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「まあ、弟様?」
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表面上の脅威が去り、挙式へ向けてゆっくり準備する期間ができた。
「リナリ……もう、いくの」
この世の終わりのような顔をして、ハルトリードはリナリの袖の裾を引っ張った。
「すぐに帰ってきます。準備ですから」
「うん……待ってる、いや、僕も行く」
「お仕事があるでしょ」
「寂しい、リナリ……」
「ハルト様、私も寂しいです」
リナリは一度フォード家に戻り、本格的な嫁入り準備をする事になった。
「むっつり……」
「むっつりスケベ……」
「あれ何十回見せられるんだろ……」
「膝枕もずっとしてたわ」
「リナリ様よく怒らないわね……」
「これもしばらく見られなくなるって思うと感慨深いですね」
「すぐに元通りになるわよ」
こそこそと話す使用人たちは決して周りに声を聞かせない。徹底しているのだ。
夫人も嫁入りをした立場。実家の家族と離れる寂しさをよく知っている。
「じゃあ、リナリ。しっかり準備をして、後……ご家族とよく話もするのよ」
「はい、お義母様。そうさせていただきます」
リナリは後ろ髪をひかれながらシュゼル家を後にした。
ハルトリードは、馬車が見えなくなるまでその場に立ち尽くしていた。
「忠犬ハッチーみたい……」
「主人の帰りを待つお犬様ね」
「むっつりだけどな」
「スケベだし」
使用人たちはそう言いつつ、寂しそうなむっつり顔に、少し憐憫の情を覚えるのだった。
久しぶりの実家。
リナリは胸にぽっかりと穴が空いたような気分で、家族と再会した。
しかしシュゼル家に嫁入りしたらしたで、それはまた別の寂しさが襲うのだろうという予感はある。
「ハルトリード君のお蔭でリナリが危ない目に遭わなくてよかったよ」
ロメロは少し年下の義弟が頼もしく、嬉しそうだ。
「本当ね。すぐ動いてくれたもの。愛されてるわね」
面々は、頬を染めて笑う娘が、妹が、何処か遠くへ行ってしまったような心地になり寂しさを覚えた。
「嫁に行ってもお前は大事な娘である事に変わりない。何かあればすぐ言いなさい」
「うん」
リナリは嬉しくて微笑みながらも、少し涙ぐんだ。
準備と言っても、荷造りと搬出の手配。各種手続き。友人たちとの交流の時間。リナリ自身ではあまりする事はなかった。
シュゼル家に戻ってもすぐに結婚して挙式をするのではない。その間、やはり嫁入り修行期間を設け、ハルトリードの婚約者として正式に夜会や招待された茶会へ行く。
リナリは、妙に落ち着いていた。
シュゼル家にいる間、資料を読み込んだり、義母に心得を聞いたり、義家族と交流をしたり。あの期間で、すでに心構えが出来ていたのだ。
そうして準備をゆっくりとしている中で、数日ぶりにハルトリードと会う約束もしている。
この日、リナリはめかし込んで出掛けた。
約束の時間よりかなり前から待っているらしい、待たせ人を見た。ハルトリードは小さく手を上げて、リナリに駆け寄ってくる。
(大型の犬みたい……なんて、失礼かしら。でも可愛い……あら?)
そんなハルトリードを遠目に見た瞬間、違和感に気付いたのだ。
「リナリ。会いたかった」
人通りが比較的少ない場所だが、ハルトリードはリナリを気遣って抱擁を我慢していた。
「ハルト様、お待たせしました」
リナリが両手を前に少し広げて見上げると、案の定たまらず彼の方から抱擁する。
「会いたかった、リナリ……寂しかった」
「私もです」
何度見たか誰も数えていないやりとりを交わし、ハルトリードはおずおずと離れた。さすがに往来では自重するらしい。
(ふふ……機嫌がよくなって……あ、そうか)
「何か嫌な事でもありましたか?」
するとハルトリードは目を見開いて、むっつりと頷いた。
「ごめん、今日、急にあいつが……」
「あいつ?」
ハルトリードの交友は、ほぼ仕事関係の人間が多く広く浅い。あいつ、などと気安く呼ぶ人物にリナリは心当たりがなかった。
「どなた?」
「……レオンベルド」
「まあ、弟様?」
レオンベルド・シュゼル。
他国に留学している筈のシュゼル家の次男の名が出てきたと、リナリは首を傾げた。
「どうかされましたか?」
「うん……一時的にだけど予定なく帰ってきて、その、リナリに……会いたいって……」
ハルトリードは、苛立っている。そして落ち込んでもいる。
「もしかして、今ですか?」
「ごめん……ついてくるなって言ったのに」
「ふふ……だからそんなに落ち込んでるんですね」
ハルトリードは、また目を見開いて、切なそうにリナリを抱擁した。もう往来がどうのとは考えていないらしい。
「折角久しぶりのリナリとのデートなのに……」
リナリの頭に顔を擦り付けるようにするハルトリードは、自分を分かってくれるリナリに愛しさが募って仕方がない。
「私もご挨拶がしたかったですし、それで、弟様はどこに?」
ハルトリードは一瞬押し黙って、身体を離した。しかしリナリの手を握る。
「博物館前にいると……思う。いなくてもいいのに」
「そう言わないで。行きましょう、ハルト様」
二人は指を絡ませて手を繋ぎ、目的地へ歩き出した。
どうせ今日は博物館に行く予定だ。寄贈された骨董魔道具の調整や修繕などに合わせ、特別展がある。
果たして、博物館前のガーデンテラスにその人はいた。
兄を見つけ会釈する彼は仏頂面であった。
「レオンベルド・シュゼルです」
「初めまして、リナリ・フォードと申します。ハルトリード様と婚約をさせていただいています」
リナリがゆっくりと礼をして顔を上げると、レオンベルドはその仏頂面のまま、じっとリナリを見て、呟く。
「リナリ、さん」
通常なら、その表情から不興を買ったのではと頭を過るが、リナリは何処か感覚が麻痺していた。ハルトリードもその父ジークリンドも、同じ系統の表情をしているからだ。
ただレオンベルドはどちらかというと夫人の柔らかな顔に似ている。笑みでも浮かべれば爽やかな貴公子の出来上がりであるが、しかし、いかんせん仏頂面。
「…………」
「……? あの?」
貴公子然とした青年は、しかしむっつりと押し黙っている。
「レオンベルド。もういいか。僕らは行く」
「まって。俺も一緒に行く」
兄弟は非常に物言いが似ていた。
「は?」
「いいよね、リナリさん」
まさか自分に振られるとは思わず、リナリは驚いてハルトリードを見上げた。
「やめろ。リナリが困ってる。帰って」
「兄さんには聞いてない」
リナリは、じっとハルトリードを見て、感じた。
(悲しそう……? それはどっちの?)
リナリが断ると思っている悲しみ。
断らないと思っている悲しみ。
だが考えるまでもなかった。リナリは、ハルトリードとのデートを楽しみにしていた。
それに、弟と共にと願うのならハルトリードはしっかり言うだろう。曖昧な態度でリナリに判断を委ねる真似は、きっとしない。
「ごめんなさい、今日はハルト様との約束なんです。久しぶりのその、お出かけですので……っ、きゃっ」
ハルトリードが、感極まってリナリを横から抱きしめた。
「リナリ、行こう、もう」
「え、でも……あ、レオンベルド様、それでは失礼します」
引きずられるというより抱えられるようにして、リナリはハルトリードに連れて行かれた。
残されたレオンベルドは、やはり仏頂面のままだった。
「え、やば……かわいすぎ……」
呟く。そして。
「本当、ずる……。兄さんばっかり。才能も家督相続も可愛い彼女も……何でも持ってるじゃん」
レオンベルドは二人が去った跡をじっと見続けた。
「リナリ……もう、いくの」
この世の終わりのような顔をして、ハルトリードはリナリの袖の裾を引っ張った。
「すぐに帰ってきます。準備ですから」
「うん……待ってる、いや、僕も行く」
「お仕事があるでしょ」
「寂しい、リナリ……」
「ハルト様、私も寂しいです」
リナリは一度フォード家に戻り、本格的な嫁入り準備をする事になった。
「むっつり……」
「むっつりスケベ……」
「あれ何十回見せられるんだろ……」
「膝枕もずっとしてたわ」
「リナリ様よく怒らないわね……」
「これもしばらく見られなくなるって思うと感慨深いですね」
「すぐに元通りになるわよ」
こそこそと話す使用人たちは決して周りに声を聞かせない。徹底しているのだ。
夫人も嫁入りをした立場。実家の家族と離れる寂しさをよく知っている。
「じゃあ、リナリ。しっかり準備をして、後……ご家族とよく話もするのよ」
「はい、お義母様。そうさせていただきます」
リナリは後ろ髪をひかれながらシュゼル家を後にした。
ハルトリードは、馬車が見えなくなるまでその場に立ち尽くしていた。
「忠犬ハッチーみたい……」
「主人の帰りを待つお犬様ね」
「むっつりだけどな」
「スケベだし」
使用人たちはそう言いつつ、寂しそうなむっつり顔に、少し憐憫の情を覚えるのだった。
久しぶりの実家。
リナリは胸にぽっかりと穴が空いたような気分で、家族と再会した。
しかしシュゼル家に嫁入りしたらしたで、それはまた別の寂しさが襲うのだろうという予感はある。
「ハルトリード君のお蔭でリナリが危ない目に遭わなくてよかったよ」
ロメロは少し年下の義弟が頼もしく、嬉しそうだ。
「本当ね。すぐ動いてくれたもの。愛されてるわね」
面々は、頬を染めて笑う娘が、妹が、何処か遠くへ行ってしまったような心地になり寂しさを覚えた。
「嫁に行ってもお前は大事な娘である事に変わりない。何かあればすぐ言いなさい」
「うん」
リナリは嬉しくて微笑みながらも、少し涙ぐんだ。
準備と言っても、荷造りと搬出の手配。各種手続き。友人たちとの交流の時間。リナリ自身ではあまりする事はなかった。
シュゼル家に戻ってもすぐに結婚して挙式をするのではない。その間、やはり嫁入り修行期間を設け、ハルトリードの婚約者として正式に夜会や招待された茶会へ行く。
リナリは、妙に落ち着いていた。
シュゼル家にいる間、資料を読み込んだり、義母に心得を聞いたり、義家族と交流をしたり。あの期間で、すでに心構えが出来ていたのだ。
そうして準備をゆっくりとしている中で、数日ぶりにハルトリードと会う約束もしている。
この日、リナリはめかし込んで出掛けた。
約束の時間よりかなり前から待っているらしい、待たせ人を見た。ハルトリードは小さく手を上げて、リナリに駆け寄ってくる。
(大型の犬みたい……なんて、失礼かしら。でも可愛い……あら?)
そんなハルトリードを遠目に見た瞬間、違和感に気付いたのだ。
「リナリ。会いたかった」
人通りが比較的少ない場所だが、ハルトリードはリナリを気遣って抱擁を我慢していた。
「ハルト様、お待たせしました」
リナリが両手を前に少し広げて見上げると、案の定たまらず彼の方から抱擁する。
「会いたかった、リナリ……寂しかった」
「私もです」
何度見たか誰も数えていないやりとりを交わし、ハルトリードはおずおずと離れた。さすがに往来では自重するらしい。
(ふふ……機嫌がよくなって……あ、そうか)
「何か嫌な事でもありましたか?」
するとハルトリードは目を見開いて、むっつりと頷いた。
「ごめん、今日、急にあいつが……」
「あいつ?」
ハルトリードの交友は、ほぼ仕事関係の人間が多く広く浅い。あいつ、などと気安く呼ぶ人物にリナリは心当たりがなかった。
「どなた?」
「……レオンベルド」
「まあ、弟様?」
レオンベルド・シュゼル。
他国に留学している筈のシュゼル家の次男の名が出てきたと、リナリは首を傾げた。
「どうかされましたか?」
「うん……一時的にだけど予定なく帰ってきて、その、リナリに……会いたいって……」
ハルトリードは、苛立っている。そして落ち込んでもいる。
「もしかして、今ですか?」
「ごめん……ついてくるなって言ったのに」
「ふふ……だからそんなに落ち込んでるんですね」
ハルトリードは、また目を見開いて、切なそうにリナリを抱擁した。もう往来がどうのとは考えていないらしい。
「折角久しぶりのリナリとのデートなのに……」
リナリの頭に顔を擦り付けるようにするハルトリードは、自分を分かってくれるリナリに愛しさが募って仕方がない。
「私もご挨拶がしたかったですし、それで、弟様はどこに?」
ハルトリードは一瞬押し黙って、身体を離した。しかしリナリの手を握る。
「博物館前にいると……思う。いなくてもいいのに」
「そう言わないで。行きましょう、ハルト様」
二人は指を絡ませて手を繋ぎ、目的地へ歩き出した。
どうせ今日は博物館に行く予定だ。寄贈された骨董魔道具の調整や修繕などに合わせ、特別展がある。
果たして、博物館前のガーデンテラスにその人はいた。
兄を見つけ会釈する彼は仏頂面であった。
「レオンベルド・シュゼルです」
「初めまして、リナリ・フォードと申します。ハルトリード様と婚約をさせていただいています」
リナリがゆっくりと礼をして顔を上げると、レオンベルドはその仏頂面のまま、じっとリナリを見て、呟く。
「リナリ、さん」
通常なら、その表情から不興を買ったのではと頭を過るが、リナリは何処か感覚が麻痺していた。ハルトリードもその父ジークリンドも、同じ系統の表情をしているからだ。
ただレオンベルドはどちらかというと夫人の柔らかな顔に似ている。笑みでも浮かべれば爽やかな貴公子の出来上がりであるが、しかし、いかんせん仏頂面。
「…………」
「……? あの?」
貴公子然とした青年は、しかしむっつりと押し黙っている。
「レオンベルド。もういいか。僕らは行く」
「まって。俺も一緒に行く」
兄弟は非常に物言いが似ていた。
「は?」
「いいよね、リナリさん」
まさか自分に振られるとは思わず、リナリは驚いてハルトリードを見上げた。
「やめろ。リナリが困ってる。帰って」
「兄さんには聞いてない」
リナリは、じっとハルトリードを見て、感じた。
(悲しそう……? それはどっちの?)
リナリが断ると思っている悲しみ。
断らないと思っている悲しみ。
だが考えるまでもなかった。リナリは、ハルトリードとのデートを楽しみにしていた。
それに、弟と共にと願うのならハルトリードはしっかり言うだろう。曖昧な態度でリナリに判断を委ねる真似は、きっとしない。
「ごめんなさい、今日はハルト様との約束なんです。久しぶりのその、お出かけですので……っ、きゃっ」
ハルトリードが、感極まってリナリを横から抱きしめた。
「リナリ、行こう、もう」
「え、でも……あ、レオンベルド様、それでは失礼します」
引きずられるというより抱えられるようにして、リナリはハルトリードに連れて行かれた。
残されたレオンベルドは、やはり仏頂面のままだった。
「え、やば……かわいすぎ……」
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