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第三章 王都リナージュ

第二十話 端仕事

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 アズが衛兵にチンピラ達を届けに行って、僕はただいま最後の掃除を終わらした。

「ふう、綺麗になったと」

 僕は一息ついて樽に腰かけた。まだまだ冒険者ギルドには端仕事がびっしりある。素材もどっさりと手に入ったしうまうまだね~。

「おいおい、なんだこりゃ。路地が綺麗になってやがる」

 樽に座っていると黒髪で黒ひげのおじさんが驚いていました。そりゃ、真っ黒だった地面が真っ白な大理石のような床になっていたら驚くよね。

「これじゃ、堅気のやつらが来ちまうじゃねえか。・・・ここを掃除したのはてめえか?」
「はいそうですけど」

 おじさんは僕をにらみつけた。あれ?掃除しちゃダメだったかな?

「なんでこんなことしやがる」
「冒険者ギルドで依頼が貼ってあったから・・・」

 おじさんが理由を聞いてきたので答えると頭を抑えてため息をつくおじさん。

「あのな~ありゃ端仕事だぞ。そんな依頼やる冒険者がいるかよ」
「ええっ」

 どうやら、王都での端仕事とは誰もやらないものらしいです。驚愕です。じゃあ、だれが街を掃除するの?

「街は定期的に清掃業の奴らが掃除するんだよ、そいつらの仕事を奪っちまうじゃねえか。それに路地は汚くしなくちゃいけねえんだよ」
「ええ~何でですか、ここだって街の一部でしょ。綺麗にしなくちゃ」
「は~、お前、田舎者か。王都の路地っていうのはそういうやつのたまり場なんだよ。掃きだめを作っとかないと外で知らないやつが絡まれちまう。まあ、絡まれるのは田舎者だけだけどな」

 は~そういうことか、掃きだめを作って普通の人がそこに行かなければ被害が減るってことか。それなら、全部掃きだめ綺麗にしてその人たちも綺麗にしちゃえばいいんじゃないのかな?

「そういう考えもあるんですね。わかりました」
「そうかそうか、じゃあ」
「じゃあ、全部綺麗にしちゃいます」
「分かってねえじゃねえか!」

 僕の言葉に憤りを表したおじさん。そういえばこの人は何なんだろうか?街に詳しいみたいだけど。

「掃除をやめろって言ってんだよ」
「やめませんよ。依頼されているんですからやります」
「やめねえって言うのか。そうか、お前、名前は」
「僕ですか?」
「お前しかいねえだろ」
「ルークです」
「ルークか、覚えておくぜ。だが肝に銘じろ、俺はバイスだ。俺に逆らったことを後悔させてやるよ」

 おじさんはそんな捨て台詞をはいて路地から出て行ってしまいました。バイスさんか、だれだかよくわからないけど、路地を綺麗にしてほしくないみたいだね。ってことは闇の仕事で暮らしているのかな?それだとやだな~。でも。目を付けられちゃったみたいなので妨害されたら綺麗にしてあげよう。

「ルーク、戻りました。何かあった?」
「う~ん、ちょっとね。路地を掃除しているのを注意されちゃって」
「ええ、そんなことってあるの?だって依頼だよね」
「う~ん、端仕事は普通、冒険者はやらないんだってさ。だからあえて出していたみたいなこと言っていたよ」

 アズがチンピラを衛兵に渡して戻ってきた。僕はアズにバイスという人と話した内容を話すと驚いていた。やっぱり、普通におかしなことだよね。

「端仕事として出しておくことで掃除しようとしているんですよって意志を示しているから掃除の人が来ないとか?」
 
 アズの解釈をきいて僕は納得して頷いた。ああ、そういうことね。それでわざわざ冒険者ギルドに依頼をだしていたんだね。

「そのバイスって人もこんなに綺麗にしてしまうとも思っていなかっただろうし、びっくりしてたでしょ?」
「うん、これじゃ普通の人がここを通ってしまうだってさ」
「ははは、確かにこの路地も凄く綺麗になっちゃったね」

 壁も地面もピッカピカで毎日歩きたいほど綺麗になりました。これならチンピラじゃなくて女の人とかも井戸端会議できるんじゃないかな。

「まだまだ、時間があるからもっと掃除するぞ~」
「ええ、忠告は守らないの?」
「街は綺麗な方がいいに決まってるよ。絡まれたらその人も綺麗にしてあげよう」
「綺麗にって衛兵に渡して罰を受けるってこと?」
「そうだね。反省させて綺麗にね」

 ということで僕はユアンが城を調べている間、街を綺麗にしていきます。
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