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第二章「dear my friend~砂絵のある部屋で~」3
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オーストラリアで暮らしていた頃の台所に比べれば、ずっと狭い調理台に立って、調理を始める。
一人で調理をしようと準備してきたが、静江さんが是非手伝わせてと申し出てくれたので、素直に従って手伝ってもらうことにした。
調理器具の位置から、冷蔵庫に入っている物まで一通り記憶している。
もちろん、忘れることもあれば迷うこともあるけど、オーストラリアでの暮らしで料理には慣れたこともあり、苦手を克服して好きになった。
包丁や火を使った調理もどうすれば危険でどうすれば安全か、それが分かってくれば不安も払拭できる。災害対策と同様にそれは知識と対策をしていれば、安全確保が可能であるということだ。
作ったものを食べて喜んでくれる人がいる、それだけでも好きになる理由になる。私は父に少しでも認めてもらいたくて料理を頑張った。
美味しいと言って完食してくれた日は嬉しかった思い出が記憶に残っている。
私と静江さんが横に並んで調理を開始すると、退屈になった恵美ちゃんが必要なものがあったら買い出しに行ってくると言ってくれたので、静江さんがフルーツポンチの材料を買って欲しいとお願いした。
静江さんがデザートにとわざわざ作ってくれるという。これはまた一つ楽しみが増えて私は気持ちが湧き立った。
「鶏肉の皮は残しておいていいのかしら?」
「大丈夫ですよ、皮まで美味しく食べちゃうのがいいと思います」
材料である野菜や鶏肉など刻んでいくが、お姉さんと二人暮らしをしているという静江さんは実に手際がいい。私が人参とジャガイモを刻んでいる間にブロッコリーとアスパラガスの下ごしらえを終えて、鶏肉を削ぎ切りに刻んでくれていた。
私達は半分ずつ分けてから玉ねぎを刻んで、目に染みる感覚を分け合った。
「静江さんはどんな材料をカレーに入れたりしますか?」
今日は主役の鶏むね肉だけでなく春野菜も材料に加えて具沢山に仕上げているが、静江さんの好みも気になって私は聞いた。
「そうね、季節によっては茄子や南瓜を入れるかしら。後はカツカレーにしたり、シーフードカレーにするのもまたいいわね。本場のカレーを再現したりはなかなか出来ないから。
ちなみに私はそれほど辛いのは好きじゃないけど、姉は辛いのが好きだから、出来上がったカレーに香辛料を入れてたりするわね」
「へぇ……私も辛いの苦手だったりするのでカレーはどちらかというと甘口ですね。
どれも家庭料理って感じで実に美味しそう。静江さんのことがまた一つ分かって良かったです」
私が微笑みながら言うと、静江さんも”うふふっ”と声を漏らして笑って応えてくれた。
調理は進み、恵美ちゃんが帰ってくる頃には材料を炒め終わり、沸騰した鍋に具材を入れて、IHクッキングヒーターで煮込んで行く段階に入っていた。
化粧品や洗面道具でよく使う便利な点字シールを貼るという手段もあるが、調味料などは少し味見をしてから入れれば入れ間違いは防げる。そういうことが分かって来たのも、料理に慣れてきた証拠だった。
パッケージの似ているカレールーに関しては、近所のスーパーまで同行してくれたヘルパーさんから説明を聞いて今回は選んでいて、普段一人で調理する時はそれほど気にしておらず、カレーを作ろうと思ったつもりがクリームシチューが出来上がる時もある。
自分の中でシャッフルしようと思っているわけではなくて、もしクリームシチューが出来上がっても美味しく食べる。そういう気持ちで臨むのも料理を楽しむ上では大切だと、これまで学んできた。
とはいえ、今日に関しては具沢山の美味しいチキンカレーをしっかり御馳走したいから、静江さんに手伝ってもらえたことは失敗する可能性が低くなり、大変ありがたいことだった。
濃厚な旨味とコクのあるスパイシーなチキンカレーが出来上がり、静江さんの作ってくれたフルーツポンチと一緒に盛り付けて、テーブルに運んでいく。
恵美ちゃんは匂いに釣られてテンション高く席について、早々に大きな歓声を上げて食べる前から喜んでくれた。
すっかり時刻は夕食時になり、お腹を空かせた私達は上機嫌で頂きますをしてチキンカレーを実食した。
嚙み締めると肉汁が滴る歯ごたえの良い鶏肉と具沢山のカレーは美味しく、二人とも満足してくれた。
栄養満点なチキンカレーをお腹いっぱい食べて、ゆったりしているとすっかり時間が過ぎていた。
静江さんは缶ビールとチューハイを持参して飲み干し、少し声も変わって眠たそうな雰囲気だった。私と恵美ちゃんはまだ未成年だからウーロン茶とジュースで済ました。
涼みにベランダに出ていた静江さんがすっかり外は暗くなって夜空が広がっていると教えてくれる。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく、私はスマホを握って時刻を確認して思った。
「そろそろ私は帰るわね。これ以上飲んで悪酔いするのも良くないから」
大人しく帰り支度を始める静江さん。あまり飲み過ぎるとふらついてしまって自分の足で帰れなくなるらしい。私はお酒を飲んだことがないから分からないことだけど、静江さんにはお酒で失敗した苦い経験があるらしい。
「ねぇ、今日はここに泊って行ってもいいかな?」
その声ははっきりと私の耳にまで届いた。
恵美ちゃんの声に間違いはない。自然なトーンに聞こえたけど、静江さんの動作が止まって部屋の音が一瞬掻き消されたような感覚を覚えた。
「私はいいけど、家に帰らなくて平気なの?
それに、ベッドは狭いからどちらかがソファーで寝ることになっちゃうけど」
反射的な予防線だったのかもしれない。自分でもよく分からないほどすぐに返しの言葉が頭から湧いて出てきた。
「あたしはソファーでいいから大丈夫だよ。
何だかこのまま家に帰っても名残惜しくて寂しくなっちゃいそうで」
その気持ちは分かると思い、私は自然な流れのまま恵美ちゃんが寮室に泊まることを承諾した。
「静江さんはこれで帰るんですよね?」
「そうするわ。明日もサポートスタッフで集まる用事があるから」
「お忙しいんですね……」
「新年度に入ってしばらくはね。休みの内にやっておきたいことってあるから」
勉強会とか色々あるのよと言って、静江さんは急に大人しくなってお別れを告げると、玄関にいるフェロッソにもお別れを言うと寮室を出て行った。
三回生ともなるとしっかりとした責任感を持って静江さんは真面目に学生サポートスタッフの支援や勉強会に取り組んでいるのだろう。それは今日までの日々を見ていて容易に想像が出来た。
残った私と恵美ちゃんは残った片付けを始めて、それが終わると交代でシャワーを浴びて、就寝準備を済ませた。
「本当にソファーでいいの?」
「いいって、遠慮は抜きよ。慶誠の学友となった友達同士なんだから」
恵美ちゃんの口調に目立った変化はなかった。余計な心配をしているのは私だけのようだ。
寝間着を貸そうにもサイズが合う服がないにもかかわらず本当に泊っていく覚悟を決めているみたい。
私は少し寝相が悪いから眠っている間にソファーから落ちてフローリングで寝てしまうことになる。だから私がベッドで寝るのが安全であることに変わりはなかった。
「それじゃあ、消灯するね」
「ええ、おやすみなさい、郁恵。今日はお疲れ様、チキンカレー美味しかったわ」
「うん、ありがとう恵美ちゃん。不安だったけど恵美ちゃんも静江さんも喜んでくれて嬉しかった」
恵美ちゃんと言葉を交わし、胸が熱くなる思いで電気を消す。
見えない私でも出来ることがある、二人に喜んでもらうことが出来る。
それは私に勇気をくれることで、生きている実感をもたらしてくれるものだった。
一人で調理をしようと準備してきたが、静江さんが是非手伝わせてと申し出てくれたので、素直に従って手伝ってもらうことにした。
調理器具の位置から、冷蔵庫に入っている物まで一通り記憶している。
もちろん、忘れることもあれば迷うこともあるけど、オーストラリアでの暮らしで料理には慣れたこともあり、苦手を克服して好きになった。
包丁や火を使った調理もどうすれば危険でどうすれば安全か、それが分かってくれば不安も払拭できる。災害対策と同様にそれは知識と対策をしていれば、安全確保が可能であるということだ。
作ったものを食べて喜んでくれる人がいる、それだけでも好きになる理由になる。私は父に少しでも認めてもらいたくて料理を頑張った。
美味しいと言って完食してくれた日は嬉しかった思い出が記憶に残っている。
私と静江さんが横に並んで調理を開始すると、退屈になった恵美ちゃんが必要なものがあったら買い出しに行ってくると言ってくれたので、静江さんがフルーツポンチの材料を買って欲しいとお願いした。
静江さんがデザートにとわざわざ作ってくれるという。これはまた一つ楽しみが増えて私は気持ちが湧き立った。
「鶏肉の皮は残しておいていいのかしら?」
「大丈夫ですよ、皮まで美味しく食べちゃうのがいいと思います」
材料である野菜や鶏肉など刻んでいくが、お姉さんと二人暮らしをしているという静江さんは実に手際がいい。私が人参とジャガイモを刻んでいる間にブロッコリーとアスパラガスの下ごしらえを終えて、鶏肉を削ぎ切りに刻んでくれていた。
私達は半分ずつ分けてから玉ねぎを刻んで、目に染みる感覚を分け合った。
「静江さんはどんな材料をカレーに入れたりしますか?」
今日は主役の鶏むね肉だけでなく春野菜も材料に加えて具沢山に仕上げているが、静江さんの好みも気になって私は聞いた。
「そうね、季節によっては茄子や南瓜を入れるかしら。後はカツカレーにしたり、シーフードカレーにするのもまたいいわね。本場のカレーを再現したりはなかなか出来ないから。
ちなみに私はそれほど辛いのは好きじゃないけど、姉は辛いのが好きだから、出来上がったカレーに香辛料を入れてたりするわね」
「へぇ……私も辛いの苦手だったりするのでカレーはどちらかというと甘口ですね。
どれも家庭料理って感じで実に美味しそう。静江さんのことがまた一つ分かって良かったです」
私が微笑みながら言うと、静江さんも”うふふっ”と声を漏らして笑って応えてくれた。
調理は進み、恵美ちゃんが帰ってくる頃には材料を炒め終わり、沸騰した鍋に具材を入れて、IHクッキングヒーターで煮込んで行く段階に入っていた。
化粧品や洗面道具でよく使う便利な点字シールを貼るという手段もあるが、調味料などは少し味見をしてから入れれば入れ間違いは防げる。そういうことが分かって来たのも、料理に慣れてきた証拠だった。
パッケージの似ているカレールーに関しては、近所のスーパーまで同行してくれたヘルパーさんから説明を聞いて今回は選んでいて、普段一人で調理する時はそれほど気にしておらず、カレーを作ろうと思ったつもりがクリームシチューが出来上がる時もある。
自分の中でシャッフルしようと思っているわけではなくて、もしクリームシチューが出来上がっても美味しく食べる。そういう気持ちで臨むのも料理を楽しむ上では大切だと、これまで学んできた。
とはいえ、今日に関しては具沢山の美味しいチキンカレーをしっかり御馳走したいから、静江さんに手伝ってもらえたことは失敗する可能性が低くなり、大変ありがたいことだった。
濃厚な旨味とコクのあるスパイシーなチキンカレーが出来上がり、静江さんの作ってくれたフルーツポンチと一緒に盛り付けて、テーブルに運んでいく。
恵美ちゃんは匂いに釣られてテンション高く席について、早々に大きな歓声を上げて食べる前から喜んでくれた。
すっかり時刻は夕食時になり、お腹を空かせた私達は上機嫌で頂きますをしてチキンカレーを実食した。
嚙み締めると肉汁が滴る歯ごたえの良い鶏肉と具沢山のカレーは美味しく、二人とも満足してくれた。
栄養満点なチキンカレーをお腹いっぱい食べて、ゆったりしているとすっかり時間が過ぎていた。
静江さんは缶ビールとチューハイを持参して飲み干し、少し声も変わって眠たそうな雰囲気だった。私と恵美ちゃんはまだ未成年だからウーロン茶とジュースで済ました。
涼みにベランダに出ていた静江さんがすっかり外は暗くなって夜空が広がっていると教えてくれる。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく、私はスマホを握って時刻を確認して思った。
「そろそろ私は帰るわね。これ以上飲んで悪酔いするのも良くないから」
大人しく帰り支度を始める静江さん。あまり飲み過ぎるとふらついてしまって自分の足で帰れなくなるらしい。私はお酒を飲んだことがないから分からないことだけど、静江さんにはお酒で失敗した苦い経験があるらしい。
「ねぇ、今日はここに泊って行ってもいいかな?」
その声ははっきりと私の耳にまで届いた。
恵美ちゃんの声に間違いはない。自然なトーンに聞こえたけど、静江さんの動作が止まって部屋の音が一瞬掻き消されたような感覚を覚えた。
「私はいいけど、家に帰らなくて平気なの?
それに、ベッドは狭いからどちらかがソファーで寝ることになっちゃうけど」
反射的な予防線だったのかもしれない。自分でもよく分からないほどすぐに返しの言葉が頭から湧いて出てきた。
「あたしはソファーでいいから大丈夫だよ。
何だかこのまま家に帰っても名残惜しくて寂しくなっちゃいそうで」
その気持ちは分かると思い、私は自然な流れのまま恵美ちゃんが寮室に泊まることを承諾した。
「静江さんはこれで帰るんですよね?」
「そうするわ。明日もサポートスタッフで集まる用事があるから」
「お忙しいんですね……」
「新年度に入ってしばらくはね。休みの内にやっておきたいことってあるから」
勉強会とか色々あるのよと言って、静江さんは急に大人しくなってお別れを告げると、玄関にいるフェロッソにもお別れを言うと寮室を出て行った。
三回生ともなるとしっかりとした責任感を持って静江さんは真面目に学生サポートスタッフの支援や勉強会に取り組んでいるのだろう。それは今日までの日々を見ていて容易に想像が出来た。
残った私と恵美ちゃんは残った片付けを始めて、それが終わると交代でシャワーを浴びて、就寝準備を済ませた。
「本当にソファーでいいの?」
「いいって、遠慮は抜きよ。慶誠の学友となった友達同士なんだから」
恵美ちゃんの口調に目立った変化はなかった。余計な心配をしているのは私だけのようだ。
寝間着を貸そうにもサイズが合う服がないにもかかわらず本当に泊っていく覚悟を決めているみたい。
私は少し寝相が悪いから眠っている間にソファーから落ちてフローリングで寝てしまうことになる。だから私がベッドで寝るのが安全であることに変わりはなかった。
「それじゃあ、消灯するね」
「ええ、おやすみなさい、郁恵。今日はお疲れ様、チキンカレー美味しかったわ」
「うん、ありがとう恵美ちゃん。不安だったけど恵美ちゃんも静江さんも喜んでくれて嬉しかった」
恵美ちゃんと言葉を交わし、胸が熱くなる思いで電気を消す。
見えない私でも出来ることがある、二人に喜んでもらうことが出来る。
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