最弱から最強へ【擬人化】スキルによって、僕は神話級アイテムたちに好かれました。どうやら人間の仲間は必要ないようです

お茶っ葉

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第三章

第97話 大喰らい

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「さてさて、あとはこの暴れん坊をどう大人しくするかですが」

 相変わらず宝箱ミミックはカタカタと身体を揺らして蔦を食い破る。
 一向に大人しくなる気配がなかった。重量もあり持ち運びは難しい。

「やんちゃですね~」

「……ご主人様に頼る他ないのでしょうか?」

「うーむ、調べたところ☆は4.7【擬人化】には少し足りません。この状態で対処するしかなさそうです」

「あいぎすさんを返してください!」

 エルが宝箱ミミックをくすぐる。更にカタカタと震え、その度合いが強まる。

「わわわっ」

「あらら、拘束が間に合いません~」

 ついにはエルを押し返し、ユグの蔦の拘束からも逃れた。
 かなりのパワーを秘めている。転移能力だけではなさそうだ。

「ゴゴゴゴゴゴ」

 口を大きく開けて唸る宝箱ミミック。周囲の景色が歪んでいく。
 コクエンの手元にあったロストワイバーンの魔石が消失していた。

「参謀、魔石が盗まれてしまいました……。こんなの防ぎようがありませんよ……!」

「あらあら。鞄の中身も空になっています。いつの間に。神業ですね~」

 次々と手持ちのアイテムを盗まれていく。もはや天災だ。
 それでも満足できないのか、獲物を求めて身体を跳ねさせる。

「むっ……いけません。エルエル、離れてください!」

 ライブラの忠告と同時に宝箱ミミックが飛び掛かってくる。

「わぁあああああ! 真っ暗です! 何も見えません!!」

「ひえっ……エルさんの首がっ!」

 宝箱ミミックが直接エルの頭を挟み込んだ。中は収納空間に繋がっているらしく。
 エルの頭が消失して、傍から見ると首を切断されているように映っている。

「どうやら転移は生物にも作用するようです……中々に凶悪な能力で」

「で、では、この子がその気になれば、私めも食べられてしまうのでしょうか……?」

「食べるというよりかは保存に近いですね……元は宝箱ですので」

 エルだから無事なのか、それとも生命を奪う力まではないのか。 
 お試しするのはあまりに危険だ。全員がレアリティで劣っている。

 最悪ここで捕まれば、抜け出す事ができなくなる。
 現状レアリティが上回り対応できるのはティアマトのみ。

「この子にその気はまったくなさそうですけどね~」

 宝箱ミミックはエルが蓄えている龍の魔力水を狙って吸い込んでいた。
 エルは抵抗しているが、為す術がなく無理やり魔力を奪われる。
 
「手始めに魔石を狙ったあたり、強い魔力に反応しているようです。アイテムを奪うのは宝箱としての本能。魔力は宝箱ミミックとしての食事なのでしょう。エルエルは先程ユグちゃんに龍の魔力水を譲渡していましたので、次の獲物として狙われましたね」

「トロンさんに似て食いしん坊です……!」

「という事は、満腹になれば大人しくなるのでは~? トロン様も食事のあとはいつも眠そうにされていますので~」

「試してみる価値はありそうです……エルエル、そのまま魔力を与え続けてください!」

「わああああああ」

 気が付けばエルの上半身も消滅していた。
 そのまま直接龍の魔力水を与え続けている。

「足りません、まだ足りません~! 底なしです~!」

「コクエンちゃんとユグちゃんも援護を!」

「了解です!」

「は~い!」

 三人が魔力を放出して宝箱ミミックに食べさせていく。
 想定外の食事量に宝箱ミミックは大人しくなっていく。

「わああああ、やっと見つけました!!」

 そしてエルが、その隙に何かを引っ張り上げる。
 地面を転がったのは虹色に輝く【アイギスの神盾】。

「おおっ、噛まれながら助け出すだなんて流石はエルエルです。ただではやられませんね!」

「えへへ」

 相変わらず首から先は消えているが、エルは嬉しそうに笑う。

「ここまで来れば私様たちの勝ちです。アイちゃんの神話級の魔力をお借りしましょう!」

 ライブラが盾に触れて、スキルリンクを発動させた。
 疑似的に神話級に到達したエルたちが宝箱ミミックに餌を渡す。

「ゴゴゴ……ゴ」

 許容量を超える魔力を与えられ、満足した宝箱ミミックはコテンと倒れる。
 すると簡単に持ち運べるだけの重さになる。質量すらも自在のようだ。

「ふぅ……エルの龍の魔力水もカラカラです……」

「フロアボスよりも数倍厄介でしたね……」

「かなりの問題児となる気がしますが、ロロアさんでしたらきっと上手く手懐けてくださる事でしょう」

「探索部隊任務完了です~」
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