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第二章 黒煙

第四十話 煌びやかな屋敷

 しばらく、近場の依頼をして過ごしているとアレイストさんから声がかかった。ルザー様と会う約束を取り付けたらしい。
 だけど、案の定。アレイストさんとジャレトさんの同行を認められなかったらしいです。数人のお付きは認めるように二人は説得してくれたみたいだけど心配そうに話していました。

「ありがとうございますアレイストさん、それにジャレトさん」
「いや、力及ばず」
「面目ないね」
「いえいえ、一人じゃなくてよかったです。それだけでお二人には感謝してます」

 僕の言葉を聞いて二人は申し訳なさそうにしている。ここからは僕たちの戦いだ。ルザー様がどんな人かわからないけど頑張るぞ~。

 




 そして、約束の日。

 僕はクルシュ様に貰った服に着替えてギルド前にやってきた。もちろん、モナーナとメイさん、それにユアンとラザラさんも綺麗な服に着替えて一緒です。

「こんな服をもらってよろしいのでしょうか?」
「大丈夫です。ルークさんはお金持ちですから」
「ちょっとメイさん」

 恐縮しているラザラさんにメイさんが僕の事を話して揶揄ってきた。お金持ちかもしれないけどそんなに大々的に言わないでほしいです。

「ルーク、本当の事なんだからしょうがないでしょ。それに孤児院を一人で作ったんだからそのくらいの財力はあるってみんな知っているはずだよ」
「まあそうなんだろうけどさ」

 孤児院が生まれた事を街のみんなは喜んでくれた。それを作ったのが僕達と認識しているはずなので大丈夫だと思ってたんだけど何と僕のお金で作ったと知られてしまったようです。
    正確にはお金ではなくてスキルなんだけどそこは死守しました。能力値がばれたらそれこそ英雄街道まっしぐらですよね。

「兄さんそんなに緊張しなくても大丈夫だよ。僕がついているんだから」
「ユアンは慣れているかもしれないけど貴族の人のだすオーラが僕を緊張させるんだよ。あの何とも言えない威圧感」

 僕が緊張しているとユアンが僕の肩に手を置いて声をかけてくれた。
    クルシュ様とあった時のような緊張が走ってます。まあ、クルシュ様は良い人だったから良かったけどルザー様はあんまりいい噂を聞かないので更に緊張しています。

「ルザーとか言うのが何か言ってきたら僕が首を狩るから死体をアイテムバッグに」
「ユアン黒いオーラが出てるよ」

 ユアンが物騒な事を言い始めた。目には生気がなくて何とも危なっかしい。確かにそれは最終手段になるかもしれないと少し思ってしまったのは内緒です。無茶な要求をしてこなければいいんだけど・・・。

 みんなと話していると街の入口から馬車が入ってきた。馬車はギルドの前に着くと止まった。

「皆様方お待たせしました。どうぞこちらに」

 馬車の中から出てきた金の装飾を施されたドレスを身に着けた女性が中から出てきて僕らに入るように促してきた。少し引くくらいの満面の笑みでドレスもお金かかってるんだろうなといった感じ。
 僕らは驚きながらも促されるまま馬車の中へ、その時女性の視線がユアンを向いていた。ユアンに憧れの視線を向けていたんだと思う。同じ男としてあんなに綺麗な人は他にはいないと思うよほんと。

 みんなが乗り込むと馬車が走り出した。席順は御者席側に僕、モナーナ、ラザラさん反対側にメイさん、ユアン、女性です。女性はユアンの腕に自分の胸を押し付けるように腕を絡めています。

「皆さま、申し遅れました。私の名前はユーラと申します。まあ、ユアン様以外は知らなくていい事ですけど」

 ユアンは辟易としているけど顔には出さないようにしています。
    ユアンって僕が何かされていると積極的に動くけど自分の事となると消極的になっちゃうんだよな~。ここまであからさまに毛嫌いされるとこっちもやりやすいからいいけどね。

 街の外から来たのに馬車は街の奥へと進んでいく。ワインプールの街は内壁があってその奥に領主の屋敷がある。街全体が屋敷を守るように囲っているのだ。クルシュ様とは考えが違うんだろうっていうのがわかる。

 目的地の屋敷は街中なので馬車はすぐに到着しました。内壁に入ると騎士達が馬車を追いかけてきて屋敷の前に着くと屋敷の入口まで列を作って赤い絨毯を馬車の前にひいて行く。
    僕は引いています。流石にやり過ぎでしょ。

「皆さん着きましたよ」

 ユーラさんがそう言って馬車の扉を開けて出ていく。僕らも続いておりていく。降りると内壁で上側しか見えていなかった屋敷の全体が見えた。屋根が金色だったから下はどうなんだろうって思っていたけど案の定、金が散りばめられています。綺麗なんだけど何だか悪趣味だよね。

「さあ、中へどうぞ」

 赤い絨毯の上を渡って僕たちは屋敷へと入っていく。ああ、緊張で嫌な気分です。

 屋敷の中に入ると入ったとたん貴族と思われる金髪で髭を生やしたおじさんが笑顔で迎えてくれた。着ている服が金で装飾されているので貴族だと思うんだけど。悪趣味です。

「ようこそ、ルザーの屋敷に。私がこの街の領主、ルザーだ。最近、ちまたを騒がせているルークと言うのは君かな?」
「はい・・」

 一目で僕が噂のルークだと判断したルザーさんは僕に握手を求めてきた。僕は気のない返事をして握手に応じる。

「では奥の部屋で色々と話そうか、孤児院の話がしたかったんだっけかな?」
「はい・・」

 話ながらルザーさんは奥の部屋へ歩いて行く。僕らは案内されるまま奥の長机のある部屋へと案内された。
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