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2章 魔術対抗試験編
ヴォルガンの力
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「とにかくこのヴォルガン・デスウィスパーの邪魔をするな 」
「デスウィスパー? もしかしてお前……魔族か? 」
まさかとは思うが、デスウィスパーとは魔族へ寝返ったウィスパー家の一人なのか。
「ほう、どうやら魔族に会うのが初めてではないようだな。ああ、そういやお前の仲間に魔族がいたが、それで詳しいのか 」
「だが、俺は魔族であって魔族ではない 。魔族のなりそこないだ 」
「……? 」
「ウィスパー家として魔族に寝返ったが、魔族になりきれなかった。つまり魔族にもなれず、ウィスパー家も裏切ったどっちつかずの半端野郎ってことだ 」
「……そんなやつがなぜミアとセリアを? 」
「話は終わりだ……。 まずはセリア・ウィンドウィスパーを殺しに行く。ミア・ローズにはまだ役目があるからな 」
「俺はそれを止めに来た! 」
「いいだろう。 今のお前は相手にならん 」
ここで止めなければ、おそらくミアとセリアは殺されてしまうだろう。
ここ地下2階には参加者10人のうち5人が降りることができる。
今のところミア、セリア、ライラ、ケビン、俺。
つまりもう5人揃っているのだ。
ケビンは魔族側の協力者だとしてミア、セリアは戦闘不能に近い。
ライラはケビンと戦闘中で、このヴォルガンとやらと戦う体力が残っているとも思えない。
つまり、実質俺が最終防壁なのである。
ドンッ───
「グハッ! 」
突然の衝撃に頭がついてこない。
気づけば腹部への強い鈍痛と背部への衝撃が走っていた。
どうやらヴォルガンに一撃加えられ、壁に背中から激突したようだ。
そして今の俺は地面に這いつくばっている。
全く攻撃が見えなかった。
「はははっ! 以前の強さはどうした? ここまで相手にならないとは思わなかったぞ 」
やはり魔族とは伊達ではない。
今の俺の魔力量はここまでの戦いでかなり使った。
残りの魔力量は500程度といったところか。
大した魔法は使えないし、この程度の魔力を纏ったとしても相手の速さにはついていけないだろう。
だが、俺にはエーテルバフ以外今は使うことができない。
どうにか倒す方法を……。
「……ここを通す訳には……い…かないっ! 」
「そんな弱いエーテルバフを纏ってこの攻撃を防げるのか? 」
「……グッ! 」
「こいつ俺の一撃を止めたか 」
俺はここで守りに徹することにした。
全魔力を反射神経と守りに捧げることにし、ヴォルガンを打撃を一度だけ防いだのだ。
「なんだ、魔力が吸われるっ! 離せ……なぜ力が強くなっているのだ! 」
そう、俺の目的はヴォルガンから魔力を吸い取り、戦えるレベルまで魔力量を引き上げることだ。
そんなこと出来るものなのか確信はなかったが、どちらにしてもこれができなきゃ俺は殺されていた。
できたからといって殺されないとは限らないが。
「よし、ここからが本当の戦いだ 」
「ふんっ! その程度で調子に乗るなよ。土超上級魔法【 ストーンブレイク 】 」
岩石とも呼べるほどの大きな岩を無数に創り出し、こちらへ全て飛ばしてきた。
「そんなもの飛ばしてきても無駄だ! 」
実際この程度の魔法なら魔力を消費せず纏った魔力のみで破壊できた。
「そうか、少しお前のことを甘く見ていたようだ。 闇魔法【 ダークネスソード⠀】」
あれは闇魔法で創った剣のようだ。
この無属性エーテルバフで受け切れるのか。
「……なっ! 当たるっ! 」
ヴォルガンはさらに速度を上げて斬りかかってきた。
ブシュッ───
「くっそ、避けれなかった 」
エーテルバフを纏っていたため、傷は浅いが、身体の中に闇が入ってきて、魔力を奪っているような感覚がする。
「まだだァァァ!! 」
ブシュブシュブシュッ───
「このキズの量、ヤバいかもしれないな 」
身体中に闇が巡っている感覚がし、魔力を感じなくなってきた。
「さてどうする? お前はどちらにせよこのまま闇に飲まれ死に行くだけだが 」
マジで?
俺まだ死にたくないんだけど。
でも確かにこのままだと……死ぬな。
やり残したことまだまだあるけど、最後に仲間を守れずに死ぬってのはやり切れないものがある。
何にせよ俺はチート主人公でも世界の救世主でもない。
当たり前だが、ただの人間だったんだな。
(春陽よ、何を一人で感傷に浸っているのだ )
……!?
この声、神龍アウロラ!?
「デスウィスパー? もしかしてお前……魔族か? 」
まさかとは思うが、デスウィスパーとは魔族へ寝返ったウィスパー家の一人なのか。
「ほう、どうやら魔族に会うのが初めてではないようだな。ああ、そういやお前の仲間に魔族がいたが、それで詳しいのか 」
「だが、俺は魔族であって魔族ではない 。魔族のなりそこないだ 」
「……? 」
「ウィスパー家として魔族に寝返ったが、魔族になりきれなかった。つまり魔族にもなれず、ウィスパー家も裏切ったどっちつかずの半端野郎ってことだ 」
「……そんなやつがなぜミアとセリアを? 」
「話は終わりだ……。 まずはセリア・ウィンドウィスパーを殺しに行く。ミア・ローズにはまだ役目があるからな 」
「俺はそれを止めに来た! 」
「いいだろう。 今のお前は相手にならん 」
ここで止めなければ、おそらくミアとセリアは殺されてしまうだろう。
ここ地下2階には参加者10人のうち5人が降りることができる。
今のところミア、セリア、ライラ、ケビン、俺。
つまりもう5人揃っているのだ。
ケビンは魔族側の協力者だとしてミア、セリアは戦闘不能に近い。
ライラはケビンと戦闘中で、このヴォルガンとやらと戦う体力が残っているとも思えない。
つまり、実質俺が最終防壁なのである。
ドンッ───
「グハッ! 」
突然の衝撃に頭がついてこない。
気づけば腹部への強い鈍痛と背部への衝撃が走っていた。
どうやらヴォルガンに一撃加えられ、壁に背中から激突したようだ。
そして今の俺は地面に這いつくばっている。
全く攻撃が見えなかった。
「はははっ! 以前の強さはどうした? ここまで相手にならないとは思わなかったぞ 」
やはり魔族とは伊達ではない。
今の俺の魔力量はここまでの戦いでかなり使った。
残りの魔力量は500程度といったところか。
大した魔法は使えないし、この程度の魔力を纏ったとしても相手の速さにはついていけないだろう。
だが、俺にはエーテルバフ以外今は使うことができない。
どうにか倒す方法を……。
「……ここを通す訳には……い…かないっ! 」
「そんな弱いエーテルバフを纏ってこの攻撃を防げるのか? 」
「……グッ! 」
「こいつ俺の一撃を止めたか 」
俺はここで守りに徹することにした。
全魔力を反射神経と守りに捧げることにし、ヴォルガンを打撃を一度だけ防いだのだ。
「なんだ、魔力が吸われるっ! 離せ……なぜ力が強くなっているのだ! 」
そう、俺の目的はヴォルガンから魔力を吸い取り、戦えるレベルまで魔力量を引き上げることだ。
そんなこと出来るものなのか確信はなかったが、どちらにしてもこれができなきゃ俺は殺されていた。
できたからといって殺されないとは限らないが。
「よし、ここからが本当の戦いだ 」
「ふんっ! その程度で調子に乗るなよ。土超上級魔法【 ストーンブレイク 】 」
岩石とも呼べるほどの大きな岩を無数に創り出し、こちらへ全て飛ばしてきた。
「そんなもの飛ばしてきても無駄だ! 」
実際この程度の魔法なら魔力を消費せず纏った魔力のみで破壊できた。
「そうか、少しお前のことを甘く見ていたようだ。 闇魔法【 ダークネスソード⠀】」
あれは闇魔法で創った剣のようだ。
この無属性エーテルバフで受け切れるのか。
「……なっ! 当たるっ! 」
ヴォルガンはさらに速度を上げて斬りかかってきた。
ブシュッ───
「くっそ、避けれなかった 」
エーテルバフを纏っていたため、傷は浅いが、身体の中に闇が入ってきて、魔力を奪っているような感覚がする。
「まだだァァァ!! 」
ブシュブシュブシュッ───
「このキズの量、ヤバいかもしれないな 」
身体中に闇が巡っている感覚がし、魔力を感じなくなってきた。
「さてどうする? お前はどちらにせよこのまま闇に飲まれ死に行くだけだが 」
マジで?
俺まだ死にたくないんだけど。
でも確かにこのままだと……死ぬな。
やり残したことまだまだあるけど、最後に仲間を守れずに死ぬってのはやり切れないものがある。
何にせよ俺はチート主人公でも世界の救世主でもない。
当たり前だが、ただの人間だったんだな。
(春陽よ、何を一人で感傷に浸っているのだ )
……!?
この声、神龍アウロラ!?
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