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1章 絆
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僕は、今猛烈に悩んでいる。
玄関の前に立っている綺麗なお姉さんは、僕の家に何かご用が有るのだろうか?手にお花とケーキだと思われる小箱を持って、腕時計をチラリと見ているところを予想して、多分お客様なんだと思うんだけど、トウちゃんからは何も聞いていない。
ゆっくり、ゆっくり、家に近づいてくけど、お姉さんは立ち去る気配を感じさせない。家に入り辛い…。
そして、そのまま通り過ぎて、近くの公園に避難している。スーパーで買った食材を早く冷蔵庫に入れたいのだけど、お姉さんを無視して中に入るのも気が引ける。
『何かご用ですか?』
『道に迷われましたか?』
『お姉さんは誰ですか』
声かける言葉をいろいろ考えてみるも、なんかどれも違う感じがしてしまう。何度も様子見をする為、家の前を通り過ぎてしまう僕が不審者でしかない。
公園で、遊ぶ子供達を見ながら、只々時間を潰していた。
僕の知っている人ではないので、間違いなくトウちゃんのお客様だとは思う。背がスラッとして、髪も長くてサラサラで、綺麗なお姉さんだった。トウちゃんの彼女なのかなぁ?胸がギュッと痛くなる。
「…だったら嫌だな」
思わず口に出た言葉に、僕自身が驚いた。パシパシと頬を打って、正気に戻る。
「トウちゃんに彼女がいたって不思議ないじゃないか!いずれは、トウちゃんも結婚…するん…だ…ろうし…」
僕の居場所は、また無くなるの?
また、独りになるの?
「嫌だ!」
もう、独りは嫌だ。トウちゃんと僕の家に帰ろう。荷物を持って、家に戻るとまだお姉さんは、玄関に立っていた。
「ちょっと良いかしら?木下っ」
「ごめんなさい、家の中に入ります」
声かけるお姉さんの言葉を遮って、急いで家の中に入った。バンッと音を立てて扉を閉め、急いで鍵をかけた。
コンコンって遠慮がちなノックが聞こえる。僕の我儘です!自分勝手な行動です!だから、帰ってください。
「トウちゃんを捕らないで…」
玄関扉にもたれながらズズズッとその場に、座り込んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
耳を両手で塞いで、呟き続けた。
家の中がすっかり暗くなる迄、僕は謝り続けた。
玄関の前に立っている綺麗なお姉さんは、僕の家に何かご用が有るのだろうか?手にお花とケーキだと思われる小箱を持って、腕時計をチラリと見ているところを予想して、多分お客様なんだと思うんだけど、トウちゃんからは何も聞いていない。
ゆっくり、ゆっくり、家に近づいてくけど、お姉さんは立ち去る気配を感じさせない。家に入り辛い…。
そして、そのまま通り過ぎて、近くの公園に避難している。スーパーで買った食材を早く冷蔵庫に入れたいのだけど、お姉さんを無視して中に入るのも気が引ける。
『何かご用ですか?』
『道に迷われましたか?』
『お姉さんは誰ですか』
声かける言葉をいろいろ考えてみるも、なんかどれも違う感じがしてしまう。何度も様子見をする為、家の前を通り過ぎてしまう僕が不審者でしかない。
公園で、遊ぶ子供達を見ながら、只々時間を潰していた。
僕の知っている人ではないので、間違いなくトウちゃんのお客様だとは思う。背がスラッとして、髪も長くてサラサラで、綺麗なお姉さんだった。トウちゃんの彼女なのかなぁ?胸がギュッと痛くなる。
「…だったら嫌だな」
思わず口に出た言葉に、僕自身が驚いた。パシパシと頬を打って、正気に戻る。
「トウちゃんに彼女がいたって不思議ないじゃないか!いずれは、トウちゃんも結婚…するん…だ…ろうし…」
僕の居場所は、また無くなるの?
また、独りになるの?
「嫌だ!」
もう、独りは嫌だ。トウちゃんと僕の家に帰ろう。荷物を持って、家に戻るとまだお姉さんは、玄関に立っていた。
「ちょっと良いかしら?木下っ」
「ごめんなさい、家の中に入ります」
声かけるお姉さんの言葉を遮って、急いで家の中に入った。バンッと音を立てて扉を閉め、急いで鍵をかけた。
コンコンって遠慮がちなノックが聞こえる。僕の我儘です!自分勝手な行動です!だから、帰ってください。
「トウちゃんを捕らないで…」
玄関扉にもたれながらズズズッとその場に、座り込んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
耳を両手で塞いで、呟き続けた。
家の中がすっかり暗くなる迄、僕は謝り続けた。
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