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その後

お父さん達とお話

「ユアン!本当にユアンなのか?」
「お父さん!僕だよ本物のユアンだよ」

 ユアンのお父さん、アキノさんがお父さんの家に入ってきて息を切らせながらユアンを呼んだ。ユアンは我慢しきれずに泣き出して抱き着いた。ユアンは僕と違って姿を見れていなかったから僕以上に嬉しさがこみあげて来ていたみたい。

「たった三年しかたっていないのにもうこんなに・・・胸はほどほどだな」
「お父さん・・・」

 感動の再会なのにそんなボケはいらないんだけど、アキノさんは娘の胸を見て残念そうにしている。

「カテジナは大きかったからな~。はっ!そうだ。カテジナはどうしたんだ?来ていないのか?」
「お母さんは恥ずかしいから来たくないって、あったら泣いちゃうって言って来たがらなかったんだ」

 カテジナさんにも会いに行くことは伝えていたんだけど来なかったんだよね。泣いちゃうというのもあるけど、別の男の人と色々あったことでアキノさんに会えないと思っているのかもしれない。憶測で話していても本当の所は本人にしかわからないね。

「そうか・・」
「お父さん、僕、兄さんと結婚したんだ」
「・・兄さん?結婚だと!」

 ゴゴゴゴという音が部屋を包んだ。そして、アキノさんがユアンの両肩を掴んだ。

「兄さんってどいつだ!」
「え?え~っと~・・・」
「こいつか・・」

 ユアンがしまったという顔で僕から目を逸らせたんだけど、この中でユアンに関係しているのは僕だけなので意味をなさなかった。アキノさんは僕へと迫ってきてユアンと同じように両肩を掴んで睨んできた。

「あんちゃん、名前はなんてぇ~んだ?」
「ははは・・・ルークです」
「ルーク?ルークってえとカイトの息子じゃねえか!アスミの息子でもあるだろうがよ!って事はいとこじゃねえか!それっていいのかよあ~ん!」

 怖い怖いよこの人、冒険者ギルドでからんでくる人達が子供に見えるくらいアキノさんは怖い顔をしている。眉間に血管が浮き出ていて今にもプッツンしてしまいそうだ。我が子可愛すぎて周りが見えなくなるタイプかな?

「お父さん!」
「うお!」

 ユアンがアキノさんの後ろから腕を回して持ち上げた。アキノさんも身長が大きいので天井に頭が当たっている。思いっきりやっていたら突き抜けていたね。

「お兄ちゃんを勝手に好きになったのは僕だよ。お兄ちゃんは悪くないの!」
「お、おお、そうか・・・」

 ユアンに諭されてシュンとしているアキノさんだけど、すっごい睨んできてるんですけど。この後ナイフとかで刺されないよね?

「ははは、ルーク達は俺達よりも遥かに強いぞアキノ。なんて言ってもエンドツリーを封印じゃなくて始末しちまったんだからな」
「な!エンドツリーを・・・俺達の苦労は何だったんだよ」

 アキノさんがここに来るまでの間に色々と僕の話をお父さん達に伝えた。ワーウルフの群れとかエンドツリーの話をすると驚きの声を上げて嬉しそうに笑ってくれた。お父さん達の話もいくらか聞いて、エンドツリーと一戦交えたことがあったみたいなんだ。その時には命からがら封印して逃げ遂せたらしい。やっぱりお父さん達は凄いや。

「ユアンが惚れるのも仕方ないって事か」
「ユアンだって英雄だから、強いですよ。僕なんか勝てませんよ」
「兄さん・・何言ってるんだよ。この服だって兄さんの作ったものだし、武器だって兄さんが作ったものだろ」

 みんなの武器防具は僕のお手製、最近では形状を変えられる武器とかも作っていたんだ。ミスリーの兄弟とかリビングウェポンとかも量産して見たんだけど、僕ら以外には渡してないよ。僕らの世界でも生きている防具や武器は知られていないから混乱しちゃうからね。ただでさえ、バルト王がうるさいからね。あの骨の盾だけで満足してほしいものだけど。

「今、俺達が帰ってきた時の話をしていたんだよ」
「ああ、俺が依頼でいきなり元の世界に帰ってきた時の事か。あの時は困ったな~。鎧を着ていたからコスプレと思われて写真撮らせてくださいとか言われてさ~」

 お父さんの言葉にアキノさんがしみじみと帰ってきた時の話をしていた。僕らの世界の防具はこの世界だとコスプレといわれているらしい。勇者とか戦士とかになりきるための服って感じだね。本当にこの世界は平和だね。

「俺達はルーク達の世界に5年いたが、元の世界に帰ってきた時は2年たってたんだ。それがルーク達の場合は16年が3年だろ?驚いたぞ」

 時間軸のずれが時がたつにつれて大きくなっているみたい。これは実験してみた方がいいかもしれないな~。

「じゃあ、この時もあっちでは5倍以上の時間が流れているかも?」
「単純に考えればそうだな」

 気軽にこっちの世界にこれなくなっちゃう。時間の検証は早めにしないといけないな~。

「いつか、俺の年上になっちまうかもな・・・親より先に死んでくれるなよな」
「お父さん・・・じゃあ、僕らは不老不死になろうかな~」
「おいおい、冗談だよな」

 僕の作った人形に僕らの魂を乗せるとか、レインの作った人形に僕らの魂を乗せ・・・以下略。って具合に行けると思うんだよね。それがなくても細胞の再生の促す世界樹のしずくのお風呂に入るとか、手軽なものはあるけど。レインに言えばお風呂どころか湖が作れちゃうから行けると思うんだよね。

「冗談じゃなさそうね・・」
「ああ、魔法の世界って羨ましいな」

 お母さんとお父さんは冷や汗をかきながらつぶやいた。自分たちの子供がこれほどまでに規格外に育ったことが信じられない様子。でも、半分喜んでいるようで顔を見合って笑ってた。僕は両親に会えた事が本当に嬉しいよ。

「お父さんお母さん!」
「おっと」
「どうしたの?ルーク」

 僕は見つめあって笑っていた二人の間に入って二人を抱きしめた。

「僕を生んでくれてありがとう。僕は今、とても幸せだよ」

 本心を二人に囁いた。二人はウルウルと目に涙をためた。

「苦労かけたみたいだけど、元気に育ってくれてありがとな」
「私たちも幸せよ。二度と会えないと覚悟していたのに、まさか神様の力を使わずに会いに来てくれるほど強くなるなんて思わなかったけどね」

 僕と両親は顔を見合って笑っちゃった。僕もこんなに凄い事ができるようになるなんて思わなかったよ。だけど、両親に会う為ならこの力を思いっきり使おうと決めていたからね。後悔はしたくないもん。

「じゃあ、お父さんお母さんそれにおばあちゃん。僕らは一度帰ります」
「ああ、いつでも遊びに来いよ。って頻繁に来れるのか?」
「うん、ゲートは僕の指示で開けられるし、僕の許可した人しか入れないから大丈夫。マナを感じられない人は何もない所から僕らが出てきたように見えていると思うよ」

 マナで構成されているゲートはマナを知らない人達には見えないはず。お父さんに会う前の通りすがりの人達に見えるようにマナを飛ばしたけど反応はなかったから大丈夫だと思う。

「そ、そうか。俺の子なのに俺より凄いってなんだかショックだな」
「何言ってんのよ。あんたの子なんだからもっと胸張りなさい」
「ああ、そうだよな」

 こうして僕らはお父さん達の家から出てエレベーターまで見送ってもらった。エレベーターが下っている途中で僕はあることを閃く。

「この地下に僕らの家を作ろうか?」
「「「ええ!」」」

 僕の提案にモナーナ達が驚いて答えた。
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