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第一章 始まり

第七話 チート発動中

 僕は真っ暗の中、制作を続けていた。装飾品、武器、防具、その全てが僕を驚かす。骨を使った物はまるで月の化身のような輝きを纏い。皮を使った装備は今にも生き返りそうな毛皮が僕を包んでくれる。

 僕は初めて作ったこの子達に名前を付けた、[月下の剣]と[大地の毛皮]。僕は二つを抱きしめるとポアッと光の球が舞って僕へと入っていった。

 その光はスキルカードに入っていったようだ。

ルーク 

 職業 洗濯板

 レベル 1

 HP 30
 MP 50
 
 STR13
 VIT11 
 DEX12 
 AGI11 
 INT10 
 MND10 

取得しているスキル 


武術系スキル

 剣術7

 

制作系スキル

 家事7

 裁縫7

 武器製造7

 防具製造7

 魔道具製造7

 農業7

 エキストラスキル 

 [洗濯][付喪神(ツクモガミ)]





 割り振りスキルポイント 230


「ツクモガミ?知らない言葉だけど何だろう」

 僕は首を傾げる。でも、洗濯のエキストラスキルだけしかなかった欄が埋まってよかったと軽く考える。これだけ色々作ったけど職業が洗濯板になっているのはどういう事なんだ!職業とは生き様ではなくて成るものだと思うのだが、僕はいつ、洗濯板になりますと言ったんだろうか。僕はうなだれて自問自答するが解決しないので諦める。

 このまま、街道を行けばエリントスの街に着くはずなのでそこで職業を変える。そして、あわよくば...

「楽して暮らすぞ~~~」

 カテジナ叔母さんへと恩を返すと言っておきながらそんな事を考え始めたルークは作った武器防具を身に着けて街道をウキウキと歩いて行く。

 真っ暗な街道に薄っすらと白く光る亡霊が歩いて行く。まるで死人が何かを求めるように輝く姿は人を怯えさせるに至るだろう。

 だが、そんな光を纏っている本人はあっけらかんとしている。

「あれ以来襲われないな~。真っ暗な夜はその姿通りに静か、さっきの狼の魔物は偶々だったのかな?」

 ルークは何か勘違いしている。これを見ていただきたい。

 ルークを囲うように円を描いている狼達だ。ルークは尻もちをついている。

 そう、枝を振るう前のルークだ。3匹しかいなかったのではない。3匹ではなく30匹だったのだ。あのひと振りが無かったらルークは間違いなく死んでいた。ここはそういう世界だ。一人で真夜中に街道を歩いて生きていられるはずはないのだ。

 それを踏まえてこれを見ていただこう。

 現在のルークは薄い膜のような光に覆われて守られている。これは月下の剣が発している光なのだがこれによって魔物を遠ざけているのだ。[月下の剣]これはSランクの剣である。
 Eランクの骨でSランクの武器が出来てしまう。武器制作スキルだけでこれは不可能だ。他の器用さに作用するスキルも上げていた為この結果になったのだろう。くしくも叔母の用意した洗濯という行為がルークの力になっていたのだ。

 そして、更に[大地の毛皮]である。これは地面と同化する事で足音を無くし更に匂いを消す。体温調節能力も高く毛皮でも南国で着る事ができる。何とも便利な防具である。

 これにより魔物はルークに気付かないし、気付いてもこの剣と服の気配で遠ざかっていく。これは親を思う子が悪意から親を守ろうとする行為なのだ。

 [付喪神]我々日本人なら誰でも知っているであろう神の一種だ。物には神が宿ると言われている。愛されたルークの制作物達はルークに対して心を許した。エキストラスキルとして形をなしたのだ。ルークはまた一つ大事な物を手に入れた。

「そろそろ、城壁が見えてきてもいいんだけど...」

 真っ暗だった街道が日の出で照らされてきた。村から二日ほど歩いていたのだが一回しか魔物に会わなかった。それが称して五日の道が二日と脅威の速度である。

 これもまた、ルークのチートが爆発している。装飾品でスタミナや速力が上がっているのだ。ルークはまだ気づいていない。

「街ってこんなに近かったんだな~。僕はリバーハブ村しか知らなかったからな~」

 こんなに近いんだったら家出すればよかったと思ったがユアンがいる間にそんな悲しませることはできなかったなと思い返すルークであった。

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