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第二章 黒煙

第四十七話 完成

 子供達よりも先に起きて僕らはみんなのご飯を作り始めた。昨日のパンパーティでパンは在庫切れしてしまった。減らないパンとかちょっと思案中です。
 パンが無ければ作ればいいという事で嗜む子牛亭と並走してパンを作っています。嗜む子牛亭にはパンを焼くオーブンが一つだけどこの建物には4つ作ってあるのでどんどん焼いていくよ。
 コネコネコネコネ、製作ではなくて調理でコネコネは初めて。総勢60人分のパンのタネを作るのは僕にしかできない仕事のようです。
 モナーナも手伝ってくれているんだけど僕よりは遅いので結局ほとんどが僕のパンダネでした。ちなみにこういった料理に連なる事はユアンにやらせてはいけない。優秀なユアンにも苦手なことがある。それは料理なのだ。鍋をかき混ぜると爆発して、パンをこねると鉄に変化してしまうなどのおかしな事になってしまうんだ。こういったマイナスな面があるからユアンは強いんだと思います。

「兄さん、何だかこのパン光ってるけど・・」
「え?」

 ユアンが焼きあがったパンを持ってきた。そのパンは金色に輝いていて、みんなそのパンに眼を奪われています。パンを見るだけで涎が出るのはお腹空いているだけではないはずだ。という事で一口口に入れてみました。

「美味しい・・」

 言葉を無くすほど美味しいです。たけどこのパンの凄さはここからでした。

「ルーク!パンが再生してるよ」
「どういう事?」

 減らないパンとか冗談じみた事を言っていたら出来てしまいました。調理スキルはあげていなかったので家事スキルの影響で出来てしまったのかもしれない。60人分のパンを作ったので60分の1位の確率でできるって事だね。これで調理スキルとか上げたら凄い事になりそう。

「何をやっても普通に売れない物を作っちゃうんですね」
「そんな事言われても、作れちゃったんだからしょうがないじゃないか」

 メイさんの呆れたという言葉に僕は俯いて答えた。だってしょうがないじゃないか、みんなの為にコネコネしていただけなんだからさ。このパンは食べないで千切って置いて置くと増殖するようなのでちぎってはアイテムバッグに入れて増やしました。
    200斤ほど作ったら全部しまって今後の為に保管する事にして出来立てのパンをみんなで食べる事にします。
    やっぱり、出来立てを食べる方が子供達には大切だと思うんだよね。みんなが忙しいときとかにこのパンを出して時間を確保する事にします。ちなみにアイテムバッグの警告の色は緑のまんまです。これは世に出しちゃいけないアイテムバッグだったのかも。

「みんなー、ご飯が出来たよ~」

 子供達を起こしてリビングの椅子に座るように促す。子供達は眠い目を擦りながらも椅子に座って机に並べられたコーンスープとパンを食べていっている。コーンスープも僕の作物から作っているので最高に美味しいです。

「「「「「ごちそうさまでした」」」」」

 子供達はご飯を食べ終わると庭に出ていって遊びだした。僕はその様子をみて微笑んで残りの孤児院建設を開始していきます。

 一階から二階に行く階段エリアに三階への階段も増設、三階は75坪分をすべて子供達の部屋にしていく。4坪一部屋で18部屋を増設、二階と合わせて27部屋できました。
 通路は人が二人ほど交差できる位の狭さだけどしょうがない。これでも一部屋二人では足りないので地下も活用して行くことにします。といってもあと6人分の部屋とお風呂などの設置をする範囲が必要なだけなんだけど、75畳の広間を作って三部屋分12畳分の部屋の壁を作成してはめ込みます。あとは扉をつけるだけで完成。
 
 40畳の広間と3部屋が完成です。あとは23畳で男湯と女湯の設置、お湯が無限に湧く桶は作ってあるのでそれを自動販売機と同じ仕組みで取っ手をひねるとお湯が出る仕組みを組み込む、いつでも暖かいお湯が流れます。
 あとは下水なんだけど、領主の地下にあった洞窟が街全体に繋がっていたのでいい感じの下水になってくれた。もちろん、汚した水をそのまま流すのは悪いのでミスリルと銀なんかを混ぜた浄化魔道具を作り、パイプに設置して流した。浄化装置は正常に作動しているのを確認して完成。この下水はキッチンにも接続した。
 キッチンへ上がれる階段も作ればここで遊んでいてもすぐにキッチンに集合できる。遊んだらすぐにお腹すいちゃうからね。

 これで孤児院は完成・・・だけど、子供達の安全の為に庭に像を置きます。可愛い可愛いミスリーの像だよ。もちろん、防衛用なので動くよ。本物のミスリーみたいな自我はないはずなんだけど撫でてあげると目を細めて喜びます。総数4体を庭に配置、知らない人が来たら目を光らせて子供達に敵対の意思が伺えたら取り押さえるって感じ

 ここまでやってお昼になってしまった。最近やっていなかった端仕事をしたいのでギルドに行くことにしました。この時ユアンとモナーナもついてくると言っていたらニャムさんもついてくることになって4人で行くことになりました。なんだか街のみんなの目線が集まっています。ユアンを見ていると思っていたんだけど目線を追うと僕なのが分かってしまって何だか恥ずかしい。

「よっ、来たね。ワインプールの英雄さん」
「何ですかそれ・・」

 冒険者ギルドに入るとアレイストさんが僕を見て声をかけてきた。いつの間にか僕の称号がワインプールの英雄になっていたようです。何だか恥ずかしい。

「その顔じゃ、知らなかったようだね。今、この街じゃあんたの話で持ちきりだよ。教会の孤児院を直したと思ったら、子供達を助けだしていっちゃうし。シスターを王子様がするようにお姫様抱っこして外道から救って往来を歩いて行ったし。それだけでもみんなの関心を集めているって言うのにルザーの奴を懲らしめて亜人の子供達を開放したんだろ」

 アレイストさんの話はこれまでの僕のやってきた事だった。みんな、僕の事を見ていたようです。ある程度、隠せていると思ってたのが何だか恥ずかしい。

「ちょっと兄さん、ラザラさんをお姫様抱っこしたの?」
「それは初めて聞いたにゃ」
「ルーク・・」

 ユアン、ニャムさん、モナーナは僕を厳しい目で見てきた。別に抱っこしただけだよ。いかがわしい事をしたわけじゃないよ。

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