【掌編小説】舌打ち

如月朔

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舌打ち

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広い公園、平日の昼間、人気は少ない。

最も多感な、誰もが物語の主人公でいられる14歳。
抜けるような青空の下で、僕は人生で初めて人を殺す決意をした。

空の無垢と僕の憎悪が織り成すコントラストはあらゆるものを超越して、さながら1つの絵画のようでさえあった。

その日、僕は悪意に抗うことやめた。

そして僕は気付く。
この空は誰かの偽善的な努力によって青々と塗られており、そのメッキが剥がれ落ちたなら赤黒い真実が目の前に現れるのだと。

真っ直ぐ見つめた空は僕の予想通りに赤く染まっていく。
それは次第に暗く、そして狭く。

静寂に響く女性の悲鳴。
「ちっ、うるせえな」
14歳の僕は人生で最後の舌打ちをした。
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