結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

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第三部一章 人生というのは残酷非道

べリズリー

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 確かに魔族や魔界に住む生物が長年人間に危害を及ぼしていたのも事実だけれど、それは人間も同じこと。
 魔界の半数以上を殺しているのは人間だからだ。
 加えて、人間の死亡者の三割は人間の殺人事件とか処刑とかである。
 まさに残酷としか言いようがない。

「魔族、本当に私達に危害を及ぼさないのですね?」

 上から物を言うようにして、見下す彼女の手には魔女特有のナイフを持っていた。
 
 魔女特有のナイフは長くて、持ち手部分が狭く片手でしか持てない。どうしてこの形態になったかというと、初代魔女が背が小さくでもすばしっこく、力持ちだったのが影響されていると言われている。
 このことは、本で学んだ。
 本とは、この世の全てを知る尽くしているように思える。だからこそ、私はその上を行くプランスのことが大好きだ。

「当たり前だろう、わいはそんな輩じゃないし、魔族は悪くない。むしろ人間の方が凶悪さ」
 
 私は鞍に乗り、手綱を握った。私も意外に馬には慣れているから、プランスがいなくても大丈夫だ。

 これくらいは出来なければ、王国に住む事は困難だ。
 私も子供の頃から馬に乗る練習はしてきた。

「それはそうと、二人ともベリズリーに向かうよ! たぶん後三日程かかるから!」

 なぜか、シルバーが起きてから私たちの口論はなくった。
 やはり、シルバーは魔族でも良い魔族であるのだろう、私も悪い魔族に出会ったことがあるがこんなに高揚な気分にはならなかった。
 
「三日ってミア結構長いですね。でも、ミアは何が目的なんですか?」

  そんなの決まっている、プランスを生き返らせる。それだけが私自身を唯一慰められれるから。
 プランスがよく頑張ったと、言ってくれたら本当に幸せだ。

「プランスを生き返らせる」

 それだけが、今からする旅の目的だ。
 何億年かかっても諦めないと心に誓った。女神は信じないけれど、今だけは信じる、導きをください。ってそれは無責任にも程があるよね。

「それって、無理なのでは? 理由は大天使サムエル様が死んだものを蘇らせる、巻き物は地下に沈めて今はもうないのと同じで欠けらを集めなくてはならないとか・・・・・」

 そのことは私もよく聞いたことがあるから知っている。
 だからこそ、安心したのだ、この世に生命を蘇らせる方法があると知ったから。それだけで、期待はできた。でも、私の命がそれだけ持つかが心配で運の尽きというわけだろう。
 まあ、持ったとしても、私は老耄のおばあちゃんだろうけど・・・・・。

「知ってるから、だから探すの!」

 この声が世間を賑わせると信じた。私はこの世を救わないといけないという、使命を課せられている。
 
 私は使命を守ろうと思う。
 私に出来ることをしなかったから、プランスは死んだのだから、今度は私が無茶をして世界の頂点に立つルカをその立場から落とす。
 それができなければ、世界は平和になる。

「長旅になりそうだけど、私はミアについていきます」

 アンは渋々という形で、杖に乗り空を飛ぶ。
 さすがというべきなのか、飛行魔法の魔力消費をないように扱う。

「シルバー、まずはベルズリーに行こ!」

 ベリズリーに何かある気がした。ベリズリーは地図にも載っていないから、どうやっていくかわからないけれど、とにかく真っ直ぐとプランスは言っていた。
 だからこのまま真っ直ぐシルバーを走り出させる。
 私の予想では三日かかると思う。

「ミア、ベリズリーって知ってますか? 少なくても私は聞いたことがありません」

 アンまで知らないとは、すごく小さな村なのだろう。
 でも、プランスが任務で行ったとか言ってたから知っている人材はいるのだろう。それかシルバーも知っているのかもしれない。
 
「わいは知っているよ。たぶん魔界への扉だった気がするよ」

 私とアンはまた、一時停止した。
 それは、魔界への扉という部分になって、魔界に行った者は約九割帰ってきていない。
 それは、魔獣や魔族に捕食されていると言われている、だがプランスがそんなところに行かせるわけがないから、何か誤情報がこの世に回っているのかもしれない。

「シルバー、それって冗談だよね?」

 アンがシルバーに詰め寄り、強面な顔をしてシルバーの眼を見る。
 これでは流石に怖いだろう、しかも女子のこういう眼はすごく怖くて震えが止まらなくなってしまうのが常識だろう。

「い、いや冗談じゃないですぜ」

 シルバーは怯えたように、一歩下がる。流石にシルバーも怖いのか。
 
 そう思うとなんだか可愛い一面もあるのだと、ペットの様に思えた。今まで自分がシルバーのことをペットとして見ていなかったこともあり、なんだが愛着が湧いてきた。

「じゃあどうしてです? あんなに危険な場所に上位聖騎士様が連れていくはずがないのですがぁ・・・・・」

 ミアは渋い様になんだか不思議な顔もして、何か信じれないという、魔力が感じられた。

「わいは知っている、魔界は安全なところだ。そこに人間が来たから悪いのだ、いや人間が戦争に来たから悪いのだ、魔族で悪い人物は存在しないのだ」

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