90 / 165
第二章 黒煙

第四十六話 家族

 モグモグモグ、僕は急いで建設中の建物に帰ってきた。イチゴジャムをつけた白いパンを食べながらです。みんながパンパーティをしている間に出来ている分だけでもベッドとか家具を設置しちゃおうと思ったんだ。嗜む子牛亭の地下だけじゃ寝る所が足りないからこっちで代用しないとダメなんだ。一時的に運動室にベッドを数個おいて二階の部屋にもベッドを三個ずつ置いて行く。

「ルーク、何か手伝う事あるかな?」
「モナーナ大丈夫だよ」
「でも」

 モナーナは申し訳なさそうに手伝おうと声をかけてきてくれた。だけど、これは僕にしかできないから無理なんだよね。

「アイテムバックに入れてくれれば私でも設置はできるよ」
「ああ、そうか。その手があったね」

 僕が作ってモナーナに設置しに行ってもらえば速度は上がる。

「一人でやろうとしないで、いつでも私がいるんだから」
「あ、うん」

 モナーナは僕の両手を取って目を見つめて話した。僕は恥ずかしくなって目を背けてしまうとモナーナは微笑んでいた。

「じゃあやろうか」
「そうだね」

 みんなが騒いでいる間に家具を設置していく。ルザーの屋敷にいた30人の子供達の寝る所は確保できたので今日はよくやったと自分を褒めてあげよう。

「ルークこれで全部?」
「うん、ありがとうねモナーナ」
「ううん、ルークの役に立ててうれしい」
「いつもモナーナは役に立ってくれてるよ。最近は子供達と一緒に畑仕事してくれてるしさ」

 モナーナは子供達の面倒を積極的にしていてくれてとても助かってた。いつもモナーナは周りの為に頑張れる子なんだよね。

「私はルークに助けてもらったの、だから、今度は私が色んな人を助ける。それが助かった人の義務だと思うんだ」

 庭に出て噴水の前で話しているとモナーナが噴水で反射している月の光で輝いて見えた。モナーナは強くなったよね。今では人を助ける側になったんだからさ。

「どうしたのルーク?」
「う、ううん。ちょっとね」
「なに?何かあったの?」

 月の光に照らされていたモナーナに見とれてしまって口ごもるとモナーナは心配してくれていた。顔を近づけるもんだから僕は恥ずかしくなってそっぽを向いてしまう。その後もモナーナは可愛らしく上目遣いに聞いてくるもんだから僕の胸はドキドキだった。月に輝く彼女はとても可愛らしかった。

 建物に家具を置いた事で泊まれる環境が出来た。ルザーの屋敷にいた子供達を全員新しい建物の方へと移動してもらうんだけどみんな不安みたいでビクビクしている。嗜む子牛亭に来てからも部屋の隅で座っていたりしていた子もいたので心配はしていたんだけどこれだけは時間が必要だからしょうがない。
 流石に子供だけであの建物に泊まるのも怖いだろうから僕、モナーナ、ユアン、ニャムさんとメイさんで一緒に行くことにした。子供達も初めてあった大人の味方な僕たちの方が安心すると思う。

「ルーク さん みんな 一緒が いい」

 運動室と小部屋でベッドを設置したんだけど小部屋の方で寝かせようと思ったら言葉の話せるエルフの子がそんな希望を話した。あんな所でもみんな力を合わせて生きてきたんだよね、離れたくないに決まってるよね。僕の配慮が足らなかった、ちょっと反省。
    運動室に二段ベッドを幾つか作って対処していく、子供達は上の段の取り合いをしている。何だか微笑ましい。

「ルーク さん 達も ここで 寝よ?」

 エルフの子に上目遣いで言われると僕らはキュンとしてしまって応じないという選択はなくなりました。
    僕達もベッドを運動室に出して寝る準備。子供達はそれぞれのベッドに入ると寝息をたてていく。

「何だか安心する建物だね」
「そうですね。兄さんのような」
「私も思ったにゃ、ルークみたいな建物なんだにゃ」

 モナーナの疑問にユアンが答えるとニャムさんがそれに同意していた。ユアンの言葉にはモナーナとメイさんも頷いていたんだけど、僕にはよくわかりません。

「・・・」
「ん?どうしたの?」
「おしっこしちゃったのかにゃ?」

 二歳ほどの子が泣き出しそうな顔で近づいてきた。おしっこの匂いにいち早く反応したニャムさんがそう言うと女の子は涙して頷いた。怒られると思っているんだろうね。そう言う環境にいたからしょうがない。

「大丈夫だよ。お洋服もいっぱいあるしベッドだってすぐに出せるんだからね。ほら」

 僕がアイテムバックからベッドと服を取り出すと涙が止まって笑顔が見れた。やっぱり子供は笑顔が一番、こんな子供達を売り買いするなんて本当にその人達は人間なのかな?

「これでバッチリ」
「あり がと」

 女の子はメイさんに着替えを手伝ってもらって着替え終わるとカタコトでお礼を言っていた。
    子供達はみんなとてもいい子でお礼もちゃんと言える。言葉を教えていければちゃんとこの世界でいきていけるはずだ。

「にゃにゃ?一緒に寝るかにゃ?」
「うん」

 ニャムさんの事をお母さんと言っていた女の子がニャムさんのベッドに入っていった。みんな大人恋しい年ごろの子ばかりだからしょうがないね。

 眠れない子はいなかったみたいで安心した。僕らも意識を手放して寝息をたてる。

 こんな大家族で一緒の部屋で寝るのもいいね。
感想 296

あなたにおすすめの小説

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!