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80 腐敗
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朧は、姿勢を低くしたまま佐久夜の足元まで来るとくんくんと犬みたいに佐久夜の足元を嗅ぎ回った。
「臭い!臭いにゃ!佐久夜、お前腐臭に塗れてるにゃ!」
ぴょんと後ろに跳ね、佐久夜を睨みつけた。
「臭い……昼、京平にも似たようなことを言われた」
佐久夜は、自分の両腕をくんくんと匂って見せるが、朧が言う腐臭は感じられない。ただ、心あたりはひとつだけある。
佐久夜は、学生服を脱ぎ、左腕の袖を捲って見せた。
「左の腕だけが、黒ずんでいるんだ。京平には、見た目は、変わらないと言っていたけど、俺には黒く染まって見えるんだ」
朧が、じっと佐久夜を見上げる。貮号のストッパーを立て、その場にしゃがみ込み、左腕を差し出した。
朧は、佐久夜のに腕を差し出されると、頭の先から短い二本の丸い尻尾の先まで、痙攣するような痺れを感じた。
恐る恐る佐久夜の腕に近寄り、そっと匂いを嗅いだ瞬間、真横にぽたりと倒れ込んでんしまった。
「お、朧?」
自分の匂いが原因だと察知し、佐久夜は慌てて飛び退き、大きな声で社の中にいるであろう者たちに呼びかけた。
「朱丸!浅葱!!神さま!!!」
「ダメにゃ!ちんちくりんは来るにゃ!!」
佐久夜が、神さまを呼んだ瞬間、朧は倒れたまま大きな声で叫んだ。
「佐久夜、お前その腐臭をちんちくりんに浴びせるつもりかにゃ?」
倒れたまま佐久夜を睨む朧。
「でも、朧が……」
「お前、それが何か判ってるのかにゃ?」
佐久夜は、黙って首を左右に振る。
「わからない…けど、良くない物だとは、思っていたよ」
「だからにゃ!佐久夜、ちんちくりんを穢すつもりなのかにゃ!力は無くとも、ヤツは神にゃ。穢れを纏うと言うことがどう言う意味かわからない筈はにゃいよにゃ!」
佐久夜は、ハッとした。社の中から、佐久夜と朧の声を聞きつけ、朱丸と浅葱がやって来た。
佐久夜は、神さまに最初に言われた事を思い出した。
神さまは、願いを願う。ただ、平等に…。その願い次第では、良きにも悪きにもなる。
「解ったかにゃ?穢れを纏うと言う意味を…」
「…うん」
ただ、優しい神さまになって欲しいと思うだけじゃダメなんだ……。
佐久夜は、肩を落としその場に膝をついた。
「朧さま、佐久夜さま何事でござりまするか?」
臭気に充てられ倒れた朧と呆然と膝をついて項垂れる佐久夜の元に、浅葱と朱丸は、駆け寄って来た。
「く、くちゃい!」
朱丸は、近寄るなり両手で鼻を押さえ、後退り佐久夜たちを見詰める。
浅葱は、朧と頷き合うと、社へと急いで戻っていった。
「臭い!臭いにゃ!佐久夜、お前腐臭に塗れてるにゃ!」
ぴょんと後ろに跳ね、佐久夜を睨みつけた。
「臭い……昼、京平にも似たようなことを言われた」
佐久夜は、自分の両腕をくんくんと匂って見せるが、朧が言う腐臭は感じられない。ただ、心あたりはひとつだけある。
佐久夜は、学生服を脱ぎ、左腕の袖を捲って見せた。
「左の腕だけが、黒ずんでいるんだ。京平には、見た目は、変わらないと言っていたけど、俺には黒く染まって見えるんだ」
朧が、じっと佐久夜を見上げる。貮号のストッパーを立て、その場にしゃがみ込み、左腕を差し出した。
朧は、佐久夜のに腕を差し出されると、頭の先から短い二本の丸い尻尾の先まで、痙攣するような痺れを感じた。
恐る恐る佐久夜の腕に近寄り、そっと匂いを嗅いだ瞬間、真横にぽたりと倒れ込んでんしまった。
「お、朧?」
自分の匂いが原因だと察知し、佐久夜は慌てて飛び退き、大きな声で社の中にいるであろう者たちに呼びかけた。
「朱丸!浅葱!!神さま!!!」
「ダメにゃ!ちんちくりんは来るにゃ!!」
佐久夜が、神さまを呼んだ瞬間、朧は倒れたまま大きな声で叫んだ。
「佐久夜、お前その腐臭をちんちくりんに浴びせるつもりかにゃ?」
倒れたまま佐久夜を睨む朧。
「でも、朧が……」
「お前、それが何か判ってるのかにゃ?」
佐久夜は、黙って首を左右に振る。
「わからない…けど、良くない物だとは、思っていたよ」
「だからにゃ!佐久夜、ちんちくりんを穢すつもりなのかにゃ!力は無くとも、ヤツは神にゃ。穢れを纏うと言うことがどう言う意味かわからない筈はにゃいよにゃ!」
佐久夜は、ハッとした。社の中から、佐久夜と朧の声を聞きつけ、朱丸と浅葱がやって来た。
佐久夜は、神さまに最初に言われた事を思い出した。
神さまは、願いを願う。ただ、平等に…。その願い次第では、良きにも悪きにもなる。
「解ったかにゃ?穢れを纏うと言う意味を…」
「…うん」
ただ、優しい神さまになって欲しいと思うだけじゃダメなんだ……。
佐久夜は、肩を落としその場に膝をついた。
「朧さま、佐久夜さま何事でござりまするか?」
臭気に充てられ倒れた朧と呆然と膝をついて項垂れる佐久夜の元に、浅葱と朱丸は、駆け寄って来た。
「く、くちゃい!」
朱丸は、近寄るなり両手で鼻を押さえ、後退り佐久夜たちを見詰める。
浅葱は、朧と頷き合うと、社へと急いで戻っていった。
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