ほいっ、この姿なら一緒に行けるよね』
「・・・」
「か、かわい~!!」
カーバンクルがほいっと姿を変えていく、膝程の身長でリスのような体躯、色は緑で額にはクリスタルが輝いている。とても可愛らしくて、シーナが飛びついている。僕も思わず頭をなでなでしています。体が勝手に動いちゃうよ。
『う~ん。今度のマスターは子供だな~』
「可愛いな~」
「思わずナデナデ」
呆れた顔のカーバンクルのカクル、子供と言われているけど、本当の事なので気になりません。
『マスター達は魔物を召喚して、国を手に入れたりしないのかい?』
「そんなこと出来るの?」
『僕ら大精霊は次元の狭間に住んでいる者、マナさえあれば魔物を召喚できるんだ。ゴブリンキングは3年くらい頑張ってマナを溜めてドラゴンを召喚したのに、マスターに簡単に掃除されて泣いてたよ。まあ、ギャアギャアうるさかっただけだけどね』
ははは、恨むならフェイブルファイア様を恨んでください。フェイブルファイア様が作ったギフトがあったから圧倒できたからね。
「アレクは凄いんだよカクルちゃん」
『カクルちゃん・・・それもいいかな~』
カクルはシーナに抱かれながら頭を撫でられている。満更でもない様子のカクル、美少女のシーナとカクルは何だか絵になるな~。
『マスター、ゴブリンキングは色々と財宝も集めていたんだよ。持って行くでしょ?』
「とりあえずもらっていこうかな。換金できないだろうけど」
金銀財宝なんてもらっても換金できないよ。目立つのはCランクになってから、ってCランクになっても目立ちたくないけどね。
「そういえば、主人には逆らえなかったの? 人を襲うなんて冗談でもやっちゃだめなんじゃないかな?」
『僕らは命令がないと何も出来ないんだよ。剣や弓と一緒で使う人がいないと何もできないんだ。主人には逆らえないしね』
「って事はキングに時間を与えてたらカクルちゃんと戦うことになってたって事?」
『そうなるね。ゴブリンキングはそんな暇なかったけど、命令されていたら僕は実体化して、君たちに襲い掛かってたよ』
金銀財宝をアイテムバッグに入れながらカクルに質問した。誰かを傷つけるような事を命令されても逆らえばいいだけだと思っていたけど、彼ら精霊はマスターの言う事を聞かないといけないし逆らえないんだってさ。
それを聞いてシーナがカクルに質問してる。僕らはあと少しキングを倒すのが遅れていて、キングがカクルに命令していたら戦うことになっていたらしい。こんな可愛い子を傷つけることになっていたと思うと何だか悲しい。
『今度のマスター達は優しいな~。やってもいない事で心を痛めてくれるなんて。でも、戦わなくて良かったって僕も思ってるよ。だって、君たちには勝てないもん。なにあのホーリーアロー、人間の魔法じゃないよ。天使とか悪魔とか、最上位の魔物の魔法だよ』
カクルはワナワナと手を震わせながら力説しています。どうやら、シーナの魔法の事を言ってるみたい。確かに凄かったね。キングが気の毒に見えたもん。眼前に広がる光の槍が壁のように迫ってきて自分の体を貫いていくんだよ・・・どんな地獄ですか?
『マスター、僕の出来る事は魔物の召喚。いう事を何でも聞いてくれる魔物をマナの限り召喚できるんだ。有効に使ってね』
「・・・しばらくは抱き枕だね」
『ええ~!?』
「私達で挟んで寝ようね~」
『ええ~~!?』
カクルを使う日が来ることはないだろう。彼は僕が死ぬまで抱き枕です。とか言ってすぐに使うことになったりしちゃったりして?
「そうだ、カクルにはこれをあげるよ」
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