99 / 165
第二章 黒煙
第五十五話 エルフ
「お姉さん、エルフさんなの?」
「エリシーナお姉ちゃんのお母さん?」
「エリシーナ?エルフがいるのですか?」
子供達が群がっていて声が聞こえてくる。どうやら、訪問者はエルフさんのようです。領主の館にいた子供達の中にはエルフが一人。実質、うちにいるエルフはエリシーナちゃんとその子だけ。一人はハーフエルフだけどね。
エルフの人がうちに何のようなんだろう?
「あなたがルークさん?」
「はい」
「急な訪問失礼した。私はエルフの狩人、エル・ルナ。ルナと呼んでくれ」
「あ、は~?」
僕に気付いた綺麗な緑髪のルナさんは僕に深くお辞儀をして自己紹介をしてきた。深くお辞儀をしてきたので僕は首を傾げている。初対面にしてはかしこまり過ぎなような気がしたんだけど、この後の話で色々と理由が分かった。
「取りあえず中に入ってください。ここじゃ色々と」
「あ、そうですね。子供も多いし。しかし、いいのでしょうか。私なんかがこの建物に入って?」
「え?はい、大丈夫ですよ」
ルナさんは何故か頬を赤くして畏まってしまった。外で立ち話も何だし、人の目も結構あるので中に入ってもらおうと思っただけなんだけど?
ティリス様達と話した食堂に座ってもらう。そこにたどり着くまでもずっと建物の内装を見ていたルナさん、目が輝いていて芸術品を見ているかのようにうっとりとしている。
「それで今日は何のようで?」
「ルークさんは世界樹を知っていますか?」
「世界樹ですか?」
確か、エルフが結界で守っているとかいう代物だったかな?諸説あるからよくわからないんだけど。
「あなた達の生みの親とか、世界のマナを守っているとか言われている物ですよね。僕は見た事ありませんけど」
ユアンに聞かせた英雄の話とかでそんな話があった。エルフは世界樹から生まれる。だから、魔力保有量が高くて魔法が強いって言われているって書いてあった。それも、幾つかの話の一つ、世界樹は地上になくて空を飛んでいるとか、エルフが隠しているとか、憶測で色々と話はあるけどね。
「見たことない・・・本当にそうでしょうか?」
「え?」
ルナさんが僕へと顔を近づける。僕の目をじっと見つけてきて僕は恥ずかしくなってしまってそっぽを向くと首を掴まれて正面を向かされてしまう。
「じっとしてください。私はあなたの過去を見ているんです」
「過去?」
「正確に言うと記憶ですね。私は夢見のスキルを持っているのです」
数分、僕の目をじっと見つめてくるルナさん。傍から見たら勘違いされそうだけど、大丈夫だろうか?
「エルフのお姉ちゃんとキスするの~?」
「私もルークお兄ちゃんとキスしたい~」
おませな女の子達がそんな事を話しているけどルナさんは構わずにずっと見てきている。これは情操教育的にも悪いね。止めよう。
「ルナさん、すいません。子供達もいるので」
「あ、すいません。職務に夢中になり過ぎましたね。ですが、あの木は確かに世界樹になっていて」
「世界樹になっていて?」
何の話だろう。全然見当もつかない。
「私達、エルフは木と通じ合う事が出来ます。それは世界樹でも同じ。その世界樹に聞いたのです。あなたをこの地に植えたのは誰ですかと・・・」
「ちなみにどこですかそれは?」
「私達はそこをゴブリンの山、と呼んでいました。ゴブリンが占拠していた緑豊かは山です。中腹に平らな土地があり、そこにゴブリン達が住んでいましたが少し前に滅んだようです。そして、そこには五つの木が一つに同化して世界樹になっていたのです。強い結界を作り、魔の者を退ける強力な物です。ぜひ私達、エルフはそこに住みたいと思ったのですが。世界樹は創造主に聞いてくれと言われて」
・・・木と話せるのって困るね。まさか、あのレインツリーが世界樹になっていたなんて。っていうか本当にあのレインツリーなのかな?もうちょっと話を聞こう。
「世界樹がそんな簡単にできるものなんですか?」
「出来るわけないですよ。それに人が作ったなんて信じられなくて、夢見のスキルを持っている私がそれを調べに来たのです。そうしたら、確かにあんたが苗を植えている記憶が見えました。ですがその記憶は一か月も経っていないじゃないですか、それに何ですかあなたの能力は・・」
ギクッ、色々見られてしまったようだ。しからばこの人を亡き者に・・・って出来るわけないので口止めしないと。
「ルナさん、それ以上は秘匿してください。人族の人達に知られると色々面倒なので」
「記憶を見ているのでそのくらいは心得ています。それよりも記憶を見た事を怒らないのですか?」
「見てしまったならしょうがないですし、エルフの代表としての責任で強硬したならしょうがないかなって」
「・・ルークさんは変わった方ですね。人族にはもったいない」
ルナさんに秘匿を約束すると頷きながら納得してくれた。僕の記憶を全部見ているわけではないみたいだけどあまり広めてほしくないからね。
「それで・・エルフはあの土地に住んで大丈夫でしょうか」
「あそこはゴブリンが住んでいたわけだから誰の土地でもないと思います。なので大丈夫じゃないですかね?」
ルナさんのお願いに僕はなんとなく答えた。土地の権利はお金持ちの物だから、何とも言えないけどあそこはゴブリンが占領していたから誰のものでもないはずなんだよね。だから、大丈夫でしょう。
「でしたら世界樹に話してほしいので一緒に来ていただけますか?」
「ええ、今からですか?今帰ってきたばかりなのですが・・」
「ぜひ!」
ええ~、すっごい積極的に懇願されています。両手で僕の手を包んでお願いしてきています。こんな所モナーナに見られたら誤解されてしまう。
「その人とはどういう関係ですかルーク」
「・・・モナーナ...さん」
ティリス様達を案内していたモナーナとニャムさんが怖い顔をして覗いていました。顔を近づけてきていたルナさんを誤解したようだ。思っていた通り誤解されてしまったようです。
二人に色々聞かれた結果、一緒にレインツリーの木に会いに行くこととなりました。まさか、五本のレインツリーが一つになって世界樹になってしまっていたとは驚き。僕はため息をつきながらも街の外に行くことにしました。
何故か、ティリス様達もついてくることになってしまった。なぜ?
「エリシーナお姉ちゃんのお母さん?」
「エリシーナ?エルフがいるのですか?」
子供達が群がっていて声が聞こえてくる。どうやら、訪問者はエルフさんのようです。領主の館にいた子供達の中にはエルフが一人。実質、うちにいるエルフはエリシーナちゃんとその子だけ。一人はハーフエルフだけどね。
エルフの人がうちに何のようなんだろう?
「あなたがルークさん?」
「はい」
「急な訪問失礼した。私はエルフの狩人、エル・ルナ。ルナと呼んでくれ」
「あ、は~?」
僕に気付いた綺麗な緑髪のルナさんは僕に深くお辞儀をして自己紹介をしてきた。深くお辞儀をしてきたので僕は首を傾げている。初対面にしてはかしこまり過ぎなような気がしたんだけど、この後の話で色々と理由が分かった。
「取りあえず中に入ってください。ここじゃ色々と」
「あ、そうですね。子供も多いし。しかし、いいのでしょうか。私なんかがこの建物に入って?」
「え?はい、大丈夫ですよ」
ルナさんは何故か頬を赤くして畏まってしまった。外で立ち話も何だし、人の目も結構あるので中に入ってもらおうと思っただけなんだけど?
ティリス様達と話した食堂に座ってもらう。そこにたどり着くまでもずっと建物の内装を見ていたルナさん、目が輝いていて芸術品を見ているかのようにうっとりとしている。
「それで今日は何のようで?」
「ルークさんは世界樹を知っていますか?」
「世界樹ですか?」
確か、エルフが結界で守っているとかいう代物だったかな?諸説あるからよくわからないんだけど。
「あなた達の生みの親とか、世界のマナを守っているとか言われている物ですよね。僕は見た事ありませんけど」
ユアンに聞かせた英雄の話とかでそんな話があった。エルフは世界樹から生まれる。だから、魔力保有量が高くて魔法が強いって言われているって書いてあった。それも、幾つかの話の一つ、世界樹は地上になくて空を飛んでいるとか、エルフが隠しているとか、憶測で色々と話はあるけどね。
「見たことない・・・本当にそうでしょうか?」
「え?」
ルナさんが僕へと顔を近づける。僕の目をじっと見つけてきて僕は恥ずかしくなってしまってそっぽを向くと首を掴まれて正面を向かされてしまう。
「じっとしてください。私はあなたの過去を見ているんです」
「過去?」
「正確に言うと記憶ですね。私は夢見のスキルを持っているのです」
数分、僕の目をじっと見つめてくるルナさん。傍から見たら勘違いされそうだけど、大丈夫だろうか?
「エルフのお姉ちゃんとキスするの~?」
「私もルークお兄ちゃんとキスしたい~」
おませな女の子達がそんな事を話しているけどルナさんは構わずにずっと見てきている。これは情操教育的にも悪いね。止めよう。
「ルナさん、すいません。子供達もいるので」
「あ、すいません。職務に夢中になり過ぎましたね。ですが、あの木は確かに世界樹になっていて」
「世界樹になっていて?」
何の話だろう。全然見当もつかない。
「私達、エルフは木と通じ合う事が出来ます。それは世界樹でも同じ。その世界樹に聞いたのです。あなたをこの地に植えたのは誰ですかと・・・」
「ちなみにどこですかそれは?」
「私達はそこをゴブリンの山、と呼んでいました。ゴブリンが占拠していた緑豊かは山です。中腹に平らな土地があり、そこにゴブリン達が住んでいましたが少し前に滅んだようです。そして、そこには五つの木が一つに同化して世界樹になっていたのです。強い結界を作り、魔の者を退ける強力な物です。ぜひ私達、エルフはそこに住みたいと思ったのですが。世界樹は創造主に聞いてくれと言われて」
・・・木と話せるのって困るね。まさか、あのレインツリーが世界樹になっていたなんて。っていうか本当にあのレインツリーなのかな?もうちょっと話を聞こう。
「世界樹がそんな簡単にできるものなんですか?」
「出来るわけないですよ。それに人が作ったなんて信じられなくて、夢見のスキルを持っている私がそれを調べに来たのです。そうしたら、確かにあんたが苗を植えている記憶が見えました。ですがその記憶は一か月も経っていないじゃないですか、それに何ですかあなたの能力は・・」
ギクッ、色々見られてしまったようだ。しからばこの人を亡き者に・・・って出来るわけないので口止めしないと。
「ルナさん、それ以上は秘匿してください。人族の人達に知られると色々面倒なので」
「記憶を見ているのでそのくらいは心得ています。それよりも記憶を見た事を怒らないのですか?」
「見てしまったならしょうがないですし、エルフの代表としての責任で強硬したならしょうがないかなって」
「・・ルークさんは変わった方ですね。人族にはもったいない」
ルナさんに秘匿を約束すると頷きながら納得してくれた。僕の記憶を全部見ているわけではないみたいだけどあまり広めてほしくないからね。
「それで・・エルフはあの土地に住んで大丈夫でしょうか」
「あそこはゴブリンが住んでいたわけだから誰の土地でもないと思います。なので大丈夫じゃないですかね?」
ルナさんのお願いに僕はなんとなく答えた。土地の権利はお金持ちの物だから、何とも言えないけどあそこはゴブリンが占領していたから誰のものでもないはずなんだよね。だから、大丈夫でしょう。
「でしたら世界樹に話してほしいので一緒に来ていただけますか?」
「ええ、今からですか?今帰ってきたばかりなのですが・・」
「ぜひ!」
ええ~、すっごい積極的に懇願されています。両手で僕の手を包んでお願いしてきています。こんな所モナーナに見られたら誤解されてしまう。
「その人とはどういう関係ですかルーク」
「・・・モナーナ...さん」
ティリス様達を案内していたモナーナとニャムさんが怖い顔をして覗いていました。顔を近づけてきていたルナさんを誤解したようだ。思っていた通り誤解されてしまったようです。
二人に色々聞かれた結果、一緒にレインツリーの木に会いに行くこととなりました。まさか、五本のレインツリーが一つになって世界樹になってしまっていたとは驚き。僕はため息をつきながらも街の外に行くことにしました。
何故か、ティリス様達もついてくることになってしまった。なぜ?
あなたにおすすめの小説
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス
優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました
お父さんは村の村長みたいな立場みたい
お母さんは病弱で家から出れないほど
二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます
ーーーーー
この作品は大変楽しく書けていましたが
49話で終わりとすることにいたしました
完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい
そんな欲求に屈してしまいましたすみません
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!
TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。
その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。
競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。
俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。
その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。
意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。
相変わらずの豪華客船の中だった。
しかし、そこは地球では無かった。
魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。
船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。
ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ……
果たして、地球と東の運命はどうなるの?
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!