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一章
5話 懐悪・悪折②
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「ってわけで、やり過ぎたらこうするわよ。分かった?」
部屋を出た私は……後ろから付いてきているマリンにそう声をかける。
オルカは必死過ぎて気づいていなかったようだが、マリンは隣でさっきの光景を見ていた。
あの地獄を。
「下のアレは知らなかったみたいだし、私を助けてくれようとしたから今回は見逃すわ」
マリンは黙ったまま何も反応しない。かなりビビっているようだ。
やった本人である私ですら、怒りに任せてほんの少しやりすぎたかと思っているのだ。端で見ていた彼はさぞショックが大きいだろう。
「ったく、酷いモン見せられたわ」
私はそう吐き捨てて階段を上がる。するとそこには、優雅にお茶を飲むカーリーの姿があった。
「お疲れ様です、イザベル様」
お茶菓子まで用意してまったりモードだ。彼女のそんな呑気な姿を見て、私はちょっと力が抜ける。
「女の子たちは?」
私が尋ねると、カーリーはクッキーを食べながら(箱の感じからしてかなりの高級品ね)、上の階を指さした。
「上で寝かせてます。彼女たちはどうするつもりなんですか?」
「……まぁ、うちで預かるしか無いかしらね」
ため息をつく。
この世界の常識では、麻薬依存症治療の概念は無い。医者も金にならない患者なんて気にしないし、そもそもメソッドも無いだろう。
普通の病気や怪我に対する治療は、魔法がある分前の世界よりも優秀だけどね。
「そんなお金無いですよ?」
「そこはどうにかするわよ。部屋は余ってるし」
アザレア邸にはそれなりに大きい部屋がいくつかあるし、本来なら使用人が住み込みする部屋も空いてる。三十人程度だし、なんとかなるだろう。
カーリーは「了解です~」と言って残りの紅茶を飲み干した。
そして立ち上がり、首を傾げる。
「そういえばボクに先に戻れって……何してたんですか?」
無邪気な目で問うてくるカーリー。私は一瞬だけ迷ってから、笑顔で首を振った。
「なんでもないわ」
いくら転生者とはいえ、カーリーはまだ子供。あんな光景を見せた後に意味は無いかもしれないが、それでもやはりさっきの地獄を見せることは躊躇われた。
(彼女のことだし、気にしないだろうけど)
この辺は私のわがままだ。
「あの……」
ずっと押し黙っていたマリンが、背後から話しかけてきた。
私が振り向くと――一瞬で彼は両手をついて地面に頭をつけた。
端的に言うと、ジャンピング土下座である。
「イザベル様……いや、イザベル姐さん! オレを、オレを弟子にしてください!!」
「はぁ!?」
唐突な発言に私が素っ頓狂な声をあげると、マリンはうっとりした表情で私の手を握った。
「強さ、気高さ、美しさ! それだけじゃない、あの圧倒的なまでの容赦の無さ! 乗り込んでくる胆力! 人を人とも思わぬドSっぷりはまさに女傑! 男が|漢(おとこ)に惚れるっていうのはこういうことだ! 姐さん、オレを弟子にしてください!」
男じゃないわよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
そう叫びたくなる気持ちを抑え、思いっきり首を振る。
「な、なに言ってんのよあんた」
「そもそも、弟子って何をするんですか……?」
「オレも貴方みたいな悪党に……! 小物じゃない、本物の悪党になりたいんです!」
なんか変な方向に尊敬されている!?
「い、いやいや……止めた方がいいんじゃないですか……? イザベル様、結構我儘ですよ?」
カーリーが困惑した表情のまま、マリンに話しかける。私はどっちかっていうとアンタの我儘に付き合わされている立場な気がするんだけど。
しかしマーリンはめげない。それどころかキメ顔で歯を見せて笑った。
「むしろ、それがイイ」
ダメだこいつ、早く何とかしないと。
「オレはさっきあんたにぶっ飛ばされて思ったんだ。自分より強い女に殴られるのも……イイって」
変な方向に目覚めてる!?
これから先、人手が大量にいるし、お金も必要なのだ。ここで変な……それもヤクザあがりの人間を雇うわけにはいかない。いくら顔が女の子っぽくてかわいいとはいえ。
「マリン、弟子って言うけどね……」
断ろうとして、ハタと思い直す。
お金はいるが、それ以上に人手もいるのだ。そう考えると、こいつは割と使えるんじゃないか。
カーリーが私の目を見てどうすべきか問うてきているので、私は咳払いしてから頭を下げているマリンの頭を踏みつけた。
「えっ」
「うっ……」
ちょっと嬉しそうな声を出すマリン。横でカーリーがドン引いているけど、私はスルーしてマリンに話しかける。
「弟子ね、いいわよ。その代わりあんた、明日までに百万ミラ持ってきなさい」
「百万……ですか……!」
何言ってんだあんた、みたいな目で見てくるカーリー。私はやっぱりそれを無視して、踏みつけている頭に力を加える。
「あのねー、私はこれでも領主よ。あんたみたいなヤクザあがり、金を払ってもお断りなのよ」
「そ、そんな! オレ、何でもやります! なんでもできます!」
顔をあげるマリン。私はその顔を踏みつけ、ニヤリと笑った。
「ん? なんでもやるって言ったわよね?」
「え、は、はい! なんでもやります!」
「そう。――じゃあ、特別に無料で弟子にしてあげるわ。しかもご飯は食べさせてあげる」
私が足を外してやれやれといった雰囲気でそう言うと、マリンは嬉しそうに笑顔を見せた。
「本当ですか!?」
「もちろん。……その代わり、必ずこっちが指定した服装をすること。いいわね?」
「制服ってことッスね、お安い御用です!」
やる気に満ちた表情で拳を握ったマリン。うむうむ、若い者にやる気があるのはいいことね。
「じゃあカーリー、後でサイズを測っといて。それまではうちにある服を着せるわ」
「わかりましたけど、彼は華奢すぎてうちにある執事服はどれもぶかぶかだと思いますよ?」
こっちの世界の男性、体格がいい人多いからね。マリンは女の子くらい細身だし、普通の執事服じゃサイズが合わないだろう。
執事服なら。
「何言ってるの。メイド服に決まってるじゃない。絶対似合うわよ」
手を打って「その手があったか!」みたいな顔になるカーリー。
「メイド服! いいですね、テンション上がりますよそれは! あ、それ着せるならお化粧もさせたいですね」
「いらないでしょ、可愛いし」
肌も綺麗だし、メイドのプリムはよく映えるだろう。
私達の話を聞いているマリンは少しだけ黙ってから、覚悟を決めたように頷いた。
「オレみたいな男らしい顔立ちの人間に似合うとは思えませんが、姐さんの趣味だと言うなら……!」
(え、自分の顔のこと男らしいと思ってるの!?)
認知の歪みというのはなかなか面白いわね。まぁ、ちゃんとメス落ちするまでしっかり女装させよう。
私は頷いてから、彼の肩に手を置いた。
「じゃあこれで決まりね。あ、住み込みだから明日からよろしく」
「す、住み込みですか!? い、いいんですか」
目を輝かせるマリンと、ちょっと首を傾げるカーリー。肘で私の腹をつつく。
「(いいんですか? ボクらを騙して潜り込む気なのかもしれませんよ)」
小声で問うてくるカーリー。私はやれやれと思いながら、彼女の鼻をつまむ。
「(だからこそよ。暫く手元で監視するわ。あんな外道の息子なんだもの、何を企んでるかわかりゃしないわ)」
私が寝てても、アクアたちに監視させるから寝首をかかれる心配は無い。
本当に私達の味方になってくれるなら、戦闘力的にも人脈的にも容姿的にも頼れる味方になってくれるだろうしね。
「にしてもあんた、父親の仇に弟子入りなんて思い切るわね」
私のため息交じりのセリフに、マリンは笑って答える。
「いや別にオレ、血が繋がってるわけでもないんすよ。そりゃ育ててはもらいましたけど、地下のアレは擁護出来ませんし」
「あんた養子だったのね」
道理で似てないと思った。
「養子ともちょっと違うんすよね。オレ、組織に作られた人間なんで」
また出た、組織。
ゲームでは聞いたことがない単語だし、普通に生きてても聞き覚えがない。
ちらっとカーリーを見るけど、首を振っている。彼女もやはり知らないようだ。
「その組織ってのは何なのよ」
「何って言われても、オレもよく分かんないんすよね。オレは組織の改造人間だと初期型っすから」
初期型ってあんた。なのになんで知らないのよ。しかも改造人間って割にはジェイソンみたいに特殊能力があるふうでも無いし。
私の困惑顔を察したのか、マリンが手と首を勢いよく振る。
「そ、そうは言ってもあれっすから。オレが組織にいたのってまだ物心つく前なんすよ。理屈はよく分からないっすけど、オレは優秀な母体に優秀なタネを蒔いて作るって感じだったんで。そんで後は薬をドバドバ使って身体能力と魔力を上げる、みたいな。だからジェイソンみたいな特殊能力は無いんすよ」
なるほど。
改造人間というよりもデザイナーズベビーなのね。それならあの異様に高い身体能力も納得がいく。
「いや、オレはまぁアレなんすけど……組織に作られた奴以外にオレ、力負けしたこと無いんすよ。イザベル様、なんでオレより脚力あるんすか?」
……冷静に考えたら、デザイナーズベビーより身体能力があるこの体ヤバいわね。流石は公式チート、『ダンプリ』界のバランスブレイカー。
「最高傑作の十三体の一人って言ってたし、ああいうのが後十二人いるのね」
ジェイソンを倒せたのは初見殺しの部分が大きいし、出来ればもう戦いたくない。まぁここから先はそんなに戦うことも多くないだろうけど。
私が渋い顔をしていると、カーリーが首を傾げる。
「あれ? でもジェイソンはどう見ても魔道具と合体してましたよね。アレも同じように作られてたんですか?」
「え、あいつって魔道具と合体してたの?」
改造って言っても体をバッタとかにするんじゃなくて、そんな雑な作りだったのか。
「ボクは魔法使いであって、魔道具は門外漢なんで詳しくは無いですけど……あの魔力の動き方は魔道具でしたね」
この言い方、大学の教授発表会を思い出すわね。なにが専門外なのよ何が、というかその場に呼ばれてる時点で素人じゃないのは確定してんだからそんな言い方しないでよ。
私に苦い記憶がフラッシュバックしているのもおかまいなしに、カーリーは続ける。
「一方、マリンさんは『極めて優秀なだけの普通の人間』です。この差はなんなんでしょうか」
「なんか一昨年くらいに『賢者の石』とかいうのを手に入れてから、研究の方向がシフトしたみたいっす。そんで親父……オルカは大金つぎ込んでたみたいっすね」
「「『賢者の石』!?」」
私とカーリーが同時に聞き返す。そんなおとぎ話にしか出てこないようなアイテム、『ダンプリ』のゲームじゃ一度も見たこと無いわよ。
「あれって最高位の錬金術師にしか作れないチートアイテムですよ……しかも錬金術師なんていまどきいませんし」
「あらそうなの」
「イザベル様、大学で『物理、生物、化学の三分野を同時に専攻』した奴が全部の分野で博士号取れると思います?」
「出来る人はいるんじゃない? 普通は無理だと思うけど」
勉強量が絶対に足りないだろう。
「錬金術師ってそういう感じなんですよ。それくらいして初めて錬金術師のスタートラインなんです」
なるほど、そりゃ無理ね。
「まぁそれで今は改造人間をガンガン作って、売ってるらしいっす。さっき姐さんたちが一蹴した奴らの中にも何人か改造人間いたんすよ。まるで相手になってなかったっすけど……」
「そりゃ私たち、最強だから」
「悪役令嬢もので片方闇落ちしそうなセリフが出るとは思いませんでしたね」
「あんたのことは闇落ちさせないわよ」
「既に闇落ちしてそうなイザベル様が言うと説得力無いですねー」
こいつ一回締め落としてやろうかしら。
というか、悪役令嬢且つ内政物なのにヤクザをしばきに行くって……ジャンルが迷走してるわね。仕方ないことだけど。
「ってことは組織には凄腕の錬金術師がいる、と。それでそいつのせいでヤクザが力を伸ばしてるわけね」
「どっちかっていうと、姐さんが領地騎士団を無くしたから親父たちみたいなクズが力を伸ばして、その金で組織が伸びてる感じっすよ」
それは私じゃなくてイザベル(真)の罪だ。こっちに糾弾されても困る。
……と言いたいところだけど、責任の所在を明確化しても、その罪を償える人間はこの場にいない。であれば、私が彼女の分も働かねばならないのだ。
「うーん、単純に壊滅させたいなら場所を見つけて乗り込めばいいんでしょうけど、ジェイソンみたいなのがあと十二人もいると思ったらキモくないですか?」
キモいわね。
キモいし、面倒よ。
「極力関わり合いになりたくないけど、この街で金を儲けようってんなら先に対処しないといけなそうねぇ」
「まぁ平行してやっていけばいいんじゃないですか? だって今、解決したのってカムカム商会の借金だけですし」
「うぐぐぐ……そうなのよね」
金を稼がないと話にならない。四日後に税金は入ってくるけれど、それらは治水の金で吹っ飛ぶ。
他の借金もどうにかやりくりしつつ返さないと……。
「でも取り合えず、カムカム商会は乗っ取れるし。ここを起点にして金融会社を作るわよ」
「え、本気なんですかそれ」
「当たり前じゃない」
金を儲けるには、商品を仕入れて売る必要がある。
この世で最も原価が安いのは金だ。ならば、金を売るのが一番手っ取り早い。
「この国にはローン会社って概念が無い。まずはローン会社と個人向けの消費者金融、そこから銀行を作って――照会ギルドと提携するわよ」
「でも金はどっから引っ張ってくるんすか? 親父が頼りにしてた金主は、頭がイザベル様にすり替わったと分かれば即座に手ぇ引きますよ?」
流石にオルカの仕事を手伝ってたことだけのことはある。金主とかの概念を理解しているなんてね。
フィンテックなんて概念無いし、やり取りは現金だ。つまり大量の現金を右から左に出来る奴と協力する必要がある。
「それ以外の金の出どころもあるんでしょうけど、オレが知ってるのは金貸しだけっすからね。取り立てと勘定ばっかしてたんで」
「金勘定出来るならそれで十二分。私はある程度財務出来るけど、会計は微妙なラインだし」
出来なくはないけれど、本職にはかなわない。実務経験がある人にやってもらう方が良い。
「ボクお金のことは分からないですからねー」
ほのぼのとした声を出すカーリー。あんたには別のことで活躍してもらうわよ。
「あ、あとは娼館街の一部もオレは管理してたんで……そっちを合法な奴にするのが手っ取り早いかもっす」
「ん、いいわねマリン!」
それは良い。
ゆくゆくは娼館街にも手を入れて、全部国営化……ならぬ領営化してしまおう。取り締まると、どんどんアングラになっちゃうからね。
合法にして、値段ごとにランクを付けて……ってすれば、多少は裏に潜るのを抑えられるでしょう。
ゼロには出来ないけれど、努力で無くすことは出来る。
「さて、それじゃあ帰りましょうか。マリン、あんたは今日からうちで働くのよ」
「はい! 弟子入りを許していただいて、ありがとうございます!」
素直に礼を言えるいい子ね。
私が彼にどんな服を着せてやろうか悩んでいると、カーリーが呟く。
「あれ? 働かせるならそれは弟子じゃなくて雇用じゃ……」
「気づいちゃいけないわよカーリー」
上手く騙して仲間にしたんだから言っちゃ駄目でしょ!
部屋を出た私は……後ろから付いてきているマリンにそう声をかける。
オルカは必死過ぎて気づいていなかったようだが、マリンは隣でさっきの光景を見ていた。
あの地獄を。
「下のアレは知らなかったみたいだし、私を助けてくれようとしたから今回は見逃すわ」
マリンは黙ったまま何も反応しない。かなりビビっているようだ。
やった本人である私ですら、怒りに任せてほんの少しやりすぎたかと思っているのだ。端で見ていた彼はさぞショックが大きいだろう。
「ったく、酷いモン見せられたわ」
私はそう吐き捨てて階段を上がる。するとそこには、優雅にお茶を飲むカーリーの姿があった。
「お疲れ様です、イザベル様」
お茶菓子まで用意してまったりモードだ。彼女のそんな呑気な姿を見て、私はちょっと力が抜ける。
「女の子たちは?」
私が尋ねると、カーリーはクッキーを食べながら(箱の感じからしてかなりの高級品ね)、上の階を指さした。
「上で寝かせてます。彼女たちはどうするつもりなんですか?」
「……まぁ、うちで預かるしか無いかしらね」
ため息をつく。
この世界の常識では、麻薬依存症治療の概念は無い。医者も金にならない患者なんて気にしないし、そもそもメソッドも無いだろう。
普通の病気や怪我に対する治療は、魔法がある分前の世界よりも優秀だけどね。
「そんなお金無いですよ?」
「そこはどうにかするわよ。部屋は余ってるし」
アザレア邸にはそれなりに大きい部屋がいくつかあるし、本来なら使用人が住み込みする部屋も空いてる。三十人程度だし、なんとかなるだろう。
カーリーは「了解です~」と言って残りの紅茶を飲み干した。
そして立ち上がり、首を傾げる。
「そういえばボクに先に戻れって……何してたんですか?」
無邪気な目で問うてくるカーリー。私は一瞬だけ迷ってから、笑顔で首を振った。
「なんでもないわ」
いくら転生者とはいえ、カーリーはまだ子供。あんな光景を見せた後に意味は無いかもしれないが、それでもやはりさっきの地獄を見せることは躊躇われた。
(彼女のことだし、気にしないだろうけど)
この辺は私のわがままだ。
「あの……」
ずっと押し黙っていたマリンが、背後から話しかけてきた。
私が振り向くと――一瞬で彼は両手をついて地面に頭をつけた。
端的に言うと、ジャンピング土下座である。
「イザベル様……いや、イザベル姐さん! オレを、オレを弟子にしてください!!」
「はぁ!?」
唐突な発言に私が素っ頓狂な声をあげると、マリンはうっとりした表情で私の手を握った。
「強さ、気高さ、美しさ! それだけじゃない、あの圧倒的なまでの容赦の無さ! 乗り込んでくる胆力! 人を人とも思わぬドSっぷりはまさに女傑! 男が|漢(おとこ)に惚れるっていうのはこういうことだ! 姐さん、オレを弟子にしてください!」
男じゃないわよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
そう叫びたくなる気持ちを抑え、思いっきり首を振る。
「な、なに言ってんのよあんた」
「そもそも、弟子って何をするんですか……?」
「オレも貴方みたいな悪党に……! 小物じゃない、本物の悪党になりたいんです!」
なんか変な方向に尊敬されている!?
「い、いやいや……止めた方がいいんじゃないですか……? イザベル様、結構我儘ですよ?」
カーリーが困惑した表情のまま、マリンに話しかける。私はどっちかっていうとアンタの我儘に付き合わされている立場な気がするんだけど。
しかしマーリンはめげない。それどころかキメ顔で歯を見せて笑った。
「むしろ、それがイイ」
ダメだこいつ、早く何とかしないと。
「オレはさっきあんたにぶっ飛ばされて思ったんだ。自分より強い女に殴られるのも……イイって」
変な方向に目覚めてる!?
これから先、人手が大量にいるし、お金も必要なのだ。ここで変な……それもヤクザあがりの人間を雇うわけにはいかない。いくら顔が女の子っぽくてかわいいとはいえ。
「マリン、弟子って言うけどね……」
断ろうとして、ハタと思い直す。
お金はいるが、それ以上に人手もいるのだ。そう考えると、こいつは割と使えるんじゃないか。
カーリーが私の目を見てどうすべきか問うてきているので、私は咳払いしてから頭を下げているマリンの頭を踏みつけた。
「えっ」
「うっ……」
ちょっと嬉しそうな声を出すマリン。横でカーリーがドン引いているけど、私はスルーしてマリンに話しかける。
「弟子ね、いいわよ。その代わりあんた、明日までに百万ミラ持ってきなさい」
「百万……ですか……!」
何言ってんだあんた、みたいな目で見てくるカーリー。私はやっぱりそれを無視して、踏みつけている頭に力を加える。
「あのねー、私はこれでも領主よ。あんたみたいなヤクザあがり、金を払ってもお断りなのよ」
「そ、そんな! オレ、何でもやります! なんでもできます!」
顔をあげるマリン。私はその顔を踏みつけ、ニヤリと笑った。
「ん? なんでもやるって言ったわよね?」
「え、は、はい! なんでもやります!」
「そう。――じゃあ、特別に無料で弟子にしてあげるわ。しかもご飯は食べさせてあげる」
私が足を外してやれやれといった雰囲気でそう言うと、マリンは嬉しそうに笑顔を見せた。
「本当ですか!?」
「もちろん。……その代わり、必ずこっちが指定した服装をすること。いいわね?」
「制服ってことッスね、お安い御用です!」
やる気に満ちた表情で拳を握ったマリン。うむうむ、若い者にやる気があるのはいいことね。
「じゃあカーリー、後でサイズを測っといて。それまではうちにある服を着せるわ」
「わかりましたけど、彼は華奢すぎてうちにある執事服はどれもぶかぶかだと思いますよ?」
こっちの世界の男性、体格がいい人多いからね。マリンは女の子くらい細身だし、普通の執事服じゃサイズが合わないだろう。
執事服なら。
「何言ってるの。メイド服に決まってるじゃない。絶対似合うわよ」
手を打って「その手があったか!」みたいな顔になるカーリー。
「メイド服! いいですね、テンション上がりますよそれは! あ、それ着せるならお化粧もさせたいですね」
「いらないでしょ、可愛いし」
肌も綺麗だし、メイドのプリムはよく映えるだろう。
私達の話を聞いているマリンは少しだけ黙ってから、覚悟を決めたように頷いた。
「オレみたいな男らしい顔立ちの人間に似合うとは思えませんが、姐さんの趣味だと言うなら……!」
(え、自分の顔のこと男らしいと思ってるの!?)
認知の歪みというのはなかなか面白いわね。まぁ、ちゃんとメス落ちするまでしっかり女装させよう。
私は頷いてから、彼の肩に手を置いた。
「じゃあこれで決まりね。あ、住み込みだから明日からよろしく」
「す、住み込みですか!? い、いいんですか」
目を輝かせるマリンと、ちょっと首を傾げるカーリー。肘で私の腹をつつく。
「(いいんですか? ボクらを騙して潜り込む気なのかもしれませんよ)」
小声で問うてくるカーリー。私はやれやれと思いながら、彼女の鼻をつまむ。
「(だからこそよ。暫く手元で監視するわ。あんな外道の息子なんだもの、何を企んでるかわかりゃしないわ)」
私が寝てても、アクアたちに監視させるから寝首をかかれる心配は無い。
本当に私達の味方になってくれるなら、戦闘力的にも人脈的にも容姿的にも頼れる味方になってくれるだろうしね。
「にしてもあんた、父親の仇に弟子入りなんて思い切るわね」
私のため息交じりのセリフに、マリンは笑って答える。
「いや別にオレ、血が繋がってるわけでもないんすよ。そりゃ育ててはもらいましたけど、地下のアレは擁護出来ませんし」
「あんた養子だったのね」
道理で似てないと思った。
「養子ともちょっと違うんすよね。オレ、組織に作られた人間なんで」
また出た、組織。
ゲームでは聞いたことがない単語だし、普通に生きてても聞き覚えがない。
ちらっとカーリーを見るけど、首を振っている。彼女もやはり知らないようだ。
「その組織ってのは何なのよ」
「何って言われても、オレもよく分かんないんすよね。オレは組織の改造人間だと初期型っすから」
初期型ってあんた。なのになんで知らないのよ。しかも改造人間って割にはジェイソンみたいに特殊能力があるふうでも無いし。
私の困惑顔を察したのか、マリンが手と首を勢いよく振る。
「そ、そうは言ってもあれっすから。オレが組織にいたのってまだ物心つく前なんすよ。理屈はよく分からないっすけど、オレは優秀な母体に優秀なタネを蒔いて作るって感じだったんで。そんで後は薬をドバドバ使って身体能力と魔力を上げる、みたいな。だからジェイソンみたいな特殊能力は無いんすよ」
なるほど。
改造人間というよりもデザイナーズベビーなのね。それならあの異様に高い身体能力も納得がいく。
「いや、オレはまぁアレなんすけど……組織に作られた奴以外にオレ、力負けしたこと無いんすよ。イザベル様、なんでオレより脚力あるんすか?」
……冷静に考えたら、デザイナーズベビーより身体能力があるこの体ヤバいわね。流石は公式チート、『ダンプリ』界のバランスブレイカー。
「最高傑作の十三体の一人って言ってたし、ああいうのが後十二人いるのね」
ジェイソンを倒せたのは初見殺しの部分が大きいし、出来ればもう戦いたくない。まぁここから先はそんなに戦うことも多くないだろうけど。
私が渋い顔をしていると、カーリーが首を傾げる。
「あれ? でもジェイソンはどう見ても魔道具と合体してましたよね。アレも同じように作られてたんですか?」
「え、あいつって魔道具と合体してたの?」
改造って言っても体をバッタとかにするんじゃなくて、そんな雑な作りだったのか。
「ボクは魔法使いであって、魔道具は門外漢なんで詳しくは無いですけど……あの魔力の動き方は魔道具でしたね」
この言い方、大学の教授発表会を思い出すわね。なにが専門外なのよ何が、というかその場に呼ばれてる時点で素人じゃないのは確定してんだからそんな言い方しないでよ。
私に苦い記憶がフラッシュバックしているのもおかまいなしに、カーリーは続ける。
「一方、マリンさんは『極めて優秀なだけの普通の人間』です。この差はなんなんでしょうか」
「なんか一昨年くらいに『賢者の石』とかいうのを手に入れてから、研究の方向がシフトしたみたいっす。そんで親父……オルカは大金つぎ込んでたみたいっすね」
「「『賢者の石』!?」」
私とカーリーが同時に聞き返す。そんなおとぎ話にしか出てこないようなアイテム、『ダンプリ』のゲームじゃ一度も見たこと無いわよ。
「あれって最高位の錬金術師にしか作れないチートアイテムですよ……しかも錬金術師なんていまどきいませんし」
「あらそうなの」
「イザベル様、大学で『物理、生物、化学の三分野を同時に専攻』した奴が全部の分野で博士号取れると思います?」
「出来る人はいるんじゃない? 普通は無理だと思うけど」
勉強量が絶対に足りないだろう。
「錬金術師ってそういう感じなんですよ。それくらいして初めて錬金術師のスタートラインなんです」
なるほど、そりゃ無理ね。
「まぁそれで今は改造人間をガンガン作って、売ってるらしいっす。さっき姐さんたちが一蹴した奴らの中にも何人か改造人間いたんすよ。まるで相手になってなかったっすけど……」
「そりゃ私たち、最強だから」
「悪役令嬢もので片方闇落ちしそうなセリフが出るとは思いませんでしたね」
「あんたのことは闇落ちさせないわよ」
「既に闇落ちしてそうなイザベル様が言うと説得力無いですねー」
こいつ一回締め落としてやろうかしら。
というか、悪役令嬢且つ内政物なのにヤクザをしばきに行くって……ジャンルが迷走してるわね。仕方ないことだけど。
「ってことは組織には凄腕の錬金術師がいる、と。それでそいつのせいでヤクザが力を伸ばしてるわけね」
「どっちかっていうと、姐さんが領地騎士団を無くしたから親父たちみたいなクズが力を伸ばして、その金で組織が伸びてる感じっすよ」
それは私じゃなくてイザベル(真)の罪だ。こっちに糾弾されても困る。
……と言いたいところだけど、責任の所在を明確化しても、その罪を償える人間はこの場にいない。であれば、私が彼女の分も働かねばならないのだ。
「うーん、単純に壊滅させたいなら場所を見つけて乗り込めばいいんでしょうけど、ジェイソンみたいなのがあと十二人もいると思ったらキモくないですか?」
キモいわね。
キモいし、面倒よ。
「極力関わり合いになりたくないけど、この街で金を儲けようってんなら先に対処しないといけなそうねぇ」
「まぁ平行してやっていけばいいんじゃないですか? だって今、解決したのってカムカム商会の借金だけですし」
「うぐぐぐ……そうなのよね」
金を稼がないと話にならない。四日後に税金は入ってくるけれど、それらは治水の金で吹っ飛ぶ。
他の借金もどうにかやりくりしつつ返さないと……。
「でも取り合えず、カムカム商会は乗っ取れるし。ここを起点にして金融会社を作るわよ」
「え、本気なんですかそれ」
「当たり前じゃない」
金を儲けるには、商品を仕入れて売る必要がある。
この世で最も原価が安いのは金だ。ならば、金を売るのが一番手っ取り早い。
「この国にはローン会社って概念が無い。まずはローン会社と個人向けの消費者金融、そこから銀行を作って――照会ギルドと提携するわよ」
「でも金はどっから引っ張ってくるんすか? 親父が頼りにしてた金主は、頭がイザベル様にすり替わったと分かれば即座に手ぇ引きますよ?」
流石にオルカの仕事を手伝ってたことだけのことはある。金主とかの概念を理解しているなんてね。
フィンテックなんて概念無いし、やり取りは現金だ。つまり大量の現金を右から左に出来る奴と協力する必要がある。
「それ以外の金の出どころもあるんでしょうけど、オレが知ってるのは金貸しだけっすからね。取り立てと勘定ばっかしてたんで」
「金勘定出来るならそれで十二分。私はある程度財務出来るけど、会計は微妙なラインだし」
出来なくはないけれど、本職にはかなわない。実務経験がある人にやってもらう方が良い。
「ボクお金のことは分からないですからねー」
ほのぼのとした声を出すカーリー。あんたには別のことで活躍してもらうわよ。
「あ、あとは娼館街の一部もオレは管理してたんで……そっちを合法な奴にするのが手っ取り早いかもっす」
「ん、いいわねマリン!」
それは良い。
ゆくゆくは娼館街にも手を入れて、全部国営化……ならぬ領営化してしまおう。取り締まると、どんどんアングラになっちゃうからね。
合法にして、値段ごとにランクを付けて……ってすれば、多少は裏に潜るのを抑えられるでしょう。
ゼロには出来ないけれど、努力で無くすことは出来る。
「さて、それじゃあ帰りましょうか。マリン、あんたは今日からうちで働くのよ」
「はい! 弟子入りを許していただいて、ありがとうございます!」
素直に礼を言えるいい子ね。
私が彼にどんな服を着せてやろうか悩んでいると、カーリーが呟く。
「あれ? 働かせるならそれは弟子じゃなくて雇用じゃ……」
「気づいちゃいけないわよカーリー」
上手く騙して仲間にしたんだから言っちゃ駄目でしょ!
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ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
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彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
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