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第一章 始まり

第二十四話 製作廃人

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 クルシュ様の屋敷から帰ってきてすぐに僕は宿屋で製作をすることにした。何も考えずにただひたすらに製作です。

 とりあえず金の指輪を製作していく、コネコネするだけで指輪になっていくので30個でも一時間かかりませんでした。ここからが本番です。

「あの紅茶のティーセットを参考にしてっと」

 無限に水分が湧くなんて色んなところの人が助かると思うんだよね。なので、水の湧く水桶を作ってみようと思ったんだ。金の指輪と同じように魔法を打ち込むんだけど水属性の魔法はまだ取得してなかったからギルドカードを取り出す。

「えっと、水水~」

 ギルドカードを見て水魔法のスキルをポチポチと押していく 

 火7 水7 風0 土0 木0 氷0 雷0 闇0 光7 無0 割り振りポイント279

「よし、これでいけるね。割り振れるポイントが増えてないのが気になるけどまあいいか」

 ポイントが前回のポイントと一緒で少し気になったけど今のポイントでも十分なので無視しておきましょう。

 木の桶を作り、作りこんでいくとある事に気が付く。

「これは全部水を出しても湧くね」

 モナーナのお父さんのティーセットは入れたものを全部飲み干すとなくなってしまうけど、今作った桶は全部水をとってもある一定まで水が溜まる。最高傑作ができました。

「五つくらい作って他のも作ろ~っと」

 各種回復ポーションの湧く瓶やお湯の出る桶も作る。便利な物って作ってて気持ちいいな~。

「ルーク、ご飯だよ~」
「あっは~い」

 いつの間にか夕飯の時間になっていたようでスリンさんに呼ばれた。二階に向かうとそこにはムスッとしたモナーナも座っていて横に座るように促してきた。

「ルークったら何度も呼んだのに」
「え?」

 どうやらスリンさんの前に何度かモナーナがご飯と告げていたらしい、製作に夢中でモナーナを無視してしまったようです。何度かモナーナに謝るんだけど怒ったまま食事をすることになりました。

 ドンドンドン!

 食事をしていると小鳥のさえずり亭にお客さんがやってきた。

「バッツ、遅かったじゃないか」
「すいませんスリンさん」
「うちのリーダーがすいません」

 ああ![虎狼]のバッツさんだ。一緒にいる人達は仲間の方々なのかな?大柄の男の人と狩人っぽい女の人、それに魔法を使いそうな女の人が一緒にいる。

「予定がくるう事はよくある事さね。部屋はあるから安心おし」
「ありがとうございます・・・、あれ?君は」

 バッツさんは僕に気付いて近づいてきた。僕は椅子から立ち上がりバッツさんに軽くお辞儀した。

「エリントスに来ていたんだね」
「はい、僕も冒険者になろうと思って」

 バッツさんは僕に握手を求めてきた、僕もそれに応える。
 
「冒険者代表として歓迎するよ。共に頑張ろう」
「ありがとうございます。頑張ります」

 バッツさんは満面の笑みで祝福してくれた。良い人だな~。

「ちょっとリーダー、冒険者代表って偉そうじゃない?」
「まだまだ私達は新米ですよ」
「そんな事言うなよ。カッコつかないだろ」
「そう言う事は予定通りに行動出来てから言ってね」
「イタタタ!キャシー耳を引っ張るなって!ルーク君また今度ね」

 バッツさんはお仲間さんに引っ張られて行った。

「あの人達は?」
「リバーハブ村であった人達なんだ」
「ルークを馬鹿にした村で?」
「いや、あの人達は外から来た人だよ。とても良い人達だから安心して」
「そう・・よかった」

 モナーナは微笑んで安心したようにスープを一口口に入れた。何だか毎回モナーナに心配させてしまっているような気がする。もう少ししっかりしないとダメかな。

「それよりも今日はここで食事してるんだね」
「・・・私達はもうパーティメンバーなんだから一緒に食事するのは当たり前でしょ」
「そ、そうだね」

 モナーナって最初あった時より何だか強くなったよね。怯えてティーセットを持ってきた時なんかすっごい守ってあげたくなったんだけど今は守ってもらってる感が強くなってきた。何だか情けない気持ちでいっぱいだ。

「ルークは私を守ってくれた。だから今度は私が守る番」
「ん?なんか言った?」
「スープ美味しいなって」

 何を言ったのかわからなかったけどモナーナの笑顔が見れたから良いかと僕も食事を済ましていく。

「食事の後はまた製作?」
「そうだね。だけど、その前にモナーナに大事な話があるんだ」
「え?」

 僕の言葉にモナーナは顔を赤くして俯いた。僕は首を傾げて自室に向かった。

「くつろいでてね」
「はい!」

 モナーナは初めて会った時のようにオドオドとしてる。どうしたんだろ?、僕何かしたかな?と考えたんだけどわからないのでモナーナに伝えたい事を話し始める。

「モナーナのお父さんのティーセットを参考に作ってみたんだ。どうだろう?」
「え?」

 モナーナは僕の水桶をみて唖然としてる。やっぱり珍しすぎたかな?。

「・・・凄い、凄いよルーク!お父さんのティーセットを見てすぐに作ったの?」

 モナーナは僕の手を取って顔を近づける。僕が恥ずかしくなるのを見てモナーナも気付いた、モナーナが恥ずかしくなって離れると再度水桶の凄さに驚いた。

「これは今日作ったんですか?」
「そうだよ。クルシュ様の屋敷から帰ってきて金の指輪の次につくったんだ~」
「ええ!指輪はもう終わったって事ですか?」
「え、そうだよ」
 
 バシャン!

 モナーナは唖然として水桶を落した。そして次の瞬間更にモナーナは驚いた。

「ごめんなさい床を濡らしてしまって、・・・全部落したのに水が入ってます...」
「そう言うように作ったからね」
「そんな当たり前のように・・」

 モナーナは呆れ始めた。水桶は逆さのままだと水が湧かなくなっている、これは作った時からそうなので仕様だと思う。逆さから戻るとともに湧きだして一定量で止まった。

「流石にこれは私でも外に出すのはやめた方がいいと思います」
「え、なんで、水で困ってる人いるはずだよ」
「クルシュ様に相談した方がいいと思います」

 モナーナの反応を見るとポーションの方とかお湯のとかは見せない方がいいかもしれない、怒られそうで怖い。クルシュ様にはあんまり見せたくないので却下です。

「これが話したい事なの?」

 モナーナは水桶を机に置いて上目遣いに話した。僕はドキッとしてしまった。

「えっと、モナーナって冒険者ランク幾つなの?」
「・・・Eランクです」

 がっかりしたように頭を垂れたモナーナ、僕何かしたかな?

「私は魔法が使えます。ルークほどじゃないですけどポーションとかも作れますよ。必要ないでしょうけど」
「ギルドカード見せてもらっていいかな?」
「え?はい」

 僕はモナーナからギルドカードを受け取ってカードをみた。一番気になっていたことがあったんだけど仲間うちじゃないとできないと思ってモナーナにお願いしたんだ。その気になっていた事って言うのが。

「いじれないね」
「ルークどうしたの?」

 僕と同じようにギルドカードをいじったら増やせるのかなーと思ったけどダメみたい。当たり前だけど改めて自分の異常性にきづいた。

「ありがと」
「はい?」

 ギルドカードを返すと僕は製作をしていく、モナーナのスキルを増やせれば危ない目に合いにくいと思ってたんだけどダメだったからモナーナの装備を作るんだ。モナーナは布製の装備だから製作の裁縫だ。洗濯を早く済ませる為に上げておいたのでポイントを消費することはない。ちゃっちゃと済ませよう。

「もう、製作にはいっちゃった・・・」
「・・・」
「大切な話って何だったの?確かに凄いアイテムだったけど・・」
「・・・」
「じゃあ!私!帰るからね!」
「・・・」
「もう!」

 モナーナは怒って帰っていった。ルークはそれに気付かずにローブを編んでいく。驚異的な製作スキルで最強の矛と盾が同居するローブを編むのだった。

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