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第二章 黒煙
第三十一話 お兄ちゃん
「鬱陶しいったらないの~」
クコは少女の姿に戻るとため息をついた。それは僕たちのセリフだよ。あの白いのはなんなんだよ。
「お前達の争いに僕らを・・兄さんを巻き込むなよ」
「シャラが勝手にやった事じゃわらわのせいではない」
「クコ・・」
ユアンとクコが言い争っていると住宅の方から一人のおじさんが声をもらした。呼ばれたクコは青ざめてその方向へとゆっくり振り返った。
「ワティスさん・・」
「クコ・・」
ワティスさんはクコを心配して駆けつけてきてしまったみたい。あの様子だとクコが黒煙龍から戻る所を見てしまっているかも。
「・・・クコ、心配したんだよ。さあ、うちに帰ろう」
「え?あ、はい」
ワティスさんは優しく微笑んでクコの手を取った。ワティスさんとクコは自分達の家に帰っていく。クコはバレていると思っていたのでホッと胸を撫でおろしていた。
「良かったのかな?」
「う~ん?」
ユアンの疑問に僕も首を傾げた。とりあえず白い龍を退けられたからいいのかな。あのタイミングで話しかけてきたワティスさんはクコの正体を見ていると思うんだよね。心配事が増えました。
数人の街の人がこっちに来たけどワティスさんと話してすぐに住宅の方へ戻って行く。ワティスさんが今回の事を丸く収めてくれているみたい。やっぱり見ていたんだと思う。
「それにしても兄さんは本当に強いんだね。僕がびくともしなかった白い龍の手を解いちゃうなんて・・」
「え?あはは。まぐれだよまぐれ、僕がそんなに強いわけないじゃん」
「まぐれって兄さん。それは無理があるよ」
ユアンは笑いながらルークの言葉を聞く。流石に、力比べでまぐれなど存在しない。ユアンはそれほど鈍い人物ではないのだ。彼女は胸を高鳴らせている。自分が守ると思っていたお兄ちゃんが自分を守ってくれるほどに強い事に。
「兄さん!帰ろ」
「ん?ああ、そうだね。みんなも心配してるかもしれないもんね」
ユアンが腕を絡ませてくる。こういうのも久しぶりで何だか感慨深いな~。
僕たちは嗜む子牛亭へと帰るとモナーナとニャムがワインで出来上がっていた。
「ちょっと二人共・・・」
「なんにゃ~、兄弟で仲がいいにゃ~・・・ニャハハ、ルークが二人いるにゃ。これでモナーナと喧嘩しなくて済むにゃ~」
「ニャム、ダメだよ。ルークが嫌がる事しちゃダメなんだから~。ルークを守るって決めたんだから~」
ニャムさんはこれで二度目だけどモナーナがこんなに飲んでいるのは初めて、何だか新鮮だね。仲がいい二人が揃うとこういうことになっちゃうのかな。
僕とユアンはそれぞれモナーナとニャムを担いで部屋へと寝かせる。子供達が他の部屋に泊っているので僕とユアンは自然と同じ部屋で泊まることになった。ユアンは頬を赤くして喜んでいるみたい。全く、ユアンは変わらないな~。
「兄さん、この部屋はベッド一個なの?」
「キングサイズだから広いだろ。リバーハブの家はもっと狭かったよな」
「そうだけど・・」
「それよりもカテジナ叔母さんはどうしてるの?王都リナージュに引っ越したんだろ?」
「顔を見る前に出てきたからわからないけど、王都で不自由する事はないと思うよ」
ユアンはベッドを何度も見て頬を赤くしながら僕の質問に答えた。ユアンの挙動がおかしい、何かあったのかな?
カテジナ叔母さんはちゃんと王都に引っ越したみたい。ユアンがいない事で寂しい思いをしているんじゃないのかな?
「ユアンがいないんじゃ叔母さんも寂しいんじゃないの?」
「兄さん、母さんだよ?寂しがるたまじゃないよ」
「・・・そうかな?」
「そうだよ」
僕の疑問にユアンは呆れて首を傾げた。確かに叔母さんは寂しがるたまじゃないけど実の息子のユアンにずっと会えていないんだから少しは・・。
「兄さん、それよりも寝ようよ」
「先に寝ていいよ。少し子供達用のアイテムを作るから」
「え!ここで?」
僕の言葉にユアンは信じられないといった様子、兄弟であるユアンには言ってもいいかなと思って正直に制作風景を見せることにした。
子供達の村の人達の形見を一つ一つ原形をとどめたまま防具にしていく。指輪はグローブで指の部位をカバー。腕輪もグローブとブーツの一部にしていく。首飾りはワーウルフの毛皮を使って革鎧にしていく、水晶の首飾りが革鎧を彩っている。
「綺麗・・」
すべての装飾品を装備にしていくとユアンが声をもらした。僕の作った装備はすべて綺麗な輝きを放ち光が集束していく。集束すると光の力を内包したようにメラメラと白い湯気が立つ、その湯気はマナなのかもしれない。ユアンはその姿も綺麗だとウットリした顔で見ている。
「いつまでも見てないで寝なさい」
「もうっ僕は子供じゃないよ兄さん。兄さんも早く寝てよね」
「もう少ししたら寝るよ」
僕は素材達で装備などを製作していく、僕の製作はそれほどうるさくないのでユアンの眠りを妨げる事はないでしょう。コネコネしているだけだからね。
「じゃあ、そろそろ寝ようかな」
ある程度、製作を済ませると僕はベッドに入っていく。ユアンは僕に背を向けて寝ているので僕もユアンに背を向けて眠ることにした。
何だか甘い匂いがして僕は心穏やかに意識を手放した。兄弟と一緒に寝ることが久しぶりだったから安心しきっているんだと思う。
ルークの寝息が聞こえてきてユアンはルークの方へと寝がえりをうった。ユアンは胸を抑えてルークの背中を見つめた。
「お兄ちゃん・・」
自然とユアンの腕はルークへとのびていく、ルークの強さを見てユアンは彼に男を感じてしまったのだ。大好きだった、守ってあげたいと思ってた。だけど、お兄ちゃんは僕よりもずっと強くて守ってくれた。
「大好きだよお兄ちゃん」
抱きしめたままユアンは幸せを感じて眠りについて行く。
クコは少女の姿に戻るとため息をついた。それは僕たちのセリフだよ。あの白いのはなんなんだよ。
「お前達の争いに僕らを・・兄さんを巻き込むなよ」
「シャラが勝手にやった事じゃわらわのせいではない」
「クコ・・」
ユアンとクコが言い争っていると住宅の方から一人のおじさんが声をもらした。呼ばれたクコは青ざめてその方向へとゆっくり振り返った。
「ワティスさん・・」
「クコ・・」
ワティスさんはクコを心配して駆けつけてきてしまったみたい。あの様子だとクコが黒煙龍から戻る所を見てしまっているかも。
「・・・クコ、心配したんだよ。さあ、うちに帰ろう」
「え?あ、はい」
ワティスさんは優しく微笑んでクコの手を取った。ワティスさんとクコは自分達の家に帰っていく。クコはバレていると思っていたのでホッと胸を撫でおろしていた。
「良かったのかな?」
「う~ん?」
ユアンの疑問に僕も首を傾げた。とりあえず白い龍を退けられたからいいのかな。あのタイミングで話しかけてきたワティスさんはクコの正体を見ていると思うんだよね。心配事が増えました。
数人の街の人がこっちに来たけどワティスさんと話してすぐに住宅の方へ戻って行く。ワティスさんが今回の事を丸く収めてくれているみたい。やっぱり見ていたんだと思う。
「それにしても兄さんは本当に強いんだね。僕がびくともしなかった白い龍の手を解いちゃうなんて・・」
「え?あはは。まぐれだよまぐれ、僕がそんなに強いわけないじゃん」
「まぐれって兄さん。それは無理があるよ」
ユアンは笑いながらルークの言葉を聞く。流石に、力比べでまぐれなど存在しない。ユアンはそれほど鈍い人物ではないのだ。彼女は胸を高鳴らせている。自分が守ると思っていたお兄ちゃんが自分を守ってくれるほどに強い事に。
「兄さん!帰ろ」
「ん?ああ、そうだね。みんなも心配してるかもしれないもんね」
ユアンが腕を絡ませてくる。こういうのも久しぶりで何だか感慨深いな~。
僕たちは嗜む子牛亭へと帰るとモナーナとニャムがワインで出来上がっていた。
「ちょっと二人共・・・」
「なんにゃ~、兄弟で仲がいいにゃ~・・・ニャハハ、ルークが二人いるにゃ。これでモナーナと喧嘩しなくて済むにゃ~」
「ニャム、ダメだよ。ルークが嫌がる事しちゃダメなんだから~。ルークを守るって決めたんだから~」
ニャムさんはこれで二度目だけどモナーナがこんなに飲んでいるのは初めて、何だか新鮮だね。仲がいい二人が揃うとこういうことになっちゃうのかな。
僕とユアンはそれぞれモナーナとニャムを担いで部屋へと寝かせる。子供達が他の部屋に泊っているので僕とユアンは自然と同じ部屋で泊まることになった。ユアンは頬を赤くして喜んでいるみたい。全く、ユアンは変わらないな~。
「兄さん、この部屋はベッド一個なの?」
「キングサイズだから広いだろ。リバーハブの家はもっと狭かったよな」
「そうだけど・・」
「それよりもカテジナ叔母さんはどうしてるの?王都リナージュに引っ越したんだろ?」
「顔を見る前に出てきたからわからないけど、王都で不自由する事はないと思うよ」
ユアンはベッドを何度も見て頬を赤くしながら僕の質問に答えた。ユアンの挙動がおかしい、何かあったのかな?
カテジナ叔母さんはちゃんと王都に引っ越したみたい。ユアンがいない事で寂しい思いをしているんじゃないのかな?
「ユアンがいないんじゃ叔母さんも寂しいんじゃないの?」
「兄さん、母さんだよ?寂しがるたまじゃないよ」
「・・・そうかな?」
「そうだよ」
僕の疑問にユアンは呆れて首を傾げた。確かに叔母さんは寂しがるたまじゃないけど実の息子のユアンにずっと会えていないんだから少しは・・。
「兄さん、それよりも寝ようよ」
「先に寝ていいよ。少し子供達用のアイテムを作るから」
「え!ここで?」
僕の言葉にユアンは信じられないといった様子、兄弟であるユアンには言ってもいいかなと思って正直に制作風景を見せることにした。
子供達の村の人達の形見を一つ一つ原形をとどめたまま防具にしていく。指輪はグローブで指の部位をカバー。腕輪もグローブとブーツの一部にしていく。首飾りはワーウルフの毛皮を使って革鎧にしていく、水晶の首飾りが革鎧を彩っている。
「綺麗・・」
すべての装飾品を装備にしていくとユアンが声をもらした。僕の作った装備はすべて綺麗な輝きを放ち光が集束していく。集束すると光の力を内包したようにメラメラと白い湯気が立つ、その湯気はマナなのかもしれない。ユアンはその姿も綺麗だとウットリした顔で見ている。
「いつまでも見てないで寝なさい」
「もうっ僕は子供じゃないよ兄さん。兄さんも早く寝てよね」
「もう少ししたら寝るよ」
僕は素材達で装備などを製作していく、僕の製作はそれほどうるさくないのでユアンの眠りを妨げる事はないでしょう。コネコネしているだけだからね。
「じゃあ、そろそろ寝ようかな」
ある程度、製作を済ませると僕はベッドに入っていく。ユアンは僕に背を向けて寝ているので僕もユアンに背を向けて眠ることにした。
何だか甘い匂いがして僕は心穏やかに意識を手放した。兄弟と一緒に寝ることが久しぶりだったから安心しきっているんだと思う。
ルークの寝息が聞こえてきてユアンはルークの方へと寝がえりをうった。ユアンは胸を抑えてルークの背中を見つめた。
「お兄ちゃん・・」
自然とユアンの腕はルークへとのびていく、ルークの強さを見てユアンは彼に男を感じてしまったのだ。大好きだった、守ってあげたいと思ってた。だけど、お兄ちゃんは僕よりもずっと強くて守ってくれた。
「大好きだよお兄ちゃん」
抱きしめたままユアンは幸せを感じて眠りについて行く。
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