164 / 165
その後

報告

「今日は神妙な面持ちだな?」

 お父さん達の家に来て僕らは俯いてソファーに座った。お父さん達も向かいのソファーに座っている。元々お父さん達の家にはソファーが一つだったので僕が作っておいたものに座っています。

「お父さん、良い話と悪い話があるんだ・・」

 僕がそう言うとお父さんはコーヒーを飲む手を止めてこちらをみてきた。

「そっちにも神が来たって事か。なら話は分かってる。いい話から聞こうか」

 悪い話の方は分かっているみたい。こっちの神様もお父さん達に会いに来たみたいだね。おばあちゃんはわかっていない様子だけどお母さんは理解しているみたい。

「カイト、アキノ君が来るまで待った方がいいんじゃない?」

「そうだな。アキノにも伝えておいた方がいいだろ」

 お母さんがアキノさん、ユアンのお父さんに電話をかけた。あのスマホって言うのも何とか再現できないかな~。

「ルーク。今、大切な話してるから」

「え?ああ~ごめんごめん」

 スマホを見ながら指を咥えているとモナーナに肘でつつかれました。ニャムとユアンにも僕の心は駄々洩れだったみたいで笑われちゃった。

 しばらくするとアキノさんもやってきて、向かいのソファーに座って僕を睨んできた。アキノさんは僕のことが嫌いなようだ。ユアンを取ったとかそういう事で起こっているんだと思う。

「それで?話ってのは?」

「ああ、まずは俺達も知ってるルーク達が来ている事の弊害の話だ。神が来たっていっただろ」

「ああ、聞いてる。それ以外の話って事か?」

 アキノさんがお母さんに入れてもらったコーヒーを一口口に含みながらお父さんの説明を聞いていく。チラチラと僕を睨んでくるのが気になるけどちゃんと理解しているみたい。

「良い話があるっていうんだよ」

「良い話・・・」

 お父さんの言葉を聞いて、より一層僕への睨みが強くなった。

「まさか!貴様!」

 アキノさんはそう言ってソファーから立ち上がる。メラメラと圧が見えるけどマナのない世界ではアキノさんは魔法を使えないはず。どうやって出しているんだろう?

「アキノもそう思ったか。俺もそっちだと思って、ウキウキしてるんだがな」

 アキノさんとは対照的にお父さんは嬉しそうに頬を赤くしている。お母さんも顔のまえで両手を結んで喜んでくれてる。二人とも目が輝いています。

「私たちめでたくルークの子を授かりました」

 モナーナが代表して話すとアキノさん以外が大きく喜んで三人におめでとうの握手をしていく。

「いや~めでたいね~。いきなり三人のひ孫かい?」

「俺達は孫だな」

「そうね~」

 おばあちゃんとお父さん達が感慨深くうなずいている。アキノさんは固まって動かなくなってしまっている。

「アキノいい加減動けよ」

「アキノ君、ユアンちゃんが子供を授かったのよ」

 お父さんとお母さんに体を揺さぶられてようやくアキノさんは動き出した。ソファーに深く座り込んで上体を逸らせて天井を見上げた。

「ユアンが子供・・・・ずっと一緒にいてやりたかったのにいられず。カイトの息子の嫁・・・俺って最低な親父だな」

 アキノさんは後悔をにじませた。やっぱり、元の世界に戻ってしまったのを後悔しているんだね。それに僕の嫁になったのがいけなかったのかな?

「お義父さん・・・」

「お義父さんとか言うんじゃねえよ」

「でも・・・」

 僕がお義父さんと呼ぶとアキノさんは目に溜まった涙を払った。

「お父さんは僕の事を信じてくれないの?」

「ユアン?」

「僕はお兄ちゃんを選んだ。それを信じてくれないの?」

「・・・」

 ユアンが上体を逸らしていたアキノさんに顔を近づけて話した。

「信じないとかそういう話じゃない」

「そう言う話だよ。僕はお兄ちゃんを好きになって、お兄ちゃんの子供が欲しいと思ったの。それが叶ってとっても嬉しいんだよ。それなのにお父さんは僕のことを信じてくれないの?」

「ユアンは信じているさ。だけど、男って言うのはな」

「信じてないじゃん。お兄ちゃんはそこいらの男の子とは違うんだよ」

 ユアンの圧が強くなりアキノさんはソファーから立ち上がりソファーで挟んでいた机に乗り上げてしまう。ユアンの言葉を聞いて、モナーナとニャムが頷いていて僕は何だか恥ずかしかった。
 後ずさりするアキノさんにユアンは構わず追い込んで言葉をつづける。

「お兄ちゃんはとてもやさしくて強くて可愛い。僕らを平等に愛してくれる。お父さんに何と言われても僕はお兄ちゃんの子供を授かって嬉しいの。だからお父さんにもおめでとうって言ってほしい」

「わかってるさ・・・。ユアンは俺の娘だ。間違った男を選んだなんて思ってない。だけど、こんなに早く娘に夫がいて、ましてや子供まで・・・そんな簡単に受け入れられるかよ」

「お父さん」

「・・でも、お前の頼みだから、これだけは言うよ。おめでとう」

「ありがとうお父さん!!」

 机の上でユアンをアキノさんが抱きあげて回転している。身重な体なのだからあんまり無茶はしないでね。

「よし!アキノの問題も解決したし。悪い方の話をしようじゃないか」

 お父さんが手を叩いて仕切り直しと話し始めた。アキノさんとユアンもソファーに座りなおす。

「このまま、世界が繋がっていると引き合ってしまい世界が消滅してしまう」

「なんだいそりゃ」

 おばあちゃんは初耳なようだ。お母さんが耳打ちで説明していっている。おばあちゃんは残念そうな顔でうつむいてしまった。その姿を見て僕は悲しくなった。
 やっと会えて僕の子供を見せることができると思ったのに、こんなのないよ。


感想 296

あなたにおすすめの小説

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!