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本編――公爵令嬢リリア
2-17 アルテミス視点
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時は数日前まで遡る。
リリアが倒れた翌日、こそこそとナイーゼ家の様子を伺いにやって来たカルロが、メイドたちから噂を聞き付け、アルテミスの元へと訪ねた。
前日のこともあり、彼は敷地内に入ることを初めは躊躇していたのだが、そうも言ってられなくなったのだ。
"婦人のせいでリリアが倒れた"と、耳に入ってきたのだから。
さて、アルテミスはというと、突然の呼び出しに困惑していた。
ここ数日、皇太子が家を出入りしていることは知っていたし、聞いてはいたが、まさか自彼女1人が呼出されるとは微塵も考えていなかったのである。
特に用事もない上に、そもそも断る訳にもいかない。
だからアルテミスは礼を尽くして、彼を高位貴族用の客室へと案内した。
「改めて、突然お呼び立てして申し訳ございません。本日は、少しお聞きしたいことがございまして参りました次第です」
「ですから、敬語は………」
アルテミスが慌てて止める。彼女と会ってからずっとこの調子なのだ。
子供とは言え皇太子であるのに変わりはなく、ここまで畏まった様子でいられると、いつまで経っても内心落ち着けない。
が、彼女が全てを言い切る前に、先にカルロがピシャリと言い放った。
「いえ、そういう訳にもいきません」
彼の様子を見る限り、決して敬語を止めるつもりはないようだ。
言葉から、表情から、彼の強い意志が伝わって来る。
頑なに引き下がりそうにないカルロに、とうとうアルテミスは彼の暴挙について指摘することを止めた。
こんなことに時間を費やしていては話が一向に進まない。
予告なくアルテミスを呼出した時点で、彼にとっては余程重要な話なのだろう。
でなければ、こんなに不躾なことはしない筈だ。
「……それで、本日はどういったご要件でしょうか」
頭を切り替えて、アルテミスは話を切り出した。
瞬間、ピリッと空気が張り詰め、辺りには緊張が走った。話に集中しなければ、意識を何処かに持っていかれそうだ。
「ええ。いくつかお尋ねしたいことがございまして。
1つ目は、リリア嬢が倒れ込むまでの経緯について。2つ目は、貴女の過去について。そして3つ目は、………いえ。後程伺うことにしましょう」
カルロが言葉を濁した。
言いたくないことでもあるのか、それとも今言ってはいけないことなのか。
それは分からないが、今の彼には子供らしからぬ凄みがあった。これが皇太子という身分の差なのか。
兎に角、そんな年端も行かぬ少年にアルテミスは気圧された。
まるで彼女の心を見透かされているようだ。
アルテミスは既の事で思考を張り巡らせ、考えに考え抜いた。
何と返事すべきかと。
最後の一つが何なのか。何故リリアが倒れたのか。そして、何故彼女自身の過去を詮索するのか。
余りに不可解なことが多すぎて、次々に疑問が溢れてくる。
が、漸く彼女は一つの結論に至った。
「………分かりました。私の答えられる範囲のことまででしたらお答えしましょう」
小さく頷いて、カルロと視線を合わせる。そこに一寸の迷いはない。
有るとすれば、限りなく小さな憂虞が隅で息を潜めているだけである。
今、彼女が彼にしてあげられる事と言えば、自身の知ることを語ることだけだ。
本当にそれしかしてあげられない。
だって今のアルテミスに、リリアの心の傷を癒してあげることは出来ないのだから。
それならば、初めて会ったときから娘を気遣い、思ってくれていたカルロに、一縷の希望を託してみたいとアルテミスは思ったのだ。
リリアは明らかに彼を拒否している。それは顔合わせの時、彼女を見た瞬間分かったことだ。
けれどもアルテミスは、彼に少しの機会を与えてみようと考えた。
心の何処かで"彼ならばリリアを裏切らない"という確信があった。
どうしてそう感じるのかは分からないが、今の彼はそう思うに足りる覚悟がアルテミスには見えたのだ。
「話が早くて助かります。では、事の経緯のご説明をお願いできますか?」
カルロが取り仕切り、アルテミスに話をするよう促した。
気が急いているのか、心なしかやや早口で、本題に入るまでが早い。
が、慌てることなく彼女は口を開いた。先程起こったことを包み隠さずに話していく。
リリアが泣き縋ったことから、部屋に招き入れたことまで一つ一つ、一切の誤りなく、まるで今起こったことのように詳しく語った。
「……成る程、そんなことが」
全て聞き終えてからカルロが小さく呟いた。
アルテミスはというと、何か質問があるだろうと、彼の言葉を静かに待ち続けていた。
冷静に、昂る気持ちを落ち着かせて、彼の台詞だけに意識を向け続ける。
が、
「では、貴女のことを教えてください」
彼は予想外にも何も尋ねることはなかった。
意のままに感情をぶつけようとも、苦言を呈することもせず、ただ冷静に、話を先へと続けようとした。
彼は一体何故そんなに急いているのか。
一度承諾したものの、準備なく過去を話すことにはまだ少し抵抗がある。
アルテミスは"少しだけ待ってほしい"と彼に頼み込んで、揺らぎそうになる感情を既のことで抑え込んだ。
そうして、彼女はやっとのことで重い口を動かした。
――――
何年前の話だっただろうか、貴族の子らが通う学園に入学したアルテミスは、これからの学園生活のことを考え、期待に胸を膨らませていた。
けれども、彼女の性格ゆえか友達は一向にできず、それどころか周囲の令嬢たちはアルテミスを嫌厭した。
彼女自身は何もしていないにも関わらず、だ。
ある日、一人の伯爵令嬢がアルテミスに優しく手を差し伸べた。
男爵令嬢だった彼女は、初めは困惑していたが、身分など気にせずに接してくれたその令嬢に、徐々に心を開いていった。
思えば、アルテミスにとって本当に大切な友人だった。
だからだろうか、陰口を叩いたり無視するだけだった令嬢たちが、突然アルテミスに実害を加え始めた時、彼女は唯一の友人に相談できなかったのだ。
一人で耐え抜いていれば、いつか終わりが来ることを信じて。
が、その前にアルテミスを助けた者がいた。
『アバンリッシュ・ナイーゼ』。彼は、何度も現場に鉢合わせ、何度も彼女を救い出してくれた。
公爵子息の彼にとって人助けは些細なことだったかもしれないけれど、アルテミスにとっては忘れられない出来事だった。
結局最後まで虐めを友人に相談することは出来なかったけれど、彼のお陰で過激な虐めは落ち着くこととなったのだ。
それでも時々手を出す者はいたのだが。
そうして彼はいつしか、アルテミスにとって特別な存在となっていったのだ。
きっと叶わぬ恋。そんなことは分かっていても、何処かで期待してしまう自分がいて、それが堪らなく辛かった。
その気持ちを吐き出したくて、友人にも相談した程だ。
しかし、彼女の考えとは裏腹に、ある日突然、アバンリッシュから婚姻打診の書面が家へと届いた。
段階を踏まずして結婚することは、明らかに世間で噂されることだったけれど、アルテミスは余りの嬉しさに承諾してしまったのだ。
それが後に、彼女を地獄へと叩きつける入口であったことなど知らずに。
後で彼女が聞いた話によると、アバンリッシュとの結婚は、あることを条件に交わした政略結婚で、覆すことは困難であるらしい。
つまり、頷いたからには二度と突き返すことは出来ないということだ。
けれども、例え彼に愛されていなくとも、政略結婚だとしても、他ならぬ彼女自身が選ばれた。
その事実が、当時のアルテミスにとってこの上なく喜ばしいことであったことは想像に難くない。
だから、欲が出てしまった。
彼女は成人した後の初夜、優美に着飾って、自ら彼の部屋へと訪れた。
普通は男から行くものであると知っているのに。
その為だろうか、その次の日の夜から、アバンリッシュが彼女の部屋に来ることはなく、また来訪しても拒否されるようになった。
その結果、彼とは初夜しか果たせておらず、元々心の弱いアルテミスに苦言を呈することはできなかった。
もどかしさがだけが胸を締め付け、どうしようもない悲しみだけが心を満たした。
時間だけが無情に過ぎていく日々。
気分転換に何度か散歩に出ても、彼女の気は紛れなかった。
そんな中だった。ある一つのことが、彼女に希望を与えたのは。
それは、身体の倦怠感が続き、何度も吐き気を催し、胸のむかつきを感じて、とうとう家に医者を呼んだ時のことだった。
―――妊娠している。
その一言で、彼女の心はどれほど救われたことだろう。
アバンリッシュの子を妊娠したと思うと、これまでの日々が嘘のように思えて、彼女はどうしようもなく幸せだった。
彼女にとって、それは最大級の贈り物であった。
今となっては酷い話であるが、アルテミスはこれをきっかけに、彼との関係が少しでも修復することを心の何処かで確信していたのである。
貴族とは所詮そんなもので、後継ぎさえ生まれてしまえば、妻を丁重に扱うことは当然のことだったのだ。
事実、アバンリッシュは彼女を気遣った。
前までの様子が嘘のように、アルテミスの身を案じ、微笑みかけてくれた。
アルテミスは、膨らんだ腹を優しく撫で、子供の誕生を待ち侘びた。
生まれたら何と名前を付けようかと、未来のことを考えて、アルテミスは優しく微笑んだ。
目一杯甘やかそう。目一杯愛を注ごうと。
状況が変わったのは、忘れもしないリリアが生まれた日のことだった。
彼女の誕生と聞きつけたアバンリッシュは、直ぐ様アルテミスの元へと訪れた。
身体を気遣いながら、痛く慌てた様子の彼は、本当に彼女を大切にしてくれていた証であった。
が、生まれた子供を見た時、彼は無言で俯いた。
アルテミスが震える声で名前を呼んでも、一向に返事は返ってこなかった。
暫くして、何かを小さく呟いた彼は、アルテミスを部屋に残し、静かにその場から立ち去った。
使用人たちも彼を引き留めようと慌てていたが、彼は決して止まることはなく、扉を無情に締め切ったのだ。
それからというもの、とうとう彼はアルテミスと話すことがなくなった。視線も、合わせてくれなくなった。
生まれた娘には無関心で、干渉もしない。そんな彼に、アルテミスの心は徐々に蝕まれていったのだ。
何時からだろうか。何かを誤魔化すように、愛していた子のことさえ蔑ろにして、他のことに意識を向け始めたのは。
何時からだろうか。娘は何も悪くないのに、まるで彼女に当たるように冷たく接し始めたのは。
アルテミスは、貴婦人との茶会にしょっちゅう参加したり、読書に読み耽ったり、時には何もせずに部屋の中で座り込んだりして気を紛らわせた。
彼への恋心がすっかり冷め切って、心が落ち着いた時には既に遅い。
根付いてしまった思いだけは消えることなく、どうしても取り除けないナニカが邪魔をして、態度を改めることさえ出来なかった。
それが、アルテミスという人間の全てである。
――――
カルロは、静かに話を聞いていた。
彼女を責めることもせずに、ただただ黙々と何かを考えていた。
「……余りに重苦しい話で申し訳ございません。ですが、殿下には包み隠さず話すべきだと感じたのです」
漸く、アルテミスが口火を切った。このままでは、重苦しい雰囲気が辺りを満たしてしまうのだ。
そうなれば、きっと彼女はまた塞ぎ込んでしまうことだろう。だって、過去のこととはいえ、決して消えない心の傷が未だに彼女の奥底に眠っているのだから。
そんなことはあってはならないのだ。
アルテミスは、目の前の彼がとても幼子のように思えなかった。
考え込む仕草も、言動の一つ一つも、考えの読めない視線も、何もかもが歳不相応で、大人びているのだ。
だから、話した。だから、何かを期待したのだ。
「………そんな過去が。心中お察しします」
カルロがポツリと呟く。それから直ぐ、彼は言葉を続けた。
「それでは、3つ目の質問です。配慮に欠けることは承知の上です。しかし、あまり時間がなく、立て続けに質問する私をお許しください」
「…いえ、私も話していた方が気が紛れるので」
自然と、アルテミスは言葉を吐き出すように声を出した。
彼女の言ったことは紛れもない事実で、そうでもしないと彼の前で醜態を曝してしまいそうだ。
カルロは小さく頭を下げてから、再びその口を開いた。
「多大なるご厚情のほど、痛み入ります。
では、婦人――貴女は、リリア嬢のことを少なからず気にかけていますか?いや、気に掛けていらっしゃいますね?」
確信めいた様子で、鋭い視線をアルテミスに向ける。何処までも澄んでいて揺らぎない瞳。
まるで心が見透かされているようで、彼女は何かの衝動に駆られた。
が、しかし、顔を反らすことはできなかった。
まるで瞳に引き込まれるかのように、彼に釘付けになった視線は、他を映すことを良しとしなかったのだ。
黙り込むアルテミスを、彼は先のように只々静かに待っていた。
時が止まったように、一時の静寂が部屋の中を包み込む。
けれどもそこに蒼然たる雰囲気などはなく、ただ只管に静かなだけだった。
漸くして、アルテミスが言葉を紡いだ。
それはとても重く、何処までも身勝手で、無責任な言葉だった。
「…………私にそんな資格はございません」
「今は資格云々の話はしていません。貴女の気持ちを聞いているのです」
即座にカルロが返す。
意志の籠もった台詞は力強く、そう簡単に崩れるものではない。
が、彼はそんな自分勝手を許さなかった。
たった一言。たった一言で、彼女の意見を切り捨てた。
「私は、――――」
「貴女は一体、どうしたいのですか」
畳み掛けるかのように、彼は言葉を付け足した。
心を突き刺すような深淵の瞳で見つめられ、とうとう彼女は少しずつ呟き始めた。
「私は………リリアとやり直したい、です。こんな私を母と呼んでくれた娘に。もう一度やり直して、今度はちゃんとリリアを側で見ていてやりたいのです。
けれど、けれども――今更合わせる顔もありません。だからリリアには、素敵な人と出会って、私のことなんか忘れて幸せになって欲しい。そこに私はおらずとも、私は――」
「もう良いです。それは貴女のエゴですよね?……だって、貴女は自分のことばっかりで、今のリリア嬢の気持ちを少しも考えていない。聞き続けた所で無駄でしょう」
彼は、アルテミスの考えすら綺麗さっぱり振り落とした。
彼の言う通り、彼女は今のリリアの気持ちのことなど考えてはいなかった。心配しているように見えて、何処までも自分勝手だ。
彼女はハッとした。
今更、そのことに気が付いたのである。
「そ、それは…………」
「それとも、彼女が貴女を嫌いだと、話しかけるなと一言でも言ったのですか?」
アルテミスが口籠った。
それを合図とばかりに、カルロは容赦ない言葉を彼女に浴びせた。
「彼女は、何度も訴えていた筈です。何度も何度も。
どうしてそれが分からない。貴女にとって、彼女の存在は大きな贈り物であった筈だ」
カルロの言葉に熱が籠もった。
まるで彼自身のことに苛立っているのかのように、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて、荒々しく言葉を発した。
けれども直ぐに取り繕って、彼女を視界に入れ直した。
「…少なくとも、貴女はまだやり直せます。まだ、関係を修復することはできます。ですからどうか、貴女の気持ちを伝えて上げて欲しい。きちんとリリア嬢のことを見てあげて欲しい。それが私の願いです」
アルテミスは俯いた。
その様子を横目に、カルロは一人静かにその場から立ち去った。役目は果たしたと言わんばかりに。
一人取り残された部屋で、アルテミスは数時間もの間黙り込んでいた。
それから暫くして、彼女は部屋から出て行った。その様子は、何かに突き動かされたように堂々としていて、決意に満ち溢れていた。
リリアが倒れた翌日、こそこそとナイーゼ家の様子を伺いにやって来たカルロが、メイドたちから噂を聞き付け、アルテミスの元へと訪ねた。
前日のこともあり、彼は敷地内に入ることを初めは躊躇していたのだが、そうも言ってられなくなったのだ。
"婦人のせいでリリアが倒れた"と、耳に入ってきたのだから。
さて、アルテミスはというと、突然の呼び出しに困惑していた。
ここ数日、皇太子が家を出入りしていることは知っていたし、聞いてはいたが、まさか自彼女1人が呼出されるとは微塵も考えていなかったのである。
特に用事もない上に、そもそも断る訳にもいかない。
だからアルテミスは礼を尽くして、彼を高位貴族用の客室へと案内した。
「改めて、突然お呼び立てして申し訳ございません。本日は、少しお聞きしたいことがございまして参りました次第です」
「ですから、敬語は………」
アルテミスが慌てて止める。彼女と会ってからずっとこの調子なのだ。
子供とは言え皇太子であるのに変わりはなく、ここまで畏まった様子でいられると、いつまで経っても内心落ち着けない。
が、彼女が全てを言い切る前に、先にカルロがピシャリと言い放った。
「いえ、そういう訳にもいきません」
彼の様子を見る限り、決して敬語を止めるつもりはないようだ。
言葉から、表情から、彼の強い意志が伝わって来る。
頑なに引き下がりそうにないカルロに、とうとうアルテミスは彼の暴挙について指摘することを止めた。
こんなことに時間を費やしていては話が一向に進まない。
予告なくアルテミスを呼出した時点で、彼にとっては余程重要な話なのだろう。
でなければ、こんなに不躾なことはしない筈だ。
「……それで、本日はどういったご要件でしょうか」
頭を切り替えて、アルテミスは話を切り出した。
瞬間、ピリッと空気が張り詰め、辺りには緊張が走った。話に集中しなければ、意識を何処かに持っていかれそうだ。
「ええ。いくつかお尋ねしたいことがございまして。
1つ目は、リリア嬢が倒れ込むまでの経緯について。2つ目は、貴女の過去について。そして3つ目は、………いえ。後程伺うことにしましょう」
カルロが言葉を濁した。
言いたくないことでもあるのか、それとも今言ってはいけないことなのか。
それは分からないが、今の彼には子供らしからぬ凄みがあった。これが皇太子という身分の差なのか。
兎に角、そんな年端も行かぬ少年にアルテミスは気圧された。
まるで彼女の心を見透かされているようだ。
アルテミスは既の事で思考を張り巡らせ、考えに考え抜いた。
何と返事すべきかと。
最後の一つが何なのか。何故リリアが倒れたのか。そして、何故彼女自身の過去を詮索するのか。
余りに不可解なことが多すぎて、次々に疑問が溢れてくる。
が、漸く彼女は一つの結論に至った。
「………分かりました。私の答えられる範囲のことまででしたらお答えしましょう」
小さく頷いて、カルロと視線を合わせる。そこに一寸の迷いはない。
有るとすれば、限りなく小さな憂虞が隅で息を潜めているだけである。
今、彼女が彼にしてあげられる事と言えば、自身の知ることを語ることだけだ。
本当にそれしかしてあげられない。
だって今のアルテミスに、リリアの心の傷を癒してあげることは出来ないのだから。
それならば、初めて会ったときから娘を気遣い、思ってくれていたカルロに、一縷の希望を託してみたいとアルテミスは思ったのだ。
リリアは明らかに彼を拒否している。それは顔合わせの時、彼女を見た瞬間分かったことだ。
けれどもアルテミスは、彼に少しの機会を与えてみようと考えた。
心の何処かで"彼ならばリリアを裏切らない"という確信があった。
どうしてそう感じるのかは分からないが、今の彼はそう思うに足りる覚悟がアルテミスには見えたのだ。
「話が早くて助かります。では、事の経緯のご説明をお願いできますか?」
カルロが取り仕切り、アルテミスに話をするよう促した。
気が急いているのか、心なしかやや早口で、本題に入るまでが早い。
が、慌てることなく彼女は口を開いた。先程起こったことを包み隠さずに話していく。
リリアが泣き縋ったことから、部屋に招き入れたことまで一つ一つ、一切の誤りなく、まるで今起こったことのように詳しく語った。
「……成る程、そんなことが」
全て聞き終えてからカルロが小さく呟いた。
アルテミスはというと、何か質問があるだろうと、彼の言葉を静かに待ち続けていた。
冷静に、昂る気持ちを落ち着かせて、彼の台詞だけに意識を向け続ける。
が、
「では、貴女のことを教えてください」
彼は予想外にも何も尋ねることはなかった。
意のままに感情をぶつけようとも、苦言を呈することもせず、ただ冷静に、話を先へと続けようとした。
彼は一体何故そんなに急いているのか。
一度承諾したものの、準備なく過去を話すことにはまだ少し抵抗がある。
アルテミスは"少しだけ待ってほしい"と彼に頼み込んで、揺らぎそうになる感情を既のことで抑え込んだ。
そうして、彼女はやっとのことで重い口を動かした。
――――
何年前の話だっただろうか、貴族の子らが通う学園に入学したアルテミスは、これからの学園生活のことを考え、期待に胸を膨らませていた。
けれども、彼女の性格ゆえか友達は一向にできず、それどころか周囲の令嬢たちはアルテミスを嫌厭した。
彼女自身は何もしていないにも関わらず、だ。
ある日、一人の伯爵令嬢がアルテミスに優しく手を差し伸べた。
男爵令嬢だった彼女は、初めは困惑していたが、身分など気にせずに接してくれたその令嬢に、徐々に心を開いていった。
思えば、アルテミスにとって本当に大切な友人だった。
だからだろうか、陰口を叩いたり無視するだけだった令嬢たちが、突然アルテミスに実害を加え始めた時、彼女は唯一の友人に相談できなかったのだ。
一人で耐え抜いていれば、いつか終わりが来ることを信じて。
が、その前にアルテミスを助けた者がいた。
『アバンリッシュ・ナイーゼ』。彼は、何度も現場に鉢合わせ、何度も彼女を救い出してくれた。
公爵子息の彼にとって人助けは些細なことだったかもしれないけれど、アルテミスにとっては忘れられない出来事だった。
結局最後まで虐めを友人に相談することは出来なかったけれど、彼のお陰で過激な虐めは落ち着くこととなったのだ。
それでも時々手を出す者はいたのだが。
そうして彼はいつしか、アルテミスにとって特別な存在となっていったのだ。
きっと叶わぬ恋。そんなことは分かっていても、何処かで期待してしまう自分がいて、それが堪らなく辛かった。
その気持ちを吐き出したくて、友人にも相談した程だ。
しかし、彼女の考えとは裏腹に、ある日突然、アバンリッシュから婚姻打診の書面が家へと届いた。
段階を踏まずして結婚することは、明らかに世間で噂されることだったけれど、アルテミスは余りの嬉しさに承諾してしまったのだ。
それが後に、彼女を地獄へと叩きつける入口であったことなど知らずに。
後で彼女が聞いた話によると、アバンリッシュとの結婚は、あることを条件に交わした政略結婚で、覆すことは困難であるらしい。
つまり、頷いたからには二度と突き返すことは出来ないということだ。
けれども、例え彼に愛されていなくとも、政略結婚だとしても、他ならぬ彼女自身が選ばれた。
その事実が、当時のアルテミスにとってこの上なく喜ばしいことであったことは想像に難くない。
だから、欲が出てしまった。
彼女は成人した後の初夜、優美に着飾って、自ら彼の部屋へと訪れた。
普通は男から行くものであると知っているのに。
その為だろうか、その次の日の夜から、アバンリッシュが彼女の部屋に来ることはなく、また来訪しても拒否されるようになった。
その結果、彼とは初夜しか果たせておらず、元々心の弱いアルテミスに苦言を呈することはできなかった。
もどかしさがだけが胸を締め付け、どうしようもない悲しみだけが心を満たした。
時間だけが無情に過ぎていく日々。
気分転換に何度か散歩に出ても、彼女の気は紛れなかった。
そんな中だった。ある一つのことが、彼女に希望を与えたのは。
それは、身体の倦怠感が続き、何度も吐き気を催し、胸のむかつきを感じて、とうとう家に医者を呼んだ時のことだった。
―――妊娠している。
その一言で、彼女の心はどれほど救われたことだろう。
アバンリッシュの子を妊娠したと思うと、これまでの日々が嘘のように思えて、彼女はどうしようもなく幸せだった。
彼女にとって、それは最大級の贈り物であった。
今となっては酷い話であるが、アルテミスはこれをきっかけに、彼との関係が少しでも修復することを心の何処かで確信していたのである。
貴族とは所詮そんなもので、後継ぎさえ生まれてしまえば、妻を丁重に扱うことは当然のことだったのだ。
事実、アバンリッシュは彼女を気遣った。
前までの様子が嘘のように、アルテミスの身を案じ、微笑みかけてくれた。
アルテミスは、膨らんだ腹を優しく撫で、子供の誕生を待ち侘びた。
生まれたら何と名前を付けようかと、未来のことを考えて、アルテミスは優しく微笑んだ。
目一杯甘やかそう。目一杯愛を注ごうと。
状況が変わったのは、忘れもしないリリアが生まれた日のことだった。
彼女の誕生と聞きつけたアバンリッシュは、直ぐ様アルテミスの元へと訪れた。
身体を気遣いながら、痛く慌てた様子の彼は、本当に彼女を大切にしてくれていた証であった。
が、生まれた子供を見た時、彼は無言で俯いた。
アルテミスが震える声で名前を呼んでも、一向に返事は返ってこなかった。
暫くして、何かを小さく呟いた彼は、アルテミスを部屋に残し、静かにその場から立ち去った。
使用人たちも彼を引き留めようと慌てていたが、彼は決して止まることはなく、扉を無情に締め切ったのだ。
それからというもの、とうとう彼はアルテミスと話すことがなくなった。視線も、合わせてくれなくなった。
生まれた娘には無関心で、干渉もしない。そんな彼に、アルテミスの心は徐々に蝕まれていったのだ。
何時からだろうか。何かを誤魔化すように、愛していた子のことさえ蔑ろにして、他のことに意識を向け始めたのは。
何時からだろうか。娘は何も悪くないのに、まるで彼女に当たるように冷たく接し始めたのは。
アルテミスは、貴婦人との茶会にしょっちゅう参加したり、読書に読み耽ったり、時には何もせずに部屋の中で座り込んだりして気を紛らわせた。
彼への恋心がすっかり冷め切って、心が落ち着いた時には既に遅い。
根付いてしまった思いだけは消えることなく、どうしても取り除けないナニカが邪魔をして、態度を改めることさえ出来なかった。
それが、アルテミスという人間の全てである。
――――
カルロは、静かに話を聞いていた。
彼女を責めることもせずに、ただただ黙々と何かを考えていた。
「……余りに重苦しい話で申し訳ございません。ですが、殿下には包み隠さず話すべきだと感じたのです」
漸く、アルテミスが口火を切った。このままでは、重苦しい雰囲気が辺りを満たしてしまうのだ。
そうなれば、きっと彼女はまた塞ぎ込んでしまうことだろう。だって、過去のこととはいえ、決して消えない心の傷が未だに彼女の奥底に眠っているのだから。
そんなことはあってはならないのだ。
アルテミスは、目の前の彼がとても幼子のように思えなかった。
考え込む仕草も、言動の一つ一つも、考えの読めない視線も、何もかもが歳不相応で、大人びているのだ。
だから、話した。だから、何かを期待したのだ。
「………そんな過去が。心中お察しします」
カルロがポツリと呟く。それから直ぐ、彼は言葉を続けた。
「それでは、3つ目の質問です。配慮に欠けることは承知の上です。しかし、あまり時間がなく、立て続けに質問する私をお許しください」
「…いえ、私も話していた方が気が紛れるので」
自然と、アルテミスは言葉を吐き出すように声を出した。
彼女の言ったことは紛れもない事実で、そうでもしないと彼の前で醜態を曝してしまいそうだ。
カルロは小さく頭を下げてから、再びその口を開いた。
「多大なるご厚情のほど、痛み入ります。
では、婦人――貴女は、リリア嬢のことを少なからず気にかけていますか?いや、気に掛けていらっしゃいますね?」
確信めいた様子で、鋭い視線をアルテミスに向ける。何処までも澄んでいて揺らぎない瞳。
まるで心が見透かされているようで、彼女は何かの衝動に駆られた。
が、しかし、顔を反らすことはできなかった。
まるで瞳に引き込まれるかのように、彼に釘付けになった視線は、他を映すことを良しとしなかったのだ。
黙り込むアルテミスを、彼は先のように只々静かに待っていた。
時が止まったように、一時の静寂が部屋の中を包み込む。
けれどもそこに蒼然たる雰囲気などはなく、ただ只管に静かなだけだった。
漸くして、アルテミスが言葉を紡いだ。
それはとても重く、何処までも身勝手で、無責任な言葉だった。
「…………私にそんな資格はございません」
「今は資格云々の話はしていません。貴女の気持ちを聞いているのです」
即座にカルロが返す。
意志の籠もった台詞は力強く、そう簡単に崩れるものではない。
が、彼はそんな自分勝手を許さなかった。
たった一言。たった一言で、彼女の意見を切り捨てた。
「私は、――――」
「貴女は一体、どうしたいのですか」
畳み掛けるかのように、彼は言葉を付け足した。
心を突き刺すような深淵の瞳で見つめられ、とうとう彼女は少しずつ呟き始めた。
「私は………リリアとやり直したい、です。こんな私を母と呼んでくれた娘に。もう一度やり直して、今度はちゃんとリリアを側で見ていてやりたいのです。
けれど、けれども――今更合わせる顔もありません。だからリリアには、素敵な人と出会って、私のことなんか忘れて幸せになって欲しい。そこに私はおらずとも、私は――」
「もう良いです。それは貴女のエゴですよね?……だって、貴女は自分のことばっかりで、今のリリア嬢の気持ちを少しも考えていない。聞き続けた所で無駄でしょう」
彼は、アルテミスの考えすら綺麗さっぱり振り落とした。
彼の言う通り、彼女は今のリリアの気持ちのことなど考えてはいなかった。心配しているように見えて、何処までも自分勝手だ。
彼女はハッとした。
今更、そのことに気が付いたのである。
「そ、それは…………」
「それとも、彼女が貴女を嫌いだと、話しかけるなと一言でも言ったのですか?」
アルテミスが口籠った。
それを合図とばかりに、カルロは容赦ない言葉を彼女に浴びせた。
「彼女は、何度も訴えていた筈です。何度も何度も。
どうしてそれが分からない。貴女にとって、彼女の存在は大きな贈り物であった筈だ」
カルロの言葉に熱が籠もった。
まるで彼自身のことに苛立っているのかのように、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて、荒々しく言葉を発した。
けれども直ぐに取り繕って、彼女を視界に入れ直した。
「…少なくとも、貴女はまだやり直せます。まだ、関係を修復することはできます。ですからどうか、貴女の気持ちを伝えて上げて欲しい。きちんとリリア嬢のことを見てあげて欲しい。それが私の願いです」
アルテミスは俯いた。
その様子を横目に、カルロは一人静かにその場から立ち去った。役目は果たしたと言わんばかりに。
一人取り残された部屋で、アルテミスは数時間もの間黙り込んでいた。
それから暫くして、彼女は部屋から出て行った。その様子は、何かに突き動かされたように堂々としていて、決意に満ち溢れていた。
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